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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  バッド・インフルエンス/悪影響 ジェームズ・スペイダー君が、セーター着て普通のサラリーマンを好演。ちょっと小心なとこが、やっぱり彼なの。ちょっと屈辱的な場面で・世間に対してチクショーと思っている場面でロブ・ロウが登場するってのが、分身の登場のようでもあってなかなか意味深。主人公は「世間に対してたかをくくること」を教育されていく。感化されていく。「世間なんてこんなものよ」と結局スーパー強盗にまでなり、同僚を殴り(と思い込む)、で怖くなってくるのは、ロブ・ロウがいなくなってから。財布を取りかえして戻ってきた部屋でのビデオによる殺人の記録シーン。時間のずれが重なる。血のあととか。ここらへんうまいですな。世間が敵になる。兄がロブ・ロウの指紋をとろうとする怪しいバーのシーン。蛍光灯振り回して女が踊ってて。世間から集団で逃げてるような人々。主人公の分身であるというより、『エクソシスト』みたいな純粋な悪の抽出、ってことになるのか。[映画館(字幕)] 7点(2014-02-11 09:52:42)

2.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 ディズニーランドに、開拓の国があるのが子どものころは不思議で、「おとぎ」と「冒険」と「未来」は並列できるが、「開拓」ってのはなんか違うジャンルの世界なのじゃないか、「ひとつ仲間外れが混ざっているのを選べ」という問題みたいだ、と思っていた。その後アメリカ映画を見るようになって、あの国にとって開拓時代ってのがほとんど神話なんだと納得するようになったが、本シリーズでも最後に開拓時代を置いているのは、そういう重石になるからなんだろう。ブラウン博士は歴史を変えてはいかんと言いながら、ストーリーではどんどん歴史を改変していくのがアメリカ精神の発露で、『素晴らしき哉、人生!』と同じ「未来は変えられる」という基本態度だ。ちゃんとダンスパーティも行なわれる。最後には20世紀末の映画っぽいスペクタクルが用意され、機関車の煙の色の変化で緊迫感を煽るのが、趣向。[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-01-12 09:29:13)

3.  パシフィック・ハイツ 《ネタバレ》 ワタナベ夫人は面白かった。日本のおばさんらしさがよく出ていた。控え目に振舞いながら喋りまくってる感じ。で話のほうだが、法律を悪用する犯人てのが、サスペンス映画の材料としては向かないんだ。こういう人間がいるという情報としては面白いんだけど。サスペンスの悪人にふさわしいのは、犯罪組織の人間とかサイコ系がいい。それも理解不能のきちがいではなく、我々が共通に持っている心の暗い細部を思いっきり拡大したようなサイコね。このマイケル・キートンもラストで「家族の面子が立たないじゃないか」と興奮しているあたりは、そういういい悪人になりかかっている。警察に電話入れといてから殴られにいくの。ピストルで撃ってから正当防衛のための凶器を握らせる。[映画館(字幕)] 5点(2014-01-01 09:28:14)

4.  ハリウッドにくちづけ 『スターウォーズ』のレイア姫がメリル・ストリープで、その母『雨に唄えば』のデビー・レイノルズがシャーリー・マクレーンとなかなかイメージしにくい世界(レイア姫が、すぐ別れたとはいえポール・サイモンと結婚したのも当時は全然イメージしにくかった)。冒頭、長回しの果てにマネーとマミーと間違える。この錯誤が心理学的に説明できる仕組みになっている母と娘のドラマ。マクレーンはさすがに鬱陶しい母親やらせるといい。退院祝いの席で、母親のほうが生き生きと歌う場面が充実している。ショーの密度のほうが映画の密度より濃いっていうのも困ったものではあるが。二人の口喧嘩も濃い。母と娘が病院で入れ替わりマクレーンに化粧を施していくとことか。以上が見せ場。でもサボテンに縛られたりモーターボートで追いかけたりしている撮影中の女警官の映画のほうが面白そうだったなあ。禁断症状の苦しみにぜんぜん触れないのも中途半端。[映画館(字幕)] 6点(2013-11-27 09:55:03)

5.  ハバナ キューバンリズムに乗ってハバナの街に人物たちを導きいれていく出だしは快調。なんでも自分のストーリーに持ち込んでしまうハリウッドの力はやはり認めたい。今回はキューバ革命。歴史なんてみんな同じことの繰り返しで、すべてハリウッドのデータに存在している、という達観があるんでしょうな。舞台の違いが作品の個性になる。R・レッドフォードは、あんまり「流れ流れてきたさすらいのギャンブラー」というヨドミが感じられないのが、つらい。ボーイスカウトやってたみたいで。いろいろとキザなせりふがあり、昔の美男なら合ったかもしれないけど、ちょっと浮いちゃう。「中国の蝶が羽ばたくとカリブにハリケーンが起こる」なんてのは、いわゆるバタフライ効果を中国→キューバの革命の伝播になぞらえている。「あたしを待ってたのね」「ああ生まれたときからさ」なんてなると、現在メロドラマ作る難しさのほうを思ってしまう(現在と言ってももう四半世紀前か)。体制の激変とメロドラマは相性いいはずなんだけど。着飾った人々と兵士の取り合わせってのがいいんだ。人を脅すときに空の皿をレンジにかけると効果がある。賭場のシーンで盛り上げが欲しかった。[映画館(字幕)] 6点(2013-10-11 09:43:33)

6.  ハートに火をつけて 愛は屈折する。一途な愛ってのははたから見ると滑稽になってしまうもので、現代ってのは「はたから見る」時代だから、そういう話が多くなってしまうのか。D・ホッパーが木の陰からドキドキしながらJ・フォスターを見守ってるあたりおかしい。募る愛に苦悶するとサックスがむせび泣く。この湿った音色がかえってカラッとしたギャグになってしまっている。異様にくどく身元調査をさせるの。殺し屋としての執拗さが、そのまま恋する男の執拗さに、質感が同じまま横滑りしてしまった男。C・シーンがあっさり処理されてしまうのも嬉しい。テクノ芸術の現代から、羊のいる開拓時代へさかのぼっていく旅のようでもある。情熱は隠すことが出来ない、ってなセリフがありましたな。なんか公開にあたって揉めてた映画。[映画館(字幕)] 6点(2013-08-27 09:56:45)

7.  蝿の王 《ネタバレ》 原作は「権力とは何ぞや」に迫る小説だが、これはただ「二年間の休暇(十五少年漂流記)」を引っくり返しただけにも思える。20世紀は文明が文明そのもので野蛮になった時代で、文明が非文明に退化して野蛮になったわけじゃない。人間の集団の根源を見せてくれる原作。19世紀の「二年間の休暇」の時代は、権力機構がちゃんと機能すれば秩序正しい2年が送れるという人間の組織性に対する素朴な信頼があったが、20世紀は人間の集団こそが人類の敵だとはっきり分かってきた時代。まるでレジャーを楽しむような青空、青い海。象徴性を持たされた子どもたち。それでも彼らは儀式を必要としだす。「春の祭典」に近い音楽で盛り上げていく。サイモン殺しも怖いけど、ピギー殺しの戯れのような雰囲気が怖い。ラストで兵士が「いったい君たちは何をしてるんだ」と言う。その理性的な言葉を兵士(20世紀の野蛮の代表)が言う皮肉。演出での面白味はあまり感じられなかったが、「手堅い」ってことかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2013-08-11 09:33:33)

8.  バックドラフト こういうオトコギの世界は単純なほうがいいな。犯罪がらみにしないで、父を殺した火に復讐するまでの神々しい物語にしてくれたほうが良かった。D・サザーランドはいいんだけど。賢兄愚弟もので、初仕事で救助したと思ったらマネキンだった、という恥ずかしさがトラウマとして残っている。消防士ってのはアイルランド系が多いのか? 火の表情は『タワーリング・インフェルノ』のころよりうまくなっている。這い寄って来る感じ、小さな竜巻を起こしてたり、生き物ってのよく分かる。化学工場の火災ではドラム缶がボンボン飛ぶ。手持ちのカメラシーンが多く、炎の中なんか上下が分かりづらく迫力を欠いた。あくまで男の子が消防士に憧れる気持ちを中心に持ってくるべきだった。[映画館(字幕)] 7点(2013-06-15 09:22:45)(良:1票)

9.  幕末純情伝 前半はいいんです。沖田総司が人や格子を斜めに切り裂くところとか、喜八や清順を心の師にしているのか、新人監督の気合いが感じられます。牧瀬里穂の二本差し姿もりりしいし。でも彼女が娘姿になってから勢いが落ちた。別に史実を守る義務なんかまったくないんだけど、せっかく沖田が女だったという嘘を一個入れたのなら、その回りは出来るだけ史実で固めたほうが、その嘘が輝いたんじゃないか。つかこうへいの原作はどうなってたんだろう。全共闘がダブって、変革とか挫折とか、そういうモチーフも入ってたな。町人たちのなかにチョイ役で漫才がいる(「ピンクの電話」って言ったか)のが、なんか懐かしかった。むかしは鳳啓助・京唄子あたりが顔出してた。ちっとも面白くないし、映画作品としてどういう効果が出てたのかは分からないけど、あの「賑やかし」の気分は、寄席の演芸で落語の合い間に色物芸が入るようなもんで、嫌いじゃない。ポスターなんかで無理におどけた顔して隅っこに写ってて、ああいう伝統しばらく絶えてたんだけど。[映画館(邦画)] 5点(2013-05-26 10:02:25)

10.  ハドソン・ホーク とりわけ前半がいい。「快盗」もの、っていうか。ニンテンドー? それは何? と塀の外とズレた男。最初の盗みがいいの。歌に合わせて時間を計るというアイデアが抜群で、ブルース・ウィリスとダニー・アイエロがほとんどミュージカルのノリで画面とシンクロさせてやってくれちゃう。監視ビデオの絡め方もよく、飛び降りたところで次のシーンに繋げちゃう荒業。高速道路を思わぬ車で疾走したりいろいろ楽しいが、イタリアに移ってからちょっと落ちるか。それとアンディ・マクダウェルってのがもひとつ面白味に欠ける女優さんで。なかなかいいコンビだったが、シリーズものにはならず、そのかわりラジー賞を獲得した。主人公がカプチーノにありつけるまでの話なわけ。[映画館(字幕)] 7点(2013-04-16 09:29:03)

11.  ハムレット(1990) シェイクスピアものってのは、いわば落語を聞くときの心構えになるわけで、ストーリーは知ってるから、その語り口で芸を見してもらおうじゃねえか、ってとこ。でもこの監督は真面目にストーリーを語っちゃうんだな。でまた、メル・ギブソンが真面目。あの人はイギリス連邦のオーストラリア出身だからか、なんか女王陛下の臣として真面目方向で、英国の国民戯曲に対処しちゃう。移民の国の人たちは、どうも故郷ヨーロッパにコンプレックスが強いらしくて、マックィーンは最後にイプセンやってたし…、国の問題ってよりも、アクション映画出身スターのコンプレックスなのかな。マッドマックスやってた男がハムレットやる面白さを狙えばいいのに、「シェイクスピア役者」の堅苦しい型に入っちゃって演じている。でもやや明るいフーテン的な線を狙ってたか。ラストの決闘でもちょいとオドケを折り込んで軽みを出そうとしてたり。[映画館(字幕)] 6点(2013-04-09 09:43:40)

12.  ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌 《ネタバレ》 アンソニー・ウォンの若いときって関根勤に似てる。現在はまったく類似点が認められなく、おそらく男の型としては対極的な存在だと思うんだけど、なんか似てるんだ。つぶらな瞳で。ってことは関根勤も歳を重ねると、ああ渋くなっていくのか、いや関根のほうが年上かも、などとあらぬことに気をひかれていたが、それはさておき。前半のドンパチはお祭りみたいに楽しく眺めていたが、後半の病院に移ってからは、いささか食傷気味。そりゃそういう映画と承知して見てるんだから、「命を粗末にしてけしからん」と感想抱くのはお門違いだろうが、なんか死体が「一山いくら」で処理されてるようで、あんまりウルワシクない。あなたたち観客の要望で死体の山を築いてるんです、って向こうに言い分あるのがこっちの弱みだが、そうでもないんだな。そりゃ緊迫した闘争目当てでアクション映画を見てるんだけど、最初っから殺されるために用意されてるような人たちが殺されていくのは、殺伐としてて気持ちいいもんじゃない。釣り合いを取るためか、赤ん坊の救出を絡めているのも鬱陶しく、もっと粋に出来ないか。このコッテリ感が香港の味であるのは分かるんだけど。トニーが、悪役側である警備員の服装をして病院の中を走り回れば、乱戦状態の中でイイモンとワルモンの違いを争っている人々が瞬時に確認するのは大変だな、と思っているとやっぱり誤射が起こった(トニーが仲間を撃っちゃうんだけど)。ここらへん潜伏捜査官という存在の曖昧さを、アクションの中にも筋を通した姿勢はうかがえる。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-02 10:09:11)(良:1票)

