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21.  ブレア・ウィッチ・プロジェクト 《ネタバレ》 アイディアと演技とやる気さえあれば、金を掛けなくても良作を撮れるという一例だ。 完全にフィクションと分かっていても、ドキュメントと勘違いしてしまうような臨場感や設定を評価したい。 夜襲などはあったが、下手にイベントやストーリーを付けずに、“得体の知れないもの”に対する恐怖感のみで、90分程度を乗り切った演出の努力も認めたいものだ。 目に見えるものを描くのは簡単なことだが、目に見えないものを描くのは、それほど簡単なことではない。 訳の分からないオチの付け方も逆に良いのではないか。 あれよりマトモなオチの付け方も考えにくい。 “訳の分からなさ”が鑑賞後にも、尾を引くように計算されていると思われる。 もし、仮にラストでウイッチが実体を表して、彼らを襲うというようなオチを描けば、恐らく興が醒めていただろう。 最初から最後まで、いっさい実体を表さないのは悪くないアイディアだ。 きちんとした実体を描くのがどちらかといえば“アメリカ式”(具体例:殺人鬼・ゾンビ)であり、こういった実体を描かない手法は、イメージとしては“東洋式”(具体例:幽霊・呪い)のような気がする。 日本ではこういった手法による恐怖は好まれるかと思ったが、意外と評価が低いのは意外だった。 低評価をした人を非難するつもりは全くないが、ぶち切れるほどの酷さや手抜き感、オフザケ感は感じられなかった。 カメラの揺れが生理的に合わないという点もあるのだろうか。 「凄い凄い」と騒がれて、ブームに乗って鑑賞したら、「なんじゃこりゃあ~!」という内容だったので、拍子抜け感や裏切られ感が強かったのかもしれない。 ミニシアターで「知る人ぞ知る作品」として本作としては扱われた方がよかっただろう。 メジャーになるべき映画ではなかったかもしれない。[DVD(字幕)] 7点(2008-04-03 00:29:49)《改行有》

22.  プロヴァンスの贈りもの 《ネタバレ》 アメリカでは、製作費35百万ドルに対して、7.6百万ドルの興行収入しか上げられなかった大コケ作品。本作は興行的には失敗作といっていいだろう。 特に、ストーリーらしきストーリーはなく、ラッセル・クロウがただ単にはしゃいだり、遊んだりしている映画なのかもしれない。 見る人によっては確かに飽きるだろう。 しかし、個人的にはこれは結構好きな作品だ。 夏休みにプロヴァンス、又は自分の故郷にでも帰ったかのような錯覚に陥るほどの心地よさを感じる。 日々の忙しさを忘れて、自分の少年時代を思い出しながら、ゆったりと時間が流れていく。 徐々に自分までもが癒されていくかのような感覚すら感じさせる映画だ。 美しい風景、美味しそうな食事、美しい女性たちにも酔いしれる。 「ブラックホークダウン」もそうであったが、脚本に書けないような微妙な空気感を描くことをリドリー・スコットは得意としているようだ。 このような演出が可能なのは、数少ないベテラン監督だけだろう。 まさに熟練した味わいを堪能できる。 仕事だけに生きる都会生活を捨て去って、田舎で静かに自分の人生を楽しむというのは、本当に憧れる生き方だ。 こういった逃避的な生き方は、アメリカ人には理解できないのだろうか(それとも十分に余裕があるのか)。 幸いなことに、今の自分はそれほど仕事が忙しくもなく(以前は月に200時間残業して何のために生きているのか分からないときもあった)、映画を楽しむ余裕があるのが救いとなっているので、完全に逃避する必要はないのだが、仕事や都会の生き方に疲れた大人に見てもらいたい息抜き映画だ。[映画館(字幕)] 7点(2008-02-02 23:51:06)(良:1票) 《改行有》

