みんなのシネマレビュー |
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1. 電車男 話題にもなり、社会現象的にも大きく取り上げられ、TVドラマも大ヒット。今更、DVDで観賞とは、随分と遅れた自分ではありますが、なかなか良かったです。オタクの初めての恋愛物語を面白可笑しく、映画ならではの誇張を交えながらよく描けています。これも純愛なのかな。よくある日常の中での、些細なきっかけ。酔っぱらいにからまれた美女を救うという、決してないとはいいきれない場面に遭遇した主人公。彼がオタクでなかったら、こうまで感情移入できなかったです。思わず応援したくなる設定だからこそ、観てしまうのですね。苦しい、人を愛するのは、好きになるのは苦しいと彼がメッセージを送る所は、じんと来ました。心の痛み、でもその痛みはただ痛いだけじゃなくて、機械では決して味わうことの出来ないもの。相手がいて相手の事を想い、想い、想い感じるもの。切なくていいなあ。秋葉原が幻想的に描かれる抱擁のシーンは素敵です。あと、中谷美紀さんの声がいいですね。好きな女優さんです。[DVD(邦画)] 7点(2006-07-18 10:02:58)(良:1票) 2. デビルマン 怖いもの見たさという人間の基本的な心理に屈して見てしまいました。数々の罵声、罵倒、低俗映画の際たる評価を受けてのこの作品。レンタルコーナーにおける、新作でありながら誰も借りていない事実を見ても、ある意味偉大な作品かも知れません。俳優というよりはただの人が出ている映画です。演技とか声の発し方とか、そんなことおかまいなしに進むこの強引な作品には、感想すら浮かびません。原作を知っています。永井豪のファンでもあります。しかし、制作していいものと悪いものとの区別ぐらいはつくのではないだろうか。何の判断基準があってこの映画がロードショーとなったのか。ぶつ切れのストーリー。どこかで見たような視覚効果。噂ほどではない戦いのシーンとか、どこをどう切っても「凡作」以下の「駄作」でしかありません。映画制作を志す若い人達がもしこの映画を見て、この程度でも商業として成り立つんだと感じたならばこれはもう立派な犯罪です。でも、反面教師にはなるでしょうね。この面白なさを越える作品などもう出て来ないでと、今は祈るばかりです。[DVD(吹替)] 1点(2005-05-28 10:51:44) 3. テキサス・チェーンソー 《ネタバレ》 つい最近まで「バイオハザード4」というゲームをやっていたものですから、映画の中のチェーンソ-男が怖くて怖くて。あと、建物や、出てくる人物達が(若い方でなくて)ゲームと見事にオーバーラップしてしまい、「うへぇ~」と声を上げながら見てしまいました。色調的にも錆びたドア、朽ちた車、人の生命感のない部屋、調度品などが、不参材料としてこれまたゲームと重なるのです。前作は観ています。後味の悪さでは今作も決してひけをとっていません。むしろ、よりリアルになっている気がします。何よりも空気ですか。この映画の肝とも言える熱さ、汗の描き方、乾いているような、埃っぽい空気が全編に漂い、クライマックスの雨が少し心地よくもありました。でも、こめかみに小さい針をちくちく刺されているような観賞時間は人を選ぶかも知れません。自分的には不快を不快らしく見せる徹底した姿勢が好きなので良かったです。[DVD(字幕)] 7点(2005-04-19 18:47:09) 4. デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 遂にというか、やっとというか、観る事が出来ました。映画館へもタイミングが合わず中々いけず、仕方なくDVDでの観賞となったわけです。こういう災害スペクタクル映画は大きなスクリーンじゃないと、やっぱり臨場感に乏しく、映画の持つ視覚メッセージも半減してしまいます。ただ、この秋集中して起きた台風や地震のことを考えると、TVというフレームは怖い物で、絵空事のようにはとても思えなくて、雨の描写や洪水、雲の無気味な動き等が、リアルに迫ってきます。人類への警鐘という意味では、何かしら考えさせられるものがありました。誰も観た事がない氷に閉ざされたニューヨーク。瞬間に凍る恐怖。その寒さの描写は「真冬に見なくてよかった」と感じさせるほど、自分の体感温度を引き下げました。しかし、息子を救うというストーリーに集約された後半は、少しきびしいものがありました。別に英雄を描こうとしたわけではないのだろうけれど、父親のスーパーマンぶりが、せっかくのリアリティをこわしているように感じます。災害の現場においては、必死に生きようとするものこそ、ある意味英雄なわけで、主人公以外の人達のことが、物凄く気になりました。最後は、ビルの屋上で救援を待つ描写で見せてはくれているんだけど。でも、映画ならではの視覚表現は見事だと思います。7点(2004-11-15 13:09:16)(良:1票) 5. デッドコースター 《ネタバレ》 前作の恐怖をそのままに、より残酷によりスピーディーになった本作品。確かにインパクトの点では、前作の続編ということもあり多少欠けますが、その分「見せる」ことに徹した事が成功していると思います。特に最初のハイウェイのシーンは、よくもこれだけ悪いことが重なるなあ、と言わせんばかりの事故っぷり。その不安感募らせるカットの積み重ねは上手に決ってます。「運命」からは誰も逃げられない。その見えない糸に絡まれた状態の恐怖が、次から次へと展開しますが、今回は少しグロっぽい描写を多くして、刺激のアクセントをつけています。殺され方のカタログみたいな、あの手この手による事故描写は面白いですね。映画ならではの表現だと思います。6点(2004-04-02 17:09:17)(良:1票) 6. 出逢い レッドフォードである必要が果してあったのじゃろうか?