みんなのシネマレビュー |
|
1. オリエント急行殺人事件(1974) さしものルメットも駄作を作っちまいましたね。睡魔との戦いでした。原作は未読ですが、結末が有名すぎるため、そういう意味でも醍醐味を味わえませんでしたし。そもそも、ポワロのキャラが、絶叫系下品オヤジなもので、何でこんな演出をしたのか、ものすごく疑問です。私の中では、ポワロ=デヴィッド・スーシェなんで余計に・・・。でもまあ、これだけの豪華キャストを揃えた、それを一時にスクリーンで拝めるわけですから、そういう意味では、名作ともいえます。内容は駄作であっても、存在は名作。不思議な作品ですな。[CS・衛星(字幕)] 4点(2013-10-20 21:52:19)(良:1票) 2. オールド・ボーイ(2003) 《ネタバレ》 いきなり林家ペーみたいなオッサンの顔で、その緊迫していそうな状況とのギャップに、思わず笑いが・・・。そして、オ・デスは安斎肇に見えて仕方なく、もう終始、集中して見ることなど出来なかった。そういう意味では笑わせてもらってけれども、映画としては、ゼンゼン面白いと思えなかった。復讐してるつもりだったのが実は復讐されていた・・・。復讐譚は嫌いじゃないが、なんつーか、こういう「ただの逆恨み」みたいのはねぇ、、、。ものすごい不条理さが復讐のエネルギーとなっているのでないと共感は難しい。タランティーノが審査委員長でなければグランプリになっていたかどうか疑問。大体、舌って切ったら命に関わるんじゃない? ま、リアリティなんか求めてないからいいけどね、別に。グロとエロだけの興味本位映画。いえ、エログロは好きですよ。でも、一度ストーリー知っちゃったら、もう見たいと思えないんじゃね、映画としては上質とは言えないでしょ。[DVD(字幕)] 4点(2010-12-13 22:54:55) 3. オーケストラ! ものすごいベタベタな演出とメロドラマっぷりに、むしろ素直に笑えます。予定調和もここまで開き直ってやってくれれば鼻につかないもの。コメディというより、ドタバタコントシーンの連続って感じで、劇場でも5分おきに笑いがあちこちで上っていました。残念なのは、まあ、こういう映画にリアリティなんか求めちゃいませんが、ラストシーンでメラニー・ロランが弾いていないのバレバレでいささか興醒めなところかな。可愛いので許せちゃいますが。純粋に「ええ話やなぁ~」と思える作品でした。作品と関係ないけど、ちょっと気になったのが観客の年齢層の高さ。若いコをほとんど見かけませんでした。こういう映画は(自分も含めて)オバ(ア)サマ受けするものだとは思いますが、意外にもオジ(イ)サマが多くてややオドロキ。私の前の列は7割がオジサマ。週末の初回上映だったからかなぁ。初回といっても11時過ぎ開始だったんだけど。満席だったし。・・・にしては、ここのレビュー数は少ないですね。レビュアーの年齢層がなんとなく分かる気がしますね。[映画館(字幕)] 7点(2010-05-23 22:57:40) 4. おはん 数多いらっしゃる日本の女優さんのなかで、唯一人、好きで憧れだった大原麗子さんが亡くなり淋しい限りです。作品自体は凡庸ですが、麗子さんを偲んでこの作品を見ました。ビデオ屋の棚には「吉永小百合映画」にカテゴライズされて並んでいましたが、小百合さんより麗子さんの方が存在感があるように思います。小百合さん演じるおはんは、きっと男からすれば愛いヤツなんでしょうねぇ。でも裏を返せばただの「都合のイイ女」。麗子さん演じるおかよの「誰かに寄りかかって生きたことは私にはない」のセリフがおはんを切り裂いただろうねえ。挙句、夫も目の前で奪われる。あのおかよのセリフはそのまま麗子さん自身にも重なり切ないです。ああやって気を張ってないと生きていけない悲しい性。おはんみたいになよなよとそれでいて柔よく剛を制すが如くしたたかに生きていくことのできる女に、なりたくてもなれない気質。幸吉を挟んで2人の女が対峙し、そんな火花が散るシーンは胸が詰まり涙が出ます。麗子さん、安らかに。[ビデオ(邦画)] 6点(2009-10-05 14:55:47)(良:2票) 5. おくりびと 脚本(シナリオ)を学ぶ者として一番強く感じたことは、この作品のシナリオは、シナリオ学校でお手本として使うに格好の作品であるということです。セリフで説明するな、と耳タコなほど言われるわけですが、この作品における最大の見せ場は、広末さん演じるところの妻のセリフ「夫は納棺師なんです!」なのです。これを、夫婦の会話として「私が間違ってたわ。あなたは納棺師という仕事に誇りを持ってるのね」などとやってはペケなのよ。また、展開においても、小道具の有効な使い方、主人公の変化と、まあ、典型的なほどにキチンとされており、これ、ヘンな授業を聞かされるより、よっぽど良い教材となり得ます。そういう意味では、これが初シナリオだという小山氏はさすが構成作家としてその素養をキチンとお持ちであったことには感心の極みであります。反対に、ニュース映像で、アカデミー賞のレッドカーペットに小山氏がおらず、監督・出演者に混じり、謎の男がいることに激しく疑問を抱いていたところ、後日、その謎の男がTBSのお偉方だったと知り、もの凄く怒りを覚えたことも事実であります。小山氏のスケジュールの都合だったのか否か知りませんが、だとすれば尚更、TBSの人間は遠慮しろよ、と言いたい(これについての監督・主演者の見解も是非知りたいところ)。そして案の定、脚本家の大石静氏も氏のブログで「だから最近のTBSはダメなんだ」と吐き捨てておられたが、これが脚本家(シナリオライター)の現実なのです。この地位の低さ。出来がよければ監督の手腕、悪ければ脚本家の罪なのです。・・・ですが、この作品に対しては違和感も強く感じています。最初から最後まで、見ている人間の心に何の引っ掛かりなく、サラ~ッと流れていってしまうのです。すべては、前述のように「良いシナリオ」の要素を全部備えるがために、キャラの配置、ストーリー展開されたように思います。小山氏が、何がツボかを知り尽くしているがために起きた現象ともいえるかも知れません。いえ、そういう作り方でもゼンゼン問題ないのですが、見ている人間に、その作為的な何かを感じさせるのはいかがなものでしょう。監督の力量もその辺りをカバーしきれていなかったということでしょうか。ネタ本となった著者の納棺師の方が、クレジットで名前を出さないよう要請したことに、頷けるものがあります。[地上波(邦画)] 5点(2009-09-24 11:22:18) 6. 女は二度生まれる 「(売禁法のおかげで)我々チョンガーには困ったもんです」「あら、でもいつも自家発電じゃ味気ないでしょ」(セリフ詳細違うかも・・・)なーんていう会話があけすけに飛び交って面白いです。芸のない娼妓の流浪の人生。こんな、誰にも愛されない人生なんて冷静に考えればかなり悲惨なはずだけれど、小えんさんにはそういう悲壮感はほとんどないんです。それだけに、あのラストシーンが鮮烈。不気味ささえ感じさせるそのコントラストが印象的でした。[DVD(邦画)] 7点(2009-08-27 15:08:58)(良:2票) 7. オテサーネク 妄想の子供 深刻に不妊の悩みを持つ人が見たら卒倒しそうな内容。こりゃー怖い。豆腐売るみたいに赤ちゃん売ってる屋台があればねえ・・・。オティークはあの奥さんの執着の権化、まさに尽きない欲望ってとこかな。あそこまで行くと、赤ちゃんに執着しているというより、執着していることに執着している(今さら執着を捨てられない)みたいなモンでしょ。せっかくだから、もっとアニメを見せて欲しかったなあ。あの絵本はステキだったけれど。シュワンクマイエルにしては何もかもがえらく真っ当な作りでございました。いえ、不満じゃないんです、グロ全開でとても面白かったので。