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1. ディアボロス/悪魔の扉
《ネタバレ》 何度見ても、やっぱり「笑うセールスマン」を思い出すなぁ。人間やっぱり、辛い思いより楽しい思いの方がいいし、日々の食費を切り詰めるより、余裕のある暮らしの方がいいに決まっているもんなぁ。隣りの芝生より綺麗な芝生を欲しがるのは虚栄かもしれないけど、そういう欲があるから向上心もあるわけで、そういうところに付け込まれたら、人間、ひとたまりもありませんって。確かに、人が作り出した悪魔そのものかもね。「ノイズ」もそうだけど、セロンは、こういう、だんだん正気を失っていく役が上手い。それに、本作のキアヌの存在感は、凄い。この二人のラブラブぶりは、いっそ微笑ましいくらい。それだけに、メアが死ぬシークエンスは、思わず固まってしまった。「It’s time」と言ってケヴィンが自殺する時のキアヌの表情は、魅入ってしまう。落ちは・・・、クライマックスでのミルトンとのやり取りの中で「地元の新聞記者」の話題まで出てるだけに、ちょっと浅はかだな。でも、「虚栄は私の好きな罪だ」って言って、ニシャッと笑うパチーノの顔は、ラストのラストで初めて悪魔が正体を現したって感じがよく出てる。個人的には、ケヴィンのお母さん役の人の、味わいがいいな。なんだかんだいって、お母さんっ子なケヴィンの雰囲気も出てるし。気分の良い映画ではないけど、あそこまで色気に頼らなくても良いような気がするけど、キアヌの迫真の演技が見られて満足。8点(2003-08-30 00:35:08)
2. テルマ&ルイーズ
ブラピ・ファンにとっては、大恩ある映画ではあるんですけどねぇ。どうしても「好きな映画」とは言えない。テルマとルイーズの二人も、抜き差しならない状況の中で、二人きりに追い込まれていっただけだし、これを「女の友情」だと言われてもなぁ。それにしても、セクハラの暴言で人ひとり殺しちまうほどのトラウマ抱えてるルイーズに、プロポーズの指輪持って駈けつける男がいるってのが、不思議でならない。本作を見ながら、「ヒミツのお願い」がどうしても被ってきたのだが、多分、本作からは初めから度外視されてる「子供」というファクターを入れてコメディに仕立てたのが、「ヒミツのお願い」なのかな。両作品共にブラピが出ている為かもしれないが、両作品共にブラピが出ているというのも、面白い。ラストまで辿り着くのに、かなり忍耐の要る作品だったが、ラストのデイビスとサランドンの表情は圧巻。作品には共感出来なかったのに、思わずグッときたものなぁ。ブラッド・ピットは、そりゃあ、あの笑顔ですよ。6点(2003-06-16 01:31:46)
3. デビル(1997)
アラン・J・パクラは、いったい何を考えて、この映画を撮ったんだろう? そもそもストーリーが一本化していない。今に至るまで火種の収まっていない北アイルランド問題を取り上げたかったのか、単に警官ヒーロー物にしたかったのか。どちらにも絞れなかったことで、ストーリーは、まったくチグハグになってしまっている。はっきり言って、構成がスカなら、脚本はベタベタの真っ黒。いっそ、ハリソン・フォードにおもねって、警官ヒーロー物に仕上げた方が、まだマシと、本作を観た当初は思った。が、久し振りに観た本作で、ピット=フランキーが映画の序盤に、「怒りに目覚めて、人は初めて関心を持つんです」と言った科白の直後に、「マンハッタンだ」と感嘆して言うフランキーの目前に、ツイン・タワーが見えるシーンが映る光景は、今となっては、ある意味、象徴的で、本作がもし、ピット=フランキーを中心にして、北アイルランド問題をもう少しでも掘り下げていれば、「怒りに目覚めて、人は初めて関心を持つんです」という科白と共に、かなり含蓄のある作品になっていたのかもしれないなぁと、今だから、思える。作品の出来を度外視すれば、ブラッド・ピットが出演した作品の中では、ブラピが一番可愛い作品だと思う。「リック」より、「テルマ&ルイーズ」より、「リバー・ランズ・スルー・イット」より、「ヒミツのお願い」より、なんだか、気合いを込めて可愛いと思った。6点(2003-02-23 23:35:20)
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