みんなのシネマレビュー |
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1. 瞳の奥の秘密 《ネタバレ》 んーー、す、素晴らしい。既にご指摘のとおり、ちょこちょこと安易な部分もあるにはあるんですが、そんなのどーでもよいと思えるくらいに魅力ある「オトナの」映画でございました。オープニングの駅のシーンで既にウルウル来てしまった私は、やっぱり歳をとったわけですね、と納得。イレーネが美しい、とにかく美しい。こんな風に歳を重ねたいという見本みたい。それでいて若い頃も違和感なく演じている(これはベンハミンも同じだけど)のが嘆息モノ。そして、カメラワークの素晴らしさ。サッカー場のシーンはもう圧巻! 随所に光る、そして笑いを誘う絶妙な演出。こりゃー、すげぇ、、、と唸らされるばかりです。忘れられないのが死刑の是非に関するセリフのやり取り。胸に迫ります。そしてラストのドアが閉まる。・・・そう、人生って、もうどうにもならないこと、不可抗力なことってあるんですよね。「運命論は大嫌いだ!」と、その昔、放言したゴーマン野郎がいましたが、私はやっぱり「人生は不条理だ」と言える人の方がよほど信じられる。そしてこの映画にはその切なさが根っこに貫かれていて、だからこそグッと来るのですね、きっと。劇場で観てよかったとしみじみ思う。いやー、久しぶりにイイ気分でした。 [映画館(字幕)] 8点(2010-12-02 23:04:34)(良:1票) 《改行有》 2. 秘密と嘘 《ネタバレ》 シンシアのように自己憐憫の塊みたいな人は大っ嫌いです。アンタだけじゃないよ、苦労しているのは。しかも、彼女の場合、苦労の原因を自分で作っているわけで。世の中、不可抗力で辛酸を舐め尽している人だって大勢いるのに、ナメたこと言ってんじゃねぇよ、と思う。彼奴らは、甘ったれで自分だけが大事なんだから手に負えない。映画にしろ文学にしろ、こういう周囲に多大な迷惑を撒き散らす自己陶酔&自己憐憫人間を賛美するような作品って結構あるけど、ちょっとオカシイんじゃないかと思う。そりゃ、真面目でトラブルもない人間描いたって話にならんのは分かる。だからって、賛美するなよ。すんげぇ迷惑なんだから、現実に近くにいたら。あんだけホーテンスに拒否反応示しておきながら、舌の根も乾かぬうちにオシャレしていそいそ会いに行ったりするところなど、腹立たしさを越えて可愛ささえ感じてしまう。でも、それが彼奴らの常套手段。娘の誕生パーティぶち壊しておいて「人生いいわね」なんて、いかにもなノーテンキ台詞で呆れる。私が娘だったら張り倒してやりたい気分。映画としての出来は良いと思うが、嫌悪感を禁じえない作品。[DVD(字幕)] 6点(2009-10-16 15:28:36) 3. ピクニックatハンギング・ロック 高評価が多い中、心苦しいのですが、正直、非常に退屈な映画でした。確かに映像はキレイだし、少女たちも美しい、音楽もまあまあ・・・なんですけど。私の場合、こういう映像叙事詩的な作品は、思いっきり魅かれるか、メチャメチャ退屈かにハッキリ二分されます。本作は明らかに後者で、睡魔との闘い。好みの問題なのだけれど、やっぱりちょっとしまりがない、という印象は否めません。甘ったるくダラダラ~、みたいな。ミランダは確かに美しいけれど、ボッティチェリの天使だかヴィーナスだかはちょっと違うんじゃ? どちらかというとニンフ的、というか、ベルニーニのダプネの方が近い気が・・・。実話ベースという刷り込みがなければ、もっと点数低くしていたかもですが、この点数でお許しを。[ビデオ(字幕)] 5点(2009-08-21 16:07:59) 4. ピンチクリフ・グランプリ 寝正月のひと時、眠い目をして漫然とBSを見ていたら始まったアニメ。オープニングからなんだか「ただならぬ」空気を感じ、ついつい見続けていたら、半開きだったおめめ全開パッチリ! おぉ、なんと素晴らしいアニメーション映画! アニメには疎いけれど、それでも、この作品がどれほど凄いかは分かります。いやぁ、これ、35年も前の作品だった・・・! ビックリです。レースのシーンなど圧巻。アニメであることを忘れます。CGなどなかった時代に、このリアリティを実現させたのには、とにもかくにも驚嘆します。製作に5年・・・、そりゃ掛かるでしょうよ、納得です。NHKもこういう逸品をさりげな~く放映しちゃわないで、予告をもっと入れて、ゴールデンタイムにオンエアしてくれよ、と思いました。たまたま見ることが出来たから良かったけれど、こういう作品こそ、もっと広めてほしいなぁ。ストーリーは単純ながら、おじいさんは温厚かつ天才、かつ勇猛果敢と、非の打ち所のないキャラにもかかわらず嫌味でなく、彼をとりまくソランとルドビクも可愛いことこの上ない・・・。また、エンディングが素晴らしい。涙系ではなく、見ていると自然に顔がニマ~ッとなる静かな感動を覚えます。『チェブラーシカ』も良いが、こちらはまた別次元の良さが光ります。新年早々ラッキーな巡り合わせで、今年は良い年になりそうだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-01-05 14:34:28) 5. ピアニスト 「妄想女のイタイお話」と言ってしまえばそれまでなのだけれど、この映画は、そんな一言じゃ済まされない、もの凄い映画です。なにが凄いのか、というと、まず、その性描写。これは、日本人が日本人で撮ったら安っぽいポルノになる可能性大の、めちゃめちゃリアルな描写です。なのに、見ていてもちっとも「感じない」。むしろ、眉間に皺が寄ってきて、かろうじて目を背けずに見ているのが精一杯。さらに凄いのがブノワ・マジメルの見ているものが引いてしまうほどの演技。この役を演じるのは、大変なエネルギーと想像力を要するはずなのに、若い彼はそれをこなしてしまった! そして最後の凄いは、イザベル・ユペールの演技力。無表情なのに、エリカの心の叫びの聞こえてくる迫真の演技は、鳥肌が立つほど。本当に仮面のように表情は変わらないのに、なぜこうもエリカの気持ちが伝わってくるのだろうか。とにかく、最初から最後まで「すごい、スゴイ、凄い」の連発。でも、一番の「凄い」は、ここまで人間の醜さ、哀しさ、滑稽さを、容赦なく残酷なまでに、果ては思わず笑いが起きるほどまでに描写し切ったハネケの力量なんでしょう。魂を揺さぶられる、と言っても大げさではない、大変な映画です。[映画館(字幕)] 9点(2007-09-19 17:31:47)(良:2票) 6. ピーター・グリーナウェイの枕草子 さすが、グリーナウェイ。視聴者置いてけぼり映画作らせたら、第一人者ね。よく考えれば、これも劇場に義理デートの時間つぶしのために見に行ったんだった。男の脳みそをウニみたいにしてやったことが、ちょっと快感だったな。これは、グリーナウェイの中でもかなりの駄作に入るでしょうね。何が言いたかったんでしょう、彼は。いまだにナゾ。[映画館(字幕)] 3点(2007-07-27 14:38:29)
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