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プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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1.  秒速5センチメートル(2007) 内容知らずに見たのだが、えらいこっぱずかしいもん見てもうた。なるほど共感というか郷愁は感じなくもない。男って引きずるよなって。しかも自分ではうじうじとは思ってなくて、どこかナル入ってて。青いのを大人になっても引っぱってて。あーやだやだ。こんなの静かにキレイにまとめんなよ。と思うのは自分の青さへの苛立ちか。電車が何時間も立ち往生しちゃうって所はなかなかドキドキする場面なのだが、画面がドキドキさせているわけではない。それは単に私がそういう過去を持ってるからに過ぎないのだろう。今ならケータイですぐ連絡着くもんなーと思いながら見た。種子島のファンタジーな空は良かった。[DVD(邦画)] 4点(2011-12-21 13:34:19)

2.  緋牡丹博徒 二代目襲名 この4作目までは作品ごとに監督が違うのでそれぞれの演出スタイルの違いを見るのも楽しみの一つなんだけど、この「二代目襲名」は演出スタイルの差が一番激しく表れている作品だと思います。様式美を生み出すセットではなく屋外ロケを多用しているのが一番大きく、そのせいもあって「緋牡丹のお竜」というキャラクターがいっそう現実味を帯びています。お話自体も他作品と異にするところがある。常に旅人であったのに対し今回は地元が舞台だから。いつもよその揉め事におしとやかに首を突っ込むお竜さんが今回は自分自身が揉め事の真ん中にいる。いつも自分の身のためにならんことに仁義を尽くしてまわりから惚れられるお竜さんが今回は親分としてその責務を全うする姿をもって惚れられる。より「お竜」が生々しくなる。それでもどんな演出の元でも「緋牡丹のお竜」というキャラクターに動じることのない確固たるものがあるのは富士純子その人によるところが大きいのかもしれない。口上だけでなくちゃんと「矢野組二代目」としてのお竜さんがいるこの作品はシリーズになくてはならない作品だと思う。[映画館(邦画)] 6点(2011-12-16 14:19:59)

3.  緋牡丹博徒 一宿一飯 女任侠もののさきがけともいえる「緋牡丹博徒」を世に送り出した鈴木則文本人が監督した唯一の作品。監督が統一されてないので雰囲気も違って当たり前なのだが、本作に関しては鈴木色ともいえる薄っぺらな娯楽性が突出しており、前後作品からは若干浮いた存在のように感じられる。若山富三郎演じる熊寅親分の三枚目ぶりも度を越してほとんど道化。立ち回りも派手で、復讐の炎の火元となる敵方の憎憎しさも絵に描いたような憎憎しさ。女を手篭めにするという下品なシーンまである。隠すとか見せない演出なんて無い。ザ・見世物!である。ある意味幼稚。でもある意味これが映画。[映画館(邦画)] 6点(2011-10-28 14:26:12)

4.  必死の逃亡者 《ネタバレ》 ボギー久々の悪役はやっぱり様になる。この作品はどこにでもある一般的な中流家庭を襲うってところがミソ。だから当然主役のお父さんもまた一般的フツーのお父さん。映画を引っぱるだけの存在感なんてない。ここでハンフリー・ボガートの強烈な存在感が必要となる。抵抗することが強いのではなく家族を守ることが強いのだともってくる父と息子のアメリカ映画らしいドラマが退屈にならずに済むのも、父や娘が外出を許されるという緊迫感を阻害させるような展開でもそれをあまり感じさせないのもボギーから発せられる危険なオーラがあるからに他ならない。手下がゴミ収集車を追いかけに出たり娘と恋人のあれこれがあったりとドラマを盛り上げる各エピソードが多すぎるような気もするがそこから裾野を広げずにあくまで核は家族であり、よって舞台は家であるということを徹底しているところが好感が持てる。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-10-14 17:04:47)

