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プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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1.  おとなのけんか 笑いすぎて死ぬかと思った。[映画館(字幕)] 9点(2012-06-30 14:44:54)

2.  終わりなき叫び カンヌで審査員賞受賞ということで期待していたが、かなり退屈な映画だった。登場人物のアップに頼る撮り方は出来の悪い日本映画に通じるものがある。内戦下のチャドで、とあるリゾートホテルのプールの監視員をしている老人(かつての水泳チャンピオン)とその息子の葛藤とその結末がこの映画の背骨だ。自らの仕事に誇りを持っている父は自分の息子にもプールの監視員の仕事を教えているのだが、ある日、人員整理のため彼は息子に職を譲って引退するように経営者から命じられる。これだけ聞くと、とても面白そうなテーマである。この父と子の緊張関係に何人か他の登場人物を登場させ、適当なドラマを生起させれば、いい所まで行きそうである。しかし、この作品からは圧倒的にエピソードが欠落している。 いくつか印象的なシーンはある。父と子がプールの周囲に夜間用のチェーンをかけていくシーンや自宅での母親を交えた夕食のシーン、息子のガールフレンドが歌い始めるシーンなどだ。でも、その背後にあるのは茫漠たる時間の延長だ。これらの良いシーンが出てくるまで、僕らはずっと砂を噛むようなシーンを前にして、ジリジリしながら待たなくてはならない。そして、作品を観ている間に待たせられるなど、せっかちな僕には我慢できない。[映画館(字幕)] 3点(2011-12-13 09:50:01)《改行有》

3.  オテサーネク 妄想の子供 《ネタバレ》 嬉々とした変態映画。本当はもっと変態な映画を撮る人らしいが、もうこれで十分。おなかいっぱいだ。 ただごはんを食べているだけのシーンが悉く不快。狙いすましている。下ネタ映画以上に飲食しながら観たくない映画だ。「物を食べる」という行為をテーマにここまで嫌らしい映画が作れることに感動した。他の動物の命を奪う「食」は確かに原罪だ。動物性の食べ物ではなく、キャベツを食べて死ぬという御伽噺も象徴的である。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-21 12:46:21)《改行有》

4.  おいしい生活 ウッディ・アレンの映画の中でも特に軽い部類に入る。強烈な皮肉が利いていない分、誰にでも観やすい映画だと思うが、観終わった後も特に印象には残らない。人間の幸福にとっては、お金が全てじゃないよね!?というメッセージがあるにはあるが、その場その場のドタバタコメディの要素のほうが強い。ニヤリとクスリの積み重ねでラストまで引っ張っていくタイプの映画だ。上映時間が短いのが奏功している。 もっとアクの強い笑いが好きな僕には少し物足りなかったが、これでも楽しめてしまうのだからアレンの映画は止められない。[DVD(字幕)] 6点(2011-02-06 11:14:33)《改行有》

5.  乙女の祈り 《ネタバレ》 なんともねちっこい映画ですね、これは。「女臭い映画」という意味で邦画の「ストロベリーショートケイクス」を思い出したが、あちらがあくまでも大人の物語であるのに対して、こちらはもっと閉鎖的で異質な子供の世界がテーマになっているところが大きく異なる。 登場人物はあまり多くなく、主役二人の演技力に負うものが大きいが、二人ともきちんとやり遂げている。自分の能力を過信するジュリエットと彼女を崇拝するポウリーンの奇妙な共依存関係が恐るべきエネルギーを生み出す様は、観ていて恐ろしくなる。子供対大人という構図に中二病と同性愛という新たなテーマも盛り込まれているから観ていて飽きない。子供のころは何で先生や親は子供の心が分からないのだろう?と不思議だったが、僕も大人になったらやっぱり分からなくなっている。子供対大人の緊張関係の描写が秀逸だ。 邦題も素晴らしい。原題を徒に改悪するものが多い中で、この邦題はなかなかのアイディア賞だと思う。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-05 17:26:28)《改行有》