23.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 一人の金回りのいいチンピラを尾行したことから始まり、その糸を手繰り寄せていくと、徐々にフレンチコネクションまで繋がっていく過程が、緻密にかつ見事に演出されている。 そのうえ、シェルニエとの緊張感ある尾行劇、殺し屋との壮絶なカーチェイスも加味すると、現代の同ジャンルの作品とも負けず劣らずの高水準にある作品であることは間違いない。だからといって、アカデミー賞作品賞に相応しい作品かどうかは判断が難しいところ。今の時代ではノミネートすら難しいだろう。 余計な説明を極力廃して、あまり本編のストーリーに関係なかったかもしれないが、警察官の麻薬取り締まりの仕事を赤裸々に描き、それが迫力あるために、映像によりリアリティが感じられる。しかし、本作は元警官のノンフィクションを映画化しただけにかなりリアリティを重視していると感じるのに、最後の誤射シーンはいかがなものかと思う。いくらなんでもFBIの捜査官を射殺してしまったら、ただじゃ済まないだろう。一方で、このシーンによって、FBIと地元警察の不仲の関係を表したとか、ポパイの性格(殺人に対する後ろめたさゼロ)や犯人逮捕への情熱を表したという見方もできるが、リアリティを無視して、多少やり過ぎた感が強すぎると思う。誤射を描きたいとしても重傷程度に留めた方がよかったかなと思う。 そして、あの誤射シーンの後に、ポパイは走っていき、一発の銃声が聞こえて、この映画は幕を閉じる。このシーンで、ポパイはシャルニエも殺したんだなと思ったら、その後のテロップでシャルニエは逃走したと書かれていた。確かに、一発の銃声の演出はカッコいいけど、シャルニエに逃げられたのならば自分だったら「銃声」は映画に流さないだろう。そもそも、あの場面でFBI捜査官を殺して、銃を撃つほど近くにいる最重要犯人を捕まえることができなかったのならば、警官としての資質が問われかねないだろう。FBI捜査官はフィクションに対して、逃走されたのはノンフィクションなので、バランスを欠いているという印象。だから、「誤射シーン」もしくは「ポパイが走っていくシーン(銃声なし)」でエンディングを迎えた方が自分としてはすっきりしたかなという気がした。[DVD(字幕)] 7点(2006-12-31 00:28:34)《改行有》

24.  ブロークバック・マウンテン 《ネタバレ》 正直言って面白い映画ではない。また、テーマがテーマなだけに自分の心にぴたっとくるまでには相当時間がかかる気がした。 しかし、なんというか無形のものを類まれな演出力(セリフや演技でカバーできない空気や雰囲気)によって映像化された凄さに驚かされたという気がする。そういう意味において、この映画に作品賞ではなく監督賞が与えられたことは正当なジャッジなのかもしれない。 思ったことは、この映画はゲイの映画というよりも、障害ゆえに愛を成就できない狂おしい気持ち、行き場のない想いといった普遍的な感情が痛々しいほどに描かれていると思う。 少ないセリフ、うつろな表情、耳に残る音楽、全体的な雰囲気で二人の長年に及ぶ関係や気持ちを伺い知ることができる。 そして、唯一、お互いの気持ちを確認でき、何の障害もない場があの澄み切ったブロークバックマウンテンとあのシャツだけだったのではないか。 気に入ったシーンの一つに、イニスが釣具入れを忘れそうになり奥さんが忘れ物をしているよと言うシーンがある。なんてこともないやり取りなんだけど、イニスは釣りに対しては全く興味のないことを表していると同時に、奥さんにとっては、これが釣りであって欲しいという想いと釣具入れに込めた奥さんの大切な気持ちが感じられる。お互いの気持ちのズレが感じれる短いながらもいいシーンだと思う。イニスの奥さんはイニスを愛しているがゆえにイニスと別れるしかなく、ジャックの奥さんはジャックを心から愛していない(父親への反抗ゆえに結婚したような)から、別れることもなく、彼の死の原因や理由も分からなかったのかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2006-03-14 01:15:13)(良:2票) 《改行有》

25.  復讐者に憐れみを 《ネタバレ》 観終わった瞬間はラストはちょっと余計かなと思った。 苦し紛れに言った言葉が実は真実だったという手法はありがちであり、せっかくいい映画なのにこれでは蛇足ではないかと思ったりもしたが、よくよく考えるうちに、この映画の主題は「復讐の連鎖」であり、復讐を遂げることで映画が終わっては主題とずれるのではないかと監督は考えたのではないか思った。 自分に非がないのに巻きこまれた被害者であったはずのガンホであるが、復讐そのものが正当化されるはずはない。逆に、全く面識もない者たちに復讐され得る加害者でもあったという復讐の論理を訴えたかったのではないか。 あの四人組にも、自分たちの同士を殺されたことに対する彼らの復讐に隠れた大きなストーリーがあると思させたが、もうちょっと何かしらの説明なり、セリフがあった方がよりテーマが深まるかなと感じた。 映像に関しては、リアリズムを追求した荒荒しい映像はテーマに非常にマッチしている。人形と共に手が黒焦げになっていく過程などは、こんなふうに撮る人は今までちょっといなかったなと感じさせたが、「こう撮ったら面白そう。こうすればいい画が撮れるのではないか」というような技巧に頼ったり、本質ではない部分にこだわったりしているようところも見受けられた点は多少引っかかる。 映像のリアリズムを追求するのはよいが、あの状況下においてエレベーターの中で手を握る姿は日本人の感覚ではリアルではない。二人の関係やドゥナに対する想いの深さ、愛するものを奪ったものが愛するものを奪われたという姿を描きたいというのはよく分かるのだが。[DVD(字幕)] 7点(2005-11-13 02:58:56)《改行有》

26.  ブロードウェイのダニー・ロ-ズ ヘリウムガス位で派手な面白さはないけど、不思議と優しい気分にさせるいい作品だと思う。 特にダニーの「人間像」「芸人に対する愛情」「人生観」が素晴らしい。 昔は漫談家だったダニーだが、今でも芸人時のクセからか誰に対しても年齢を聞くことは忘れてないし。「一言言わせてくれ」(「説教でも冗談でもなく」ヴァージョンもあり)という決めゼリフや叔父や知り合いがいった名言を多用するような点を見ると、彼は本当に「笑い」が好きなんだなと感じさせる。 マネージャーではあるけれども、心のどこかではまだ舞台を夢見ているのかもしれないと感じさせる部分はあった。 そして全く売れない芸人に対する愛情が溢れていると感じさせる。自分のことのように熱心に売り込み、そして恩を仇で返すように裏切られ、それでもまだ彼は必死に芸人を売りこみ続ける。そんな彼の性格がにじみ出ていたし、彼が開く感謝祭もまさにそんな雰囲気が感じられる。 バーニーダンを犠牲にしたのも、彼が旅行中と思っていたからであって、別に単なる売れないどうしようもない芸人だから巻き添えにしたのではない。あの感謝祭に彼の姿があったのも少し嬉しくなる。 さらに彼の人生観だが、「人生に笑いが必要だが、ある程度苦しみも必要だ。」というのは本当に名言だと思う。 「スター、スマイル、ストロング(=3S)」を合言葉に常に「自信をもて」と芸人に勇気付ける姿は惹かれるキャラクターだ。 負けイヌでもいい、一夜にして英雄になれる可能性があるのだからと言い切るところには「夢」を諦めない強さを感じさせる。 一方、ストーリーとして少し物足りなさを感じさせるのも事実だ。 ストーリーのオチとしては、ティナとの友情が「根」にあると思われるのだが、ダニーとティナの二人の逃避行が面白い部分はあるものの、それほど心に訴えるものが少ないように感じる。 ティナが感じる「罪悪感」がもっと感じられるようにした方が良かったのではないか。 ティナとの逃避行の中でダニーがルーへの熱い想いをどこかで語るような部分があればティナの罪悪感を感じられるはずであり、もっと映画としては引き締まるように思う。 [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-29 23:45:59)《改行有》

27.  フォーチュン・クッキー 母と娘、お互いが理解しあうというテーマでは、ありえないように見えてこの設定は非常に効果的ではないでしょうか。母が学校に行くことにより娘のトラブルの元を知ったり、興味あることを理解する。娘は母親の仕事を知りどんな思いで暮らしているのかそして再婚の悩みや不安を感じる。多少、強引でもラストのライブシーンやスピーチなどお互いが理解しあえたシーンはなかなか感動的でした。よく言われているけどやはりジェイミー・リー・カーティスの演技はこの映画にとってぴったりだった。[映画館(字幕)] 7点(2004-06-25 14:37:32)

28.  ファーゴ 評価はやけに高いけど、何回観てもピンとこない映画です。 メイシーの楽観的で何も考えてない浅はかな振る舞いにより引き起こされる悲劇と人生の転落劇。二組の夫婦を描くことにより人間の愚かさと幸せをテーマにしているとは思うけど。足りない部分を補うのが人間や夫婦ということなのかな。 ブシェミがどこ行っても、「とにかく変な顔だった」と一言で片付けられてしまうのは面白いが。7点(2004-04-11 02:04:42)(笑:1票) 《改行有》

29.  プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 「プレデター」にオマージュが捧げられており、事前に復習しておけば、2倍楽しめる。構造やネタを重複させて、遊んでいるところが面白い。ただ、それなりにアイディアを盛り込んでいるが、もう一つ練り込まれていないという印象。全体的に“勿体無い”というイメージだ。 フィッシュバーンが演じたキャラクターは悪くはない。相当に中途半端ではあるが、あっさりと瞬殺させて、「大物と見せかけて、実はザコ」というロドリゲスっぽい遊びは面白い。しかし、美味しいキャラクターに仕上がるはずが、生煮えという仕上りとなっており、勿体無い。必死に風を煽る姿や、7~10シーズンを乗り切ったとは思えない間抜けなラストはユニークな仕上りになるはずだったが、上手く仕上がっていない。 ドクターの存在も同様に勿体無い。何かネタを仕込んでいることは分かるが、ラスト付近まで引っ張った割には「その程度か」と落胆してしまう。そもそも助けてもらった相手をわざわざ痛めつける理由が分からない。殺される前に、最後に楽しみたいという理由だろうか。ストーリーを展開させるという役割は与えられているが、十分機能を果たしているとは思えない。全体的に、各キャラクターが十分活かされておらず、彼らに込められた存在価値がやや低いような気がする。生き残るためには利用できるものは何でも利用するという強い精神力や、人間の敵は人間だという怖さも感じられない。数だけは揃っているが、居ても居なくても同じでは困る。このキャラクターがいなければ、この映画が成立しないくらいの価値を込めて欲しいところだ。 また、名前も名乗らず、仲間を駒や囮としか考えなかった一匹狼が、宇宙船に乗らずに仲間の女性を見捨てなかった理由もそれなりに強化してもよかったのではないか。 このサバイバルを通して、彼の心に何かしらの変化を与えたネタも仕込んで欲しいところだ。一人の力では生き残ることはできない“無力さ”を知り、誰かと協力せざるを得ない展開を考えて欲しいところだ。ベタではあるが、どこかであの女性に命を救われるという展開を仕込んでもよい。命を救われる展開はあるが、宇宙船出発前の方がよいだろう。さらに人間は個体では弱いかもしれないが、様々な知恵や協力による組織力で乗り越えてきた歴史があるのだから、プレデターと人間との“差異”を盛り込んでもよいのではないか。[映画館(字幕)] 6点(2010-07-14 23:31:51)(良:4票) 《改行有》

30.  ブルーノ 《ネタバレ》 ハリウッドコメディはそれほど笑えないが、本作は意外と笑えたという印象。虚構の設定と現実が入り混じり、新たな世界・新たな笑いが展開されている。日本では絶対に不可能なことをやっているので、見たことがない未知の世界に対して新鮮な思いや驚愕させられたりもする。何事に対しても妥協なく限度や限界を超えていく辺りは高いプロ根性も垣間見られた。笑いの質としては、上品なものでもレベルが高いものでもなく、かなり下品であることは間違いない。しかし、他人を見下したり、弱い者をバカにするようなムカつく自己満足的な笑いではなくて、カラダを張った自虐的な笑いであったり、ハリウッドセレブや有名になりたい者などを皮肉った笑いなので、嫌いではない。ゲイネタに関しては好きではないが、別に嫌悪することもないので問題なし。相手を完全に怒らせるという笑いはそれほど好きではないので、相手を怒らせながらも呆れさせるという笑いをもっと極めてもらいたいところ。エア○○○編、裁判シーンエキストラ編、黒人の観客が多い子ども番組編、子どもを使って仕事をさせる親に対する面接編、空手道場編、ハリソン・フォードへのインタビューを行う新番組モニター編、スワッピングパーティー編(完全に仕込み)、金網デスマッチ編辺りは好きだが、野外キャンプ編、元大統領候補へのインタビュー編辺りは好みではない。軍隊キャンプ編(ナチス敬礼は悪くない)、中東編、手錠編辺りは製作者の狙い通りに進まず、ややスベってしまったような印象。中東編は物足りないが、あの辺りが限度なのだろう。一般人に追いかけられるシーンをもうちょっと見たかったところだが。 個人的にはラストの金網のシーンがかなり面白いと思う。悲鳴、怒り、中には泣き出す者がいるといった凄まじい喧騒の中で、男二人が金網の中でラブシーンを演じるという構図がシュールであり、斬新なコントラストを生んでいる。感動とはちょっと違うかもしれないが、それに近いものも感じられる。セリーヌ・ディオンの「タイタニックのテーマ」もなかなかセンスの良いチョイスだ。したがって、あの二人の関係をもっとクローズアップしてドラマ仕立てした方がよかった気がする。なんとなく二人でアメリカに旅立って、なんとなく喧嘩して別れて、なんとなくラブシーンを演じるというものではなくて、1本筋が通った流れを構築できれば映画としての仕上がり具合が増しただろう。[映画館(字幕)] 6点(2010-05-22 23:34:55)《改行有》

31.  フィッシュストーリー 《ネタバレ》 原作は未読。伊坂作品のいかなる作品の1ページも読んだことはない。 「フィッシュストーリー」という一曲が世界を救うという流れだが、ほとんど直球がなくて、大部分が変化球というところは逆に面白い仕組み。 『それ関係ないやん』という突っ込みを観客に入れさせることを当然に念頭に置かれて製作されているだろうが、狙い通り突っ込みを入れたくなる流れとなっている。 マジメに直球を待っていると、意外な変化球に戸惑わされることになるだろう。 この世の中では何が起きても不思議ではないということをユニークな視点から感じさせる作品となっている。 また、70年代はパンクロックに情熱を燃やす青年たちを描き、80年代はオカルトチックな昭和テイストを感じさせ、00年代はアクション作品を描き、10年代はSFテイストを交えながら、終末をまさに迎えようとする3人の男たちによる独特な世界を描かれており、年代ごとに演出のテイストを変えていることは評価したいところ。 ただ、どういう趣旨かは分からないが、多部未華子が出演している大部分のシーンにはどこか違和感を覚えさせる。 いい意味でのアンバランスなバランス感覚に優れている作品だが、この部分が悪い意味で失敗しているように思われる(別に彼女のことは好きでも嫌いでもない)。 「正義のみかた」というキーワードから、特撮やアクションヒーローのようなテイストに振りすぎてしまったか。 もともとリアリティのある作品ではないが、胡散臭さが倍増したというイメージ。 こういうテイストが好きな人もいるとは思うので、正解・不正解という単純な割り切りはできないが、個人的な感覚では少し合わなかったという印象。 また、「シージャック発生○分前」というテロップを出すことに対しても違和感がある。 そんな種明かしをすることによって、どういう効果を期待しているのだろうか。 こういうことは、むしろ突然やった方が観客にインパクトを与えられるのではないか。 逆鱗による居酒屋での“フィッシュストーリー”の種明かしも、彗星の爆発のあとのオーラスに持ってきた方がいいかなという印象。 “フィッシュストーリー=ほら話”というオチをもってくると、今までのこと全て現実なのか虚構なのか、観客に対して“混乱”させる効果を生じさせることができるだろう。[DVD(邦画)] 6点(2010-02-07 20:37:03)《改行有》

32.  ブッシュ 《ネタバレ》 基本的にはオリバー・ストーン監督作品の「ニクソン」と製作スタイルは似ている。製作者の強い主張は込めずに、視点をややボヤかしながら事実を中心に描き出し、観た者に何かを感じ取ってもらいたいという意向が込められている。ユーモアと鋭さを交えながら、オリバー・ストーンらしい面白い作品には仕上がっているが、はっきり言って「ニクソン」に比べると物足りない点は評価できないところだ。自分の過去の作品を超えられないようでは、あえてチャレンジする必要もなかったのではないか。ややネタバレになるが、どちらも同じような存在に怯えるようなところもあり、ワンパターンともいえる。 また、ニクソンに比べて、ブッシュの方が人間的なのかもしれないが、面白みや魅力に欠けるのもマイナスだったかもしれない。描くべき題材としてはあまり適していないのだろうか。石油利権やイラン等の周辺国への影響は描かれているが、戦争を起こして英雄になりたいという野心や政府の陰謀が描かれるわけではなく、ただただ当時の情勢に従い、大量破壊兵器があると信じて、戦争を起こしただけであり、当時としてはベターという選択をしたに過ぎないことが描かれている。戦争を起こした後の長期的な展望が欠けおり、物事をあまりにも楽観的に考えていただけだ。ブッシュ自身は、自らのポリシーも強い信念もなく、周囲の意見に流されるまま、父親への反抗心やただ神のお告げという信心深さにより、色々な行動を起こしたに過ぎないのかもしれない。 さらに、全般的に亘り、終始表面的にしか描かれていないような気がして、“深み”が足りないと感じられたのもややマイナスか。 冒頭に触れたように、製作者の強い主張は込められてはいないと思われるものの、オリバー・ストーンが共和党支持なのか、民主党支持なのかは分からないが、結局のところ、ブッシュを人間的に描き、「ブッシュを許そうではないか」というような擁護するような意図が含まれていると感じられた。人間的なバカさ、人間的な優しさがあるものの、リーダーには不向きなだけだったということだろうか。そういう趣旨を込めたことも、もう一歩踏み込められなかった要因だろうか。 ただ、アメリカの政治に対してほとんど知識を持ち合わせなくても大半は理解できるほど、難解さがなく、平易に描かれている。ブッシュ映画や政治家映画の入門編と考えれば、評価できないわけではない。[映画館(字幕)] 6点(2009-06-28 11:35:22)《改行有》

33.  ブラック・レイン 《ネタバレ》 雰囲気はとても好きな映画である。 昭和の影が残る大阪の街(「ブレードランナー」風にだいぶアレンジされているが)が貴重であり、高倉健が英語を喋ったり、彼が歌うのも新鮮だ。松田優作や若山富三郎の迫力ある演技にも驚かされる。 しかし、本質的な部分は同意できないところがある。 「ラストサムライ」には日本の“根”を感じることができるため同意できるが、「ブラック・レイン」の本質はやはりハリウッド風な誤解が溶け込まれている。 アメリカ人が異国の日本の文化に戸惑いながら、“日本流”に慣れていく構図はとても似ている。マイケル・ダグラスと高倉健の関係は、トム・クルーズと渡辺謙の関係に置き換えることもできそうだ。 しかし、変わってしまったのは、マイケル・ダグラスではなくて、高倉健の方だというのは、いかにもアメリカ的である。 “個人”を重んじるアメリカと、“組織”を重んじる日本の差が上手く活かされておらず、“個人”を重んじるアメリカ流の暴走に高倉健が付き合うというオチは必ずしも好ましいものではない。 そもそも「ブラック・レイン」とは、第二次世界大戦時の日本への爆撃の影響によって、雨が黒くなることだというセリフがあった。 敗戦によって、日本的な仁義が失われて、佐藤のような仁義も忠義もないマネー第一のアメリカ的な男が生まれてしまったことを嘆く代名詞が「ブラック・レイン」ではないか。アメリカ的なものを否定しておきながら、アメリカ的なオチの付け方では本末転倒だ。 もちろん、マイケル・ダグラスが何も変わらなかったわけではない。 殺された相棒チャーリーの復讐のために佐藤を殺すこともできたはずだ。 100ドルの原版をアメリカに持ち帰り、大金持ちになることもできたはずだ。 それを放棄したのは、もちろん“日本流”や“恥”や“自己や仲間を汚す”という概念をマイケル・ダグラスが感じ取ることができたからだろう。 このマイケル・ダグラスの変化がいいオチとして活きてはおらず、むしろ後付け的な感覚を覚える。ダグラスが高倉健に空港で原版を返すというのは、そもそも持ち帰る気満々だったということではないか。 “日本流”に相容れないアメリカ人が相棒を失い、本当の意味で孤独となり、“日本流”に迎合していく。異種の文化と交わることで“日本流”の悪しき部分も少々影響を受けるという流れが理想的といえる流れだ。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-11 02:04:44)《改行有》

34.  フローレス ゲイと麻痺のために障害を負った者という組み合わせは実に興味深かった。 いわば二者とも一般の社会とは少々距離が出てしまう存在。 しかしゲイのホフマンは前向きに明るく、そして夢を持ちながら生きている。 映画でも言っていたが、彼の生き方は本当に勇気が必要だと思う。 一方、デニーロは障害を負う前は、ほぼ街の人気者で、ヒーローとしての扱いであり、女にも苦労はしなかったはずなのに、障害を負ったため、自殺を考えたり、人生から逃げ出そうと考えている。 しかし、自殺をする勇気はなく、結局、周りとは距離を置き、壁を作るという始末。 障害を負う前は、娼婦やゲイを毛嫌いしていたデニーロだったが、障害によって、多少ミスマッチな二人の出会いが彼を徐々に変えていく。 ホフマンの逆境の人生や運命にあえて楽しむながら挑戦していく姿や自分の真実を嘘を付かずに受けいれようとする姿勢にデニーロの心も少々動かされていくのが良かった。 途中のデニーロは酷かったからね、特にティアに対しては。 障害者を憐れに思っているのは他でもない自分自身だったのだろうと感じられた。 デニーロだけでなく、自分もホフマンの自分自身に誇りを持つという生き方は学ぶべき点は多かったと思う。 まあ、金がどうしたとかあの辺はオマケみたいなものでしょうね。 6点(2005-01-16 22:56:21)《改行有》

