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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト) なんて洒落た、なんて可愛い、なんてハイセンスなオペレッタ!!セリフが唐突に歌に変わる絶妙のタイミングといい、豪華でレトロで可愛らしい衣装やセットといい、一部始終を美しいカメラワークで収めたレナート・ベルタの安心感ある技といい、主役を演じたサビーヌ・アゼマのお茶目さといい、巨匠アラン・レネにこんなにも軽やかで楽しい映画が作れるなんて!!構えて観た私がバカでした。という嬉しすぎる最高の後味。ミュージカル嫌いなあなたにもおススメ![DVD(字幕)] 8点(2006-09-28 13:47:53)

2.  花とアリス〈劇場版〉 花とアリス、ふたりの会話が楽しい。説明としての会話が無いどころか、言葉無く表情やしぐさだけで会話をしているところもあり、その様はすごく自然で素直に「ふたりはいつもいっしょで仲がいいなぁ」と思わせてくれる。そしてお互い別の人間と会話するときには微妙に別の顔を見せる。とくにアリスの目上の人と話すときの舌ったらずなしゃべりと硬い表情、父親と話すときの気をつかわないぶっきらぼうな言葉と居心地の良さそうな表情がアリスという人間をうまく表現している。よくよく考えれば同じ人間でも相手によっていろいろな顔をみせるというのは当たり前のことなんですが、その当たり前のことを丁寧に描いているところが好感を持てるし、だからこそ自然に感じるんです。アリスの何かを食べるときのブサイクな顔も面白かった。そして花の泣き顔。コレはやっぱどアップで正解だと思います。素敵な泣き顔です。ラストのバレエも美しかったけどその後の広末の「あっ、パンチラ..」の一言!いや、バレエがホントに美しかったんであって、あの、その、そりゃたしかにソレも...という微妙な男心をチクリと一刺し。ヤラレタ(笑)。それからチータさんのレビューで「あぁ!」と思いました。なるほどモネの絵のようです。私、モネの絵、好きです。だからこの映画も内容云々以前に生理的に好きなのかもしれません。8点(2004-12-13 12:34:03)(良:1票)

3.  バーバー 戦勝後の古き良き時代を「虚栄」の時代と皮肉り、テーマはおそらく虚栄が生み出す「偽りに満ちた現実」だろうか。しゃべらない主人公、妻の不倫、愛の無い夫婦生活、不倫相手の武勇伝、セールスマンのカツラ、さらには妻の逮捕、UFO騒動のロズウェル事件、極めつけは唯一の癒しの対象である清楚な女子高生の真実。これら偽りだらけの現実をまさにグレー色で綴った、悲劇なのにどこか滑稽な犯罪ドラマである。脚本の緻密さと遊び心溢れる演出に浸れる逸品。コーエン兄弟はホントに「映画」を楽しんでいる。 8点(2003-12-25 11:49:31)

4.  パブリック・エネミーズ 141分という数字に若干不安を覚えたが、マイケル・マンがジョン・デリンジャーの伝記映画なんぞ撮るはずもなく、そのことを証明するような冒頭数分で一気に不安は解消される。この映画のデリンジャーは最初から銀行強盗であり、そこには「なぜ」も「だから」も無い。銀行強盗は銀行を襲う。捕まれば脱獄する。そしてまた銀行を襲う。その行程をひたすら見せる。銀行強盗のプロフェッショナルな行程を。寸分の狂いもなくマンの映画だ。デリンジャーと対称軸にいるのがFBI捜査官のパーヴィス。こちらはクリスチャン・ベールがうまい。登場シーンに見る、犯罪者に情け容赦のない様はまさにマンの描くプロフェッショナルな男。ところが指揮権を委任されながらもマスコミを意識する長官からの横やりがこの男を曇らせてゆく。そのかわりにそのプロフェッショナルを引き継ぐのがベテラン捜査官ウィンステッド。映画館前で見せるその佇まいの美しいこと!デップよりもベールよりもマンの男かもしれない。この男に当てられる光がそう語っている。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 17:11:49)(良:1票)

