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1. 薔薇の名前
《ネタバレ》 原作における時代背景(神聖ローマ帝国皇帝とローマ在住でないローマ教皇の対立)の説明がないのでその特使である枢機卿との協議の重要性とかあいまいになっていますが,修道院における連続殺人事件の謎解きとしての映画なら十分に楽しめます。図書館の舞台が原作の平面の迷路から立体迷路になっていてゲームとかにも出来そうな題材になっています。印刷技術や紙さえも伝わっていなかった中世ヨーロッパですが人の交流だけはグローバルで英国出身の師のギャグに富んだ語りが笑いを嫌う修道院の長老との対比をなしています。ちょっとセックス場面でのサービスが良過ぎるので教会の協力がよく得られたものだと思います。娘が火事騒ぎで助かったのは燃え残った火刑台を示すだけで十分で最後の別れの場面は明らかに蛇足のようです。登場人物のキャラクタ付けがちょっと濃い目ですが皆さん役のために相当に努力をされている点でおまけ。[DVD(字幕)] 7点(2007-09-20 22:16:29)(良:1票)
2. 廃市
柳川には数回行ったことがあるし、川下りの船にも乗ったけれど、夏の川(掘割り)の澱んだような雰囲気はこの映画には乏しいです。原作の廃市は静かに廃れていく世界であって腐っていくのとは違うのだけれど、この映画では腐臭みたいなものが感じられる。最後の場面で船頭の少年がその印象に抗議するようにして訴えるところがあるけれど、そうでなければ撮影に協力した地元の立場がなくなったかも知れない。時代は昭和30年代の中ほどあたり(主人公の服装とかから)に設定されているようだけれど、実際の柳川は当時から福岡市の中心からの西鉄の特急が頻繁に通う街です。5点(2004-12-30 23:47:03)
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