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プロフィール
コメント数 313
性別 男性
年齢 63歳
自己紹介 映画は生もの。リアルタイムで見るのが一番だけど、古い名画はどうしようもない。TVでしか観れないのなら、電気を消して電話を切って、誰も来ない夜に、なるべく劇場と同じシチュエーションで見るように努めています。(お酒を飲みながらはありますが)観る側、つまり自分も生ものですので、その時の体調、精神状態では見方も変わります。B級がA級に見えたり、恋愛映画がアクション映画に見えたり、でもそれはそれで面白いと思います。
と、勝手な事をのたまう40才の映画好きな親父です。

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1.  ファンタスティック・フォー:銀河の危機 なんともゆるい映画でした。アメコミものの中でも人気のある作品らしいですが、映画として表現されるものとしては、視覚的な所のみが少しわくわく、といった感じでお話の緊張感のなさといったら。地球だけじゃなく、銀河の危機というふれこみの割にはスケールがなく、局地的な展開の割にはまとまりがない。漫画だからいいのか。大きな画面の中で、漫画本をめくって楽しんでる、そんな雰囲気でしたね。自分としては飛ばし読みしたかったのですが。ちなみに妻は、あれでいいのよ。このゆるい感じが持ち味なのよ。といいますが、ほんとなのか?[映画館(字幕)] 5点(2007-10-12 17:19:28)

2.  ブラック・ダリア デ・パルマ監督の作品を映画館で観るのは久しぶりです。独特のカメラ回しやカットで、サスペンスの鮮度を、そしてスリラーの感度を上げた職人気質の監督というイメージで本作を観たのですが、最高!とはいかないまでもなかなか面白かったです。2人の男の関わりを最初に見せ、そこに女を絡ませ、やや説明的な描写が長く続き、ブラックダリア事件になかなか突入しません。「なんじゃ。どこから本編がはじまるのかな?」とじらしてじらして。やがて、カメラワークを駆使したある場面から(カメラが低上空から景色をとらえ、狭い路地を車が走ってくる、道端を男と女が歩いてくるのをワンカットで魅せる)作品はダークな色合いがより濃くなってきます。色調自体も、かなり抑えられ鮮やかな場面はほとんどなく、舞台となる年代の空気をうまく出しています。事件の本質そのものの追求というよりは、その事件をきっかけに何か狂いだした人間の性を見せる内容でした。純粋にサスペンスや謎ときを楽しむ(視覚的なトリックはありますが)ものではないのが、観る人を選ぶと想います。ただ、映画館の暗闇の中の方が、この作品にはあっているような、そんな気がします。[映画館(字幕)] 7点(2006-10-16 10:29:14)

3.  フラガール 《ネタバレ》 泣ける映画だ、とは聞いていました。しかし、そんな予備知識を軽く凌駕する涙が頬を流れ落ちます。もうナイアガラ状態。早苗が父親に殴られて、それを知った先生が男湯にどなりこんでいくくだりから、胸に熱いものが込み上げてきて。そこからです、画面が滲んで滲んで大変でした。フラガール達の一途な思い、家族を、炭坑を、そして踊る自分自身を思う真摯な姿勢にもうくらくらです。また、紀美子の母親がストーブを集める場面でのセリフがいいです。「木枯らしくれえであの子たちの夢をつぶさせちゃなんねえ。ストーブ貸してくんちぇ」と頭を下げるところなどは、もう、その方言の切なさ、愛おしさと相まって、観ているこちらの心がぐわんぐわんと揺れます。小百合も「先生踊らしてくんちぇ」と泣きながら言う場面がありますが、ここもイイです。なんかツボにはまってしまい、もう全員大好きみたいな、そんな気分になります。そしてラスト、完成したハワイアンセンターでのフラガール達の踊りは、最初から泣きっぱなしで、出演者達の涙とこちらの涙が合わさって、興奮というのか、何というのか、エンドロール後に拍手しまくっている自分がいました。最高です。発散でもなく、解消でもない、本当に清々しいものに包まれた、そんな魔法のような映画です。販売していたパンフレットも素敵でした。掲載されている写真も古めかしく懐かしくまとめられていて、久々に買って良かったと納得できるものでした。ああ!万歳!フラガール!この言葉が自分の表現できる全てのような気がします。[映画館(邦画)] 10点(2006-10-02 17:49:06)(良:1票)