5.  ハプニング 《ネタバレ》 ヒッチコックの『鳥』を念頭に置いているとかいないとか。たしかに原因不明のままに人が攻撃されてゆく展開は『鳥』そのものだ(いや、敵の姿を全く見せずにここまで引きつける力は『鳥』をも凌駕している)。そして何よりも初めて画面に登場するズーイー・デシャネルのどこかいってる目はまぎれもなくヒッチコック映画、とくに『鳥』の女だ。ご親切にも「あの顔は妻になれる顔じゃない」とジョン・レグイザモに言われたあとにこのいっちゃってる目をしたズーイーが映される。しかも彼女はどうやら後ろめたい何かを隠している。そんな女は『サイコ』よろしく殺される運命にある。しかしである。どうも浮気だと思ったらティラミス(だったっけ?)を食べただけらしい。そうなると話は変わってくる。レグイザモに「守り抜けないなら触るな」と言い放たれた後に少女の小さな手をしっかりと握るその姿に少なくとも少女は死なないことを確信させる。そしてズーイーもまた少女に向ける優しい目を画面にさらけだすことで彼女の死もないことを確信させる。もともとシャマランがそんなことするはずもないのだがこの確信させてくれるシーンをちゃんと見せてくれるのが嬉しい。何故毒素が発生したのか?何故主人公たちは助かるのか?そんな野暮なことを聞いちゃいけない。それでも聞かれればこう答えるしかない。それが「ハプニング」であり「奇跡」であると。シャマランはこれまでも「奇跡」を描いてきた。奇跡に何故?はない。そして奇跡はハプニングなのだ。もしかしたら「奇跡」「ハプニング」は神の啓示かもしれないと他の作品では示唆していた。毒素発生も救済も、そして夫婦の危機も円満もまた「奇跡」であり「ハプニング」なのだ。シャマランにとってのみならず映画はこの「奇跡」と「ハプニング」で成り立つ。映画は何が起こっているかを描くものであってその意味を描くものではない。昨今、こんなにも映画に素直に向き合った作品もそうはない。この作品が酷評されることのほうが私には「何故?」である。[映画館(字幕)] 7点(2009-05-01 14:13:23)(良:3票)

6.  パンズ・ラビリンス 《ネタバレ》 スペインが生んだ大傑作『ミツバチのささやき』をロールプレイングゲームにしてみましたって感じの映画。スペイン内戦の傷ではなく、わかりやすく戦争真っ只中を舞台とすることで純粋無垢な少女を現実ではない世界へ導きやすくしている。悪者の継父はこれ以上ないくらいに悪者。まるで悪魔。フランケンシュタインの怪物どころではない。しかしかの大傑作におけるフランケン同様に悪魔のような継父は現実世界の象徴であり、少女が成長するうえで避けられぬ通過儀礼であり、さらにこの作品ではゲームをクリアするためのボスキャラでもあるのだ。ゲームだゲームだと思ってたらゲームクリアがこんなにも悲しくていいのか。クリアしたのだからハッピーエンドのはずなのに。夢の世界へ逃避することをこんなにも残酷に描いた作品はない。この特異な後味を評価したい。どこかで見たことのある幻想の世界(かえるの話はそのまま絵本で見たことある)をダークな味付けで独創的にしてみせたセンスを評価したい。そしてなによりもイバナ・バケロという美しい少女を絶賛したい。[映画館(字幕)] 7点(2009-02-26 15:48:01)

7.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト お話は前作の続きで前作からの伏線の回収があるし、完結せずにいいところで終わっちゃってるうえに三作目につながる伏線らしきものが気になってしょうがないしで、お話的には単品だとチトきついかなとも思うんだけど、個人的にはシリーズで最も楽しめた作品。前作でも元々目的の異なる登場人物たちが結果として同じ方向へと行動してゆく様が面白かったのだが、今回はその目的の違いが明確で、そのことから起こる敵味方の曖昧なラインが登場人物たちの関係をよりスリリングに、より楽しくしている。人食い族から逃げるスパロウの笑わせながらピンチを脱するその洗練された古典ギャグの応酬に大満足。スパロウ、ターナー、ノリントンの三者によるお笑いをふんだんに取り入れた剣の戦いも良かった。シリーズものの辻褄合わせの部分が少々退屈であったりするが、三作目に比べればそれも必要最低限。これはなかなか天晴れだと思う。[DVD(字幕)] 7点(2008-03-11 14:06:57)

