みんなのシネマレビュー |
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1. 人情紙風船 《ネタバレ》 愚直の体現のような浪人・海野又十郎が終盤の宴会で「毛利様が狼狽えておりましたか」と、ほくそ笑むシーンが醜悪で、ゾッとした。 止められた酒に酔い、ご近所の評判も落とし、内助の功・おたきにへらへらと嘘までつく始末。 ここで、酔い潰れている又十郎の前にスッと懐刀を取り出すおたきの所作に、またもやゾッとした。 「おや、またかい?今度は心中だとよ」と、長屋は今日もズルズルとした日常に塗り潰されていく。この展開の見事さに、ゾッとする。 名作というよりかは、怪作の部類ではないかと、思う。 こんな悲話を遺作にしては遺憾だろう山中貞夫。「チトサビシイ」どころではない、どうにかならんか。(どうにもならんのだが)[DVD(邦画)] 9点(2018-05-28 03:42:11)《改行有》 2. ニーチェの馬 世界の終焉が、こんなみじめであるわけがないと信じたい。 そして、湯がいただけの芋に塩をして食らう時も、そこそこ幸せそうな私でありたい。 あと、邦題に「ニーチェの馬」とつけた配給会社の人には、猛省してほしい。ニーチェ、ほとんど関係ないし。[DVD(字幕)] 6点(2012-12-31 23:18:54)《改行有》 3. 日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 この作品は、日本人のメンタリティに対して(善し悪し問わずに)しつこいくらいに訴えかけてくる。 そして、その冗長さも中弛みもない、ジットリ暑く、みっちり濃く、ひたすら長い1日に否応なく付き合わされる。 昭和二十年八月十四~十五日の、濃密多難な長い1日。傑作でした。 160分以上の見応えのある尺も、苦にこそはならないがそこそこ長い。 そして、蛇足もイイトコロだが、20分以上あるプロローグを観た後に改めて現るタイトル「日本のいちばん長い日」を観て、私は思った。 そこも長いのか、と。(だいなし)[DVD(邦画)] 9点(2011-05-17 13:47:19)《改行有》 4. 日本沈没(2006) 《ネタバレ》 勝手に要約すると、「日本沈没?~俺は、君のためにこそ死にに行く~in出口の無い海」だな。これは。[DVD(邦画)] 4点(2008-08-25 21:59:14) 5. 人間の壁 時代背景といえる日教組問題や当時のアカ・共産党に対する予備知識がないと、面白くないかも。やもすれば単なるプロバガンダ作品と、取れなくもない。が、しかし、教師は労働者か?聖職者か?と煩悶する主人公・ふみ子のジレンマ、いわゆる「戦後」の教育問題に翻弄される中年教師・沢田の懊悩、政治にとって都合よく利用されて磨り減るだけでは駄目だと団結する教師たちのアツさが、見事に表現されている。山川薩夫作品の雄弁さには、今回も驚かされた。 そして、香川京子・宇野重吉の演技の素晴らしさもサルコトながら、子役達の演技の絶妙さに、何より驚かされた。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-04-10 00:01:01)《改行有》 6. 日本以外全部沈没 愛せないダメ作品。全体的なゲスさと、山椒のようにピリリと効いたブラックさに好感を持てるものの、出演陣の演技のかつてないほどのダメダメさがキツい。原作の面白さがソコハカと薫るだけに、勿体無い。ダメダメ演技で気だるい作中において、デーブと筒井康隆の好演が可笑しかった。[DVD(邦画)] 2点(2008-02-27 23:57:36) 7. 21グラム 日常的に起こりうる「どこにでもある悲劇」と、その悲劇によって何かを失う事を余儀なくされる群像を、淡々とではあるが誠実に、真摯に、そして余力なく見事に築き上げている。極力抑えた音楽の効能や、日常のバタ臭いが嫌味のない演出、タダモノではない時間軸の操作、特に出演陣の演技の素晴らしさが際立っていた。 どれも前作「アモーレス・ぺロス」で観せた力量ではあるが、それに比べてこちらは日常的悲劇の末に、やり場の無い悲しみや怒りに翻弄されてしまう「残されてしまった」者たちに対する、慈愛的な眼差しを感じる。名作。[DVD(字幕)] 9点(2007-11-14 01:22:23)(良:1票) 《改行有》 8. ニューオーリンズ・トライアル 重く、クドく、野暮ったくなりそうな法廷サスペンスを、テンポよく、説教くさくなく、気持ちよく最後まで楽しませてもらった。キャスティングの豪華さもテーマも達成感までもが嫌味なく、イイ。ちょっとスパイムービーめいているあたりが、ギリギリやり過ぎない程度のサービス感。こういう微妙な匙加減が、個人的には好みの味付け。[DVD(字幕)] 9点(2007-05-09 00:48:15) 9. 日本の黒い夏 冤罪 当時よりも確実に肥大しつつある「情報化社会」に生きる私には、何とも耳の痛い作品。