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プロフィール |
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914 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. ファミリー・ネスト
《ネタバレ》 崩壊していく、家族の巣窟。
共産主義政権下、住居難にあえぐ当時のブダペスト。
狭いアパートで三世代が同居せざるを得ず、プライバシーも金銭的余裕もなく、
傲慢な舅にいびられ、追い詰められている嫁の"リアルな現在"を切り取っている。
夫が除隊となり、国から公営住宅が提供されると思ったら順番が回ってくる様子もなく、
舅とのストレスフルな関係から残業と称して家に帰らないことも増える。
そこから不倫しただろ、アバズレだの一方的に決め付け罵る舅は、
自分は苦労していると理想の父親像を謳いながら浮気しているクズっぷり。
夫もどちらの側に立っているのか曖昧で守ってくれず、
とうとう壊れてしまった嫁は娘を連れて出ていくも帰る場所もなく、
空き部屋を不法占拠せざるを得ない世知辛い現実が待っていた。
お役所体質で部屋はないと言い張っている職員は何のために存在している?
ここにあるのは息苦しさしかない社会で、強者が弱者を捌け口として蹂躙していく。
露骨な性暴力が共産主義を牛耳るソ連の暴力性とリンクしている。
当時、弱冠22歳で本作を撮り上げたタル・ベーラによるドキュメンタリータッチの台詞の応酬に、
後の作品群とは似ても似つかぬ作風だが、社会への疑念・怒りというテーマは初期から通底していた。
共産主義政権下のハンガリーでここまで反骨的なものを撮れたなと感嘆させられる。[インターネット(字幕)] 6点(2024-08-24 02:02:21)《改行有》
2. ブラック・サンデー
《ネタバレ》 レクター博士シリーズの猟奇犯罪もののイメージが強いトマス・ハリスだが、緻密な取材と膨大な資料の数々で積み重ねたリアリティに、ジャーナリスト出身ならではの原作力が光る。その素材を余すことなく活かし、イスラエル諜報員vsテロリストの攻防を公平な目線で緊迫感たっぷりに描写したフランケンハイマーの職人技も負けていない。普通なら盛り込むだろう幼稚なメロドラマを排除し、余計な後日談をバッサリ切り捨てる潔さを買う。30数年経って、まさか911が起きるとは誰もが思わなかっただろう。午前十時の映画館で見たかった。[ビデオ(字幕)] 7点(2019-08-09 22:37:01)
3. ブリキの太鼓
《ネタバレ》 これほど重苦しい暗黒史を体感した映画は他にはない。ただ性や暴力を過剰で陰惨に描けば良いのではなく、皮膚感覚で訴えるタールみたいな異臭と粘り気が正確なのだ。大人の醜い世界を覗き、成長を拒んだ少年はいびつで異質な存在。いつまでも大きくならず、太鼓と奇声でガラスを割る光景がどれほど不気味なことか。馬の頭で鰻を獲ることの不気味さ、"子供同士"で性交していることの不気味さ・・・現実と寓話の区別が曖昧だからこそ"不気味"で、如何に不安に覆われた時代かを物語っている。第二次世界大戦後、少年は大人になることに再び向き合い、家族と共に西側の新天地に向かう。ハッピーエンドになるとは限らないが、姑息な社会不適合者が如何に現実と折り合いを付けるかを一定の距離間で見届けているようだった。[DVD(字幕)] 7点(2017-08-02 22:52:36)
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