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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. ヒストリー・オブ・バイオレンス 「悪い仲間から足ぬけするのは大変だ!!」…という映画。 たとえ行方をくらまし名前を変え別の人間として生きても、何かで見つかったら一巻の終わり。 スッキリ生まれ変わるためには、悪い仲間たちを皆殺しにするしかないらしい。 「ゴルゴ13か?!」というような殺し屋っぷりが不自然な気もしたが、あまりにも殺人機械として優秀だったからこそ自暴自棄になり残虐行為に走り、そんな自分の人生に絶望したのかもしれない……と、想像させるものがヴィゴ・モーテンセンにはある。 生まれた場所がギャング一家という「暴力から逃れられない運命」を振り捨てるには、別人になるしかなかったのだろう。 彼が何も言わなくとも、生まれ変わった彼が作った彼の家族たちはそれを知っている。 彼がギャングであろうとも、本質的にはどんな人間か。 わかっていても受け入れがたいのが、平和や愛を尊ぶ人間だろう。 一度入ったら足ぬけするのは大変なので、悪い仲間とはかかわらないのが一番ですね…。 それにしても、マリア・ペロは美人なのにセクシーじゃないなぁ。(褒めてる) 普通に色気はあるんだけど、持ち味が理知的というのか、女性にも好かれるタイプだと思った。 無駄に色気のあるヴィゴとはいい組み合わせですね。[DVD(吹替)] 5点(2017-10-13 17:20:03)(良:1票) 《改行有》 2. P2 《ネタバレ》 設定は好み。ヒロインの女優さんも好み。 なのに、何がいけないって……犯人役がすべて悪かった気がします(苦笑)。 あと、97分は長すぎた。 題材が密室系で、登場人物が基本2人だけなんだから、せめて70~80分程度にすべきでした。 そうしたら無駄なシーンがはぶけてダルダル感がなくなり、もう少しクオリティがあがったのではないでしょうか。 あるいは、もっと低予算でギリギリ~という状態で作った作品なら、もっと緊迫感が出たのかも? なんて、それは違うか…。 とにかく一番のネックは、犯人役のウェス・ベントレー。 怖くないし、気味が悪いというより気持ち悪いだけで、凄みもないし、みっともないだけだし。 最初から最後まで、「なんじゃコイツ、バカか」としか思えない程度の悪人ぶり。そういう意味では、現実的な犯人像なんだろうけど、でも、映画なんだから。 リアルを追求するなら、もっと設定からリアルにすべきだし(あの大きなビルをたった一人で警備ってオカシイ、犬連れOKつーのもオカシイ)、サスペンスチックを狙うならば、もっとオドロオドロしい犯人像にすべきだった(単にモテない君というのではなく、異常な性癖を持つとか)。 そういう意味では、中途半端な作品ですね。 土台の設定が悪くないだけに、残念。料理の仕方を間違って、いい素材がイマイチな味になっちゃった~て感じです。 リメイクされたら(って誰もしないだろうけど)、もっと面白くなるかも?です(苦笑)。 ラストシーンでようやく外界が映りますが、凍えるようなホワイト・クリスマスの寒さが画面から伝わってきて、こっちまで震えが来ました。 キリスト教圏の人が思うクリスマスはわからないのですが、きっと日本人とじゃラストシーンの受け止め方も違うんでしょうね。 私は「早く彼女を保護してあげて~」って思って終わり、でした(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2012-12-16 11:13:17)《改行有》 3. ヒルズ・ハブ・アイズ2 《ネタバレ》 あんな面白い「1」の続編なのに、面白くなかった。 へっぽこ軍人たちは、新兵の演習中だからへっぽこでも仕方がないとして、あの食人鬼たちの平凡さ・つまらなさったら、一体ナニ?! 「核実験の影響によって奇形化し、健常者を憎む食人鬼」という哀しくも恐ろしい設定を、今回まるで無視ですか~。 ストーリーもキャラクターもまったく工夫なし、食人鬼たちが餌場にやってきた軍人と殺しあう、ただそんだけ。軍人なのにメンタル弱いし。食人鬼なのに結構あっけないし。 よくもこんなつまらない話にしてくれて…(怒) テリトリーが洞窟、というのもツマラナイ。 「1」のように、砂漠の中に忽然と街が現れ、一見すると普通にも見える街が食人鬼たちの隠れ住む街で、主役らはその中へさまよい込んていく…なんていう設定は、「蝋人形の館」もそうですが、異界(異世界?)へ迷い込む雰囲気がすごくよかったのに。 これじゃ~単なるモンスターパニック映画。「ディセント2」「クライモリ」と変わらんじゃないですか。 まぁ監督が変わった続編に、駄作はつきものって事なんでしょうね…残念。 もし「3」が出来ても、アジャ監督じゃなかったら、も~観ません。[DVD(字幕)] 4点(2012-07-09 23:11:59)《改行有》 4. ヒルズ・ハブ・アイズ 《ネタバレ》 しまった。面白かった。 「サランドラ」は観ていないのですが、元核実験場の砂漠に隠れ住む食人鬼一家が旅人を襲っては食べちゃう、というストーリーを忠実にリメイクしたのが、本作。 なので、ナゼ <放射能によって奇形になった ←→ 人を襲って食べる>がリンクしちゃってるの?という謎をつついても、しょうがナイ。リメイクだから(苦笑)。 でも、面白かった。 アジャ監督の力量でしょうか。前半、獲物として誘い込まれた一家がメタメタにやられていくのですが、その演出の容赦のなさ・スピード感によって、どんどん作品のテンションが上がっていきます。 強いものから次々に殺され、残ったのは、たよりないティーンの姉弟と優男のムコ殿。え~コレどうなんの?と思わせるのが上手。 キャラクターの設定もいい。 元警官のマッチョ舅にバカにされるムコ役の、アーロン・スタンフォードが特によかった。 髭・メガネ・ちょいロン毛・携帯関係のお仕事という、理系で優しくて穏やかで家庭的な、いかにもな現代の若者が、妻を殺され、子どもを拉致され、極限状態に追い詰められて原始の怒りを目覚めさせていく過程は、非常にみごたえがありました。 理不尽な暴力に対しては、理性も文明も何の役にも立ちゃしない。大切なものを暴力から守りたいと思ったのなら、自分の中に封印した凶暴なものを解放せざるを得ない。そこにホンの少しでもためらいがあったら、負けてしまう。イコール、死。ならば、襲ってくる相手に対して非情にならざるを得ない、むしろ、なるべきなのだ、と。 この映画は、ある日いきなり犯罪に巻き込まれてしまった人が、こんな理不尽で恐ろしい目にあうなんて、ナゼ?!と混乱するのと全く同じ状況を描き、さらに、それに立向かわなくてはならない状況を設定して、そして勝ってみせるところまでを描いてくれました。 よくある「知らない土地に行ったら襲われた系ホラー」であるのに、鑑賞後の後味が非常に良かった。それは、人間の掟を捨て野獣に堕ちて殺し合いをしたのは、もっとも弱くて大切な赤子を守るためだった、から。そしてそれを守りきることができたから。 あらためて、好きだな~アジャ監督。[DVD(吹替)] 7点(2012-07-05 09:31:00)(良:2票) 《改行有》
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