みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 東京の休日(1958) ローマの休日には人気では負けるけど豪華さでは負けてはいない。三船敏郎をはじめ東宝映画スター女優陣が総出演、あの俳優どこで出ていたっけ、この顔よく見る顔だけど名前が出てこないというような感じで映画ファンにとってはとてもうらやましいかぎりだ。観光バスに乗って東京巡り(この頃の定番は皇居に議事堂と決まっていた)や華やかなショー、歌に踊りに民謡童歌もふくめ李香蘭の懐かしい歌までもりだくさん。ストーリーといえば、口は堅いからの内緒の話が次々広がったり、ショーに便乗しようとして儲け損なったり、幼なじみと思ったら偽物だったりのたわいのないものものだけど、90分足らずの記念映画だから仕方ないだろう。札束が1万円札でなく5000円札なのに時代を感じる。ところで出演者多数ではっきりしないけど、志村喬、乙羽信子、杉葉子は出ていないと思うけど・・・(クレジットに名前がない)[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-05 06:50:57) 2. 泥棒成金 ヒッチコック映画としては不満が残る映画。そもそも警察が来たからと言って逃げ回るようでは疑われても仕方がないし、自らが真犯人を捕まえなければという設定も得策には思えない。見所はグレイス・ケリーの美貌のみならず美しい南フランスの風景、仮装パーティの豪華衣装か。[DVD(字幕)] 6点(2014-11-11 19:31:02) 3. 遠い雲 メロドラマには違いないが、昔は家や世間体に泣かされるドラマも多かった。しかしさすがは木下恵介、しっかりと感情が込められている。そういえば、昔の電話は交換手がいて何番をお願いしますと言ってつないでもらっていたんだったっけ。[DVD(邦画)] 7点(2013-09-10 20:17:15) 4. どん底(1957) 間仕切りもなく、ただ寝床にムシロを敷いただけのルンペン宿、暗く薄汚れた雰囲気はまさしくゴーリキーの戯曲、よくぞロシア文学を日本に置き換えたと感心。それぞれ癖のある人物描写が良い。台詞に舞台劇のおもしろさがあるのだが、やや聞き取りにくい。主人公のこそ泥が侍っぽく見えるのはやはり三船だからだろうか。[DVD(邦画)] 5点(2013-08-09 02:04:11) 5. とんかつ大将 川島監督の映画は好きなものが多いのだけど、この映画はちょっと深みがなく都合行き過ぎじゃないのかな。特に思ったのは、酒を飲んだ後に火事場で手術とはあんまりだろう。現実離れしているところが、日本のキャプラなのかもしれないが・・・。[地上波(邦画)] 5点(2013-01-16 14:28:56) 6. 殿方ご免遊ばせ これまた、かわいければわがままも許されるというような映画だ。スタートの信号無視からして「今度からは気をつけてください」で終わってしまう。甘いの一言。ストーリーもまた内容に乏しい。ところで原題のパリジェンヌはパリ市民の意味だが、これが何と「殿方ご免遊ばせ」になるのだからすごい。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-11-02 21:27:58) 7. 東京キッド 歌は前作の「悲しき口笛」にかなわないけれど、映画はこっちの「東京キッド」の方が好き。 花菱アチャコ、榎本健一という喜劇役者が加わっただけに、映画全体がコメディムード、特にエノケンのとぼけ具合が良い。花菱アチャコはラジオドラマ「お父さんはお人好し」でさかんに聴いただけあって、あの独特なしゃべりが懐かしかった。[DVD(邦画)] 6点(2012-03-01 21:27:18) 8. 年上の女 《ネタバレ》 主人公ジョーの打算的な考えや二股かけた愛など、最初のうちは非常に嫌だった。しかし彼の心も少しずつ変化し、目覚めていく姿に共感を覚えた。シモーヌ・シニョレの主演女優賞に輝く演技は申し分ないが、ローレンス・ハーヴェイも決して悪くない。ありきたりに見えるストーリーにも熱がこもる。[DVD(字幕)] 7点(2012-02-02 18:26:53) 9. トロイのヘレン 子どもの頃すでに児童文学としてのギリシャ神話を読んでいたこともあり、おおよそのストーリーは事前につかんでいた。それでも圧倒的なスケール、音響などにびっくり、これがシネマスコープかと感動したみのだ。 またとかくアテネ・スパルタのギリシャ側から描かれるトロイ戦争だが、この映画はトロイの王子パリスとスパルタの王妃ヘレンの愛をメインに描かれている。だか何といっても絶世の美女ヘレンを演じるロッサナ・ポデスタの美しさには目を見張る。彼女が後に「黄金の七人」の艶めかしい悪女を演じるとはとても思えない清純さだ。 3000年前の戦いの方法や道具など興味深かかった。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-27 23:25:00)《改行有》 10. 東京暮色 《ネタバレ》 小津映画の中にあって、この映画はどうしても異色に思える。それほどシリアスなのだ。 有馬稲子はどういうわけか不幸な女性を演じることが多いが、この映画もとてもかわいそうだ。うわごとで何度も「死にたくない。初めからやりなおしたい」と言っていたのに残念である。 かわいそうと言えば、有馬稲子だけではない。原節子も笠智衆もそれに家族を捨てた山田五十鈴もすべて不幸であり、寂しさだけが残る。 そしてまたそれは、東京物語の一抹の寂しさと較べると、赤裸々で強烈に感じる。[DVD(邦画)] 8点(2011-04-24 15:25:11)《改行有》 11. 東京物語 《ネタバレ》 「秋刀魚の味」で小津映画を知り、すぐさま代表作「東京物語」を見た。何と秋刀魚の味よりも10年近くも古いこの映画で、笠智衆が老人を演じている。息子や娘役の山村聰、杉村春子と何歳かしか違わないのに・・・。それがほぼ年相応の東山千栄子と夫婦をくみ、うちわを仰ぎながら二人でたたずんでいる。まさに絵になる情景だ。 この映画が作られたのは、私が生まれてまもない頃、映画設定はそれ以前だから、はるか大昔。その頃家族は、両親と子供たち以外に祖父祖母がいっしょに住み、長男が必ず親の面倒を見なければならなかった。その時代にあって、こうした家族の問題を取り上げたのは画期的というもの。 子供たちの誰が良くて誰が悪いという問題ではないだろう、核家族へ向けての提言であったのかもしれない。しかし、小津映画の世界とはいえ、親が危篤というのにのんびりしたものだ。喪服の心配ではなく、何が何でも飛んで行くべきだろう、それが親子というものだ。[ビデオ(邦画)] 8点(2011-04-24 08:02:38)《改行有》
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS