みんなのシネマレビュー |
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1. 永遠のマリア・カラス 《ネタバレ》 才能が枯渇したとき、若さを失ったとき、人はどう生きるか。もはや取り戻せない輝いた時間を思いながら、老いを受け入れ、生きていくことの苦さ。マリア・カラスという天才をモチーフに、普遍的な物語を描きあげている良作な映画だと思う。ファニー・アルダンが、ファンが思い描くとおりの美貌のマリア・カラスを演じていて素晴らしい。途中から、ファニー・アルダンという女優の物語のような気もしてくる。普遍性のある物語なのが、裏目に出ているような感じもする。謎に包まれて伝説になっていたマリア・カラスの晩年に、「こんなこともあったかもね」という、あくまでも想像の話として作られた物語だということだが、実話風につくっちゃったために、有り得ない~と思ってしまうのも、難点。でも、映画の中では、マリア・カラス役としてのファニー・アルダンが演じたカルメンの映像に、実際のマリア・カラスの声が当てられているわけで、オペラファンとしてはちょっと幻想的な世界である。発想としては非常にうまいところをついている物語だと思う。個人的には、ジェレミー・アイアンズの長髪が、妙な軽薄さを生んでいて、面白かった。ロックもバレエもプロデュースする仕掛け人として成功してるけど、本当の芸術も追究したいという、欲張りな男のロマンを、女がたしなめるラストが、印象的だった。7点(2004-08-16 22:50:03)(良:1票) 2. X-MEN2 相変わらず、マグニートーを演じるイアン・マッケランの怪演が素晴らしい。不気味でうさんくさくて、ヘンテコな衣装を着ても笑うに笑えない絶対零度の冷気が漂っている。そのうえ、自分でも「超ダサイ」と思ってるのね、と観客をちゃんと納得させてくれるとは・・・・・・。マグニートーが今回は味方になるというのでウルヴァリンの活躍度が下がるのではと思ったが、そうでもなくて良かった。「個々は弱いが力を合わせれば強い」という不朽のテーマ、と前作のレビューに書いたが、今回のほうがみんなの「力を合わせた結果」が分かりやすくて良かった。しかし、力の合わせかたをもっと研究必要があるような気がする。それぞれ自分に何が出来るのか、日頃からもっと追求するのも、学園の役割なんじゃないだろうか?と真面目にツッこんでしまった。せっぱ詰まったときに現れる友情と能力、という演出も嫌いじゃないけどね。家族にカミングアウトするシーンは、ありがちな演出・台詞ではあったが、マイノリティの普遍的な悲しみがこめられた印象的な場面。6点(2004-02-04 20:51:54)(良:3票) 3. 英雄の条件 戦地にあって、民間人=非武装者なんてことがあるわけがない。そのような場所に武装兵を派遣して、現場指揮官が市民に射撃をする羽目に陥ったら、全部現場指揮官のせいである、という政府の態度に怒りを感じる気持ちは分かるが、その前になんか間違ってるような気がする。いくら国際法やガイドラインがあっても、実際の戦闘中にそれを守っていることなんかできないのが実情だろう。しかし、それを正当化するこの作品もどうかと思う。第一に、現地の、心ならずも戦闘地域で暮らさなければならない人々への、配慮や思いやりが薄い。元ベトナム兵が証言するためにやって来るエピソードは、いかにも軍隊の美談といった感じで、私は心情的に受け付けなかった。自衛隊派遣なんてやめて欲しい。4点(2003-11-27 23:55:06) 4. エアフォース・ワン 「大丈夫、大統領は元軍人よ」の一言で見捨てられる大統領っていったい・・・・・・。ハリソン・フォードが今回はアメリカ大統領をやってます、というだけの、ただのアクション映画で、しかも密室系で地味だった。5点(2003-11-20 10:10:18) 5. エリン・ブロコビッチ ジュリア・ロバーツの良さが生かされていて、素敵な映画だった。エリンのパワフルさは、文句なしに良いです。ファッションも噂通りで、スゴイ。私もできるもんだったら、胸の谷間を武器にしてみたい~。和解に持っていって、高額な賠償金を取るということに、アメリカでも不快・違和感を感じる人々っているんだなぁと、妙なところで感心した。また、同い年の女の子が病気なのを見て、子供が母親が何のために頑張っているのかを理解するシーンは、ほろっときた。この映画(あるいはエリンの活躍)について、同棲相手の男性が子供を見てるからエリンは活躍出来たんじゃないか、あの男性が可哀想という意見が多いので驚く。男女が逆なら、当たり前の風景なのになぁ・・・・・・。彼の不満をちゃんと描写して、エリン1人の活躍と賛美してるわけじゃなくみんなで頑張ったことを示しているから、私はこの映画を素敵だと思うのだが。6点(2003-10-14 21:21:33)(良:1票) 6. エントラップメント キャサリン・セタ・ジョーンズの美貌と、ショーン・コネリーの魅力を堪能できる。それだけ・・・・・・。5点(2003-07-23 19:37:05) 7. エンド・オブ・デイズ いや、なんというか、世紀末が終わってからこの映画を観ちゃあいけないな・・・・・・と。ついでに、人間を悪魔が支配したらどうなるの? そんなに変わらないんじゃないの? とか思ってしまうのだが。3点(2003-07-23 19:34:28) 8. エバー・アフター ドリュー・バリモアの顔は写し方によっては、ボッティチェリの絵の女性に似ている。だからルネサンス風衣装がよく似合っていた。王子様を持ち上げちゃうシンデレラはやっぱり笑える。美しいことによってお金持ちと結婚できた継母が、美人の娘を可愛がり、あんまり美人じゃない娘に冷たくあたるというのは、良くできた設定で、単なる継子いじめじゃないところがミソ。王子様は雰囲気がなんだか庶民的で。もうちょっとどうにかならなかったのかと思う。レオナルド・ダ・ヴィンチがモナリザを持ってフランスへ放浪してきているところは、史実をふまえてのことでもあり、楽しい。6点(2003-07-23 19:28:39)(良:1票) 9. X-メン 発想は面白いと思った(原作が面白いということかも)。冒頭のナチスの部分を入れることで、かろうじてユダヤ人迫害に遭ったことのあるマグニートーが、再び差別され排除される種族になりたくないのだとわかるが、全体としては、わけわかんないストーリー。これだけ能力の方向が違うミュータントが一緒に闘うこと自体が無理な気もするけれど、「個々は弱いが力を合わせれば強い」という不朽のテーマを目指してるような感じで、その辺は面白い。5点(2003-07-23 19:17:09)(良:2票) 10. エリザベス ケイト・ブランシェットが素晴らしかった。最初に出てきたときの素朴な幸せそうな令嬢が、だんだん冷徹で気迫のある女王になっていく様子が、怖いくらいだった。ストーリーが少々複雑で、ある程度は歴史を知らないと、何故この人物がこういう動きをするのかがよく分からないと感じる部分があった。えっと、これは誰だっけ?と3度目に見てもまだ、人物関係が分からなくなったりしていた。皆さんが書いているとおり画面が暗いし。台詞が案外少ないというか、足りないと言うか・・・・・・。映像は美しいし、衣装はゴージャスで、そういうところも楽しめた。ラストの白塗りは、予告で知っていたけども結構ビックリしてしまった。あと、ヴァンサン・カセルが面白かった。いつもながら歴史物がよく似合うが、女装も含めて変なフランス人ぶりがスゴイ。ただ、いくらなんでも姉メアリ女王はあれじゃ可愛そうだ。 8点(2003-06-16 22:54:21) 11. A.I. 海の底で話を終えるべきだった。救いようがない。ラストをハッピーエンドにしたつもりかもしれないが、勝手にクローンを創られて勝手に生かされたら、嬉しくない。ここまででよいとあきらめを持たずにひたすら「愛されたい」と願うことは残酷な行為だ。お母さんの恐怖のほうに感情移入してしまう。ちょっとだけ、親になりたくなくなった。6点(2003-06-03 21:45:53)
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