8.  パッチギ! 《ネタバレ》 オーバーととられがちな喧嘩のシーンですが、私にとっては実に懐かしかった。「なにメンチきっとんじゃー!」のセリフにうんうんと懐かしみ、急所蹴りにケツの穴が縮こまる思いをし、朝鮮学校とのいざこざという恐怖体験を思いおこしながら楽しく鑑賞。中学生くらいの頃は私も平気で差別用語を連呼してました。でも差別という概念はなく、それが当たり前の言葉として存在していた。この映画も公共のメディアとしては実に乱暴だけど、あきらかな「在日VS日本人」という普通なら話の隅っこに描かれてきた、でも実際はちゃうやん!という図式を堂々と見せつける。私たちがそうであったように、この映画の子供たちは政治から全く切り離された世界で戦っている。そこに実は差別は無いと思いながら。だから青臭くて楽しくてどこか悲しい。しかしそのことを全肯定していない。子供たちの、そして私の無知を非難するシーンがある。葬式のシーンです。ここは応えた。それでも新しい世代の子供たちは自分たち流にケリをつけようとする。加茂川の戦い。無意味な戦争。そこに命の誕生を告げる飛び蹴り。戦争を終わらせる方法としてこれ以上ない感動の飛び蹴り。政治の話はいまだによくわかっとらんのですが、この映画が楽しいというのはよくわかります。[映画館(邦画)] 7点(2007-03-02 14:36:43)(良:3票)

9.  ばかのハコ船 宇宙船鑑ヤマトのような希望感溢れる軽快な音楽に乗せて若いカップルが船に揺られてやってくる。電車を乗り継ぎ駅に降り立った二人の関係は先に歩く男と後を追う女の描写で漠然と示される。男の実家でのやりとりで二人が何をしにやってきたかが語られると同時に、男はどうやら相当の甘チャンらしく、女は相当図太いことが露呈される。そして同級生の営む八百屋で男の浅はかさは丸裸にされ、学校での二人のやりとりで、一見このバカな男が主導権を握っている二人の関係を実は女が支えているということが判明。実にわかりやすく、且つさりげなく人物を露わにしていく。たいした事を言ってない男の理論がなんともリアルでイタイ。そして東京から帰って地元で風俗嬢をする男の元彼女、男を追って東京へ行こうとするその妹、地元に張りつく八百屋の同級生、それぞれの様々な生き方を示しながらそれらの間をふわふわと流れるバカ男もまた彼なりに生きていることを見せていく。いろんな生き方があるけれど、とりあえず生きてるからいいじゃん、という優しくのんきな眼差しで男のダメダメぶりを映し出す。バカはバカなりに生きてゆく。その終点は..笑った。ストッキングの意味ないじゃん(笑)。7点(2005-03-23 12:17:47)(良:1票)

10.  パイラン 《ネタバレ》 チンピラ話が延々と続く前半にイライラするのは冒頭数秒だけ顔を出したセシリア・チャンがいつまでたっても出てこないからで、けしてチンピラ話が退屈であったわけではない。むしろ組のボスの身代わりに選ばれる経緯として例えば集金先のばあちゃんに昔世話になったからと詰め寄れない義理堅さを見せたり、ボスとの関係を見せたり、ボスが切れやすいところを見せたりといった丁寧なストーリーの紡ぎかたは悪くはないし、ガラス越しにすることで組事務所の密室感を出したりボスの激高を激しい雨とリンクさせたりといった細やかな工夫も好感が持てる。しかしやはりセシリア・チャンの物語が見たいのだ。主人公の視点で語るならもちろん見ようがないので、あえてそこから離れているのだろうけれども、せめてこの国に残ること、祖国に帰れないこと、といった諸事情をチンピラ話のような丁寧な語りで見せてくれればもっと盛り上がれたと思う。主人公ばかりが盛り上がっちゃかえってしらけちゃう。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-08 15:39:41)

11.  パトリス・ルコントのDOGORA 前知識なしで見始めた途端に失敗したと思ったのだが、見るのをやめようと思いながらもやめれずに結局最後まで見ちゃった映画。とくに新しいとも面白いとも思わないんだけど、惹きつけるものはある。音楽と映像のコラボレーションも面白いのだが、漲る生活力とでも言おうか、生命力という響きから伝わるものよりももっと生々しいものを映し出した映像そのものこそがこの映画の最大の魅力だと思う。ずいぶん前に見たものなんだけど、たくさんの家族を乗せて走るバイクとか水辺を歩くシーンとかけっこう鮮明に覚えている。視覚的にも魅力的な画がたくさんあって、なにげない日常が美しく映し出されると、世界には「美」がいくらでもあるんだなんて思ったりもした。「世界」とか「人間」とか「生きる」ってこととか全肯定したくなる映画。[DVD(字幕)] 6点(2011-04-13 13:50:18)

12.  ハッシュ! 恋愛ドラマが映される。その二人がたまたま男と女ではなく男と男であった。という風に。すごく自然だ。でもそれだけじゃ面白いわけない。そこに女という異物が放り込まれる。俄然面白くなる。男と女が抱きしめ合う。そこに恋愛感情はおそらくない。でもその瞬間に何かが変わる。単純に抱きしめること、抱きしめられることという行動そのものの大切さを知るというか・・。二等辺三角形がどんどん正三角形になってゆく心地良さ。しかし単純明快な三角形だけならいいのだが、どうもややこしいドラマが横やりしてくる。社会に適合しない3人が不幸から脱却してゆく様を許せない人間がいる。社会に取り込まれ続けた兄嫁。「嫁」という社会通念からはみ出ないように生きてきた兄嫁。この展開はけして悪くなく、むしろ物語に深みを与え、幸せになるために何かをしようというメッセージを明確に発信もさせている。でも複雑なのよりも単純な三角形のほうが面白いわけで、そこでもっと楽しみたいわけで、この映画、最高に面白そうな三角形なんだけどその時間が短いのよ。 あ、でも135分もあるのか。[DVD(字幕)] 6点(2011-02-03 16:37:37)

13.  バーダー・マインホフ 理想の果てに 後にドイツ赤軍と呼ばれる組織の成り立ちと行く末が丁寧に描かれてゆく。さすがに全てを描ききるなんてことができるわけないので、初期主要メンバー3人の動向がメイン。テロは犯罪だから許してはいけない、と今なら言えるが、当時の社会を省みた場合、テロ行為は国家の作った法によって守られた合法的犯罪に抵抗する唯一の手段だったことがよくわかる。破壊行為は革命行為であり、そもそも体制批判なのだから体制の作り上げた法を遵守する必要がない。ベトナム戦争を発端とする反米デモと、暴力でそのデモを一掃した国家。この事件をきっかけとし、反ナチズムが反体制へと受け継がれる時代背景とリンクし極左組織が生まれてゆく必然が描かれる。そして体制をつぶすための破壊行為が、反体制であるがために抑止力を持ちえず、次第に犯罪行為そのものが目的となってゆく必然。ここまでの全体の流れが実にわかりやすく、面白い。ただ、肝心のメンバー逮捕に至るまでの体制側の描き方がブルーノ・ガンツの独り舞台であまりに短絡的に過ぎる。また逮捕後の展開が駆け足に描かれるのはしょうがないにしても組織の塀の中と外、どっちつかずの描き方も面白さを半減させているように思う。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-19 14:42:39)

14.  バンテージ・ポイント 見たのがずいぶん前なので記憶違いがあるかもしれませんが、この映画で最も印象に残ってるのは複数の視点で見せるいわゆるウリとなってる部分ではなく、中盤(?)の追いかけっこです。人を掻き分けながら全速力で走る姿をきっちりと画面にとらえ続ける。ここに尽きる。ストーリーのリアリティの破綻は全く気にならない。追いかけっこがあってハラハラドキドキできればそれでいい。その意味では最後までじゅうぶん楽しめたのだが、複数視点に関しては大袈裟にそこを強調するわりにそこから得られるものに衝撃とかカタルシスがない。衝撃とかカタルシスがなくたっていいのに、そこに不満を感じてしまうのは複数視点にこだわりすぎたことの弊害だと思う。[DVD(字幕)] 6点(2010-10-15 16:08:56)(良:1票)

15.  バンディッツ(2001) 《ネタバレ》 脱走して押し入った宅でカップルが『大脱走』見てたり、ボニー・タイラーの「ヒーロー」BY『フットルース』をバックにヘッドバンキングしながらの野菜カットがあったり、『或る夜の出来事』のジェリコの壁が出てきたり、『エディ・コイルの友人たち』のお泊り強盗があったり、最後に襲う銀行がアラモ銀行だったりといった引用の嵐はそれなりに楽しめた。中でも『或る夜の出来事』の引用はスクリューボールコメディ、つまりいがみ合う二人が惹かれあうようになることの伏線でもあったわけで、ジェリコの壁を引用した二人ではなくそのときいがみ合っていた二人のその後を暗示していたというニクイ演出に唸った。ブルース・ウィルスが冒頭一人で暴走しているときは良かったんだけど、徐々に三人の中の一人って立ち居地に落ち着いてくると妙に浮いてきた。バリー・レビンソンはいつも大物俳優をうまく使いこなしているんだけど今回はブルース・ウィルスの我が勝っちゃったってかんじ。[DVD(字幕)] 6点(2010-07-22 17:12:31)(良:1票)

16.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 冒頭数分がめちゃ怖かった。爆弾をリモコンで爆破させようとする者がいないかを探す映像と、もしかしたら爆弾を爆破させようとしている人間の視点かもしれない防護服を着た処理兵をとらえた映像。こんな恐るべき緊迫がこのあとずっと続くのかと思うとうんざりするぐらいにドキドキした。で、爆破から逃れるために走る兵士。これだけ離れればアクション映画の主人公はTシャツ一丁でも間違いなく生きているのだが、この映画では宇宙服のような防護服を身に着けていても生き延びることができない。過酷だ。主人公はこの死んだ男と交代でここに現れる。ところが冒頭ほどの緊迫感はこの後訪れることはない。たしかに一人で爆弾までの長い道のりを歩いてゆくシーン、一つ解体したと思ったら芋のようにゴロゴロと出てくる爆弾、車体爆弾解体シーンの射撃班の視点映像などそれなりに緊迫するシーンはあるのだが、主人公の落ち着き振りが最低限の安心感をもたらしている。この落ち着きぶりがいわゆる「戦争は麻薬」というオープニングの言葉のとおり、生と死の狭間にいることを積極的に望む主人公ゆえということなのだろうか。わからないでもないのだが、ちょっともったいないようにも思う。砂漠地帯での銃撃戦はこの映画一番の見所でもあると思うんだけど、ここは顔に積もる砂とか動かない腕とかが映されて初めてその凄まじさが伝わってきたのだがそれでいいんだろうか。なんかここももったいないなと。任務明けまでのカウントダウンはうまい。危険と隣り合わせのNY市警を定年退職したあと生きがいをなくし自殺した男が登場した映画(フライシャー『センチュリアン』)や熊や狼に襲われるかもしれない世界でこそ生きていることを実感できることを綴ってもいた話(星野道夫「旅をする木」) と同様に主人公は生きていることを確認するためにまた戦場へと向かう。[映画館(字幕)] 6点(2010-05-31 15:24:21)(良:1票)

17.  パンドラの匣 なんとなく違和感を感じながら見ていると、この作品の舞台となる結核療養所へと画面が変わり、そこに映し出された窪塚洋介に対する「がんばれよ」とそれに応える「よーしきた」の日常会話から遠く離れたトーンの掛け合いが違和感をより加速させる。その後何度も出てくるこの掛け合いが端から日常会話なんかではなく一種の号令みたいなものだとわかると、違和感は一時薄れはするものの、川上未映子の登場で違和感が再び顔を出す。その聞き慣れたはずの大阪弁の不自然さに不思議な感覚を覚えたのだが、その不自然さの正体、違和感の正体はおそらくオールアフレコからきたものと思われる。昔の映画なら当たり前の、またけして音と映像がずれているわけでもないこのアフレコが独特の違和感を生んでいる。セリフを交えたナレーションにまるでミュージッククリップのようにイメージ画像をはめ込んだような感じ。「言葉自体の軽薄さ」を表す方法としてのアフレコという【ザ・すぺるま】さん のレビューに目から鱗ですが、そこに気付かなくともなんとなく映画に感じた違和感そのものが魅力となっているような気がします。とは言うものの仲里依紗の布団部屋の声は違和感が突出しすぎてもはや違和感ではなくなり異様にすぎる。「いやらしい」と「いじわる」の連発はその言葉が発せられるたびに個人的な記憶の角をつつかれているようなこそばさがあってけっこう好きなんだけど、その言葉に対する主人公の解説はべつにいらないかと。[映画館(邦画)] 6点(2010-02-01 16:48:33)

