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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  野良犬(1949) 《ネタバレ》 暑苦しい映像はそのまま社会の暑苦しさ、生きにくさを象徴している。だからあれだけ永いシーケンスが必要だったのだ。悪い環境ゆえに罪を犯すという考えがあり、実際戦後の混乱期には犯罪が多発した。犯人遊佐のような生活環境であれば、もしかしたら自分も悪事を働くかもしれない、そう視聴者に思わせられなければ失敗だ。映画はそのことに全力をあげている。ぎらぎら光る目、ぎらつく太陽、疲れてふてくされた顔、水溜りに映る後姿、夕立、一々構図が決まり、カタルシスを覚える。一転、屋上での涼しそうな夕雲。空を大きくとった構図が素晴らしい。「ひと雨きそうだな」の言葉通り、雨がやってくる。その直前の雷。並木ハルコが遊佐からもらったドレスを着てくるくる回る。ドレスはあこがれの象徴だ。どしゃぶりとなり雷鳴と同時に刑事が撃たれる。ドレスも雨に打たれる。泥が犯人逮捕のヒントとなる。犯人を逮捕するシーンは、走って、止まり、撃って、静かにピアノが流れ、血が滴り、花が美しく映える。逮捕されたあとの子供達の歌声、そして犯人の咆哮。音と映像の静と動のコンビネーションは芸術。全てにおいて考えつくされており、無駄がない。遊佐と村上刑事は双子のように表裏一体に描かれる。ほんのちょっとしたきっかけで立場は逆になっていただろう。村上も遊佐同様、復員時に荷物を盗まれているし、辞表が受理されていれば自暴自棄な人生に陥ったかもしれない。人間の危うさ、運命の非情さ。遊佐の家と佐藤刑事の家も上手に対比させている。人間らしさが全く伺えない遊佐の茅屋。佐藤の家では子供達がすやすやと眠る姿。その眠る姿から静かに殺人現場へ移る。ここでも花とピアノが印象的に使われている。妻を殺された夫が狂ったようになってつぶしたトマトのアップ。死体を見せずに事件の残虐性を余すところなく伝える。善悪に徹しきれず、犯人に同情してしまう村上。犯人のことなんて忘れるんだなとアドバイスする佐藤。若さと老練、情と冷徹。遊佐から慕われる並木は社会を憎む危うい若人の一人として描かれる。女スリの見せた刑事への同情、遊佐に強く同情する姉、女たらしのリーゼント男、従業員と浮気する旅館の経営者。人生の機微を多様に描き、この悲劇は誰にでも起こる可能性があることを示唆する。天才のなせる業としかいいようがない傑作。文句なしの10点。[DVD(邦画)] 10点(2009-07-08 07:25:59)(良:1票)

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