まだまだ世の中(不肖、情報の受けてである私も含む)、結構デタラメなんで、怖いですね。続編ともいえる(いえるか?)「それでも僕はやってない」も、観たくなってきた。「冤罪」が我々を襲う確率は、当時より右肩上がりなんだなぁ。[DVD(邦画)] 8点(2007-04-11 00:07:23) 10. 日本沈没(1973) 地震大国・日本に住む我々にとって、単に不安を煽るだけ…かと思いきや、ギリギリ「警鐘レベル」に留まっており、シミュレーションにはならずとも「心構え的」な物を持たせる力量を感じる。そして、こういうジャンルの作品として舐められたくないという心意気が、エンタテイメントとしての完成度を確立している。地震・雷・火事・親父共・沈没な作品でした。[DVD(邦画)] 7点(2006-09-11 15:38:06) 11. 人間の証明 《ネタバレ》 原作のドラマ性・キャスト・制作費は糸目がつかないくらいに豪華なのに、肝心の出来はというと、まるで面白くない。その豪華さとは裏腹に貧相さすら感じる。オープニングのジョー山中の高テンションさと、NYロケの「活かしきれていない感」、ファッションショーのチープさ、ラスト前の独白・喝采の嘘臭さ、自殺容認の根拠のなさと唐突さ、信じられないくらいのラストの刺殺シーンのダサさ、その他諸々、どうにかならなかったものか。鬼のようにダサい。「人間の証明」のはずが、豪華さだけで美意識のかけらもない「時代の象徴」に成り下がってしまった、最高作品になり損ねた時代の徒花的作品。個人的にはこの作品、野村芳太郎に撮りなおして欲しい。[DVD(邦画)] 2点(2006-09-02 18:01:41) 12. 日本戦歿学生の手記 きけ、わだつみの声 《ネタバレ》 この作品の登場人物には、ほんの一縷の希望もない。安っぽい櫛が歯こぼれていくように日本兵は無造作に死にゆく。みすぼらしく、まったくの容赦もなく、救いもなく、当然ながら美しくもなく、死んでゆく。ガックリと陰鬱な気持ちで観終えた束の間、唐突に冒頭の「生きている人間として」の一文が霹靂のように頭に響く。作中では描かれていない「ほんの一縷の希望」というやつが、生きてこの作品に触れ、陰鬱になると同時に憤りをも隠せない私に深く突き刺さる。ぐさり、と、託された。[DVD(邦画)] 10点(2006-07-18 08:23:51) 13. 25時(2002) 取り返しがつかない過去、如何様にもなる未来。この二つの分岐点に立つ今を生きるという事にどういう意味があり、どれだけの価値があるのか?この作品は善悪というカテゴリを超越した慈愛に満ちた視線で、それらを問いただす。説教臭くもなく、である。スパイク・リーの事は、ただのソウルブラザー野郎だと失礼にも食わず嫌いな評価をしていました。何たるうかつ。わしの負けよ!スパイク![DVD(字幕)] 8点(2005-12-04 20:31:58) 14. NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE 子供向けか~「キャシャーン」「キューティーハニー」「デビルマン」と、中途半端に対象年齢がはっきりしない作品群のせいで、それらを観る視点でガッツリ観ようとしている私が悪かった。間抜けだった。「ニン!→伊藤四郎」とか、キチンと一緒に見ている大人にも気を使っている感じが、何とも憎いです。「香取信吾のハットリくん、デカイくね?」と感じつつも。なんか子供騙しとムゲに切り捨てられない何かが、好印象。[DVD(字幕)] 6点(2005-10-17 22:56:21) 15. ニュー・ジャック・シティ 初めて「ヒップホップ」に触れた作品。サントラはものすごい好みなのだが、作品としてはチョッと時代がかってて、正直しんどい。 正しく「十年一昔」やね。[映画館(字幕)] 7点(2005-08-18 13:51:51) 16. 28日後... だれ~もいないロンドンのシーンは、凄いよね。「オープン・ユア・アイズ」のだれ~もいないスペインも凄かったが、不気味加減では若干、「28」のほうが勝っていたような。作りも硬質なかんじで、いわゆるステロタイプなアリガチ登場人物が居ず、新鮮でした。しかし、トンネルシーンや野宿シーンなんかから鑑みるに、英国人は、バクチ好きだなぁ、と、思いました。サスガ競馬大国。[DVD(字幕)] 8点(2005-06-02 10:32:54) 17. ニキータ 洗面所での泣きながらの葛藤シーンで、とても胸を打った。しかし、それとは別で二キータ!何故そんな痛そうなところに銃を突き付ける?「おでこ」でも無く、「眉間」でも無く、「後頭部」でも無く!あ痛!9点(2003-02-16 16:53:22) 18. ニルヴァーナ 笑えた。マトリックスよりか、親切かつ、ユーモラス。6点(2003-01-29 21:19:13)
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