35.  プレデター 子どもの頃観たときはもの凄い面白かったと記憶してたんだが、 何もかも知っていて観ると、さすがにインパクトが薄いと感じる。 逆にいうと、子ども時代に観たのに、まだまだ色々と記憶に残っているということは 実はもの凄いインパクトがあったんだろう。 「2」を観ると色々と謎だった「1」での行動がなんとなく理解できるような気がする。 相手と同じようなレベルまで自分の武装レベルを下げて戦う姿にはハンターであり戦士としてのポリシーを感じさせるし、 最後の自滅もひょっとしたら「侍」みたいな精神の持ち主なんだろう。 まあ、瀕死の相手の頭を狙い撃ちしたり、ラストの不気味な笑いを抜きにすれば。6点(2004-12-19 01:36:13)《改行有》

36.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 リンチの「マルホランドドライブ」をブライアンデパルマ風にアレンジしたという印象。 「現実」と「夢(妄想)」が入り混じり、「現実」の登場人物が「夢」において、別の役割を持つ登場人物として描かれる点は共通なものだろう。しかし、その評価は全く異なり、一方は「傑作だ。素晴らしい。」と賞賛され、もう一方は、「くだらねぇ、今どき夢オチかよ。ふざけんな。」と冷笑される。 この違いはなんであるかを考えると、本作においては「現実」と「夢」のリンクが上手く機能していないからなのではないか。「夢」と「現実」を描くことによる相乗効果が発揮されていないのである。本作における「夢世界」の描き方が、中途半端な印象を受けて、「夢世界」を描いたことに対する「意味」を十二分に付加することができていないように思える。 「夢世界(将来の自分)」のように、仲間を裏切り、夫を裏切り、裏切りを続けて「魔性の女」をさらにエスカレートさせていったら、未来においては自己の破滅(死)が待ち構えている。 しかし、リリーの運命を変え、自分の生き方を変えることによって、小さな出来事が巡り巡って、幸福な運命へと転化することになるということを本来描きたかったのだろう。 しかし、「夢世界」を体験したことによる「現実世界」でのロールの変化を観客は十分感じられないのが問題ではないか。単に、リリーを助けたことのみでは、延々と描いた「夢世界」が活きてくるとは思えない。 また、「おもちゃのネックレス」をラストのオチに用いるほど重要な小道具として扱いたいのならば、ラストで唐突に出すよりも、もっと前フリ的に序盤から登場させた方がよかっただろう。 例えば、ロールがリリーのフリをしてアメリカに旅立つ際には、トラックの運転手を邪険に扱い、彼に渡さないということや、悪事を働いた際にどこかで壊してしまうということで、運命の歯車が微妙に狂っていくということをもっと前面に出した方が面白かったのではないか。 それにしても、「溢れる水槽」を筆頭に、大量のグラスに水を注ぐウェイターなど「夢世界」において水のイメージをこれでもかというくらい細かく随所に散りばめられた描き方は、なかなか面白いとは思う。[映画館(字幕)] 6点(2004-06-25 15:57:52)《改行有》

37.  プレイス・イン・ザ・ハート 当時の時代やアメリカの問題を表した作品なので今我々が観ると、ピンと来ないモノも多く描かれているような気がする。 女性の自立、自由、平等、友情、支えあい、人種差別等のテーマを地味ながらがもうまくちりばめて描けていたと思われる。 一番強く言いたいことは主人公を含め三人の女性を通して、女性の強さと振り回される男たちを描きたかったのではないか。 主人公の姉の旦那と不倫していた女性は、不倫を止めて彼を忘れるために新たな地へ旅立つ強さを、 主人公の姉は、旦那と別れる決意をして、その決意により逆に愛を取り戻すという強さを そして主人公は、旦那との思い出の地を守るために、また家族と離れ離れにはならないようにどんなことがあってもあきらめない芯の強い女性を演じきった。 殴ったこともない子どもをたたいた際の自分の心の痛み、泣きながらも綿花を摘む姿、母親の懸命に頑張る姿を見て育つ子ども達の姿が印象的だった。 ラストのミサのシーンは願望みたいなものなんだろうか。6点(2004-06-09 21:16:59)《改行有》