4.  フライトプラン 母は強し。その主題が明確には出ているものの、そのためには映画的に手段を選ばないというのはどうなんでしょうか。設定も面白いし、娘がいなくなるのが、現実か妄想なのか、空港での娘がいなくなる場面でわずかながらの期待を持たせますが、あまりにも強引な展開で主人公に感情移入できませんでした。知的な顔立ちのジョディ・フォスターが狂人みたいに娘を捜索するシーンは、確かにうまいのだろうけど、心のどこかに違和感を感じたのも事実。スーパーウーマンばりの行動がそう思わせるのでしょうけれど。サスペンスにはなり切れていない点で、怪しい人物のピックアップが観客に簡単に出来てしまいます。もうひと工夫あれば、と思う作品です。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-18 11:00:32)

5.  フォーチュン・クッキー 《ネタバレ》 入れ代わりによる相手への思いやり、本当の感情に気づく展開は過去にもたくさん題材として利用されて来ました。むしろ手垢のついた内容でもあるのにも関わらず、この映画は大変楽しく見る事が出来ました。ラストも分かっているのに、なんで?きっと安心して笑いながら見れるからなんでしょうね。カラッと笑える点では、この女優さんの起用は良いですね。娘さんも上手です。おじいちゃんもいい味出してます。弟の作文のエピソードもいいです。ただ、母の生き方や考え方も娘がもう少し理解出来たらと思いました。娘の方は、学校での教師のいじめを解決し、バンドも成功。母親のカウンセラーの仕事の方は、それほどスムーズにはいってないし(当たり前か)、ただ、アドバイスした女性のその後の事にも映画は触れていませんし。TVは見せ場的な要素でしたし。でも、結婚式前夜のリハーサルでのスピーチは良かったです。娘の言葉一つ一つが不思議と母親の言葉にも聞こえてくるのがうれしかったです。[DVD(字幕)] 7点(2005-04-19 19:03:09)

6.  ブラッド・ワーク 《ネタバレ》 よく出来ていますね。イーストウッド監督の演出も、イーストウッドという役者を引き立たせる見事なものになっています。(当たり前か!)サスペンスの趣きも充分にあるのですが、これは枯れた魅力を放つ一人の役者魂をフィルムに焼きつけた映画ともとれます。観客はしょうもないイーストウッドを見たくない。正義と執念を貫くイーストウッドを見たいのです。だからこそ、いきなり発砲もするし、警察署の中でも、堂々としていられるのです。船上生活なんて、映画ファンが許さないのでは?そんな視点で見ると、意外でもない真犯人、伏線の甘い張り方も気にならなくなります。見ている最中は、画面に引き込まれていましたから。8点(2004-07-12 12:40:32)

7.  ファインディング・ニモ 「綺麗!」そんな言葉がぴったりの映画。実写ならば、舞台となる建物や木々、草花などを建設、建造する「美術」が存在し、それをうまく撮影するカメラがあるのだろうけれど、ピクサーのこの作品には、スタッフの頭の中にそれが全てあるみたいです。つまり、イマジネーションという、およそ枠にはまりきらない強い武器が映画美術を成り立たせているのですね。海の中の色鮮やかな表現、波のうねり、差し込む光など、こうあればいい、こう見せればいいということをちゃんとしている点が物凄くいいですね。子供を探す、そして取りかえすという手垢のついた物語なれど、見てしまいます。ハラハラしてしまいます。魚の動き、表情も、そして台詞も、みんなCGという「美術」の中で立派に活きています。ほんと、目からためいきの出るような楽しい映画です。7点(2004-07-10 09:15:21)(良:1票)

