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プロフィール |
コメント数 |
73 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
映画をいっぱい観るようになったのは、大学生になってから。 映画を創作できること自体とてもすごいことだと思うので、 なるべく誠意のあるレビューを書こうと思っています。 好きな映画のレビューだけ書こうと思っていたのですが、 ちょっと個性が埋没してしまいそうなので、おいおい酷評も 入れちゃおう。
☆好きな監督☆
黒澤 明 山中貞雄 溝口健二 エルンスト・ルビッチ フランク・キャプラ ビリー・ワイルダー アルフレッド・ヒッチコック ミロス・フォアマン チャン・イーモウ |
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1. デイ・アフター・トゥモロー
《ネタバレ》 いやはや、エメリッヒ監督の愛国心にはさすがに頭が下がります。これは「アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のための映画」と言い切ってしまってもいいのではないでしょうか。この映画の骨格を成しているのは地球温暖化?環境問題?それとも父子の親子愛か?いやいや、どうも違うような。。。そうではなくて、この映画の主題はまさに孤立してく現代アメリカへの警告でしょう。襲いくる大津波や凍りついていく大地。そして約束を果たさんとする父の勇姿と息子の信頼。これらのスリルや感動は見事なアミューズメント。でも、こうした「前振り」を楽しんでしまったあとに残るのは、国境を越えて南の国に逃れる「おごれる北の人々」の無惨な画であり、見事に北半球だけ凍り付いた地球の姿です。エメリッヒ監督は、この「おごれる北の人々」に警告を発すると同時に、世界の中で孤立していきそうな現在のアメリカの姿をここに提示しているのでしょう。しかも、大統領がいとも簡単に消されてしまうプロットに至っては、まさにこの憂いがアメリカ人の民意なのだと言いたげです。そして、ラストシーケンスでは「アメリカは孤立しない」という無邪気でストレートな物言い。CGは世界最高峰で文句なし、その意味ではハリウッド大作なのですが、このエメリッヒという人、あくまでも「庶民派」の監督さん、いつもアメリカの民衆の味方なのです。「アメリカ万歳」でいいじゃない。日本も「日本万歳」の映画をもっと作ったらいいのです。7点(2004-07-05 23:16:45)(良:1票)
2. 天空の城ラピュタ
宮崎ファンの間では「ナウシカ派」と「ラピュタ派」に分かれるそうで、もっとも何を根拠にそうゆう区分になっているのかは不明なのですが、どちらが好きかと聞かれたら、自分は明らかに「ラピュタ」の方かな。アニメーションの技巧についてはよく分からない事だらけなのですが、十分楽しめる仕上がりです。多くの人にお勧めできます。ワクワクドキドキで目が離せない展開は第一級の活劇アニメとして確固たる地位を占めていることを十分納得させてくれるものですし、テーマも解りやすくてストレート。到底反論できる余地はないです。この頃の宮崎アニメは余韻に乏しいところがあるものの、かなり気風がいいですよね。あれやこれやと詰め込み過ぎてないところがいいです。深みに乏しいと言ってしまえばそれまでなんでしょうが。ただ、この映画は自分にとって、完全に「恋愛ドラマ」。テーマそっちのけで、少年バズーと少女シータとの恋愛ドラマに気持ちが行ってしまいました。この二人のやり取りは大変奥ゆかしく、実際のところ、かなりノスタルジックな思いにかられてしまい、感動しきりでした。夜中に見張りについたバズーの後をこっそり追いかけるシータ。それを見守る大人たち。いつまでもこの二人の優しさにあふれたやり取りを観ていたい。映画が終わっても、またいつかこの二人に会いたい。そんな思いがしました。この映画の中には完全にロマニズムの要素があります。すでに青春時代を終えている自分にとってはこれがどうしようもないノスタルジックな思いへと変貌して胸が締め付けられる思いがしました。彼等が羨ましかったのかも知れません。あるいは嫉妬心なんでしょうか。まさか。でも、これは確かな思いです。こうゆう見方が正しかったのかどうかは解りませんが、何はともあれここまで引き込まれてしまっては傑作としないわけにはいかないです。9点(2004-03-28 23:20:36)
3. 天国から来たチャンピオン
割と好き嫌いがハッキリする映画ではないかと思いますが、元気が出ると言うか、前向きになれると言うか、映画の効用と言うべきものがいっぱい詰まっていて、大好きな映画の一つです。オリジナルの『幽霊紐育を歩く』は観てないのですが、シンプルなストーリーの中に散りばめられた毒のない笑いのアクセントがとても心地いいです。大富豪の夫を殺そうとする妻と秘書でさえも、微笑ましく思えてしまいます。国旗を掲揚しながらの空砲が、幕間のようなオチを作っていたり、銃声を消す小道具になっていたりと、なかなか重要な役割を持っていて印象的。天使に間違われて、天国に連れて行かれたと思ったら、他人の体を借りて地上に降りる。言ってみれば、相当なファンタジーなのですが、むしろこの映画における最大の奇跡は、ジョーのどこまでも前向きで、純粋な人間性でしょう。どんな環境にあっても、どんな立場に置かれても、自分らしさを失わない彼こそ奇跡の人。肉体は朽ちようとも、その人の人間性は、きっと生きている誰かの心に残っていくのだということを教えてくれるラストシーンに素直に共感しました。8点(2004-03-03 22:07:02)(良:3票)
4. 天国と地獄
《ネタバレ》 物語は人質を救い出すまでと、その後に犯人を追いつめていく過程とに分けることができますが、後半の「犯人に死刑を」という捜査官の異様なまでの執念は、誘拐という罪に対する量刑の軽さに抗議するとともに、犯罪を徹底的に処断するという黒澤監督自身の執念の現れでしょう。犯人を泳がせて犯行を再現させるという、いささか強引で不自然な展開はこの執念によって生み出され、ついには「これで貴様は死刑だ」という台詞にまで踏み込んでいきます。全編に渡ってパンフォーカスが駆使されていて、特に権藤邸のシーケンスにおいて、同情する警部や思惑を持った権藤の秘書など、台詞を語る人物以外の表情を同時に映し出すことで観客の感情をかき立てていきます。ラストシーンで犯罪者と権藤を対面させ、動機を語らせますが、ここでも犯罪に対する同情的な眼差しは一切ありません。わめきちらす犯人を鉄格子を降ろして突き放します。著作『蝦蟇の油』の中で黒澤監督は「犯罪者を生み出したのは社会の欠陥だとする理論には一面の真理はあるにしても、それを根拠に犯罪者を弁護するのは社会の中で犯罪に走らずに生きる人達を無視した、詭弁に過ぎない」と語っていますが、この映画はまさにこの考え方をそのまま映像化した作品と言えるのではないでしょうか。8点(2003-12-31 02:52:03)(良:2票)
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