みんなのシネマレビュー |
|
1. 罪の声 《ネタバレ》 原作未読です。ものすごくよかったです。2時間20分を飽きさせない脚本に加えて役者たちが全員すばらしい演技でした。とくに聞き込みに行った先々で、ちょっとだけ出番があった役者たちの役作りが完璧でこの映画を安っぽいフィクションではなく、リアリティーのあるドラマにしていました。素晴らしいキャスティングです。グリコ森永事件を題材にしている以上ちゃちな脚本では突っ込みどころ満載のしょぼい映画になりかねないところをきちんと説得力のある物語にしていたのは素晴らしかったです。ラストのテーラーの室内シーンからパッとエンドロールに切り替わるのも良かったです。俯瞰の街並みが映ったりしなかったのは素晴らしい。いい監督だと思いました。 それにしても、真犯人達雄が子供たちは幸せに生きていると思っていたのが笑止千万です。たった300万円の金をつかませて逃がしただけで、その後の人生がまっとうなものになると考えていたとしたらまさに世間知らずの革命家であり、この犯人にしてこの犯罪ありと思ってしまいました。説得力のある犯人造形で見事です。 過不足無い美しく丁寧な映像も作品の内容にマッチしていました。[インターネット(邦画)] 9点(2023-05-14 21:23:44)《改行有》 2. 椿三十郎(2007) 《ネタバレ》 黒澤明版とまったく同じ脚本を使って、カメラアングルもほとんどそのままにリメイクした意味は何なのだろう。何せ脚本が抜きん出ているために映画そのものは見ていて飽きさせない、そして、面白い。ただ、こうなると役者の差が顕在化してしまう。不世出の天才三船敏郎と織田裕二では勝負にならない。頑張った織田裕二には悪いが、月とスッポンだと思う。仲代達也と豊川悦治も月とスッポンだ。でも、脚本の面白さで2時間飽きずに観れてしまう。ぐいぐい引っ張っていく脚本はやはり素晴らしい。黒沢版の突っ込みどころである何故あそこで椿三十郎を切り捨てずにわざわざ手間暇かけて縛り付けるのかという点がそのまま突っ込みどころとしてあるが、それよりも俳優陣の貧弱さゆえにかえってその突っ込みどころが目立たないという珍現象が起きている。何はともあれ脚本に7点。[インターネット(邦画)] 7点(2023-01-25 00:17:38) 3. 冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 見るのは2回目だけど、1回見ただけではグロさとエロさだけが記憶に残っていてストーリーは覚えていなかった。登場人物がみんな異常で、最後に娘しか生き残らないという救いのない映画。警察が殺人現場に乗り込むのになぜ妻子を同行させたてたのかがナゾ。そして刑事二人だけで現場に乗り込むというリアリティーのなさ。その辺がもうすこしシビアに描けていたら多少は共感できたかもしれない。映像や演技の迫力はあったのでそれはそれで見応えはあったけど、ちょっと時間の無駄なような気もした。[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-22 18:03:14) 4. 罪の余白 結構地味な展開ですが、オチがちゃんとついたのでそこそこのカタルシスは得られる。内容的には好きなタイプの映画。内野聖陽は旨味のない役を丁寧に演じていて素晴らしいと思う。[インターネット(邦画)] 6点(2021-02-02 15:10:14) 5. 椿三十郎(1962) 《ネタバレ》 この映画に対して、思想性とか哲学とか人間の本質とかいったものを求めてはいけないと思いながらも、あまりの無意味さに空振り感が半端ない。エンターテインメントと割り切っても面白くないのはなぜだろう。三船が絶対活躍するというベタな設定。裏切っていたと発覚しても、切り殺さずに「時間がない、そんなのは後にしろ」って石に縛り付けるのはいかがなものか。石に縛り付ける方が、切り殺すより時間も手間もかかるのに。あまりにもご都合主義が過ぎると思う。[映画館(邦画)] 4点(2021-01-03 19:08:09) 6. 妻は告白する 《ネタバレ》 若尾文子が、小芝居尽くしの演技をしているのでびっくりした。でもそれが許されてしまうだけのキャラクターを持っているのは凄い。 しっかりとした演出で見ごたえもあるが、オチはあれでいいのか?悪女を予想していたのに見事に肩透かしでした。[映画館(邦画)] 6点(2020-03-21 20:21:03)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS