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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
21. ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ 《ネタバレ》 ホラー映画の世界に迷い込んでしまうっていう、なんかあったような気がしたけど、いや、意外とこーゆーのなかったな、という映画。映画の世界に入ってしまうっていうのはあったと思います。映画のキャラクターが現実世界に出てくるってのもあったと思います。でもホラー映画の世界に迷い込んでしまうってのは実は新しい試みなのか? アイデア勝負に頼りきることなく、わりと設定やら詳細やらB級にしては丁寧に作られている感じが好感が持てます。何度も同じところをぐるぐるループしたり。ファイナル・ガールは一人にならないと強くならなかったり。 更には回想シーンにまで入り込んでしまうのが凄い。ご丁寧に白黒にチェンジまでして。 アイデアを支える映像が何気に面白い。タイトルやらエンドロールまでもがタイトルの中に入ってくるのがとても楽しい。 見せ場はしっかりスローモーションに。映画で使われる手法が映画に入り込んだ自分たちにも影響を及ぼすっていう演出が面白いです。 とはいえ、映画そのものが面白かったかと問われると、何とも言えないのが正直なところ。人に勧めるかと尋ねられればおそらく勧めないでしょうし。挑戦的だし目のつけどころは良い映画だと思いますけどね。ホラーにもコメディにもヒューマンドラマにもなりきれなかった中途半端さを感じます。 主演女優が個人的にかなり好みのタイプだったので最後まで楽しく見られましたが、そうでなかったらもう少し評価が下がったかもしれません。[DVD(字幕)] 6点(2022-01-23 18:02:33)《改行有》 22. ブリッジ・オブ・スパイ 《ネタバレ》 実話。歴史。戦争。冷戦。ソ連。東ドイツ。スパイ。こーゆーキーワードがセットになった映画はなかなか見る気がおきません。しかも長尺。いつもだったらスルーなんですが、スティーヴン・スピルバーグとトム・ハンクスの組み合わせに惹かれて見ちゃいました。 やっぱりというかさすがというか、ちゃんと映画になっていました。 ただ事実を淡々と羅列しただけの作品ではなかったです。そこには人の感情があり、生活があり、危機がありました。緊張感と感動を感じられる作品でした。こーゆーストーリーを事実を捻じ曲げることなく、誰が見ても面白いものと感じられる水準にまで高めているのが素晴らしいです。 会社からの命令でソ連のスパイの弁護をさせられることに。アメリカ中を敵にまわす、まさに最大の貧乏クジをひかされたジム。しかし最後にはアメリカの敵からアメリカの英雄へ。アメリカの英雄は言い過ぎかもしれませんが、少なくとも人々の評価は大きく変わったわけです。列車での人々の視線のビフォー・アフターが良い。ちょっとしたカタルシスを感じることができます。 奥さんも良かったですね。急にイギリスに行くことになったと言う夫に対し、何かを感じ取る妻が、無事に帰ってくると約束してというシーンがとても好きです。 また、本題とは関係ありませんが、『あ、多分石が投げ込まれるな』って雰囲気ですぐにわかっちゃったシーンで、石どころか銃が撃ち込まれたのにはびびりました。これも実際にあったエピソードなのでしょうか。嫌がらせで銃を撃ち込む。やはり銃社会が容認されている国は恐ろしいですね。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-12-28 05:37:10)《改行有》 23. ブルックリン 《ネタバレ》 ああ、もう言いたいことは「かたゆき」さんが全部言ってくれています。そーです。主人公の女性エイリシュ。この人に中盤以降全く共感できないのです。 エイリシュがブルックリンで出会ったイタリア人のトニー。そしてその家族。みんなとても良い人。エイリシュにとても親切で本当によくしてくれます。エイリシュはトニーと恋仲になり、その家族にも公認されます。籍を入れ、未来を誓い合う二人。それなのに、こんなによくしてくれたトニーとその家族を裏切ろうとします。 結局近くにいる人から好意を寄せられたらそっちにいっちゃう人なんです。居心地が良ければ簡単に流されちゃう人なんです。いや、こーゆー人は結構います。でも映画でそんなとこ見せられちゃあがっかりです。 逆なら良かったです。最初がそんな人だったんだけど、そこから成長していくという物語なら文句はありません。 こいつがもしトニーと結婚していなかったら、ブルックリン在中の人の密告がなかったら、きっとエイリシュはトニーを裏切って故郷に身を落ち着けたことでしょう。 つまり、エイリシュは最初から最後まで自分のことしか考えていない超自己チュー女。 結婚していたことがばれると、あろうことか故郷のことを悪く言い、ブルックリンに逃げ帰り、何事もなかったかのように何も知らないトニーとハグします。クソ女です。後味が良くないハッピーエンドはもはやハッピーじゃねーよ。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-12-12 16:00:24)(良:1票) 《改行有》 24. フェア・ゲーム(2010) 《ネタバレ》 実話もので政治もの。ちょっと私には難しい映画です。 特に前半がわかりづらい。誰が誰やら。今何をしているのやら。いったい何の話をしているのやら。結構ちんぷんかんぷんなまま頑張って見続けると、中盤あたりから次第にストーリーがわかり始めるといった具合です。 イラクの大量破壊兵器なんて実はなかった。開戦を強行したいアメリカの捏造みたいな暴露ドラマって思ったよりたくさん作られているんですね。 恥ずかしながら、このお堅い話に、前半はひたすら睡魔との闘いでした。話がわからなくなったら巻き戻して確認したりして結構大変。仕事でクタクタの日に見る映画ではなかったかもしれません。 CIAの工作員をしている妻ヴァレリー・プレイムの素性を政府関係者が世の中にばらしてしまう。その結果、身動きのとれなくなったヴァレリー。危険を冒して情報収集に協力してくれたイラクの家族は見殺しに。それに対するフォローは一切ないまま、ストーリーはヴァレリー、ジョー、国家の三つ巴の戦いへとシフトしていく。 なんというか、胸糞の悪くなる映画でした。見終わったあとの満足感なんて望むべくもありません。 40連勤で、しかもちょっと辛いことが多かったこの1カ月強、心身共に疲れ切っているときにこの映画を見てなんだかとどめを刺されました。 クソヤロー共全員に正義の鉄槌がくだされたことがわかれば溜飲も下がるというものですが、実話ではそれもできないのがツラいところです。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-11-07 02:56:10)(良:1票) 《改行有》 25. 二ツ星の料理人 《ネタバレ》 人間関係。主人公が置かれている状況。そういったものが全く分からない状況でスタート。 まあ見ているうちにわかってくるでしょ。と見ていましたが、いつまでたってもなんとなくしか教えてくれません。 主人公のアダムはかつてパリのレストランで働いていた二ツ星の料理人。でもなんかトラブルを起こして店を潰してしまったらしい。そのときの料理人仲間からは恨まれている。アル中で薬中だったらしい。わかるのはこれくらいでしょうか。説明してくれる人が誰もいないので、会話の中から何となく察していくしかないやや不親切路線。 腕は一流らしい主人公。理想が7人の侍というのが面白いです。次々と仲間をゲットしていく前半は盛り上がります。まあそこも元々の人間関係がつかめているとより盛り上がるとは思うのですが。 さあ、遂に店がオープン。全然思ったようにうまくいかない。イライラするアダムは料理人たちに罵声を浴びせ、イライラをぶつけ、料理と皿を投げ捨てる。いやね、仕事ですから厳しくするのは良いと思いますが、主人公のそれは違うでしょ。それに限度があります。女性シェフに対する対応なんか本当にひどい。裏から手をまわして強制的に勤め先をやめさせて自分の店で働くように仕向けた上に、うまくいかないからと『お前は害毒だから出ていけ』という始末。パワハラ、モラハラ、セクハラを一度に行うトンデモ野郎。料理に対してストイックであれば何をしても許されるのでしょうか。とても共感できない主人公です。 もちろん終盤になるにつれ、アダムは少しずつ人として成長していくわけですが、『いや、あんたいい歳したおっさんですから。』とつっこまずにはいられません。そもそも過去に大失敗をしているわけですから、そこで人として成長して戻ってきてほしいです。 ミシェルの裏切りがそのまま放置っていうのも後味が悪いです。[DVD(字幕)] 5点(2021-09-28 01:52:30)(良:1票) 《改行有》 26. プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂 《ネタバレ》 こーゆーアイテムが出てきた時点で覚悟はしていたのですが、やっぱり今までのことを無かったことにされちゃいました。 もともとこーゆー『タイム・リープ』&『リセット』のコンビはそれまで見てきた時間を無駄にされちゃったような気分になるので好きではないです。ただこの作品ではあのタイミングで序盤に戻るのはもはや必然だし、結果ハッピーエンドなので、気にはなっても気分を害するほどではなかったです。善良な兄弟や父王、黒人ハンターの死もなかったことになるので、それはそれで良かったかと思います。 それにしてもなかなか都合の良いところまで巻き戻りましたね。 タミーナ王女も当然すべての記憶が失われているわけですが、タミーナ王女だけはなぜかすべて覚えているという設定でも面白かったかもしれません。 映像的な面白さも2010年の作品だけあってなかなか良かったです。特に時間が巻き戻るときの映像は結構好きです。 それにしてもやたら叔父のニザム(ベン・キングズレー)をダスタンは信頼していたようですが、どう見ても悪人にしか見えないです。こんな顔した人間が良いやつなわけないじゃん。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-08-15 02:48:12)《改行有》 27. ファースター 怒りの銃弾 《ネタバレ》 兄を殺された主人公。主人公の兄を殺した刑事。躁鬱気味の殺し屋。三者三様。独特のオーラを纏う3人の攻防戦。 もともと復讐ものは好き。自分が普段いろんなことに我慢して生きているからか、怒りを形にしてくれる映画にカタルシスを感じてしまいます。 罠にかけられて快楽殺人者たちに殺されてしまう兄。それは気の毒ではありますが、そもそも銀行強盗なんてしなければこんなことにはなってませんから。残念。自業自得。身から出たさび。同情の余地無しとまでは言いませんがね。 サスペンスやミステリーを見慣れている人にとっては、ビリー・ボブ・ソーントン演じるジャンキー刑事が黒幕っていうのは割りと早い段階で気付くでしょう。サプライズがサプライズになっていないのがもったいない。 イケメンの殺し屋は登場シーンがクール。泥臭い感じの2人とは対象的。涼しげ。なんかこっちのほうが主人公づらしています。正直『もう1人の主人公か?』と思っちゃったくらいです。 で、この人が物語が進めば進むほど、なぜいるのかわからない存在に。ドウェインのライバルとしてアクションを盛り上げるか、ドウェインの味方になって復讐の手助けをするか、もう少し立ち位置をはっきりさせたほうが良かったのでは。 一方的な復讐劇に、ちょっとだけスパイスを効かすという意味では、殺し屋の存在も無駄ではなかったのかもしれません。 劇中で描かれる復讐と、そして復讐される側とのやりとりはちょっと好きです。見応えがあります。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-07-17 11:09:50)《改行有》 28. プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 プレデターが正体不明だった1作目は、やはり超えられませんね。すでにネタがわかっているという制約のなか、適度な緊張感とキャラの豊富さで、水準以上の作品にはなっていると思います。 プレデターシリーズでなければ7点以上をつけるところです。どうしても『プレデター』と冠したものは期待値が上がってしまうものですが、その期待を超える作品とはなかなか出会えません。 いきなり落下傘からのスタートというのは斬新でスリリング。目が覚めたらスカイダイビング中なんて、考えただけでも恐ろしい。つかみはばっちりでしょう。惹きこまれます。 各地の戦場から、その道のプロや猛者を選別して拉致ってきたって設定もぶっとんでいますが、その中に殺人鬼や囚人やヤクザが混じっているのが凄い。 ただ、キャラが豊富でも、その強さの描き方が足りません。それぞれの肩書きを言葉で紹介するだけ。だから本当はもっと強い集団のはずなんだろーけど、それが伝わってこない。『プレデターに狩られる者達』という域を出ていないのです。これじゃあ企画倒れ。 モーフィアスには悪いけど、ノーランドのエピソードなんてまるまるカットして、1人1人のキャラが地球にいたときどれだけぶっとんだ存在だったかを描いたほうが良かったように思います。 ラストはハッピーエンドとは程遠く、新たな戦いが始まるところで終わります。2人が宇宙船で脱出しながら、パラシュート部隊をそらから眺めるという終わり方だったら、私好みの余韻に浸れたんじゃないだろーかと思います。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-06-08 02:45:32)《改行有》 29. 武士の家計簿 《ネタバレ》 前半から中盤にかけては大変面白く見られた。お駒の嫁入りから借金返済プランまでの流れは、地味ながらもちゃんとエンターテイメントしていたと思います。生真面目な性格から生み出される笑いのエッセンスが味わい深いです。家財道具を取り上げられる猪山家のリアクションが切なくも面白い。 『お救い米』という名目で着服していた年貢のエピソードも地味ながら良かった。軽いサスペンスからの逆転出世は爽快ですらあります。 後半になると時代が駆け足で進みだします。人の感情より出来事優先。まるで箇条書きのように羅列されるエピソード。みんな瞬く間に歳を取り、病気になり、死んでゆく。前半までの丁寧なドラマが嘘のよう。猛スピードでそんな様子を見せられて、いったい何を思えば良いのでしょう。歴史の教科書を無理矢理読まされているかのような感覚でした。 これ堺雅人と仲間由紀恵じゃなかったらクソつまんねー映画になっていたんじゃ・・・[DVD(邦画)] 5点(2021-05-10 01:24:59)《改行有》 30. フリークス・シティ 《ネタバレ》 人間、ゾンビ、ヴァンパイアが共存している街にエイリアンが襲来するトンデモ映画。 なんですが、ストーリーが割とまじめに作られています。とゆーか、まじめに作りすぎて、前半30分がまあだるい。 特殊な舞台設定を除けば、そこらに凡百とあるティーンの青臭い青春ドラマと変わりません。 それをだらだら見せられるのが前半30分。かったるいですが人間関係や状況の把握はしやすいです。 で、エイリアンがやってきてからが本番。 もともと人間とヴァンパイアは折り合いが悪く、エイリアンがきっかけで本格的な抗争へと発展。UFOが来たのが、お互いの陰謀だと罵りあい、最後は殺し合いを始めちゃう。そしてなぜかそこにゾンビ達も参戦。この人たちは人間を食べにきただけ。もうブラックユーモアにあふれていて、結構犠牲者が出てしまう始末。特にゾンビはひどくて、助けてくれた人だって見境なく食べちゃう。 更にこの殺し合いの最中にエイリアンまで攻撃を開始して、かなりカオス。 そしてなぜか最後は3種族が一致団結してエイリアンを撃退しちゃうっていうお話。 正直、これと同じ映画はまずないと言い切れます。 主人公が実は人間ではなく、4番目の種族だったというサプライズがまた面白い。とは言え、カンの良い人なら主人公の正体は早い段階でわかると思いますが。 グロ映像はありますが、恐怖映画ではありません。 万人に愛される映画とは言えませんが、個人的には好き。 B級好きなら押さえておきたい作品です。[DVD(字幕)] 7点(2021-04-26 15:06:30)《改行有》 31. BRAVE HEARTS 海猿 《ネタバレ》 今までと少しパターンを変えてみた最終作。飛行機の東京湾着水が今回のメインイベント。なかなか壮大でサスペンスフルなパニック映画に仕上がっていると思います。 前作よりは面白いです。2作目には及ばない印象です。 今作では今まで脇に徹していた吉岡(佐藤隆太)にスポットを当てたことで、ドラマ部分の仕上がりがいつもより面白いです。単に私が佐藤隆太を好きなだけかもしれませんが。 相手役の美香(仲里依紗)が結婚を拒んでいた理由が、たいしたことなくて拍子抜け。ただそのときの吉岡のリアクションが面白いので、コメディとして成立しています。いつもクサイ演出一辺倒だったラストにこーゆーテイストをほーりこんでくれたのは良かったです。 つっこみ所は満載。すっかり忘れていましたが、確かに日が沈んでいない。 更には、海に沈んでから、びくともしなかったものが簡単に動いちゃうのは浮力の関係?海に沈むまでは全然脱出できなかったのに、沈んでからはあっさり脱出。 また、水深60m以上の潜水は危険という話でしたが、すんなり潜水して、すんなり作業して、すんなり浮上して、全然危機感が伝わってきません。どうにも肝心なところで演出のつめが甘いんじゃないでしょうか。 時間との勝負のときは手をとめない。そーゆーシーンが出るだけでとてもプロとは思えないので醒めてしまいます。 すべての救助活動が終わったあと、下川さんにやたらクサイ台詞をしゃべらせたのは完全に蛇足。感動を演出しすぎ。欲しがりすぎ。逆になえます。 とまあ気に入らない点をつらつらと述べましたが、人間ドラマとしてもパニックムービーとしても及第点で面白かったのは間違いないです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-04-03 15:01:50)《改行有》 32. 武士道シックスティーン 《ネタバレ》 ごくごく普通の青春部活動ストーリー。 『剣道をする美少女達』というテイストのみでおしきる2時間弱。 ぱっと見どんくさい女の子、西荻(北乃きい)が実は剣道の才覚があるっていうのはマンガチックで好き。 そんな西荻にまさかの敗北を喫した全中チャンピオンが、西荻の高校に入学してくるっていう展開もマンガチックで好き。 メインの2人以外にも、村山主将のような強キャラがいる人物配置も好き。 ただ、キャラの配置、状況設定、役者の演技も悪くないのに、いまいち盛り上がりに欠けるのはなぜでしょう。 ああ、そうか、ライバル校がいないからか。共通の宿敵の不在。立ちはだかる高い壁を、いがみ合っていたチームメイトが協力して倒す。そんな少年漫画あるあるの王道ストーリーではなく、終始メインの2人の人間関係と心の成長だけを追っていく。それだけで2時間弱だから、要らないシーンも増えるし、間延びもする。西荻の父親や岡君のような中途半端なキャラも出てくる。どうりで見ていて中だるみしたわけだ。 北乃きいはかわいい。成海璃子演じる磯山のキャラが面白い。そして剣道の練習や試合での気迫のこもった声出しが良い。だから最後までなんとなく見ていられるのですが、映画としての面白みは大分薄味かもしれないですね。[DVD(邦画)] 6点(2021-03-15 12:50:50)《改行有》 33. 復讐捜査線 《ネタバレ》 緊張感あふれるサスペンス。メル・ギブソン世代なので、彼が頑張っているだけで嬉しい。 今作はエンターテイメント作品というにはストーリーは重いし暗い。タイトルに『復讐』の2文字が入っている以上は、なんらからの悲しいエピソードは予想されるのですが、それにしてもオープニングの悲劇はけっこう辛い。 ただ暗い話ながら、黒幕とは全員きっちりカタをつけるので、復讐のカタルシスは得られます。 そしてすべての真実は新聞社のもとへ。ラストにこのシーンがあるかどうかで見終わった後の感想がまるで変わってくるでしょう。 中盤までは謎ばかり。ヒントも少なめ。ですが最後は点と点がつながって線になり、画になり、ちゃんと全体像をきれいに見せてくれます。 かなり真面目に作られているので、その分ややテンポが犠牲になっている部分があるかもしれません。だれそうになることもしばしば。しかしだれそうになるとショッキングな事件が起きるので、緊張感が途切れることはありません。 小さい頃の娘の幻影がたびたび出てくるのが悲しい。これがドラマとして悲しさや深みを与えています。クレイブンの最期のときには娘が迎えに来てくれるのが救い。 政府側だったはずの証拠隠滅係みたいな人の最期が壮絶。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-09-10 13:33:36)《改行有》 34. 42~世界を変えた男~ 《ネタバレ》 実話を元にした映画っていうのは、事実を捻じ曲げることができません。 ですので、映画として、どうアレンジし、味付けしていくのかが大切だと思います。 そういった意味ではこの作品、やや薄味すぎるのではないかなと。 ジャッキー・ロビンソンという偉大なメジャーリーガーの伝記としては価値ある作品。 ただ映画の内容は、史上初の黒人メジャーリーガが成功していった事実を淡々と述べただけのものに収まっています。 劇中の障害は差別のみ。描かれる差別は『トイレ』『シャワー』『宿泊拒否』『飛行機』といったオーソドックスなもので、そのひとつひとつが表面的な描写のみです。あとはひたすら『ヤジ』ですね。 ロビンソンを強く差別していたチームメイトはトレード。リッキー会長という最も強力な権力者は味方だし、チームメイトも一部を除いて良い人ばかり。野球だって順調に活躍し、挫折なんてしません。 いや、サクセスストーリーは好きなんですよ。ですがさすがにここまで山場がないと、カタルシスを感じることもないわけです。 かといって事実にない事件を起こすわけにもいかないでしょうし。好きなジャンルではあるんですが、実話ものの限界を感じます。 音楽はすごく良かったです。 『全選手が42のユニフォームを着る日』や『42は全球団において永久欠番』のエピソードは感動しました。それを知ることができただけでも、この映画を見た価値があります。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-05-25 02:37:47)(良:1票) 《改行有》 35. ブラックパンサー 《ネタバレ》 ラストの『ブラックパンサーVSキルモンガー』は、なんか仮面ライダーみたい。 それはともかく、この作品に出てくる脇キャラ、良いです。ナキア、妹、女戦士が特に良い。ブラックパンサーそのものがアベンジャーズのなかではちょっと脇役っぽいのに、それを主人公にする物語なんて最高です。脇役好きの私にとっては嬉しい限りです。 みんな使っている武器が違うのも個性があってgood!多種多様な攻撃パターンが見られて楽しい。特に、ナキアと妹が、キルモンガーと闘うときに使っていた武器がかなりかっちょいい。 外見は発展途上国で農業国。しかしそれは世を忍ぶ仮の姿。先進国も真っ青の、超ハイテク技術国家なのでした。でも王位継承はタイマンで決めるっていう超アナログ。絶妙なアンバランス加減が嫌いではないなー。 とゆーことで、キャラ良し、ギミック良し、舞台設定良しと、なかなかポイント高い作品なんですが、如何せんストーリーがつまらない。ユリシーズ・クロウとバトっているときが一番楽しかったかなー。この人ってエンド・オブ・ゲームで腕チョンパされた人だったんですね。全然気付きませんでした。 うーん、内戦ものってのは、気分的に盛り上がらないものですね。勝っても負けても溝が残っちゃうだろうし。どうも『内輪もめ』と『エンターテイメント』は相性があまり良くないみたいです。もうちっとだけ、気楽にスカっとできるイケイケアクションムービーだったら良かったと思います。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-05-12 23:38:35)(良:1票) 《改行有》 36. ブリングリング 《ネタバレ》 実話を元にした犯罪ドラマ。山場があるわけではない。目を見張るようなエピソードがあるわけでもない。どこにでもいそうな若者たちを、多少時系列をいじくりながら淡々と見せるだけ。なのに、なんだろう、不思議と目を離せない面白さがあります。 1人1人の背景は描写不足。レベッカとマークが中心に動いていたはずなのに、映画はニッキーの独白でしめくくられる不思議な構成。これも1人1人のステータスや人間関係を説明してくれていたら理解できたのかもしれないです。いや、説明不足だったからこそ、好奇心を刺激されたのか。 スクールカーストの底辺にいたであろうマーク。そんな冴えない男子学生が、転校先でチョイ悪だけどかわいい女の子たちと自然と仲良くなってしまう。自分の居場所を見つけてしまうわけですね。 犯罪が悪いこととはわかっていながら、そんなマークがこの心地よい『仲間』という空気に流されてしまう感情は、わからなくもないです。 セレブ宅に侵入していることを自慢げに話してしまう女の子たち。こーゆーノリの軽さが妙に生々しい。ストーリーはあってないようなものなのに、この一種異様とも言える生々しさが、どうにもクセになる。 役者はメインから脇に至るまで、とても自然な演技。とは言え、エマ・ワトソンの美しさはやはり際立っていて、彼女がいなければエンターテイメントとして成り立っていないかもしれません。 好き嫌いは別れると思いますが、個人的には隠れた良作だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-02 03:28:19)(良:1票) 《改行有》 37. プールサイド・デイズ 《ネタバレ》 『この映画何が面白いの?』と聞かれると、『○○が良い』とは、正直答えられない作品なんです。 ですが強いて言うなら、『よくわからないんだけどなんか良い』作品です。 中学、高校と友人が全然いなかった自分。バイトを始めて、実は自分が結構仕事ができる人間だと気付く。職場では信頼され、友人もできる。とにかく居心地が悪かった『学校』。一番自分らしくいられた『職場』。そんな経験をもつ私にとって、この少年、とても他人とは思えないわけです。 この少年と同じような立ち位置を経験したことがあるかどうかで評価は大きく変わるでしょう。 主人公の少年ダンカン。いきなり『3点』をつけられるオープニング。性格最低の母親の彼氏。その彼氏の連れ子で、性格最悪の義理の姉。この二人がとにかくダンカンを見下し、馬鹿にし、ハブにする。そんな状況に母親は『目をつぶれ』『協力しろ』とダンカンに暗に求める。いやはや、最低の家族です。 そんな最低家族を、なんとなく見返すクライマックスのシークエンス。派手ではないのですが、ちょっとだけすっきりします。 バイト先の人たちがみんな良い人。みんな明るく魅力的。理想的なバイト先です。 そして何と言っても隣の女の子。ちょっとムチムチなのがポイント高い。そんな女の子とどんどん仲良くなっていくのが、またたまらない展開です。 最低家族が、全然家族としてうまくいっていないのに、みんなが馬鹿にして見下していたダンカンは、なんかすごい楽しい人生送っちゃってて。これがちょっと痛快なんです。つまり、そーゆーところが『なんか良い』作品です。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-18 04:52:14)(良:1票) 《改行有》 38. 50/50 フィフティ・フィフティ(2011) 《ネタバレ》 『母親にガンを打ち明けるシーン』、ガンの予防になるからと母親が緑茶を入れようとするシーンには涙が出ます。車の中でアダムが突然感情を露にするシーンも良い。今まで押さえていた感情が噴出し、不安と絶望がついに理性を超えてしまう貴重なシーン。その直後、友人宅で『ガン患者と共に生きる』的な本(正確な名前忘れた)を見つけてしまうのが、マンガチックでベタすぎますが、凄くぐっときます。ここでは『ヤンキーが良いことすると5割増しで良い人に見えちゃう』という心理が働いています。個人的には一番好きなシーンかもしれません。 と、ここまでシーン毎の感想しか述べていません。それはこの作品がエピソードを羅列したような作品だからです。1つ1つのシーンを見ると凄く良い。確かに良い。ですが1本の映画として見るとなんとも評価のし難い作品です。 主人公アダムが突然ガンを宣告されたこと以外、これといった事件が起きません。レイチェルの浮気はありますが、誰しもが想定しちゃってるでしょうし、ハプニングとしては弱い。さもありなん、といった感じです。 大きなドラマ、山場を作らないのであれば、いっそドキュメンタリー調にしたほうがよかったかもしれません。 この作品は『友人や家族がガン患者となったとき、どう寄り添っていくのか』を、ガン患者の目線で描いた作品。難病ものですが、ライトに描かれているので深刻になりすぎないところは良いですね。更に、キャサリンというかわいいセラピストが本作にハッピーな雰囲気をプラスしているのも好印象。アナ・ケンドリックは素敵な女優さんですね。 ジャンルがコメディになっていますが、私はこの作品をコメディとして見ることはできなかったです。[DVD(字幕)] 5点(2019-09-19 12:00:19)《改行有》 39. ファインディング・ドリー 《ネタバレ》 前作で、そのうっとうしさに少々苦手なイメージがついてしまったドリー。 今作は主役。多少の不安を抱きながら、おそるおそる鑑賞。 結果、うっとうしさは相変わらずのドリーですが、健気に両親に会いに行こうとするその姿、凄く良かったです。 声優さんの力によるところも大きいのですが、小さい頃のドリーが本当にかわいくて、ますます感情移入しちゃいます。 ストーリーは単純明快ですが、二転三転する情報により、『結局ドリーの両親はどこにいるんだ?』っていうプチミステリーの要素があって面白い。 そして魅力的な新キャラも登場。 眼が悪いジンベエザメのディスティニー。エコロケーションが使えないシロイルカのベイリー。海が怖いタコのハンク。 うーん、さすがディズニー。誰も彼もが愛すべきキャラに仕上がっていますね。 そして言わずもがな映像のクオリティの高さ。ついにここまできたかというビジュアル。 特に水面、そして『水面から見る地上の景色』は実写と見紛うばかり。更にはオープンオーシャン(大水槽)を遠景で眺めたときの画は言葉にならないくらい美しい。 ラストがちょっとひっぱりすぎですが、ドリーが貝殻を見つけてたどっていくシーンは文句なしに感動のシークエンス。 こんなに完成度の高い名作なのに、タコのハンクがベビーカーを走らせたり、トラックを運転したり、行き過ぎた擬人化がとても残念。興が冷めちゃいます。 あくまで『魚達の世界』の限界を超えない範囲で、夢のあるアドベンチャーを見せて欲しかったですね。 『何でもアリ』ってゆうのは、少なくともこの作品には相応しくなかったと思います。[ブルーレイ(吹替)] 8点(2017-05-16 01:19:53)《改行有》 40. ファイナル・デッドブリッジ 《ネタバレ》 個人的には、シリーズ中一番盛り上がらなかった作品かもしれません。 今作はグロ描写に力を入れすぎてしまい、もはや悪趣味の域です。 いきすぎた表現は、現実感を薄め、虚構感を生み出す傾向があります。今作は特にその傾向が強く、作りものであることを観る側に強く意識させてしまう可能性があります。 また、死んだ姿を見せている時間が長いのも問題あります。倫理的な面でもそうですが、それ以前に『どーだ、こーゆーのが見たいんだろう。』と一方的に言われているようで、大変不愉快です。 シリーズ通して必ずあった『サイン』のようなものも無くなっています。あの『サイン』こそが、このシリーズの緊張感を生み出している最大のポイント。つまりはこのシリーズは、『結果』ではなくその『過程』における工夫の度合いが重要なのです。この監督さんはシリーズの良さが全くわかっていません。 そして最悪なのが、『人』対『人』の構図を作ってしまったことです。このシリーズで一番やってほしくなかったことです。それをやっちゃうと、ただのサスペンスに成り下がってしまうということがわからないのでしょーか。 最初の橋落としのシークエンスとラストの飛行機。この作品でよかったのはこの2点です。 特にラストのつながりは、このシリーズのファンにとっては感慨深いものがあるのではないでしょーか。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-04-22 11:12:31)(良:2票) 《改行有》
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