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141. パプリカ(2006)
これまでアイドルや映画女優など、人の夢の中で生きる女性を描いてきた監督だから、うってつけの題材のはず。イメージが氾濫する映像にもっと面白がってもいいのに、と自分で思いつつ、もひとつノレなかったのはなぜなんだろう。夢が画面を変形し、夢が画面に侵入してくる。たとえば映画館の天井から夢の内容物が静かに落下してくるあたりなどの瞬間瞬間はワクワクするのだが、それらが一本の映画作品としてのうねりにはなってくれないのだ。サービスし過ぎでこちらが夢に麻痺してしまったのか。パレードをラストの登場まで伏せておくなど、も少し抑えがあったほうが良かったかもしれない、などと思うものの、そうすると今度は淡泊だったなんて感想になったかも知れず…。[DVD(邦画)] 6点(2007-09-25 12:16:10)
142. ハード キャンディ(2005)
映画を見てるときって、ふつうはまあ正義の側に立って鑑賞するものでしょ。そうだとだいたい最後は勝つから。でもこれ、男と少女、どっちが正義だか分かんないの。被害を受けてるのは明らかに男の方だけど、少女の言い分に理があるのかないのかが不明で。その宙ぶらりんの緊張が、珍しい体験でした。しおらしい顔してた少女の顔に不敵な笑みが浮かんでくるあたりのゾクゾク感ったらない。これはもうどっちの側に立って
見てるのでもなく、自分のひいきチームと関係ない決勝戦を、反則なんでもありの痛快なルールで観戦してるようなものか。怖~い怖~いお医者さんごっこの話。それにしても、舞台では一人芝居というジャンルがあるのに、劇映画は最低二人登場しないと成り立たないのはなぜなんだろう。舞台は演者と観客が反応しあう場なのに対して、映画は観客が演者をこっそり覗いてる場だからなのかな。[DVD(字幕)] 7点(2007-08-07 12:17:30)《改行有》
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