みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. パラサイト 本作の様な宇宙人侵略もので、人間に化けたり人間をコントロールしたりするというB級SFものは昔から数多く、否クサるほどある。またかって感じで、どうにもこういうネタはノリ切れず、俳優達が真顔でエイリアンを演じるとおかしくて笑ってしまう。《ネタバレ》ただ、この映画で良かったのは、親玉モンスターを具体的に登場させラストをそれなりに盛り上げたこと。「物体X」張りの人面モンスターもウケたし、監督ロバート・ロドリゲスのブラックユーモア調の演出も確かなので、B級ものとしては上出来の一本カナ。5点(2004-01-31 11:23:43) 2. π(パイ) 数字・数学が常に絡む展開なので、理解しづらく難解に映ってしまう。しかもコントラストを利かしたモノクロ映像の中、幻覚なのか現実なのか分かりづらく、サスペンスも加わってくるわで混乱に拍車がかかる。しかし、もう一、二度見直してみるとパズルを解くように骨組みと構成が見えてくる。天才数学者の誰にも分かってもらえない苦悩と孤独。彼をおそう激しい偏頭痛と共に、それらが痛々しいほど見る者に伝わってくる。視点を変えれば、人間として普遍的な苦悩と孤独をシュールな映像で見事表現しきっている異色作と言えよう。デヴィッド・リンチの傑作「イレイザーヘッド」を彷佛させるシュールレアリズムの秀作です。8点(2003-12-03 16:53:52) 3. パルプ・フィクション 強烈な印象を放ったタランティーノ監督の前作「レザボア・ドッグス」に比べると、血生臭い描写が抑え気味なので裏社会の人間模様をじっくりと楽しめる展開になっている。しかもブラックユーモアをたっぷりと利かしており、最後の最後まで見る者を飽きさせない。今作もタランティーノらしさが遺憾なく発揮されており、とくに個性溢れる役者達の持ち味を存分に引き出す手腕は見事。さらに、個々のエピソードは前後するものの、脚本が練り上げられているので構成に違和感がない。ただ、下ネタ話しを中心に無駄なシーンが多過ぎるのではないだろうか。この辺りをシェイプアップすると、かなりの長尺を縮められたはず。8点(2003-11-18 10:45:55) 4. 裸のランチ ウィリアム・バロウズの同名小説をクローネンバーグ監督が映画化したもので、満足のいく出来映えだったという。しかも、海外での評価はかなり高いらしい。やっぱり、原作を読み(原作は未読)ラリまくる経験がないと、理解しずらいし共感出来ない作品なんだろう。まぁ、個人的には共感したくもないけどネ(笑)。6点(2003-07-27 16:02:30) 5. 橋の上の娘 コントラストを利かした鮮烈なモノクロ映像、エキゾチックで官能的なメロディーなどなど、しかもあちらこちらに脳裡に焼きつくシーンを散りばめており、まるで海外の旅先で夢でも見ていたかのような90分だった。この映画は緊迫するナイフ投げのシーンが圧巻だが、むしろこのシーンを撮りたいが故に監督ルコントはこのモノクロ作品を作った感さえする。とくに、ゾクゾクさせる音楽と共に始まる“死の大車輪”が見る者を圧倒させてくれた。あのナイフの突き刺さる音といい、ヴァネッサ・パラディのエロティックさといい、シュールな純愛を描かせたら今現在この監督の右に出る者はいない。奇才ルコントの独特の世界観が味わえる異色ラブ・ストーリーの傑作です。9点(2003-07-12 20:47:12)(良:1票) 6. バウンド(1996) 濃厚なレズを絡ませたサスペンスもので、なかなか面白い。二転三転、立場が入れ替わり、ゲタを履くまで分からぬ展開 …。役者達の演技はもちろんで、アイデアと脚本、そして映像が冴えていた。小品だが、サスペンスのお手本みたいな映画でした。7点(2003-06-14 20:39:10) 7. バックドラフト 熱い! ! 本当に熱い映画だった! ! 消防士が活躍する映画には、壮絶な特撮パニックもので「タワーリング・インフェルノ」があるわけですが、本作は熱い男達のヒューマンドラマ。ストーリーは消防士一家である兄弟の葛藤と絆を中心に、生死を分ける火災現場を通し燃えるようなタッチで描かれている。連続放火魔が意外だったりと、緊迫するサスペンスとしても秀逸。“火”という無機質なものを生き物として捉え、それと闘う消防士達、という描き方も斬新で良かった。消防魂を冒涜する、あのカーセックスは興醒めしてNG! ! 見どころ満載で、消防士という仕事のやり甲斐と苦労をも教えてくれた大満足の一本でした。 9点(2003-05-17 11:22:53)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS