みんなのシネマレビュー |
|
1. 殿、利息でござる! タイトルもそうですが、設定からしてもこれは本来コメディ素材でしょ。いや、やりたかったのはシリアスドラマなんです、ならそれでもいいけど、だとしてもそっちの方向に振り切れてもいない。登場人物の造形はみんな中途半端でありがちだし、同じようなやりとりが繰り返されているだけで、せっかく目標を提示していながら、それに近づいているのかどうなのかも分からない。何よりもまずいのは、こういった経済や経営の事象をテーマとしていながら、それぞれの(藩も含む)の「商売」が見えないこと。[CS・衛星(邦画)] 3点(2025-01-13 01:29:23) 2. どっこい! 人間節-寿・自由労働者の街 カメラは基本的に回しっぱなし、インタビューというほどでもなく、労働者たちのフリーダムな発言の数々をじっと押さえている。その人がどういう人なのか、その後どうなったのかという点も一応はふれられている。せっかくそこまで行ったのだったら、施設とはどんな感じのものなのかとか、普段は何を食べているのかとか(炊き出しの撮影はあるが)、過酷な労働の現場とか(まあ、そんな撮影許可は出ないだろうが・・・)、そういうのも見たかった。とはいえ、社会が目を背けがちなエリアにまで果敢に突入したという点において、ドキュメンタリーとしての価値は十分に存在する。[DVD(邦画)] 5点(2024-12-25 00:37:28) 3. ドアーズ やっぱりドアーズという偉大すぎる伝説は、ストーン監督でも手に負えなかったということなんだろうなあ。ほとんどは、お姉ちゃんと何かごちゃごちゃやっているか、ライブシーンかの繰り返しです。あの音楽がどうやって生まれていったのかとか、活動に対するモリソンの意識はどう変容していったのか、その辺のことは、踏み込まれてないという以前に、意識すらされていません。ジム・モリソン以外のメンバーがほとんど無視されているというか、置物状態なのも大問題。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-12-15 23:53:55) 4. ときめきに死す 《ネタバレ》 とりあえずジュリーが暗殺の使命を負ったテロリストという設定で、その日常に付き合わされる人たち目線で描かれるのですが・・・まず、肝心のジュリーがテロリストにまったく見えません。ただ日々をぼーっと送っているだけです。むしろただのヒッキーのようにしか見えません。何やらコンピュータの画面っぽいものでいろいろ行われる分析や指示も、その背景がないので手法に没しているだけだし、無理矢理引きずり込まれる樋口可南子ももちろん機能せず。ラストも、ちょっと外した風味でまとめたかったのでしょうけど、本当に外れただけで終わってしまいました。[CS・衛星(邦画)] 3点(2024-09-26 00:20:15)(良:1票) 5. ドクター・ドリトル(2020) ダウニーが主演という時点で、動物どもがいくらうじゃうじゃ周りにいてもそれに埋もれない存在を発揮するであろうことは予想されましたが、そのとおりでした。というか、まだこれでも抑えめでしたね。内容自体は、ひねりなしストレートな勧善懲悪モノでした。そのまんまでした。●あと注目ポイントは、エマ・トンプソンは声優としても巧い、という点でしょうか。オウムにしか聞こえなかったぞ。コティヤールはもっと出番欲しかったかな~。それと、「ラブ・アクチュアリー」でひっそりと愛おしい端役を演じていたジョアンナ・ペイジ(この人は基本はテレビのようです)が出ているのはポイントが高い。といっても、ほんの数秒ずつですが・・・。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-21 00:56:53) 6. 東京島 《ネタバレ》 せっかく、無人島で突然集団生活が始まったという美味しい設定なのに、その集団の1人1人にわざとかと思うくらい個性がないのにびっくり。演技者はやっていて苦痛ではなかったのだろうか。大体、無人島のサバイバルなはずなのに、その辺のコンビニでたまっているヤンキーの集団みたいに、みんなぼーっとしている。切迫感も危機感もない。それならば開き直って笑わせてくれればまだいいのに、そちらに振っていこうという方向性も見えない。●で、皮肉なことに、終盤でフィリピン人その他のチームが登場して、やっとドラマが(ちょっとだけ)動いている。それならば、最初からいろいろ放り込んでごっちゃにしていた方が、まだよかったかもね。ただ、役に立っていない(映画の上で)登場人物は多いのですから、その場合でも、人数は1/3くらいに削る必要がありますが。[CS・衛星(邦画)] 2点(2024-06-13 01:15:02) 7. ドッペルゲンガー 《ネタバレ》 ドッペル関係では、日常生活の中にふらっと現れてくる怖さなんかは、しっかり焦点が定まっていたと思うのですよ。ドッペル役所の出番がもう少し少なかった方が、かえってもっと怖かったんじゃないか、とかは別として。また、各シーンをだらだら引っ張らない「整理の力」も、十分発揮されていたと思います。●しかし、最後の15分はなぜか全然別の作品になってしまいました。もしかすると、永作とかユースケもドッペルだったという可能性の示唆かな?とは思いましたが、それにしてはそれまでのネタの仕込みが不十分でした(永作はどのシーンも「その場にいるだけ」で、珍しくあまり活用されていませんでした。大体、もっともらしい最初の弟がどうのという部分も、結局後につながっていないのでは?)。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-02-02 01:42:09)(良:1票) 8. 隣りの八重ちゃん 《ネタバレ》 隣り合う2軒の間のあれこれ、という内容しかないのに、何とそこに丁寧な描写があることか。「隣の家でご飯を食べさせてもらう」というそれだけのシークエンスが巻き起こすスリリングさ。一足の靴下をめぐる、コメディのようでコメディではないぎりぎりの可笑しさ。そこに岡田嘉子扮する姉が登場し、ステージは自然に一段上がっていく。ここでは、映画館や料亭でじわじわにじみ出てくる八重ちゃんのヤキモチ(もちろん「嫉妬」とは書きたくない)を堪能しましょう。着席位置だけで一瞬むっとする、そうそうこれなんですよ。そして川辺のシーン、迫り来る姉の情念をさらっと、しかしきっぱりと当然のように断る恵太郎君、余計なことをごちゃごちゃいわないからこそシーンとしての意味があります。野球の関係が微妙にしつこいのが難点ですが、その辺も含めて、今日の制作者もこれを見て参考にすべきほどの作品としての価値があります。[DVD(邦画)] 6点(2024-01-22 00:11:32) 9. トゥルー・ブルー トム・ベレンジャーが一匹狼の刑事役です。と、それだけで大体内容が想像できてしまいますが、そのとおりの内容です。主人公は行き当たりばったり的にあれこれ捜査らしきものはしていますが、特に能力を感じさせる場面はありません。最後もひねった風にはなっていますが、むしろそのまんまであるとも言えますし、ほかに落としようがなかったからそうした、という程度にしかなっていません。そもそもこの作品でのトム、妙に太っているし、身のこなしもえらく鈍いような・・・。[DVD(字幕)] 2点(2024-01-09 01:14:12) 10. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007) 映像を撮っているんだからそれをそのまま流せばいいのに、実況解説かと思うほどの同じ内容のナレーションを延々と重ねてくる構成にうんざり。出てくる人たちもことごとく類型的かつ表層的で、人格的な面白みがありません。●結局、東京タワーが何で出てきたのかも不明。●あと、九州弁が全然ダメです。[CS・衛星(邦画)] 3点(2023-12-23 02:20:08) 11. 東京日和 夫婦愛を中心テーマに据えようとしているっぽいのだが、どこまで行っても雰囲気がフワフワしていて(もっといえばダラダラしていて)、双方とも内面が見えてこない。中山美穂の芝居も、弾んでいない。また、設定からカメラをキー・アイテムにしたそうなのですが、まったく使いこなせておらず、むしろ役者がそれを持て余しています。結局、制作側がやろうとしていることに構築がついていっていませんでした。[CS・衛星(邦画)] 3点(2023-11-15 00:11:32) 12. トリコロール/赤の愛 《ネタバレ》 何よりも、主演のイレーヌ・ジャコブを美しく撮ろうとする徹底ぶりに驚き。表情アップから全身ショットから背景の色彩感覚からカメラのアングルまで、すべてがそれに統一されている。一方で、滅茶苦茶な理屈を淡々と強引に語っていく元判事との、研ぎ澄まされて選ばれた言葉のやりとりは、「羊たちの沈黙」すら彷彿とさせる(!)。●マイナスは、周辺人物があまり機能していないこと。電話でしつこく浮気を疑ってくる彼氏は結局「それだけ」だし、法律家志望の若者とその彼女も「それだけ」。私はむしろ、あの若者については、同じ時間軸に並行存在していると見せかけて、実は元判事の若き日の姿がバーチャル展開されている、と思っており、なかなか凝った真似をするなあ、とも思っていたのですが。●最後の全員集合は、完全に蛇足ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-21 19:59:14) 13. トリコロール/白の愛 《ネタバレ》 ジュリー・デルピーが主演と勝手に思い込んでいたので、途中からさっぱり出番がなくて、あれれ?となってしまいました・・・。ただそれはそれとしても、国外脱出にしても、謎の男とのあれこれにしても、土地取引をめぐるどうこうにしても、かなりの危機が発生するものと思いきや、何となく上手くいってしまうのがいい。フランス作品ならではのしんみりとした可笑しさと、そしてペーソスがあります。