みんなのシネマレビュー |
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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 狼少女 《ネタバレ》 この作品、時代設定は明確にされていないけど、多分昭和四十年代位かな。「見世物小屋」という、胡散臭い題材を取り上げているのに、作品そのものには胡散臭さ(良い意味での)がなくて、ちと物足りなかったような。なおかつ、最後むりやり「感動」に持ってっちゃう所も、逆に興醒め。んでも、こーゆー小学生の淡い恋みたいの、案外嫌いじゃないです。個人的には「三丁目の夕日」よりもこっちの方が好みです。[DVD(邦画)] 6点(2007-05-17 19:13:00) 2. ALWAYS 三丁目の夕日 21世紀に入ったのにちっとも「アカルイミライ」なんて見えない、共同体意識は崩壊寸前で、「個人」は脆弱なままバラバラになるばかり・・・そんな現在、こういう作品がヒットし、支持されるというのは、分からなくもない。「未来」に希望が見えずに不安な状況では「過去」は甘美な魅力で人を惹きつける。そういう意味では確かに時代のニーズに応えた作品ではある。・・・んでもさ。例えばクレしんの「オトナ帝国」がなぜあれほど感動的で、かつ刺激的な名作になり得たか?「オトナ~」では、「過去」を甘美なものである事を認めた上で、「決別すべきもの」として描いた(またもや誰かさんの言葉を借りると「観客をブレヒト的に戦わせ」た)。映画であれ他のジャンルであれ、「過去」をああいう形で提示したのは、僕の知る限りあの映画が初めてだったと思う。しかるに、、何やねん、この作品の「過去」の描写の薄っぺらさは。確かにあの時代の日本は、夢と希望に溢れていたかもしれない、いや確かにそうだったと思う。「豊かになりたい」っていう明確な目標があったから。でも同時に不安や絶望、それに「心の闇」だってあった筈。確かに現代はヒドい時代かもしれないけど、だからっつって過去を過剰に美化するのってどうなのよ?「物質的には貧しくても、心は豊かだった」って、そりゃそうかもしんないけどさ、あえて逆説的な事言うならば「携帯やパソコンが溢れている現在“でも”、『心の豊かさ』は手に入れられる」んじゃない?つうかさ、これは負け惜しみと思ってもらって構わないんだけど、この作品単純に下手だ、演出が。これなら「はじめてのおつかい」の方が10倍感動的で、泣ける。この作品で唯一「映画」らしいと思えたのは、電気冷蔵庫が来た日に旧式冷蔵庫が粗大ゴミとして出されるシーンだけ、でした。<追記>:ただ、この作品がヒットした影響か、古い邦画のDVDが大手レンタル店に置かれる比重が高くなった気がする。それに関しては、素直に感謝してます。[DVD(邦画)] 4点(2006-07-26 18:52:10)(良:2票) 3. オールド・ボーイ(2003) んむむ、凄い。ごつい。そして痛い。15年間もの間主人公を監禁した理由は、冷静に考えれば納得できないのだけれど、それを「映画の力」でねじ伏せて納得させてしまう、その力量にただただ脱帽。井筒監督も言ってたけれど、物凄いフィクションを作ったものだ。[DVD(字幕)] 9点(2005-12-01 18:02:34)(良:1票) 4. オーライ 僕の行きつけのビデオ屋さんの一軒に、書店と一緒になってて比較小さいのだけどたま~に他のお店に置いてない作品を置いているお店があって、これはそこで見つけた作品。監督の方は関西の自主制作映画界で活躍している人だそうな。で、冒頭アマチュア芸術家(?)が自分の作品を前にインタビューに答えているシーンから始まるこの作品、「お?」と思わせてくれて、しかも途中からサスペンス風味も加わってくるのだけれど・・・うーん、ちょっと自分には合わなかったです。凄く乱暴でいやらしい言い方をすると、「最近流行りの“トラウマからの解放と癒し”」がテーマみたいな感じだったのだけれど、何かその話の持っていき方が安易なんでないかい?と思えてしまった。それに木製の玩具を「温もりがある」と主人公に言わせてるのも、何だかありきたり(いや実に個人的な事で申し訳ないのだけれど、昔知り合いの女性に「アコースティック・ギターの音って温かくて良いよね」とか言われて内心「アコギの音が温かいだとぉ!?だったらブランキー・ジェット・シティの“ディズニーランドへ”の、あのゾッとするようなアコギのイントロを聞いてみろぉ!」と思ったことがあったもので。別にここで言う事じゃないけど、エレキギターや電子楽器でも「温かい音」は出せるし、アコギでも木製のものでも「冷たい感じ」は出せると思う。長くなってゴメンナサイ)。でも、主要キャストの役者、特に芸術家役の女優さんは良かったと思います。[DVD(字幕)] 5点(2005-11-08 18:22:03) 5. お父さんのバックドロップ なんだかんだ言ってもワタクシは基本的にベタで泣ける映画が好きだ。んでもってぶきっちょでちょっと情けないお父さんが頑張る話もかなり好きだ。「お父さんのバックドロップ」・・・タイトルだけでちょっとウルッと来るではないか(え?来ない?おかしい・・・)。しかも亡くなったお母さん役が奥貫薫で配給がシネカノン・・・と来れば、もうこれは観るしかな~い!まあストーリーはほぼ予想できるけど、それでいいのだ。スネオヘアーのエンディングテーマは爽やかだし、最後に現れるお父さんのでっかいパンツと一雄の小さいパンツが並んで干されているイラストが、何とも微笑ましい。お父さんの描写にもっと力を入れて欲しいとか、ベタベタな「ディープ・オーサカ」を見せて欲しかったとか、文句がないわけではないけれど李監督の今後の活躍に期待を込めて8点。[DVD(字幕)] 8点(2005-04-22 17:37:26) 6. オアシス これは、タッチもアプローチも正反対だけど、その本質において「シザーハンズ」だと、思う。すなわち、名作。8点(2004-12-29 16:22:15) 7. オレンジカウンティ 最初はいかにもMTVな、つまり典型的アメリカンキッズ向けのアホアホお子様映画かと思っていたら、なるほど、なかなか深いテーマが込められてたのねん。「自分の今いる所から抜け出したい」というテーマだと、大体貧困層か田舎町が舞台だったりするけど、カリフォルニアのそこそこ裕福な家庭、という設定がちょっとヒネりが効いててさすがはマイク・ホワイトという感じ。「故郷(や家族、つまりは自分から選んだわけではないけど与えられているモノ)との葛藤」って別に作家志望の人じゃなくても多くの人が大なり小なり抱えてる問題なのかも。とりあえず白ブリーフ(しばしば半ケツ有り)のジャック・ブラックは相変わらずで、楽しいやね。7点(2004-12-24 17:53:59) 8. オータム・イン・ニューヨーク 《ネタバレ》 この作品、本になった「みんなのシネマレビュー」でワーストランキング入ってたんですよね。そうでなくとも僕の場合「ニューヨークを舞台にしたラブロマンス」みたいなのはホラー映画の次に手に取らないジャンルではあるのですが、んじゃあ何で観たかというと、先に観た同じジョアン・チェン監督の「シュウシュウの季節」があまりに素晴らしかったのと、あと【まぶぜたろう】さんの「キリング・ミー・ソフトリー」レビューを読んで「ひょっとして他の映画でも応用(?)できるかも」と思ったから。で、結論から言うと、悪くなかったです。皆さんがツッコんでらっしゃるストーリーですが、僕はちょっと「道」を思い出したんですよね。つまり好き勝手やってたバカ男が、大切な人を失って初めて自分の愚かしさ(と孤独)を知る、という。だから前半のR・ギアの設定は確かに一昔前のトレンディドラマみたいでしたが(どうでも良いけど劇中さかんに「かっこいい」「若い時とちっとも変わらない」と言われるR・ギアが、僕には「長風呂の後のふやけた親指」にしか見えなかったのですが)、そんなに気にならなかったです。それに、所々の映像の中には「お!」と思うような所もあったし(個人的にガラス越しの二人のベッドシーンは結構エロくて良かったです)、ラストでR・ギアが娘・孫と一緒に、作品冒頭でW・ライダーが乗ってたボートに乗ってる所とか、ちょっとホロッと来そうになりました。ということで、いつもとちょっと違う観方で観たのですがなかなか新鮮でした。ただやはり、監督が本当に撮りたかった映画ではないかもしれませんね。ハリウッドの事情は良く知らないけど、アジア系の監督さんが自分のやりたいように作品を撮るのはなかなか大変そうなので、頑張って欲しいなあ、と思います。しつこいようですが「シュウシュウの季節」はホント、良い映画なので。7点(2004-12-19 18:52:37) 9. 女はみんな生きている うーん、「テルマ&ルイーズ」のように、女性が悪い男・ダメ男をとっちめる話というのは好きなのだけれど・・・いくらなんでも戯画化し過ぎではないの?と思ってしまった。最初は男達のダメっぷりも小気味良かったのだけれど、あまりにもダメ男しか出てこないんだもん。これって結局「男に都合の良い類型的な女性しか現れない作品」の裏返しなんじゃないの?と思う(それに、詳しいことは知らないから偉そうな事は言えないけど、イスラム社会ってあそこまで「男尊女卑」的かなあ?確かに近代西洋的観点から見れば眉をひそめたくなる様な風習・慣習もあるのだろうけど)。あと、編集の仕方が妙にガチャガチャしてて落ち着かないのも気になったし、何よりも納得いかなかったのは、中盤でノエミがのエレーヌの旦那を誘惑するくだり。いくら心が離れてしまったとはいえ、夫(元夫?)があんな目にあって平気なんだろうか?とか、その他にもノエミの人物像とか色々「うーん」と思うところが多々あって、残念なことにあんまし「元気」にはなれなかったのでした。でも、他の方のレビューを読むとやっぱり女性の評価は高いんだなあ。それはそれで、「ふーむ、なるほどなあ」って感じで興味深い。6点(2004-07-27 15:19:41) 10. ON AIR/オン・エアー こういう事言うと怒られちゃいそうですけど、これは「映画に愛を込めて」ならぬ「TVドラマに愛を込めて」ですね。作り手のTVドラマ制作に対する愛情(と皮肉)がこもっている作品だなあ、と思います。・・・でもなあ、なんか台詞が演劇っぽいというか、橋田スガコドラマっぽいというか、説明過剰な感じがしたんですよねえ。元々劇場公開作として作られたものではないらしいし、きっと分かり易さを重視したんでしょうけど・・・。それに杉田かおりも(バラエティの印象が強いせいか)あんまり「売れっ子ライター」に見えないしなあ。でも、制作側の「若者に媚びない、大人が楽しめるコメディを作りたい」という意図はひしひしと伝わってきました。次回作では、もっと頑張って下さい、と皮肉ではなく思います。5点(2003-11-05 18:21:05)
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