13.  ハートブルー 悪役のキャラクターがちょっと不統一。人を殺さない銀行強盗とサーファーグループってのはいいんだけど、女を人質にしてFBI青年を強盗に誘い込むのは、ズレがある。一応弁解みたいなこと言ってたけど。大統領の面をかぶり蝶ネクタイを締めたスタイリッシュな銀行強盗団。車での追っかけよりも、走って人のうちを突き抜けていくほうが興奮した。追跡の基本は「人間の走り」。サーフィンシーンは爽快だが、スカイダイビングのほうが楽しそう。泳いだり、もたれかかるような感じになったりの浮遊感。圧倒的に重力に支配されながら、無重力状態の解放感があって。[映画館(字幕)] 6点(2013-03-15 10:15:06)

14.  バカヤロー!4 YOU!お前のことだよ 二話の潔癖症ものはまあまあだが、どれも話が拡がらないのが辛い。別に社会問題を扱えってんじゃないよ。話が映画のなかだけで閉じて、「それだけ」になってしまってる。観てる客が、映画の世界をパンすると社会に拡がっていってんだろうな、という気分になることが必要だろう。一話の、田舎の罠に落ちる都会もん、って視点はいいんだけど、単にオーナーの性格だけにしちゃってるんで、拡がらない。でこの春風亭小朝が、悪いけど、駄目なんだ。落語家って一人で全体を構成する癖が付いてるから、映画の演技者には向かないんじゃないか。くどくなる。一人ですべての笑いを引き受けちゃおうとし、関係で笑わせることが出来ない。これ、オーナーがもっと善意を振りまかなくちゃ面白くない話だと思う。[映画館(邦画)] 4点(2013-01-23 09:17:07)

15.  ハーレーダビッドソン&マルボロマン 《ネタバレ》 1996年という5年後の近未来が舞台というのが面白い。仲間たちで銀行襲撃へと話が動き始めるまでが、ややカッタルイ。話が適度に省略されてるんだけど、それが特別テンポをよくするのに役立ってない。ミッキー・ロークが射撃がヘタクソで人質になってる仲間を撃っちゃうなんてのがあった。ドン・ジョンソンのボロ靴がラストで生きてくるのがいい。いつも親父の教えを守るってのもありました。全体アメリカの娯楽映画は、底に西部劇の匂いを残している。というか西部劇はいろいろに変わって生き続けてるってことか、馬をバイクに乗り換えて。走って逃げてる主人公を、悪人たちは無表情に歩いて追いかけてくるんだ。[映画館(字幕)] 6点(2012-10-01 09:38:35)

16.  バートン・フィンク 《ネタバレ》 ハリウッドにも庶民にも受け入れられなかったよそ者の話。彼本人は庶民の理解者のつもりだった。でも彼のイメージする純粋な庶民ってのにはついに出会えない。あるいはレスリング映画の観客としてイメージするきっかけはあったものの、彼はラッシュ見ただけでウンザリしてしまう。そういった庶民の反対側に、酒びたりのハリウッドがあるんだろう。唯一の庶民と思っていた隣人は、最後に「俺の場所に踏み込んできてうるさいだと!」と怒る。庶民というより「他人」と広げてもいいかもしれない。でもこのホテルではチャーリー以外他人は姿を見せない。気配は靴音以外にもたくさんあるんだけど。このホテルの雰囲気を味わうのが本作の中心で、廊下にはブィーンという低音が響いているし、暑さで壁紙は剥がれていくし、唯一外界のイメージは海岸の女性の絵で、屋内に立ち込めていた暑さは、ラストで火に凝集していく。社長の部屋は『シャイニング』を思い出させ、そういえば廊下もそうだな。あちらが「恐怖の寒さ」だったのに対し、こちらは「不安の暑さ」か。そういう映画。[映画館(字幕)] 7点(2012-09-11 10:37:37)

17.  バグジー 30年代のギャングの話となればまず面白いはず。「アメリカの夢」に走って、ハリウッドに惹かれズルズルその世界をくぐり、やがてラスベガスを築く、という破天荒な・しかし実在した男の話。面白そうな素材はたっぷりある。でもその「自由闊達に生きた男」が型通りに演じられてるようで、スケールが感じられないのが弱い。実話に囚われすぎたのか。もっと「映画に惹かれたギャング」という部分だけを、拡大して料理してもらったほうが好みだった。自分のフィルムテストを恋人に見られたくない、なんてシャイなところがあったり、家ではマメにケーキ作るよきパパだったりと、個性を作ってはいても、それがすでにある「型破り」の型の中って印象。ハリウッドからラスベガス建設に向かうあたり、流れがうまくいってない。アネット・ベニングはいいんだけど、ちょっとふてぶてしさが足りなかった。音楽エンニオ・モリコーネは、さして印象に残らず。[映画館(字幕)] 6点(2012-07-23 10:42:18)

18.  バーチャル・ウォーズ 映像作家はいろんな分野を開拓し、たとえばスピード感・あるいは恐怖感・神々しさ、などなど言語に頼らず映像だけで表現できる世界を広げてきた。そういう中で目立たないが(苦労してもあまり褒めてもらえないが)「生理的な気色悪さ」ってのを追求しようとした人たちもいたのではないか。古くなってひび割れ剥がれかけたペンキの塗り跡とか、小さな穴がぽつぽつとあいてる表面とか、意味に還元される以前にじかにゾワッと鳥肌が立つ画面、ああいうものを意識してしっかり創造してやろう、と決意した人たちもいたのではないか。本作の人体ピンポン玉分解にそれを感じた。よく熱についての教育番組なんかで分子の運動が活発になるイメージのアニメってあるでしょ。あるいはダリの絵とか。人体がああいうふうに、無数のピンポン玉みたいのに分裂し、活発に運動して四散しちゃうの。ハッキリ言ってそこのとこしか見どころのない映画でしたが、けっこうそれは生理的にじかに来る気色悪さで、気に入った。あとの現場であのピンポン玉みたいのが転がっているとこを想像するとなお気持ち悪い。あちらではこういうSF的な世界を描くと、だいたい一方に神を持ってきてオモシにする。[映画館(字幕)] 5点(2012-04-25 12:28:12)

19.  裸のランチ 殺虫剤ドラッグってイメージは面白いのよ。ジュディ・デイヴィスがハーッと息を吹きかけるとゴキブリがポロッと死んで落ちてくなんてユーモアもいいし。タイプライターとゴキブリの合体、きっと文章なら面白かったんだろうと思うんだけど、映像という具体物でいくとシラケちゃうんだなあ。イメージの広がりが止められちゃうというか。昔読んだアイルランドの小説『ドーキー古文書』ってのに、自転車人間てのが出てきて面白かった、あれなんかも実際目で見ちゃうとさほどのことなかったのかも知れない。ユーモアが乾燥しちゃう感じ。難しいんだよね、イメージが具体化されるのが映画の一番の強みのはずなのに、それが弱点にもなっちゃう。本来小説は、映像化され得るものを超えたイメージを文章で組み立てようと試みているんだろうな。で、本作のモチーフ、書くということへの嫌悪感。書くから孤独になるのか、孤独になるから書くのか、っていうようなこと。でもそういう方面に頭を働かすまでに映画に世界の広がりが感じられなかった。映っているとこの外側も、そういう世界が広がってるんだろうな、という確からしさがなかった。主人公の妄想の世界だからそれでいいんだ、っていうのかも知れないけど、妄想ってものこそ際限なく広がっていっちゃうもんなんじゃないのか。[映画館(字幕)] 5点(2012-04-01 10:06:22)

20.  遥かなる大地へ 病んだアメリカになる前の爽快なアメリカ。上下二巻本の長編小説を読んでいるようなロマン。アイルランド時代のちょっとはぐらかし気味のユーモア感覚がよかった。ジョセフとシャノン二人にとって「フリーの国アメリカ」の意味が違うの。女にとっては因習のないモダンの国ということであり、男にとっては自分の土地がフリーで手に入る国ということ。渡ってから幻滅も快哉もあるけど、それぞれのフリーランドを手にしていく。西部劇への敬意も随所に感じられ、フォードの『三悪人』のランド・レースが、カラーのトーキーで再現される。モヤモヤ解消のために、ワーッと乗り込んでいって一発殴っちゃうあたりのリズム感が面白い。オクラホマの再会なんかかなり強引なんだけど、蹄鉄一個で納得させちゃう。シャノンのお母さんが洗濯してるのも正しい。指でつまんでグルグル回すやつ。どうしようもない暴れ馬に乗るのも正しい。喧嘩は嫌いだといって殴る(三度)のも正しい。一つ一つはどうってことないけど、丁寧な印象を与えている。[映画館(字幕)] 7点(2012-03-17 10:14:03)

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