ちょっとばかし物足りなかっただけです。[DVD(字幕)] 8点(2009-05-01 16:16:33) 8. 大いなる陰謀 《ネタバレ》 まず、これは「吹き替え」で見るべし、と言いたい。字幕スーパーで見ると、字幕を追うことに終始し、俳優たちの顔さえ拝めない。もちろん、内容を理解するヒマもない。吹き替えで見ると、ようやく、何を論争しているのかが見えてくる。監督の抱く憂国感や、意図すること(アメリカ国民よ、立ち上がれ!ってか)は分かるが、教授が生徒に「Bをやるから云々」と2つの条件を提示する意味が、私にはよく分からなかった。「Bをやる」にどういう意味があるのか? 戦場に行った教え子たちは「B+だった」から? 教授は教え子2人が戦場に行ったことを悔いているのに、トッドに「無関心であるな」と言ってるのは、結局「行動しろ」と言っているのと同義になってない? おまけのあのラスト。この辺、理解力不足なんだろうけど、よく分からなかった。どっちにしても、教授&生徒、政治家&ジャーナリストいずれも、安全圏で机上の空論を交わしているわけで、現地指揮官の「1万5000キロ離れた所で考えてるほど現場はたやすくない」という台詞が一番真実味があって重い。トム・クルーズは野心に満ちながらも浅薄な政治家にピッタリではあるが、お世辞にも知的とはいえない品のないルックスなので、却って逆効果かなー、とも感じた。「イラク・アフガン問題を扱っている」こと以外、何の予備知識もなく見たのだが、途中から、この邦題のマズさを感じさせられる。これなら原題のままの方が100倍ベター。[DVD(吹替)] 5点(2008-09-25 15:27:17)(良:1票) 9. 女はみんな生きている なんか、笑っちゃう。あ、もちろん、良い意味でです。ここまで「男のおバカさ」と「女のタフさ」を戯画化して描いてくれちゃうと、笑うしかない、って感じです。一番面白いのは、エレーヌが怪しげな男を背後からでっかい木材でぶっ叩くところかな。なんというか、問答無用! という感じが爽快です。途中、ノエミの独白シーンは長過ぎるのがいただけない。ノエミの回復ぶりが非現実的ではあるけど、所詮、これは、「女はタフである」ことのカリカチュア。男は人格と下半身は別な生き物などとよく言うけれど、この映画に出てくるオトコどもは、みんな揃いも揃って、下半身に人格が支配されたオマヌケばかり。まあ、これもカリカチュアなんだよね、所詮。邦題も、まあまあ良いんではない? オンナの、オンナによる、オンナのための映画、ってとこでしょうか。[DVD(字幕)] 7点(2008-09-08 15:20:48) 10. 女の中にいる他人 《ネタバレ》 身勝手なオトコが、妻に鉄槌を食らわされる痛快サスペンス・・・、とでも言いましょうか。美しい妻が、家族のことも顧みずに自首しようとする幼稚な夫を毒殺する場面は、不謹慎ですが、カタルシスを覚えます。おまけに、この夫役の小林桂樹が、なんともはやイケてないのです。演技がマズイのではなく、彼自身がマズイのですね。顔といい、雰囲気といい、声といい、服のセンス(これは彼のせいじゃないケド。特にランニングでベッドシーンはどーよ?と言いたい)といい、雰囲気ぶち壊し。新珠三千代の美しさが尋常でない分、小林の鈍重ぶりが際立ってしまう。・・・それが狙いだったのかも?とも思うけれど。女性から見て「食指が動くタイプ」のオトコではないのです。まあ、とにかく終始イライラ・ムカムカさせられましたが、人間のエゴを、淡々と、しかし容赦なく描いている人間ドラマとして、秀逸な映画だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2008-07-03 10:38:41)(良:1票)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS