|
1. ブロークダウン・パレス
《ネタバレ》 ラストには悲しいながらも大いに納得。事件に巻き込まれ獄中裡にあって冤罪に苦しめられている人が、現実にまだ世界各国に大勢いるのだから。クレアの居残りはまさにその象徴。この問題は単にクレアたちのケースに限らず現在進行形だというメッセージを伝えたかったに違いない。実話を含んだ映画は単に話が面白いだけじゃなくて、世間に是非を問う使命を伴って作られるべきものだと思う。だからこそ後味が悪いからと言って逃げず、ラストの意味をじっくり考えないといけない。9点(2003-12-17 21:31:03)(良:1票)
2. ブレイブ
《ネタバレ》 ゲーテの「ファウスト」は未読でぼんやりしたあらすじしか知らないものの、悪魔に魂を売り渡す行為=ファウスト、のイメージが始終つきまとった。金という一時的な魔法を手に入れ、わずかな幸福の時間を仲間たちとともに過ごす。小説では「おじき」と称された悪魔、映画ではマーロンを起用してかなり象徴的な悪魔像を描いていると思う。衛生面はもちろんだが、中でもひどい差別は、子供たちに教育の権利を与えていないことだ。だから彼らはいかに自分たちが不当な扱いを受けているかを悲しみをもってしか自覚できず、現況を打破していく術も見出せないでいる。教会よりもまず学校だろう!と思った。己を殺して他を生かそうとする献身的な主人公の大きな愛が胸に迫り、ラストは涙でくもり、見えなかった。8点(2004-05-06 21:45:36)(良:2票)
3. フィフス・エレメント
観た直後はただただ呆れ返って、2か3と思っていたけど、一晩経って思い返してみたら、5点、いや7点でもいいかなと。ストーリーはメチャクチャなのに、出てきた全キャラクターが強烈に印象に残ってる。野生ネコのようなキレキレの動きをするミラがすごく可愛かったし、常にぎょろ目で喜怒哀楽を爆発させる黒人DJも最高に楽しかった。たった1日経っただけで、こんなに印象が変わる映画も珍しい。それにしても、私の中ではあの『グレート・ブルー』を撮った監督という神々しいイメージが、途中で崩壊しそうで大変だった。北野武に傾倒している外国人がビートたけしを知った衝撃って、こんな感じかしら?[インターネット(吹替)] 7点(2017-08-05 11:12:48)(良:1票)
|