の映画です。「裸足で散歩」の名コンビで見せる黄昏ドラマなのですが、精悍なサンダンス・キッドの面影何処?のレッドフォードなので、少しさびしい限り。そう思わせる制作者さん達の狙いなら見事に当たっているのでしょうけど。レッドフォードファンにはきつかったです。内容はいいと思います。原題が「電飾馬男」(直訳しすぎ!)ですか、嬉々として演じているのは分るのですが。6点(2004-03-25 11:37:21) 7. DEAD OR ALIVE 犯罪者 《ネタバレ》 日本映画のパワーヒッターと言いましょうか、三池監督の会心作。ヤクザと警察の対立を描いた作品で(銃撃戦、裏切り、復讐といった定番所はちゃんと押さえつつ)かなりの見応えがあります。まずはオープニング。短いカットで繋がれていく場面描写は物凄くスピード感あふれ、音楽もいい。見せている内容もエロ・グロ間際の映像で、腹からラーメンが出て来るか?の疑問符も吹っ飛ぶくらいの迫力。中盤は中盤で、ここは一体どこの国と思わせる描写のオンパレード。無国籍すぎるくらいの「場」の撮り方が異様な高揚感を誘います。そして問題のラスト。今まで映画の中で作り上げてきた緊張感を全て「無」にするといってもいいくらいのはじけっぷりに唖然。これを予測できてた人は世界中に誰もいないのでは。ショックでした。暫くは。でもその後、大笑いしてしまいました。ここまでできるなんて。映画の常識以前に人間の思考としての在り方に、新しい脳の使い方を観たような気がしました。自分の中では「傑作である」の言葉しか浮かんできません。9点(2004-03-22 10:40:54) 8. 地球へ・・・ 映画が原作(漫画)を越えられなかった。漫画のコマの方がよっぽど映画的だったといえば、怒られるだろうか。竹宮恵子氏の原作で描かれていたソルジャーブルーの哀しみは、セル画になるとどっか飛んで行っちゃたんだね。情緒のある展開が魅力の内容なのに、普通のSF大作みたいに変身して。ダ・カーポの歌は、なんとも明るく、軽く、まるでジョークですみたいなノリで。「カム・ホーム・ツウ・テ~ラ」なんて。ちょっと悲しくなりました。原作は今読み返しても面白いし、名作ですね。6点(2004-03-10 17:34:55) 9. ディープ・ブルー(1999) 《ネタバレ》 レニ-・ハーリンがやりたい事をやっちゃいました!ってな作品です。よくもこれだけ、海中も海上もピンチな状況をつくるわ。出演者達を苦しめているとしか思えないシチュエーションは、さすがの監督。「ダイ・ハード2」「クリフハンガー」でも、痛めつけられる時に痛めつけておこうなんて、そんな気のする場面がいっぱい。あのサミュエル・L・ジャクソンがさっさと死んじゃうし、大体生き残りは男女と相場が決っているのをあっさりくつがえすし、何やら得体の知れない映画を観ている興奮がありましたな。いやあ、ここまでやると気持ちいいやろね。監督も。惜しむらくは、それが観客の気持ちの昇華と合わさらないこと。引いて観てしまう所もあったしね。7点(2004-03-09 17:17:57) 10. ディープ・インパクト(1998) 《ネタバレ》 パニック映画なのかな。なんかとても普通に観れました。ドキドキやハラハラも感じずに。盛り上がるシーンはTVでいやと言う程見せられていましたから、免疫が出来たのか「うん、こんなんやったね」の確認ぐらいですませられるものでした。大作であることは間違いのないことなんだけど、どうにもスケール感が伝わって来ません。この手の映画を多く見過ぎているのが悪いのか、同じ作風になるのが分かってしまうのですね。人物をもう少し掘り下げて、ほんでもっと身近にさせる工夫があれば、と思います。TVのスペシャルみたいな印象を持ってしまうのです。5点(2004-03-09 17:10:33) 11. 天国に行けないパパ 勘違いギャグの典型とも言えるパターンを踏襲し、うまくまとめた映画です。チグハグな会話の存在も、勘違いから生まれた主人公の大胆な行動も、周りの状況も全てツボにはまった「笑い」になっています。それだけでなく、家族とのやりとりにも暖かいものを感じさせ、ホロリとさせる場面も。有名な俳優やスタッフが関わっているわけでもないのに、しっかり面白い。公開当時あまりヒットしませんでしたが、未見の人は是非ビデオで。いいですよ。コレ。7点(2004-03-09 11:58:12)(良:1票) 12. 天国と地獄 《ネタバレ》 映画館のスクリーン(ワイド)を考えて生み出された構図の妙。何で、こんなにも絵的にバランスが良いのだ!そこには、視覚的に見せるという、黒澤の娯楽としての基本姿勢が徹底されているのでしょう。パンフォーカスという手法にしても、一筋のピンク色の煙りにしても、画面構成のテキストみたいにカチッとまとまっています。職人の仕事というより、神の手技みたいなものを感じます。それにしても凄い緊迫感。そして焦燥感。追う刑事。追い詰められる犯人。ラストの対面。どの場面にも、説得力の有る構成が成されていて、見ていて息がつまりそう。そして、それが「映画」を見る快感なのだと、気付かせてくれるのです。やっぱり、黒澤監督、凄いです。9点(2004-03-08 15:31:17) 13. 天国から来たチャンピオン 何とも優しい映画。観ていて心がほのぼのとする映画。古き良きアメリカを、現代に蘇らそうと、W・ビューティが頑張ったいい作品です。全編に漂うのんびり感、ギスギスしていない、時間に追われない物語の進行具合が非常に快感になります。テンポという意味では、合わない人もいるでしょうが。愛の不変性をうたうラストは、今観てもいいですね~。2人寄り添いながらフィールドへ消えていくシーンは、ジーンときます。9点(2004-03-03 10:19:09)
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