8.  ファイナル・デスティネーション 《ネタバレ》 そうか、こういう怖がらせ方もあったんだ!と、凄くうまい設定にまず拍手!「運命」をすんなり「恐怖」に変換する描き方は、次が気になる要素も合わせて、物語についつい引きこまれます。出ている俳優たちも日本で馴染みのない人だけに、妙にリアリティがあり、それだからこそ現実感も増しています。実際にはないだろうけど、もしかしたらなんて、そんな語り口が見事な映画。怖いけど面白い。やたらと血の出るスプラッターよりもはるかに恐怖を感じます。7点(2004-04-02 13:39:20)(良:1票)

9.  フル・モンティ 《ネタバレ》 哀しくも可笑しい、そして可愛らしい男達。失業の身だからといってストリップに挑戦する、ある意味「最後の手段」に奮闘する姿は切なくもあり。それもこれも生きていくために。個々の理由が明らかにされる物語は、しみじみとしていかにもイギリスの匂いのする描き方。いつしか芽生える連帯感、そして友情。ストリップはただの裸のショー。なりふり構わず「誰かのために」必死になる彼等こそ、心も人生も丸裸で体当たりしています。そんな前向きな精神を謳って、勇気を持つことを教えてくれている映画。元気をもらうための格好の作品です。8点(2004-04-02 13:30:50)

10.  ブラック・レイン 大阪の街をブレードランナーの舞台のように見せる映像。ネオンとあふれかえる人。光と影。日本であるとか、他国であるとか、そんな領域でおさまらないスケール感がこの作品にはあります。故松田優作が魅せる狂人のハイテンションぶりには、「こやつ人間か?」の疑問も浮かびます。そんな点でも、無国籍めいたムードが漂っているのでしょう。その分、浮いてしまう役者さんも多数いますが。寡黙な高倉健は典型的な描かれ方で面白味に欠けます。アメリカ刑事とのほのかな友情という流れも読めてしまいます。それでも観てしまうのは、松田優作。この人の圧倒的な存在感ゆえ。1人の出演者でもつ映画。俳優の力を誇示する、まさに貴重な作品です。7点(2004-03-29 12:03:51)

11.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 故淀川長治先生は「ドリームズ・カム・トゥルーだね」とおっしゃってた。その意味は映画の最後、父親との時代を越えて、世界も越えたキャッチボールに集約されている。親父と17で別れ、ちっとも冒険的な人生を歩まなかった。平凡といえば平凡。親父が死んでも帰らなかった。最後まで親父とは和解できなかった。そんな男がトウモロコシ畑で声を聞く。これはきっと神の声。野球場をつくれという。本気になれば実現することがある。自分を信じてやり通せば叶わぬことなどない。例えそれが死んでしまった者との再会でも。ファンタジーです。実際には起こり得ないことです。でも、この親子の再会に(途中にも昔の選手達のいいエピソードがあります)泣かぬ人はいないでしょう。噂を聞き付けた人達がアメリカ中から車を飛ばして駆け付けてくるラストの光の行列。「夢」を信じたい。「夢」に出会いたい人の多さを見せながら静かに終わります。出来るなら自分もあの行列に加わりたい。そして、あの木のベンチに座って「夢」を観戦したいと思いました。10点(2004-03-23 11:49:16)

12.  普通の人々 《ネタバレ》 アメリカの普通の家庭の普通の人々が遭遇する「悩み」「葛藤」を冷徹なまでに覚めたカメラで映し撮った名作です。愛する長男の「死」から立ち直れない母。兄の「死」を自分のせいだと苦しむ次男。それらの「問題」に対して、良き対処の見つからない父親。超人でもなければ天才でもない、どこにでもいる人間だから 傷つき、途方にくれ、悩みだけが日常の全てになる。しかし、淡々と描きながらも監督レッドフォードは、「家族の再生」を ラストに見せます。母が家を出て、父親と2人で始める生活。最適な解決法はなくても、生きて行くために向き合わなければならないこと、乗り越えるために逃げてはいけないことを、伝えてくれています。厳しいながらも家族の本当の「愛」の在り方について、色々なことを考えさせてくれるいい映画です。8点(2004-03-19 10:05:48)《改行有》