18.  ハンコック 《ネタバレ》 ちょっとした配慮がないもんだからその超絶パワーを使うたびにいろんなもんを壊しちゃって非難を浴びる。たしかに空から着地するたびに道を壊されたんじゃたまったもんじゃない。このあたりのスーパーパワーの負の面を面白おかしく見せる、いわゆるスーパーヒーローもののパロディ化がうまい。私服のスーパーヒーローってのもまた新鮮なんだけど、後にちゃんとスーツを用意されちゃうなんて展開も皮肉の利いた良質のパロディになっている。普通の家庭にいるには美しすぎるシャーリーズ・セロンの意味深な表情を伏線に急展開を見せる後半も楽しめた。強引な流れでどんどん深刻になってゆく終盤も思いっきりのれた。が、オチがなんとも微妙。愛する女のために離れてゆく。ここは感動的ではあったが、その後回復すれば二人はいっしょになって寿命のある人間として一生を送るのが本来のハッピーエンド。そうしないのは女の言うところの「世界があなたを必要としている」からということにつきるのだが、それならあんなハッピーエンドを装う必要はないように思う。だって悲しいことじゃん。スーパーヒーローというのはそもそも「強いアメリカ」を具現化したものだと思うんだけど、ヒーローはヒーローでいつづけなければならないという、いかにも「世界の警察」を自認するアメリカらしい傲慢な思想をあのハッピーエンドの装いに感じてしまって、あそこだけしらけた。[映画館(字幕)] 6点(2010-01-29 17:30:58)

19.  HAZARD 眠い日本。眠れない日本。だからアメリカへ。だからニューヨークへ。危険な場所へ。園子温の思想が映像と化す。出てくるやつらはめちゃくちゃだ。めちゃくちゃすぎる。でもそこを突っ込むのはナンセンス。思想の映像化なんだから。「危険」を画面に残すためのニューヨークロケとハンディカメラ風の画像。全体的に光が乏しいのも長回しをするのもおそらくは現場からあふれ出ている「危険」を画面に残すためだろう。自由と引き換えに死の危険がそこにはある。というのがよく出ていると思う。ざらついた映像は映像そのものを暴力的に感じさせる。生きることを実感したいなら死を近くに置いとけばいい。若いなら無茶しろや!そういうことなんだと思うんだけど最後の日本のシーンはちょいとわかりやすすぎないか。でもこのシーンがあるから園子温の映画なんだよね。[DVD(字幕)] 6点(2009-06-15 17:08:53)

20.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 かのアトラクションからここまでの物語を作り上げてしまう創造性に恐れ入りました。また続編への伏線を残しながらもこれはこれでちゃんと完結しているのもウマイ。ま、失敗したときのための戦略なんでしょうが。また、呪われた海賊たちって言わばゾンビなんですが、怖さよりもコミカルさを前面に出し、月の灯りに照らされてそのグロテスクな容姿をさらけ出したときはさらにそのコミカル演出をパワーアップさせて、けして切羽詰らない、どこか楽しい戦いを見せてくれる。へたすりゃ、本来怖いはずのところをスカされたわけで、チープ感こそが漂ってもおかしくないのだが、コミカルな部分を多く担わされているデップ=スパロウが徹底してズルくて自分勝手で自由奔放で酔っ払いで天然でだらしなくて汚くて体の動きがいちいち変で、でもキャプテン、というキャラを完璧にこなしていることでむしろゴージャス感まで漂っている。けっこう楽しめた。[DVD(字幕)] 6点(2008-03-10 15:09:42)

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