6.  おくりびと 《ネタバレ》 全編を通じて、人間のいのちに対する真摯な思いが感じ取れる佳作。抑制されたユーモアを交えながら、死を旅立ちと捉える前向きな死生観にも好感が持てる。主演の二人はもちろんだが、周囲を固める脇役陣の演技も光る。一癖ありげな山崎努と余貴美子が特に良い。やり過ぎる少し手前で止まっているバランスが見ていて心地よい。ともすれば、日本の映画は低俗な漫画のようなキャラクター描写になりがちだが、この映画の登場人物はどれもちょうどいいバランスを保っている。 広末涼子の演技や「けがらわしい」という台詞回しには一部で批判もあるようだが、それほど悪くは感じられなかった。ただし、笑顔がどれも画一的で、やはりアイドル出身だけに笑顔慣れしているなあという印象は受けたが。 この映画がアカデミー賞外国語映画賞を受賞したことは喜ばしい。「Shall we ダンス?」とも通じる日本的なユーモアが国境を越えて受け入れられたということだろう。個人的にはドタバタの才能は日本人には薄いと思う。日本のコメディは、この映画のように、シチュエーションが生み出すそこはかとないおかしみを大切にしていって欲しいものだ。[DVD(邦画)] 8点(2010-08-25 00:10:13)《改行有》

7.  鬼が来た! 《ネタバレ》 「純粋に」映画として観ると言うことが可能なのか、観終わった後一日考えたが、結局無理だと感じた。終盤のオチはやたら長い宴会シーンのあたりから見えてくるのだが、これはかなり残虐な話であり、実際にこのようなことが無かったのならば、やっぱり映画にされるのは嫌だ。たぶん他の国の人も自分の国がこのように描かれたら、同じように感じるのではないか。 確かに「天皇陛下万歳」を叫びながら、中国人をチャンコロと呼びながら国土を蹂躙した日本兵に対して、中国人が良い印象を抱くはずは無く、反日映画ができるのは当たり前だ。しかし、この映画に関して僕が問題だと思うのは、この映画について、「純粋に」映画としての面白さが存在する作品だと言う内容のレビューが非常に多いことだ。確かにそれが可能な人もいるかもしれない。しかし、この作品を観た後に、日本人に対して悪感情を持たない人(政治的に中立な、例えば外国人)はまず存在しないだろう。現代の日本人はそうは見えなくても、この映画で描かれるような特異な獣性や不気味さを心のどこかに隠した国民だと思うのは間違いないだろう。個人的には映画の出来を「純粋に」評価する以前に、この作品は政治的にヤバい作品だと思うのである。 映画の観客が皆歴史に詳しいとは限らない。例えば、レビュワーの中にも国民政府軍と八路軍の違いが分かっていない人もいる。そんな人がこの映画を観ることは危険だし、veryautumnさんが書いているように、「この映画は入門には向かない」のである。そして、誰がこの映画を観るかはコントロールできない。歴史を題材として扱う場合は、あくまでもそれがフィクションであること(当たり前のことなのだが)を強調してもし過ぎることは無い。特にこのようにリアリティ溢れる映画ならば尚更だ。[DVD(字幕)] 4点(2010-01-24 22:37:33)《改行有》

8.  お早よう 《ネタバレ》 小津作品の中でもコメディー色の強い作品。何となくジャック・タチの映画を思い出した。どうでもいいおしゃべりこそが大切なのだと言う説教臭いテーマを見事に軽妙なコメディに昇華した傑作だ。 同じシーンの繰り返しのような展開が笑いを誘う。近所づきあいというものの難しさを軽妙に描く実力は流石だ。ただの口さがない女たちのおしゃべりを芸術作品にしてしまうのだから凄い。ここでは、杉村春子の圧倒的な演技力が光る。 また、本作の主役は子供たちなのだが、彼らの使い方もうまい。いつも親が子供たちに甘いのは小津作品に共通なのだが、この子供たちもやりたい放題で観ていて微笑ましい。くだらないことに一生懸命になっていたあの頃を思い出した。 最後に、ラストのオチが素晴らしい。明日から知らない人にも挨拶したくなる。そんな映画。[DVD(邦画)] 8点(2009-11-03 17:31:21)《改行有》

9.  夫たち、妻たち 《ネタバレ》 限りなく苦いコメディであり、アレンの自己客体化の神髄が味わえる。この映画が「笑える」のは彼の透徹した目が人間の肉体を貫いて、その心を捉えているからだ。この映画で、僕は彼と共に感動し、彼と共に喜び、彼と共に悲しむことができた。 映画のテーマは、彼の十八番の「インテリ恋愛模様」なのだが、本作が特に優れているのは、効果的に手持ちカメラを使った点と観客を精神分析医(=神)の立場に配置したことである。観客は登場人物一人ひとりの意識の中(あくまでも彼らが自己分析した自己に止まるが)に入り込むことが出来る。赤裸々な人間の感情をこれほど捉えた映画は今までに観たことがない。アレンの目線はどこまでも「男性的」なので女性には理解できない部分があるかもしれないが、彼の描くジュディは怖ろしいほどリアルで、彼女は男から見た知的な女の魅力と面倒くささを体現していた。サリーやレインの描き方もうまい。まだ観ていない彼の映画があることが幸せだ。[DVD(字幕)] 9点(2009-03-04 22:51:40)《改行有》

10.  大いなる陰謀 《ネタバレ》 観る前から知ってましたが、とりあえず、ひとくさりこのしょうもないタイトルを脳内でけなした後、このレビューを書いています。民主党員の作った民主党員のための映画みたいになっているのが、ちょっと気に食わないですが、確かにイラク戦争は失敗に終わったので、あながち間違いとはいえないでしょう。後づけの感はありますが。 共和党政治家のホープとリベラルなジャーナリスト、それに反戦派の大学教授と役者は揃っています。当然ながら、共和党政治家は少し常軌を逸した人物として描かれており、その時点でジャーナリストと大学教授に肩入れしやすい構成にしているのは、ちょっとずるいところですね。全体的な雰囲気としては、イタい共和党に率いられた民衆が戦争を支持するんだけど、それを止められない民主党も残念だみたいな自虐的なノリの映画です。戦争に志願する人のことをダメだとは止められないし、それなりに敬意も払わないといけない。でも、この戦争は間違ってるんだからそれは犬死だよね。。。という彼ら(というかレッドフォード)の心の声が聞こえてきます。 で、結局どうすればいいのか明確な答えを出さないのもずるいところ。即時撤兵して復権した過激派による粛清が行われるのを淡々と見ていればいいのでしょうか。アメリカがそれで良いというのだったらそれまでですが、その際は日本ももうちょっと安全保障の問題を考えておかないとまずいですね。個人的には東アジアはけっこう地理的に危険だと思っています。 散々批判しましたが、考えされられましたし、トム・クルーズの演技はうまいと感じたから7点です。それにしても何だこのタイトル。[DVD(字幕)] 7点(2009-02-16 23:59:43)(良:1票) 《改行有》

11.  大いなる幻影(1937) 確かに現代の映画に比べれば、テンポはのろいし、コントの寄せ集めのような場面もあると言えないこともない。しかし、製作されたのが1930年代であることを考えると、この映画がいかに進歩的かつ深い意味を持つ作品かを実感する。「大いなる幻影」というタイトルの孕む意味の多重性(戦争が幻影なのか、滅び行く貴族階級が幻影なのか、再会を誓うマレシャルの思いが幻影なのか)も秀逸だ。この映画を観るとそこはかとなく哀しくなるのは、滅亡の美学とも言える独特の世界観に覆われているからだろう。こんな風に心を揺さぶる映画は初めてだった。どぎつい反戦映画よりも心の深い部分に訴えかけてくる。[DVD(字幕)] 6点(2008-01-10 23:26:05)

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