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プロフィール |
コメント数 |
118 |
性別 |
女性 |
年齢 |
42歳 |
自己紹介 |
前回アクセス(H30.11月)から2年ぶりに再びアクセス。 なかなか時間がないものの、地味〜に、たま〜に、映画は観ているのですが、、何故か映画鑑賞よりレビューを書く方が時間がかかる不思議… 簡潔に論理的にまとめる能力が欲しいです(泣)
<採点基準> 10 :生涯のベストムービー。理由は様々だが愛してる
9 ~8 :かなり大好き。純粋に面白い。好き!
7 ~6 :なかなか良い、悪くない。云わば平均!
5 ~4 :微妙、消化不良、苛々。あまり好きではない
3 ~2 :見たことをひたすら後悔、後悔、後悔
1 ~0 :滅多に出ないが出たら最後。永遠にさようなら
これからもよろしくお願いします!
令和2年10月10日 |
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1. 秒速5センチメートル(2007)
《ネタバレ》 算数の『はじきの法則』でご存知の通り、距離・時間・速度は相関関係にある。本作では、この(はじきの法則)が物理的、心理的の両面に作用し、その差異を描いているように思う。
物理的(はじき)にも心理的(はじき)にも、それぞれに条件はあるにせよ、一定の価値基準は存在している。異なるのは、心理的(はじき)に平等の否定が許されている点ではないだろうか?
桜の花びらが落ちる速さは秒速5cm、ロケットを運ぶ速さは時速5km。3年間交際した恋人でも、近付いた心の距離はわずか1cm。貴樹と明里を隔てる距離。逢瀬の道中の長い時間。二人で過ごした一夜。バイクで下校する「幸せなひととき(花苗談)」。永い年月を要して宇宙に辿り着いたロケット。雑然と過ぎ去る日々。
こうしてみると、心理的(はじき)の克服は、物理的(はじき)の克服より困難に思える。物理的事象には、どこかに共通の目的地やゴールが存在している。しかし心理的事象には、受け手によって「独自の線引き」が許されていないだろうか?ゆえに果てがない。ある意味、究極の自由にもなる。
馳せる「想い」が募れば募るほど、それが「重い」に変わってしまう。物理的(はじき)と心理的(はじき)の差、それは「質量」でもあるのかもしれない
印象的だったのは、線引きをするのは女性側からだ、という点。皮肉にも、心の線引きには何らかの物理的要因が絡んでいるのも見過ごせない。終盤の踏切のシーンは、その物理的(はじき)と心理的(はじき)のバランスが描かれているように思う。明里は、踏切の向こうにはいない。とうの昔に心理的(はじき)を克服しているから。希望を捨て切れずに生きてきた貴樹は、列車が通り過ぎるのを待つ。そして現実を目の当たりにする。しかし、彼の顔は晴れやか。たった数十秒の物理的(はじき)によって、ようやく心理的(はじき)の質量を解き放つことが出来たからだ。幼い頃の希望は青い春で絶望へと変わり、無気力な日々に揺蕩うも、再び未来の灯(あかり)が生じる。明里は、貴樹にとって永遠に希望の灯として心に生き続けるのだろう。
マイナス1点は、文語の語り口が少し耳につく事と、好みの分かれる作品だと思ったから。私にとっては、胸を焦がし、狂おしいほど切なさを呼び覚ます作品です。[DVD(邦画)] 8点(2010-02-18 12:12:09)(良:1票) 《改行有》
2. 陽だまりのグラウンド
《ネタバレ》 鑑賞前は、ダメ男が子供たちと野球を通じて自分を見つめ直す、よくあるドラマだろうと高を括っていました。
しかし実際はお涙頂戴でも無く、子供をダシに感動を仕立てた安っぽいドラマでもなく、治安の腐敗、殺伐とした街、エゴに塗れた大人たちなど、荒廃した世界を映し出したリアルなドラマだった。
主人公は堕落したダメ人間の典型だが、そんな自分を嫌悪しつつ、そのぬるま湯から簡単には抜け出せない様子も窺える。
これはつまり、人間の根本的な弱さと、大人に成れば成るほど堕ちた時の絶望感が大きいのだ、ということを意味しているように思う。
しかし、どんな人でも変わることが出来るはずだ。
その代名詞として、愛や子供という純粋で無垢な存在があるのだろう。
綺麗事と言われるかもしれない。
だが、こんな時代や環境を恨む事無く、真っ直ぐ懸命に生きようとする子供たちの姿を前にして、自らの荒んだ生き方をどうして恥じずにいられる?
愚かな自分でも受け入れようとしてくれている人を前にして、どうして変わる事を恐れる必要がある?
どんなに小さくても、自分が変わる為のキッカを何か一つでも掴めたか否かで、その後の人生がいくらでも変えられる事を、この映画は教えてくれる。
しかし、理不尽なこの世界。
生と死の前では、人はあまりにも無力なのだという事を感じざるを得ない出来事に、言い知れぬ悲しみを感じる。
目を背けたい現実を受け止めながら進むのは辛く苦しいが、人間として大きく前進する為の大切な課程であるのだろう。[DVD(字幕)] 6点(2008-06-16 22:18:52)《改行有》
3. ビフォア・サンセット
《ネタバレ》 前作の終わり方から二人のその後が気になっていたが、下手な続編によって自分なりの想像が潰されるのがいやで、観るのを躊躇していた。が、実際に見てみると、前作に引けを取らず良い仕上がり。もしかしたら、前作より好きかもしれない。所々に顔を出す前作の内容を踏まえた粋なストーリー展開は、観客が前作で抱いた(或いは制作者側が意図的に抱かせた)疑問・希望・想像などをよく把握した上で本作を創り出しているのがよく分かる。
年を重ねた二人の会話は、以前にも増して魅力的になっている。酸いも甘いも経験した一味違った切り口が加わっている辺りに、二人が大人になったことを実感する。時間の重みや二人の変化を垣間見ることができる。そして、だんだんと二人の顔に昔のような表情が見え隠れし、流れる空気まで自然と変化していくのは素晴らしい。主演二人の魅力と力量がなせる技であろう。
今作も再びラストの結末は観客に委ねられた形だが、こんなにも二人が一緒になれる事を望んでしまう映画は、稀である。まだ経験不足な自分には、この映画を多く語れる自信がない。きっと年を重ねる毎に、感じ方も見方も変化する映画だと思う。10点を付けたい気持ちはあるが、私自身の今後の成長に期待を込め、今はあえて9点に留めておきたい。いつか、二人の関係や会話を真に理解ができる自分でありたい。[DVD(字幕)] 9点(2007-07-31 16:36:36)《改行有》
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