みんなのシネマレビュー |
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1. 虹色★ロケット 高校生の自主制作フィルムだから、映像とかそういうところにこだわると見ていられない。でも、ナイーブであるがゆえにまっすぐな思いは、実は大人たちが封印してしまった根源的な問いを呼び起こしてくれる。芸術が担う役割が「なんらかの社会が抱える悩みに答えてみせる」ことではなく、「問いそのものを喚起する」ことであるとすれば、「生きる覚悟はできたか??」というこの作品にある重いセリフは、この映画を、荒削りではあっても立派な一つの芸術作品にたらしめている。僕の高校時代を考えると、この映画を制作した高校生たちは、文句なくあっぱれなのである。[DVD(邦画)] 6点(2008-05-06 08:35:06) 2. 日本のいちばん長い日(1967) 日本人が戦争を語るということは、実はかなり難しい。この映画だけでも、いろんな考え方の人が出てくることからも明らかなように、何を大事に考えるかによって、行動に大きな差が出てくる。しかし、それぞれの相反する主張が、理屈としては、ちゃんと筋が通っている。そこがとても難しい。個人的には、この映画をみてはじめて知った事実もあり、とても勉強になった。また、笠智衆と三船敏郎という対照的な雰囲気の2人が心通じ合う場面は、映画的にすばらしい。武士道を感じさせる名シーンだと思う。生まれた時点で、戦後を生きねばならない日本人として、一度は見ておきたい作品である。[DVD(字幕)] 8点(2006-11-15 01:59:16)(良:2票) 3. ニュー・イヤーズ・デイ 約束の日 悪い意味で単純。良い意味でガキっぽい。あらゆる意味で思考がたりない。[ビデオ(字幕)] 5点(2005-05-03 12:12:12) 4. 28日後... 「世界の終わり」はいつ来るんだろうか。それとも、実はもうすでに「世界の終わ」った後の世界に僕らは生きていたりして。それとも、「世界の終わり」なんておおげさなものではなく、単に「僕らの終わり」なのだろうか。僕は、自分が死ぬ時に、やっぱり世界は終わって欲しくないと思えるだろうか。こんな事を考えた。 この映画は基本的に美的な映画だと思う。画面の構図、静かにかける馬、ラストの「地獄⇒こんにちわ」の転換とか、シーンごとの完成度は高い。雰囲気はタルコフスキーの「ストーカー」にも通じるものをもっていると思う。雰囲気だけで十分にみれる。付け加えると、この映画は人間の下劣な一面をも強烈に描いているが、その描き方を軽蔑する観客に対してもなんか言いたそうではある。6点(2004-11-10 15:37:41)《改行有》 5. 日本の夜と霧 面白い映画ではない。でも大切な映画だと思う。学生運動に関わった人の中には、そりゃただのマルクスかぶれやら、意味もわからずにただ面白そうだから参加していた奴とかもいただろうが、真剣に社会や権力について考えていたやつもいたはずだ。そういうスタンスがいいとは言わないが、彼らみたいな真剣さが、真剣じゃない奴らに利用されていく姿を見るには、この映画は役立つ。あっぱれ、大島渚。7点(2004-06-07 09:02:30)(良:1票) 6. 肉体の冠 ジャック・ベッケルほど緊張感のある「びんた」を描く監督はいない。同じ監督の「エドワードとキャロリーヌ」でもそうだったが、女性のびんたはすごい。なんでもない一瞬がサスペンスになる。「猟奇的な彼女」の「びんた」と見比べるのも一興。8点(2004-06-04 22:21:55)
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