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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  天井桟敷の人々 《ネタバレ》 悪党文筆家のラスネールは世間を憎み、自尊心だけで生きている。ガランスに恋しているが、それを認めたくない。役者のルメートルは言葉巧みに女性を操るドンファンで、ガランスと一夜を過ごすも戯れの恋に過ぎなかい。が、再会してガランスのバチストへの愛の告白を聞くと嫉妬してしまう。しかしその嫉妬を演技に生かして成功する。大富豪のモントレー伯は権力と富でガランスを愛人にできたが、嫉妬深く、ガランスの心に愛する人がいるのを許せない。無言劇役者のバチストはガランスに一目惚れするが、恋の未熟さゆえにガランスに失恋し、他の女と結婚するが、ガランスと再会して恋の炎を再燃させる。ガランスはあらゆる束縛を嫌い、全てから自由でいたい神秘の女。富、地位、名誉、恋から自由のつもりだったが、純真無垢なバチストを愛していることに別離してから気づく。隠し立てが嫌いで、自分の気持ちを誰彼となく伝えてしまう。女優のナタリーはバチスタを一途に愛していた。愛を勝ち取り、結婚して子供も出来たが、バチスタとガランスの逢引を目撃してしまう。ガランスは、囲い者に身を堕してもバチストを愛し続けたと告白する。「6年間どこにいても昼も夜も一緒にいた、愛し続けた」この言葉に真実味を感じるかで、この作品の評価が変わりそうだ。最後はバチストの妻のために身を引く、というより自由を選んだのかもしれない。ガランスにとって恋と自由は両立しない。傾城の美女を巡っての恋の鞘当と悲劇を描いた作品。一人は死に、一人は殺人者となり、一人の名優が失踪し、一つの家族が崩壊した。恋について、自由について、人生についていろいろと考えさせられる内容だ。何といっても脚本が素晴らしい。終始諧謔と機智に富んだ会話で酔わせ、劇中劇で楽しませ、不測の展開で驚かしてくれる。人生は演劇だ。天井桟敷の人々は貧しけれども夢がある。それと同様、さあ皆さん、一度しかない人生を、恋を存分に楽しみなさいという伝言が込められている。登場人物はみな観劇者の投影だ。脇役の古道具屋、偽盲人、三人の脚本家が良い味を出していた。狂言回しの古着屋はバチストにとって忠告・諫言の象徴。だから彼を嫌い、劇中劇で殺す。それでも運命からは逃れられない。ガランスと叫ぶ彼の声は群集の雑踏にかき消される。嘆かわしいのは、恋の神秘が主題なのに、ヒロインが気品に欠ける年増女優であること。最大の謎だ。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-20 14:56:13)《改行有》

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