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1. 21グラム
話をばらばらにして時間もばらばらにして、見るほうがそれを再構成していく楽しみはたしかにあるだろうが、それが映画の芯のモチーフになっているのならこちらも本腰を入れてそれを楽しめるけど、あくまで本作のはテーマを描くための手法のようで、そうなるととたんに冷めちゃう。なんか無理に向こうのゲームに付き合わされたようで。三人とも内省的な人物なので陰気。恩返しの接近が愛に変わり、それでも人生は続く、という話なのか。脇の轢いたほうの妻なんかにリアリティがあった。旦那が自首していったあとでも、一心に車の血を洗っている。隠れテーマとして「子ども」があるのか。子どもを作らせてという妻や、子どもの消滅や、いろいろ。[DVD(字幕)] 6点(2013-12-01 15:45:38)
2. 2012(2009)
《ネタバレ》 切り上げどきの判断が出来ない映画。前半はいいのよ。見世物に徹していて、映画が誕生した当時のDNAを受け継いでいるなあ、とワクワクしながら観てた。小説でも芝居でも絵画でも出来ない映画ならではの興奮。重大な災厄へ導いていく些細な兆候のあれこれ。危機一髪の脱出も似たパターンの繰り返しながら、やはり嬉しく眺めた。でもそれも中国到着まで。あそこで切り上げる話に設定してくれてれば、ヨシッ、と膝をたたいたんだけど、ズルズルあと退屈な1時間が続く。「日本沈没」の拡大版か、と思ってたら、あちらはどうしても、ノアの箱舟と大洪水を出さないとならないらしい。いらない教訓シーンまで付けてガックリきた。こういう映画は2時間半を越さないといけない、という決まりでもあるのか。コンパクトにまとめて上映の回転数増やしたほうが、映画館だって嬉しいだろうに。見応えの前半、崩壊していく世界をうっとり眺めながら、しかし人々の間にこういうリセット願望が深まってるってのは、あんまりいい傾向じゃないな、と思わされた。日々のゴチャゴチャしたあれこれに埋め尽くされている日常からの解放への誘惑。渋滞した道路や街が海に飲み込まれていく晴れ晴れしさ。複雑になりすぎていた社会が、単純な重力の法則にのみ従ってものみな沈降していく。我々はこういった光景にスッキリするまでに、身辺が窮屈になっているわけだ。そして自分=主人公は生き残る側にいて当然と思っている。これが深まると変な宗教にハマったりするまであと一歩。[DVD(吹替)] 7点(2010-06-05 12:04:30)(良:2票)
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