そう考えると、トリッキーな「作戦」の方がかえって浮いている気がしますが、最後のジュリーの微笑は聖女の雰囲気すら感じさせ、それで丸め込まれるように着地している不思議。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-16 00:44:17) 14. トリコロール/青の愛 ひたすらチマチマじめじめしている独善的な心理描写が続く、いろいろな意味で何とも辛い作品。ジュリエット・ビノシュだったからそれなりに見ることはできたが、通常レベルの俳優だったら破綻していたのではないかと思う。[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-05-12 00:27:00) 15. 砦のガンベルト 《ネタバレ》 タイトルに砦とあるからには砦をめぐる攻防と思いきや、確かにそうなんだけど、描写の推定9割以上は、それほど広くもない砦の中という、何とも閉塞した作品。しかも、ぶらりと偶然入ってきた主人公から見れば、中にいる防御隊のことごとくがろくでもなく、助太刀してやりたいという気も今ひとつ起きないという、ひねくれた作品。しかもそこで、敵の設定は徹頭徹尾最強、こちらはひたすら耐え抜いてガードするしかないという、さらにウエスタンらしからぬ内容です。しかしそれはそれで一貫しており、一本の筋は保たれています。ヒロインとのやりとりは、もう少し欲しかった気もしますけどね。あと、ただ制服を着て立っているだけでも妙な存在感を発散しているボーグナイン親父の迫力は、やはり偉大。[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-03-13 01:41:17) 16. 遠い太鼓 《ネタバレ》 全体として、襲撃される→逃げる→追いかけられる→また逃げる、の繰り返しで、物語要素がほとんど感じられませんでした。脇役もあまり機能していないのですが、特に、ヒロインがさほど魅力的でもない上に役にも立っていないのは、かなりまずいのではないでしょうか。唯一、主役側が、のんびり保安官でもギャングもどきでもなく、(一応)統率のとれた軍隊であるというところには、そこそこ見どころはありました(ちょっとした指示ですっと構えたり散ったりする動きとか)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-03-07 01:23:38) 17. 土佐の一本釣り 土佐の漁師の漁やら生活やら恋物語を綴った作品かと思いきや、それだけにあらず。登場人物を配置して動かすだけではなく、何というか、その中に、漁師たちの文化というか、慣習というか、回路というか、そういったものまで自然と浮かび上がっているのです。それぞれのキャラが、芝居をするだけではなくて、画面の中で呼吸をして生きています。それは、傍目には驚くような行動や発言でも、全員が迷いなく自信満々に行い切っていること(そしてそれを一貫して引き出している演出の腕)によるものでしょう。一方で恋物語の部分については、スーちゃんのセーラー服女子高生姿が存分に拝めるという贅沢すぎる付加価値もさることながら、適度にすれ違いや心理の綾も織り込んでいて、単純には終わっていません。また、宍戸錠、加藤武、蟹江敬三、阿藤海といった熟練の皆様の渋いサポートぶりも心地よいところです。それにしても、スーちゃんという人は、「世界の歴史で最も、しかめっ面が可愛らしい女優」なんだなあ。[DVD(邦画)] 7点(2022-12-05 00:11:48) 18. 泥だらけの純情(1977) お嬢様の女子大生が百恵、孤独な一匹狼ヤクザが友和。という初期設定だけですべてが終わっていました。百恵は落ち着きすぎてて19歳の女子大生にはとても見えません、と書こうと思ったら、当時の実年齢は18歳かい!そっちの方が驚きだ!そしてもちろん友和はヤクザには見えません。二人がどう惹かれあったのかも不明ですし、途中からはストーリーもネタ切れ気味で、形だけのシーンを重ねて最後まで行ってしまっています。[DVD(邦画)] 4点(2022-09-22 00:13:06) 19. ドグラ・マグラ(1988) この異形の怪作を映画化しようと真面目に考えて、そして本当に作ってしまったというだけでも価値のある作品。そのチャレンジャーぶりは、「不連続殺人事件」と双璧をなすともいえるのではないか。変にまともっぽいことをせず、淡々と粛々と進んでいく作り方に好感。もっとも、原作が原作なだけに、親切な分かりやすい作品には間違ってもならないのだが。[DVD(邦画)] 5点(2022-08-06 01:51:01) 20. ドリフト(2001) しかし、一体何がしたかったのか、最初から最後までさっぱり理解できない作品でした・・・。[CS・衛星(字幕)] 1点(2022-07-08 02:02:02)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS