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自己紹介 |
映画を観る楽しみ方の一つとして、主演のスター俳優・演技派俳優、渋い脇役俳優などに注目して、胸をワクワクさせながら観るという事があります。このレビューでは、極力、その出演俳優に着目して、映画への限りなき愛も含めてコメントしていきたいと思っています。 |
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1. エルミタージュ幻想
《ネタバレ》 かつてミニシアター映画として公開された、アレクサンドル・ソクーロフ監督の「エルミタージュ幻想」をDVDで鑑賞。
私は非常に興味深く、この映画を観ましたが、映画初心者には向かない映画のような気がします。
映画がかなり好きで、かなりの本数を年間で観ている人でも、ストーリー性のない映画が苦手な人は、はっきり言ってダメだと思います。
私はストーリー性のない曖昧模糊とした映画というものも、ストーリー性のある映画と同じくらいに好きなので、思い切りツボにハマってしまいました。
そして、もうひとつツボにハマっていたのは、この映画がカメラワークに非常に凝っている点です。
96分をワンカットで撮っているのが、この映画の最大の売り物なのですが、流れるようなカメラワークは本当に芸術品と言えるくらい素晴らしく、もう見事としか言いようがありません。
撮影を担当したのは、「ラン・ローラ・ラン」で、主人公のローラをずっとハンディカメラで追いかけて撮影して、全くブレなかったというティルマン・ビュットナーです。
なんでも、ティルマン・ビュットナーは、この映画の撮影に備えて、身体を鍛えたといいますから、やはりプロは凄いと思います。
アレクサンドル・ソクーロフ監督は、ドキュメンタリー映画を数多く撮っているそうですが、はっきり言ってこの監督の映画は難解です。
この映画も予備知識なしで観たら、わけがわからないと思います。
原題は「ロシアの方舟(RUSSIAN ARK)」で、エルミタージュ美術館の中を探索しながら、ロシアの歴史を追うという内容になっています。
カメラを構え、ナレーションを語るソクーロフ監督自身と、この映画の主人公であり案内人でもあるフランスの大使キュイスティーヌ(セルゲイ・ドレイデン)とが宮殿の中を不思議な時間旅行をするという、邦題のとおり実に幻想的な映画なのです。
ストーリーがあるような、ないような不思議な雰囲気、90分ワンショットという驚異のカメラ、豪華絢爛な帝政ロシア時代の衣裳。
この3つの要素は、私の好みにズバリと合っていて、背筋がゾクゾクするほどでした。
そして、ラスト近くの、ワレリー・ギルギエフ指揮のオーケストラを伴奏に繰り広げられる舞踏会のシーンは、まさにため息が出るほど素晴らしいものでした。[DVD(字幕)] 9点(2019-03-23 14:38:40)《改行有》
2. エアポート’80
《ネタバレ》 1970年代に流行していたパニック映画の終わりの頃の作品「エアポート'80」は、製作者の原案によるオリジナル脚本がお粗末で、登場人物の紹介のイントロ部分からして、もたもたしている。
人間関係も、安直そのもの。人気女性キャスターと事件の元凶であるロバート・ワグナーが、恋人同士だというのも出来すぎている。
コンコルドの機長役の世紀の二枚目俳優・アラン・ドロンとスチュワーデス役の「エマニエル夫人」で一世を風靡したシルビア・クリステルが、今度のフライトで再会してよりを戻すことになっているが、以前、同棲していた仲なんていうのは、なくてもよさそうに思える。
ソ連の女子体操選手とアメリカの放送記者との4年越しの恋も、当時の世相を反映したのかもしれませんが、おまけの域を出ないと思います。
人気キャスターの家で殺人が行なわれるが、その反応が描かれないのも、考えてみたらおかしい気がします。
同様に、コンコルドがミサイルに狙われ、九死に一生を得てパリに着いたというのに、パリ空港があっけらかんとしているのは、全く腑に落ちません。
そして、悪事の露見を恐れた元凶の男が、自分の開発したミサイルでコンコルドを狙うのではないかと思ったら、案の定、そのとおり。
しかも、ミサイルが前後2回にわたってコンコルドを狙うが、どれも失敗。
ミサイルがこんなに命中率が悪いとは、もうほとんどご愛嬌としか言えません。
正義の味方のはずの女性キャスターは、恋人の悪事を知りながらも逡巡、まさに恋は盲目なのです。
そして、一難去ってまた一難。
パリ空港で整備員が、コンコルドによからぬ細工をする一件も、安易すぎると思います。
あんな飛行機に乗った乗客こそ大災難。パニック状態の機内描写で、女性キャスターが、置いてけぼりなのもどうかと思います。
脚本そのものが良くないので、デヴィッド・ローウェル・リッチ監督も演出の腕の振るいどころがなかったのかもしれません。
つくづく、映画は脚本が良くないと、いい映画、面白い映画ができないなということを、この映画を観て痛感しました。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-03-21 11:32:54)《改行有》
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