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1. 眺めのいい部屋
《ネタバレ》 まったく少女というものは、周囲が鬱陶しくなるくらいの瑞々しい感性を持ってるくせに、自分に嘘をついた結婚に飄々と突き進む、怖いくらいの鈍感さをも持ち合わす。まったく正しいかどうか分かんないなら、結婚なんかせずに生きなさいヨ!と説教の一つもしたいもんだが・・。全く今の世、どのくらいの若夫婦が「?」を感じることか・・。それで生まれた子どもが気の毒だよ、などと思うのは、独身貴族のまま、中年の終わりに差し掛かったおっさんの愚痴なのだろうか。身持ちの固い金持ちやエリートから、下品な人ねと蔑まされても、嘘は嘘だよ、と言える嫌な年寄りになりたいものだ。見よ!この映画のラストの、主人公の女性の生き生きとした表情からこぼれる輝く笑顔を!演技と分かってたって、やっぱり嬉しいね、こういうラストは・・。[ビデオ(字幕)] 8点(2014-10-09 05:18:37)
2. 楢山節考(1983)
《ネタバレ》 とにかくこの頃の日本映画は不評だった。
日本映画はつまらない、というのが映画を観ない人には常識だった。
その頃のカンヌを「戦メリ」と競い合って、この映画に軍配が上がった。
前半はそれほどの映画か?と思うのだが、観終わると感動がある。
舞台はいつの時代かは不明だが、貧しい山の農村。
そこでの姥捨てを描いた話だが、「生と死」というテーマは多いのだが「性と老死」というのは
今村監督ならではのユーモアというかセンスというか・・
戦後、アメリカ文化がどっと流れ込んでくる中で、多くの映画監督がアメリカ文化に影響を受けたが、
今村監督はセックスを果敢に映画にとり入れた。
そもそもがセックスの日本語訳はないので、日本に相性のいいものかどうかは置いといて、
前半はとにかく童貞喪失のドタバタが続く。しかしそれは山の生活を描写するためで、
本筋は後半の姥捨てである。
もう坂本スミ子と緒形拳の別れのシーンはもう涙なしでは観られない。
カンヌを取ったのもうなづける逸品だ。[DVD(邦画)] 7点(2019-09-21 18:32:32)《改行有》
3. ナインハーフ
《ネタバレ》 ウォール街などの非人間的な仕事につく人間のおかしな部分をすぐさま取り入れたエイドリアン監督。「フラッシュダンス」で僕らの世代には神様みたいな監督だった。だから影響も大きかった。そしてこの映画のせいで女性関係がむちゃくちゃになった知人がいる。文化のもたらす毒というものを真剣に考えるべきかもしれない。よく映倫通ったな~!!まっとうな人間が眉をひそめるシーンをもっと大きく描写すべきだった。ラスト、一人の女性をここまで貶めた、この男がもっとひどい仕打ちを受けるとこまで描くべきだった。元夫がおかしいと感じて、行動するとこまで描くべきだった。じゃないとこんな壊れた男女関係を、思春期に見た人間がどうなるか?この後、「運命の女」で似たような話を創り、ちゃんとした映画にエイドリアンはしたてている。やはりお叱りを受けたんだろうね、いろんなとこから。まったく!(・・と言えないほど、酷い事態になってんだよね、俺の知人)[DVD(字幕)] 6点(2013-05-04 01:46:00)
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