5.  ビッグ・トレイル(1930) 《ネタバレ》 最初の章で登場人物が出揃いそれぞれのキャラが提示されるのだが、ジョン・ウェインが主役なのは間違いないという役で、悪者はいかにも悪者な風貌で、単純で明快な予定調和な西部劇が始まるなとワクワクさせてくれる。と思ってたらその章の最後で、さあ出発だと全員の移動シーンが映されてびっくり。なんちゅう馬車の数。なんちゅう牛の数。ここまでせんでも。その後もそれら大量の馬車群が川を渡ったり絶壁を下りたりするシーンのように、メインストーリーにあまり関係のなさそうなところでお金と手間をかけまくったシーンがこれでもかと出てくる。いや、これこそがメインストーリーでジョン・ウェインと悪党の対決のほうがサイドストーリーなのであった。実際、対決ってほどのものは映されず、盛り上がりも何もありゃしない。西部開拓者たちの大移動はたしかにこのように過酷であったのだろうと思ったし、そのリアルな迫力は本当に素晴らしかった。『赤い河』のようなバッファローの群れも映ってる。でも見たかったのはジョン・ウェインの活躍だったのだ。若きジョン・ウェインがあんなにもかっこよくなかったらこれでよかったかもしれないが。[DVD(字幕)] 6点(2011-10-03 14:20:52)

6.  引き裂かれた女 リュディヴィーヌ・サニエが好き。どの映画でもかわいい。そしてエロい。初老のオヤジがこの小悪魔ちゃんに翻弄されるのかと思ったら初老のオヤジの前で小娘と化すサニエ嬢。中年男の夢。なんて素晴らしい。といってもエロい画はスクリーンに映されない。私の脳が勝手に補完して私を悶絶させるのだ。なんていやらしい。シャブロルの映画であることも忘れ、夢の世界にどっぷりとはまる。でもこれもシャブロルの罠だった。いつものシャブロル映画のあっけない終幕が待ち構えているのだ。またしてもやられた。またやられたい。その後のエピローグにはそんじょそこらの監督には真似の出来ない軽やかさがある。常連ブノワ・マジメルがボンボンを好演。[映画館(字幕)] 7点(2011-09-01 15:43:09)

7.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 幻覚というのはここまではっきりとしたものなのだろうか。だとしたらいくらまわりから言われてもこれを幻覚だと思うのは至難の業だ。例えば私には妻子供がいるが突然いやそれは幻覚なんだよと言われるようなもんでしょ。とまあ、そこが一番驚いた。実際のところどうなのか知らないけど、少なくともこの映画の幻覚には説得力があった。その説得力はストーリーテリングのうまさから来る。しかしそのかわりと言っちゃなんだが、中盤まで我々はまんまと騙されていたわけだ。たしかにこの騙しはちょっとしたどんでん返しとしての楽しみを提供してくれてはいるのだろう。しかし勝手に先の展開を思い描いていたものがそれこそジャンルごとごろりと変えられた者(私)からしてみれば、驚きというよりも置いてけぼり感のほうが強かったりする。それとも私が伏線を見逃したか。ロン・ハワードの作品中でも最も美しい画で覆われた作品のようにも感じたがこの急転直下のせいでその感動も半減してしまったのは私のせいか。[DVD(字幕)] 6点(2011-08-25 14:54:21)

8.  ヒーローショー 井筒監督の過去作品における「若者の暴力」はどちらかといえば肯定的に描かれてきた。「喧嘩」という暴力。それは暴力であるまえに若者の言語でもあった。そしておそらくは監督自身も経験してきた暴力であったはず。しかしこの作品で描かれるのはひたすら「負」でしかない暴力だ。コミュニケーションもなければモラルもない。拳の痛さは金属バットから伝わる鈍い痺れへと鈍化し、集団でしか行動できず、一方的な暴力しかなく・・そう、もはや喧嘩ですらない。この映画を見る前、舞台が東京であることにかなりガッカリしていたのだけど見て納得。監督は「今」の若者をはじめて描いてみせたのだ。その「今」の象徴が東京なのだ。バーチャルな妹も「今」を表すアイテムに過ぎない。そして「今」の若者、「今」の暴力に怒っている。ちゃんと喧嘩せえやと。ちゃんと成長せえやと。井筒のおっちゃんは怒っているのだ。その熱い想いが鬱陶しくならない程度に染み渡っていい感じ。[DVD(字幕)] 7点(2011-05-10 16:09:27)(良:2票)