13.  フェイス/オフ 《ネタバレ》 さすがと言うか。なんちゅうか。スローモーション、二丁拳銃、鳩が舞う。ジョン・ウ-の全エネルギー開放の映画。これだけやってくれた方が、むしろ清々しい気さえします。ジョン・トラボルタとニコラス・ケイジの絡みだけでも見応えあり。しかもアクション俳優らしからぬ、この2人の起用。意外性の面白さは、顔をすり替える要素も考えてか。この荒唐無稽さも、ジョン・ウ-にかかれば、ありに思えてくる不思議。役者も演じていて気分よかろの(やりがいに)ハイテンション。アクションはどれもが見せ場。壊す、爆発するは当り前。スタイリッシュとまでは行かないが、ハリウッドでは観られなかった斬新さの追究。「オーバー・ザ・レインボー」をバックに血みどろの銃撃戦。アートみたいな撮り方にただただ見とれる。もちろん情も忘れていない。最後の最後、子供を引き取り、家族に迎えるとこまでもきちっと描いて争いの後の平和、家族の平和を讃える素晴らしい出来。うなりましたよ。この映画。面白いです。9点(2004-03-10 11:20:47)

14.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 刑事物映画としては、珍しいくらいのドキュメントタッチで撮られています。決して男前でもなく、乱暴な捜査であまり好印象とはいえないポパイ役を、名優ジーン・ハックマンが演じています。正義感というより、デカの意地みたいな執念先行型の主人公の暴走がこの映画の肝。容疑者の張り込みに、冬のニューヨークのコンクリートの上、何時間も立ちっぱなしで足をガタガタ震わせている描写など、物凄く生々しいです。だからこそ、犯人に対しての憎しみも沸いてくるのでしょうが。話題のカーチェイスも 好きなシーンです。高架上の地下鉄を追う、そのスピード感はポパイの怒りそのままをダイレクトに表現したみたいで、迫力があります。何かの番組で観たのですが、この話が実際の刑事をモチーフにしてるとあって、街の警察挙げての撮影の援助があったとか。高速道路のシーンは、警察が映画の為に急遽交通遮断を行い、渋滞になる場面を作りあげたそうで、やっぱりアメリカは凄いですね。映画のためにそんなことが出来ちゃうのが。9点(2004-03-10 10:58:30)《改行有》

15.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 カンヌで賞を取った作品だそうで、公開時に観ましたが自分には難解でした。ドイツの歴史も知らないし、スタッフも?の名前ばかり。娯楽作でもないので、もう一度観ようという決意もしばし封印。でも、何年か後、深夜のTVでやっているのを偶然観て、「今なら、どうかな?」と想いビデオを借りて来ました。わずか3才で大人になることを拒否し、大人達の愚行(戦争であるし、愛欲であるし、その他もろもろ)を傍観する少年。ものすごい風刺ですね。また、子供が純粋な眼で見つめるドイツの現代史が(まあ、どこの国でも同じだと思いますが)その愚行の繰り返しであることを痛烈に訴えています。でも、子供が純粋?いえいえ子供が一番残酷なのでは。だからこそ、この映画もエログロを客観的に見せきっていますし、何の予備知識もない子供にとっては、馬の目から鰻がにょろにょろなんて平気なのでしょう。どことなく退廃的な雰囲気のある作品ですが、年をとって見ると、結構気に入る箇所が多々ある不思議な映画です。8点(2004-03-10 10:13:48)

