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プロフィール |
コメント数 |
106 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
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1. 特攻大作戦
《ネタバレ》 あまりにもカットを割るので辟易していたのだが、なるほどこれは視線の映画である。少佐と将校たち、少佐と囚人たち、常に多数が存在する場を提供するにあたり、オルドリッチが役者に厳密に指示したのが目の動きであり、角度を変えることで位置関係を把握させ、目線に生命を与える。そのための異常に緻密なカット割りだったのだ。大佐が部屋から出るたびに演奏を始める指揮者が面白いのも、「例の二人組だ」という伝言が暴行された本人に行き着く面白さもすべて位置関係と目線の面白さである。演習において青軍が赤軍の腕章を着けるのはルール違反であるし、戦争において敵軍将校の服を着て欺くことは条約違反である。ルールを守らず刑を与えられた者たちがルールを破ることで英雄となる。もちろんそういった面白さもあるのだが、何より、死刑囚に一度限りのチャンスが与えられるという適当な材料を料理していかに面白さを作れるか、男臭い魅力を放ち続けるか、その一点においてこの映画はあまりにも素晴らしい。
[ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-29 02:31:46)《改行有》
2. 時計じかけのオレンジ
《ネタバレ》 キャラクタリゼーション、テンポの創出、それらの道具としての美術のアイデアが計り知れないほど素晴らしい。全体主義・画一主義への皮肉が本編からもタイトルからも伝わってくるが、やはりそれは映画的にメインのテーマではないように思える。何だかんだで本当のメインは人間の本能・狂気・悪そのもの。悪を解放しているアレックス→悪を抑制されもがき苦しむ時計じかけのアレックス→再び解放され人間らしくなったアレックスという構図。そしてその構図に説得力を与える“強者―弱者”の関係。強者は弱者のことなんか道具程度にしか思っていないし、当然弱者の気持ちなんか知ったこっちゃない。弱者はされるがままになるしかないし、こいつ(強者)はイカレてる、と恐怖を感じるだけ。だが関係が入れ替わればそれにともなって考えや行動も入れ替わる。アレックスの元仲間もホームレスのジジィも老作家も内務大臣も皆この法則に従った行動をし、誰もが持つ本能・悪を見せつける。誇張された過激な世界ではあるが、この法則が基本的に真実だという認識があるからこそこの映画は面白い。 余談。この映画そんなにSFじみた話ではない。けど映像的にはちょっとしたSF。この中途半端なSFがかなりの功績。映画のコメディへの位置付けを可能にし、いい意味で作品の重みが消え、少々粗いご都合的展開も気にせず見られる。こういったバランス感覚もキューブリックのず抜けた才能なのだろう。[ビデオ(字幕)] 9点(2006-04-22 19:19:17)(良:1票)
3. トト・ザ・ヒーロー
《ネタバレ》 姉を追いかけ続け、アルフレッドに奪われ、憎み続けてきた長いだけのこの人生。当のアルフレッドにさえ、幸せの欠片も見当たらず、もはやただのおじいさんでしかない。何で生きていたのだろう、おれの人生には何もなかったのに何で生きてきたのだろう。音楽が流れ始める。追い越していったトラックの荷台ではパパとアリスがあの頃のまま陽気な歌を歌っている。100%の楽しさで。100%の幸せで。。。トマは最後まで追いかけ続けた、あるいは最後になって自分の手で自分を取り戻した。ファンタジーであるが現実味に溢れ、コメディであるが胸に迫る。人生は愚か者の語る物語―響きと怒りにみちて―意味など何もない[ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-15 02:13:12)(良:1票)
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8 | 29 | 27.36% |
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