9.  ヒア アフター 《ネタバレ》 主人公は死んだ人間と交信ができる。本当にできるのか。冒頭に兄の紹介でやってきた男は第三者の知るはずのない情報を理由に本物だと確信する。つまり本当に交信ができるのだ。この映画のヒロインのように登場した料理教室の女はそれが本物であるがゆえに唐突にヒロインでいることをやめる。その力は主人公を苦しめる。兄を亡くした少年の手をとり死者と交信する。たしかに交信している。一度終わったかと思ったら、そのときの少年の寂しげな顔を見たあとに「まだ何か言ってる」と交信の続きが語られる。ここは本当に交信が成されているのだろうか。主人公の機転で少年を立ち直らせるために話を作ってるってことはないだろうか。何が言いたいのかというと、その力を信じられない人に対してその力を使う場合は過去にあった秘密の暴露をしなくてはならない。一方、端からその力を信じる人にはその必要がない。それが本当なのか嘘なのかはどうでもいい。本当を前提としているから証明がいらない。結果、過去を語らず、未来を語ることができる。「信頼」を前提とした対人関係が示されているのだ。「死後」を共感できる人との出会いは「信頼」から入る対人関係の成立の可能性を意味する。つまり運命の人(の可能性)。よって主人公ははじめて明るい未来へと目を向けるのだ。そのことをあまりにストレートに見せてしまうラストシーンに呆気にとられながら、その強烈な幸福感に泣いた。[映画館(字幕)] 8点(2011-04-25 16:18:58)(良:4票)

10.  ヒッチャー(1985) 《ネタバレ》 スピルバーグ『激突!』を彷彿させる執拗且つ不条理な展開にバイオレンスとアクションが加わる。おそらくシナリオだけ見たらえらくチープな三流映画だ。不条理から来る恐怖感だって『激突!』にはるかに及ばない。にもかかわらずこいつは面白い。最大の立役者はもちろんルトガー・ハウアーだ。殺人鬼なのに狂気を見せないその人間離れした表情は『ブレードランナー』のレプリカントのよう。殺人鬼の最期もまたそれが定めだと言わんがごとく死ぬために戦ったレプリカントを彷彿させる。そしてその姿を捉えた映像がとにかくかっこいい。靄の中に浮かぶヒッチハイクするために親指をつきあげるその後姿。クライマックスのロングコートにショットガン。そのどれもが広大な荒野を背景に絶妙の構図に収まる。ハウアー無き後のラストカットはそのかっこいい構図にC・トーマス・ハウエルが車とともに収まる。シブイねえ。[DVD(字幕)] 7点(2010-12-10 15:34:52)

11.  ヒッチハイク(1976) 《ネタバレ》 暴力とセックスとカーアクション。いかにもな70年代アメリカ映画でありながら面子はイタリア人。たったそれだけで妙にパチモンくさくなる。しかもフランコ・ネロ。音楽はモリコーネ。マカロニウエスタンならぬマカロニニューシネマだ。つうことで本物アメリカ映画にある反権力やら自由思想なんかはこれっぽっちも顔を出さない。あるのは過剰なエロと暴力。こりゃおもろい。にじみ出るバッタモンの匂いがたまらん。最初っから夫は妻を虐待してるところがあるのだが、これ、仲の良い夫婦だったりしたらレイプシーンとかラストのお金の誘惑とかもっと衝撃的になったんだろうけどどうだろう。たぶんコリンヌ・クレリーを最初から最後までいじめぬく映画にしたかったんだろうな。[DVD(字幕)] 6点(2010-12-08 15:17:21)

12.  秘密(1999) 恋愛感情をより明瞭に、恋愛ドラマをより大袈裟に描くために特殊な環境が用意される東野圭吾作品の定番的物語構成をうまく引き継いで語っていると思う。映画を見たのも原作を読んだのもずいぶん前なので両者が頭ん中でこんがらがっちゃってる部分もあるんですが、原作で一番ショックだったのが、娘が年頃になると父親を毛嫌いするのはそれまでの父と娘の関係とは全く関係なく訪れる本能的なものだという部分。私もそのうち娘から理由無く毛嫌いされちゃうのかと思うとなんともせつなくて・・。映画は父の執拗な拘束が鬱陶しいってだけで、そこんとこ、あんまり切り込んでなかったような。より感情の抑揚の部分に重きを置いてわかりやすい展開にしているようです。コミカルさを加味した作りと型どおりの人物描写が良くも悪くも滝田監督らしい。説明的なのもまた然り。最後の岸本加世子の顔はいかんだろ。あそこだけで2点減点。[DVD(邦画)] 3点(2010-05-26 14:19:13)(良:1票)

