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1. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 有名なオープニングの、宇宙空間に太陽が昇る映像、創世記の「光りあれ」である。神を乗り越える話だから、やはりそこから始まるんだな。
突然現れたモノリスに、おっかなびっくり触るサルたち。まっ平らなものを初めて触ったんだろうな。この「感触」だけでも、岩や生き物と違う、道具を意識させたのではないか、とも思えてくる。そして、対立するサルたちの、道具を知った側の方が、少しだけ直立度が高い(腕が地面に近いと振り回しにくいから?)。こんな細かいとこの進化をもちゃんと表現しているのは流石。で、道具が宇宙船にまで発展する、おそらく映画史に残るワンカット。これぞ「表現」。「表現」とはこういうモノだと、私はこの映画で教えられた。
人類が、自ら作ったのでない、「科学的根拠を持つ神」らしきものを発見した時、それを見極めたいと思うのは、ごく自然な事だろう。でも、そのために、旧い神の力を頼らなければいけなかったのは、悲劇だった。
HALは、人間の作った最高の叡智・知能の結晶=神(宗教的な)のメタファだから、人間がそれを超えたり止めたり、ましてや新しい"いい人"に乗り換えられるのを許さない。でも、それを止めて、次の段階へ進む人類。すごい話だと思う。まさしく宇宙の神話、叙事詩。うむ、「Space Odyssey」は、やはり「宇宙の旅」なだけではないんだな。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2011-03-08 02:03:11)(良:1票) 《改行有》
2. 日本海大海戦
《ネタバレ》 ヨーロッパからくる敵バルチック艦隊の進路と時期に関する、東郷平八郎の信念の様子と東郷の船乗りとしての戦略など、分かりやすく面白く見せてくれた。尤もとんでもない数の犠牲者を出して辛勝した旅順攻略の部分が随分と軽い感じもするが。テーマが日本海海戦だから仕方ないか。
日本の数少ない勝ち戦を、『明治天皇と日露大戦争』のように勝った勝ったの浮かれ騒ぎで終わらせないで、勝ってなお恐れる(畏れる)東郷の心で締めくくったのは良いと思う。[DVD(邦画)] 7点(2019-08-15 16:25:23)《改行有》
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