38.  フィクサー(2007) 《ネタバレ》 点数を付けるのが、非常に難しい作品だ。 賞レースに加わっているだけのことはあり、映画の質はそれなりに高いといえる。 俳優の演技、緊迫感溢れる演出を飽きることなく堪能することはできた。 しかし、ストーリーがあまりにも面白みに欠ける。 ソダーバーグが製作に関わっており、彼の監督作品やプロデュース作品と同様の感想を抱く。いったい何を伝えたかったのが分からない。 友情なのか、正義なのか、社会派映画なのか、「フィクサー」の活躍なのか、法廷系サスペンスなのか、大企業による陰謀モノなのか、何に焦点を当てたのだろうか。 楽しめない理由はいくつかある。 まず「トム・ウィルキンソンの精神病」だ。 なぜ精神病という設定にして、異常行動を取らせる必要があるのか。 正義感に溢れ、愛に悩むノーマルな弁護士という設定の方が絶対に面白くなったはずだ。 そして、次は「ジョージ・クルーニーの借金」だ。 ギャンブル狂いで文無しであり、さらに突然借金を抱えて苦しい状況が分かる。 「どうしても数日以内に大金が必要だ」というのは面白い設定だ。 ただ、この面白い設定がまるで活きてこない。「金」を取るのか、それとも「正義」や「友情」を取るのかという葛藤があってこそ、活きてくるものだ。 フィクサーとして揉み消しを依頼されて、事件を解決すれば多額の金を手に入れられるが、友人の本来の目的を知り、どちらの側に付くのかを悩んでこそ面白いものとなる。 「金」に傾くかのように観客をミスリードしておき、最後には・・・というのが定石だろう。 さらに、最後は「ティルダ・スウィントンの弱い悪役ぶり」だ。 精神的な弱さを抱えているにも関わらず、重役に抜擢され、追い込まれているという設定は面白い。企業を守るための彼女の暴走は、精神的な弱さによるものだろう。 ただ、そんな弱い悪役では迫力に欠ける。 表では「フィクサー」を使って合法的な解決を図ろうとしながら、裏では「殺し屋」を使って非合法的な解決を図ろうとする二面性を抱えるような悪役の方が面白いと思う。 精神的な弱さがあるのに強がろうとするからこそ、表と裏の顔が大きく乖離していくものだ。本作では、ただのプレッシャーに弱い女性としか映らず、内面の複雑な想いなどは感じられなかった。 これらを踏まえると、どうしても高い評価はできない。[映画館(字幕)] 5点(2008-04-13 01:45:09)(良:2票) 《改行有》

39.  ブラック・ダリア つまらないというよりも、よく分からない映画。[映画館(字幕)] 5点(2006-10-15 00:16:39)

40.  プライドと偏見 《ネタバレ》 嫌な奴だと思っていたが、実はシャイなだけで、実は誰も知らなかったけど良い奴でしたというだけのストーリー。 「誤解」や「関係修復」など、エリザベスとダーシーの関係をもっと中心に描けばよかったのだが、姉の恋愛、妹の恋愛、いとこの恋愛なども同様に近い比重で描くので、ややこしくなり、登場人物のいかなるキャラクターにも感情移入しにくくなっている。 誰と誰が上手くいこうとあまり自分の感情が動くことはなかったのが残念だ。 同じ原作者である「いつか晴れた日に」では姉妹ともに上手くいって本当に良かったなとマジで感じられたので、同じ原作者であっても、この両作には何らかの“違い”が存在するのだろう。 好きな人には好きなんだろうと感じさせる内容であるが、個人的にはあまり好きな部類ではなかった。 また、ストーリーに起伏やイベントがなく、何もかも突然すぎるところがあるのも問題だ。 ただ、美しい風景が上手く描かれていたり、カメラワークの面白さは評価できる。 演出もそれなりには努力しているのが分かる。 エリザベスとダーシーの二人の手が触れた瞬間のエリザベスのクローズアップした表情、エリザベスがブランコで一人でグルグルしているときの表情、三人で話しているときの沈黙の時間、そして朝日の中にいる二人といったように、観客に対して、「この場面で何かを感じてほしい」という狙いが分かりやすい演出手法を取っているのが特徴になっていると思う。 演技については、キーラとベネット夫妻を演じたブレッシンとサザーランドは説明がなくても、バックグラウンドやキャラクターの性格が感じられるよい演技をしていたが、他の役者はあまりパッとせず特筆すべき者はいなかったと思われる。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-09 17:12:13)(良:2票) 《改行有》

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