13.  HINOKIO ヒノキオ 《ネタバレ》 途中までは、もしかして初の0点か?と思うほどに酷い。たしかにロボットの違和感の無さは素晴らしく、これまで散々邦画のしょぼいCGに辟易させられた者としては大いに褒め称えたいところではある。でも中身が・・。どうして主人公を理解する友人までがなんらかの問題を抱えていなきゃいけないのか。過去に傷を持つ人間でないと助ける資格を持てないのか。おとなしそうな優等生は何故この手のドラマでいつも悪玉なのか。あまりにあっけなく「帰れ」コールに転じるクラスメートたちの描写にも呆れる。人格というものがない。主人公は死の淵で母に会い、母が父を憎んでいないということを知る。だから父を許す。っておかしくないか。親子関係の問題に全く向き合わず、ハイめでたし、でいいのか。父は問題から逃げてばっかりだし、同僚はそのことを何度も説明してくれるだけのために出てくるし、先生は蚊帳の外だし、クラスメイトはその他大勢だし・・。唯一がんばってんのが男勝りのガキ大将少女(多部未華子ははまり役!)。けっきょく初恋ラブストーリーなんだからできもしない「子供の問題」をちまちまなぞってないでちゃんとラブストーリーしようよ。[DVD(邦画)] 2点(2010-03-25 14:21:02)

14.  ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 《ネタバレ》 パット・ギャレットが撃たれるシーンから始まるのだが、これから始まる物語が過去のことであり、その「過去」である物語の冒頭と「今」であるパットの最期が何度も切り返されるオープニング、この構成がめちゃくちゃかっこいい。そして原題どおりのパットとビリーの物語が始まる。このオープニングが秀逸なのはかっこよさだけではなく「死」へと向かう物語であることを予告しているからでもある。法などあって無いような時代がいよいよ終焉を迎えようとする西部開拓時代の末期、同じ穴のむじなの二人が保安官と無法者として対峙する。しかし同じ穴のむじな。二人ともが死へと向かうことに抗うことができないその切なさが漂う。そのことを代弁するボブ・ディランの「天国への扉」。ここにバイオレンスの巨匠はいない。いや、ペキンパーはたしかに暴力をスローモーションでショー化してきたが、その暴力の中に悲哀を込め続けたのも確かなのだから、これこそが彼の真髄なのかもしれない。ちなみに見たのは「特別版」。[DVD(字幕)] 7点(2010-02-18 16:13:18)

15.  ピンポン 《ネタバレ》 映画は漫画ほどにキャラクター造詣に幅を持ち得ない。絵ではなく人間が演じるんだから当然だ。べつにキャラクター造詣に拘らなくても画が動くことで得られる感動とそれを効果的に見せる脚本で映画はいくらでも優位に立てるわけだが。しかし『ピンポン』はこのキャラクター造詣に拘る。絵に負ける部分を脚本が補足する。わかりやすく特徴付けられた主要なキャラたちがそれぞれの個性を発散させる。20代後半のARATAも30歳の中村獅童もこの漫画的世界ではじゅうぶん高校生だ。CGもこの世界に映える。ヒーローがヒーローとして登場するクライマックスを頂点とするストーリーをしっかりと映画の尺に収めたことも評価できる。それにしてもここまでキャラ重視でしてるのに何故に卓球部監督は毎度おなじみ竹中直人なのだ。[DVD(邦画)] 6点(2009-11-20 16:03:47)(良:1票)

16.  ヒズ・ガール・フライデー 同じくホークス監督の傑作『赤ちゃん教育』ではヒロインのマシンガントークに翻弄されることで笑いをとっていたケイリー・グラントが今回は見事な掛け合いで笑いをとる。セリフが終わらぬまにセリフが重なることの繰り返しに観てるこちらは呆気にとられるしかなくその計算しつくされた怒涛の会話の応酬に感心しきり。元夫婦という設定が活きていて、説明なくても「ああ、あの人の策略ね」「ああ、またやられた」とロザリンド・ラッセルがうんざりぎみにしてやられた表情をするだけで(これがまた楽しい)、スピーディな展開に水を差さないのがいい。言葉のラッシュのガチャガチャ感をさらに煽るグラントの身振り手振りもサイコーにおかしい。ハイテンションに乗じて強引に終わらせるのも「楽しかった~!」という余韻を残してくれていい。こういう楽しい映画を新作で観たいなあ。[映画館(字幕)] 8点(2009-06-09 13:08:12)

17.  ビジターQ びっくらこいた。家族の体を成していない家庭に異物が混入することで化学変化が起こる。いわば『家族ゲーム』なんだけど、かなりエログロい。こんな映画ありかよ!とひたすらびっくらこくんだけども、エログロの過激さの大半は映画に必要だったものではなく、こんな映画ありかよと思わせるためだけにあるような気がしてならない。見てる間中頭に浮かぶのは、よくこんなの引き受けたなってこと。あるいはカット!の声のあとの役者たちの反応を想像したり。とにかく映画の外のことばかり気になってしまった。「うんこじゃねえか!!」には大爆笑したが。父親の問題は男としての自信を取り戻すことで解決し(むちゃくちゃな取り戻し方だが)、母親の問題は女であることの確認を得て解決し、子供たちの問題は親の問題をクリアしたことで解決する。たんまりとありすぎた諸問題は全て両親から派生していた。実に簡単な構図(むりやりに簡単にしている)がこのナンセンスエログロ映画をちょっとだけ哲学チックにしてみせている。ほんのちょっとだけ。[DVD(邦画)] 6点(2009-06-03 16:38:31)

18.   擬似ドキュメンタリー風なんだけど中盤に出てくる本当のインタビューの本当っぽさを見るまでもなくものすごく芝居じみている。しかもヘタクソ。いかにも脚本どおりにしゃべってますみたいな。わざとらしくはにかんだり、意味ありげにニヤリとしたりとイチイチ不自然。セリフの無いシーンになると怒涛のカット割りがミュージッククリップ的なかっこよさをまとっていてそれなりにイキイキとしているようにも見えるが、基本、最初から最後までこのノリなのでちょいキツイ。ドラマは最後に音楽の効果もあってそこそこの盛り上げを見せてくれるのが救い。[ビデオ(字幕)] 2点(2009-05-25 14:03:02)

19.  ヒトラーの贋札 自分さえよければいい。そんな主人公が強制収容所内の工場でリーダーをまかされて以降、徐々に仲間をかばう態度を見せてゆく。そしてユダヤ人としての最大の敵であるナチスへの協力と抵抗のバランスをとってゆく役割を担い、またその狭間での葛藤を描いてゆく。原作者でもあるブルガーが断固「抵抗」を支持する役回りになっているのが原作どおりなのか、主人公を完全な協力者から目を覚まさせる役を担わすためなのか、はたまた「正義」と「命」を天秤にかけるというストーリーの「核」をはっきりさせるためなのかよくわからないが、この人ひとりだけがちょいと浮いた存在になってしまっているのがどうなんだろうと。そして全体にほどよい緊張があるのはいいが、ここぞという場面での緊張に乏しい。例えば仲間が銃殺されようかという場面や贋札が銀行でクリアされる場面ではもっとドキドキさせてくれないと。あえて淡々とした演出なのかもしれないが、ストーリー上でも盛り上がるべくものとしてそのシーンを挿入しているはずだ。結果、生真面目な告発的なものと娯楽としてのサスペンスが共に弱くなってしまってるように感じる。[DVD(字幕)] 5点(2009-03-24 15:02:19)(良:1票)

20.  左きゝの拳銃 ビリー・ザ・キッドものはこれ以外には『ヤングガン』とペキンパーの『ビリー・ザ・キッド/21才の生涯 』ぐらいしか見ていないが、ビリーの人物像はこの作品のビリーが最も納得のいくもので、作り手もおそらく一番重要視したのはリアルなビリー像だったんじゃないだろうか。復讐の影で多くの人に迷惑をかけ、多くの命をないがしろにすることに気付かない血気盛んでいて浅はかにすぎる青年をニューマンが熱演。粗野な一方で教養の無さをコンプレックスに思う子供っぽさがニューマンのファニーフェイスとまたしっくり合う。パット・ギャレットがえらくかっこよく描かれているが、ビリーのおそらくは史実であろうエピソードに時間を使いすぎて出番が少ないのがもったいない。アーサー・ペンのデビュー作らしいが、銃撃戦の合間やラストのギャレットと対峙するまでの沈黙の時間がなるほどアーサー・ペンらしいと思った。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-12 14:09:39)

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