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プロフィール |
コメント数 |
112 |
性別 |
男性 |
自己紹介 |
10点---- 個人的ツボ。欠点なんて知ったこっちゃない映画。 9点---- 完成度高し。人にすすめたくなるような映画。 8点---- 良作。ちょっと気になる点も。 |
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1. 大人は判ってくれない
《ネタバレ》 子供が自然体で映っている映画はたまにあるけれど、ここまで子供の行動を分かっている映画もなかなかない。本当に子供をよく観察しているなというのが最初の印象。子供が子供らしくて見ていてとても微笑ましい。特に人形劇を眺める子供達の夢中な表情が印象的。だけど、その無邪気な子供達の後方で、盗みの話をしている少年がいる。主人公の少年である。この少年は親に対する信頼が無い。どんなことがあっても最後は親が自分の見方をしてくれるという、子供にとって必要不可欠な感情を失っている。12歳の少年が、幼くしてすでに親をあきらめている。簡単に家出をしてしまったり、つい「母親が死んだ」と嘘をついたり(身内はあるかもしれないが母親というのは中々言えない)。彼はどこでその得られなかった感情の埋め合わせをしていくのだろうか。同い年くらいの普通の子には与えられる愛情をどこで体験するのだろうか。なぜ彼が、あたたかい寝袋を好むのか分かった気がする。本当に見ていて辛い映画だ。そして、何よりも切ないのは少年の数々の悪事の中にも律儀さや人の良さが、ふっと見え隠れしているところ。寝床で夫婦喧嘩の声を聞く彼の憂いを帯びた瞳、そしてラストの海辺での鋭い眼差しは忘れられない。[DVD(字幕)] 8点(2009-12-31 15:27:25)
2. おくりびと
《ネタバレ》 死というものを生業の一部としている人間の成長ドラマを描くと同時に、死というものを遠ざけている現代日本人の姿を浮き彫りにしていたと思う。スーパーで大量陳列されているような(死を感じさせない)肉は平気で触るし食べるのに、生きているタコには触ることができない。そんな妻の姿は、どこか自分とかぶるところがあった。今の日本人の象徴があのヒロスエなのだと思う。子供の頃は平気で昆虫とかゴカイとか触っていたが、今は触れることさえ勇気がいる。日常的に触れていないと、段々と想像力が台頭してきて、恐怖が勝っちゃうんですよね。現代社会も、「死」は現実より切り離され、病院や屠殺場に押し込められている。医学や流通の発展は生活に多大な恩恵をもたらしたけれど、精神面では何かを少しずつ欠落させていってるような気がする。だからこそ、この作品の発した「死とは普通なもの、自然なものなんだよ」というメッセージには、大いに共感する。死が身近に存在した昔の伝統的な日本の姿を思い出させてくれる、生きる活力を与えてくれる良い作品だと思う。そして、そういう活力の根源は「笑いと愛と食」だよなと再認識。中身については、ファーストシーンでぐっと掴まれた。その後の導入部はナレーションが饒舌すぎて気になったが、総じて脚本は巧い。「生と死」を根底の軸としている映画だと思うので、ご都合主義に見える死によっての問題解決も気にはならなかった。ところで、ルーズソックスに込められた愛らしさの表現や、川原で佇んでいる所に霊柩車のクラクション(あの独特の音)が鳴るという笑いは、日本に住んでいる人にしか伝わらないだろうなー。土手でのチェロなど、多少しつこい部分もあったのでこの点で。[地上波(邦画)] 8点(2009-09-23 18:13:56)
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