16.  フラッシュダンス 《ネタバレ》 音楽ってすごいなあ。この映画上映の頃、主題歌がどこのレコード屋でもかかっていて、サントラも売れていたっけ。で、この曲がないとこの映画、目を見張るほどの大ヒットにはなってなかったんだろなあ。お話はいたって単純。踊りの好きな女の子のシンデレラ・ストーリー。溶接工しながら、いつしか舞台で踊ることを目標にしている。がんばれ!の声援をおくるのが普通なんだけれど、あんまり苦労を感じないというか、画面全体がファッションの一部みたいに撮られているせいか、感情移入できず。案外贅沢なんちゃうん、と思わせるシーンもあり、(恋人とデートに出て食事したのにも関わらず、大きいピザを購入し、自宅で食べるんだけど、一切れぐらい喰ったら後はほったらかし。ラブシーンに続き、ピザは冷めたままテーブルに。もったいないやないか。 ピザが)女の子を好きになれず(というよりも自分が貧乏症なだけか)ラストの審査会場も予定調和という印象で盛り上がりませんでした。やはり、音楽でしょう。それが全てという気がします。6点(2004-03-09 12:53:15)《改行有》

17.  ブレージングサドル 《ネタバレ》 この手の作品って元ネタをどれだけ熟知しているか(ネタだけじゃなく歴史的な背景もあるけれど)で、評価の変わってくるもんで、自分は40才を過ぎた今が、最もこの映画の価値を分かって観られるんだなと思いました。そうだと言って、特別勉強した訳でも無く、単純に観ても笑えるシーンはたくさんあるし。ただ、他の映画での西部劇の在り方や、ドタバタのシーン、セットの壊し方、ギャグの間の取り方などを観て、この映画を見ると、この監督のセンスがすごくいいのが分ります。映画好きが作った映画好きのための映画。まあ、一般受けするようなギャグばかりじゃないんで、万人にはお薦めできないですけど。ちなみに、豆を喰いながら、皆で屁をこくシーンには、飲んでたジュースを吹き出した記憶があります。(映画館で)前の席の人、ごめんなさい!7点(2004-03-08 19:50:44)

18.  ブルベイカー 《ネタバレ》 刑務所内での不正を暴く為に、いわば潜入捜査みたいな形で入所してきたレッドフォード。正義感あふれる行動で、悪事を暴いていくのですが、レッドフォードが囚人役には到底見えず、少し興ざめ。ハンサムが災いしているのか、緊迫感はあまりなく、安心して解決する展開になっています。それでも、これが事実に基づいて作られている事やラストの囚人達の拍手では、胸が熱くなりました。社会派?でもなく、強烈なメッセージがあるでもなく、淡々とした描き方には、ついていけない人もあるかとは思いますが、観て損はしない作品です。6点(2004-03-05 11:54:16)

19.  ブレイブハート 《ネタバレ》 独立や革命を謳い、立ち上がる者には、ある種のカリスマが必要です。「アラビアのロレンス」や「ガンジー」にしても、同じ志をもった人々を決起させるには、主軸となる人物に、何か人を惹き付けてやまない不思議な魅力が大切であることを示しています。この作品では、「自由」のために声を荒げ、力を鼓舞するウォレスがそう。映画の初めに、信頼していた国からの裏切りを見せつけられて、一念発起かと思いきや、意外にも、成人になり村に戻り、愛する人と結ばれる非常に美しい平和な様子が描かれます。ここまでの進行は絵画を観賞しているかのように、静かで牧歌的で、争いなど微塵も感じさせません。しかし、奥さんが殺されると、急転直下。刀を隠して、村に戻ってくるウォレスをスローで見せ、(この頃の観客の心理状態も、いてまえ!やっつけたれ!となっている)まるで、東映仁侠映画の殴り込みのような展開です。それからは、争いばかりの世界になるのですが、この戦争シーンが史実に基づいて再現されたというだけに、なかなかのリアリティで圧倒的です。剣は切るのではなく刺す、斧はたたき割るために、盾は矢を防ぐために、それぞれの描かれ方が良く分ります。側近というか、右腕というか、常に側にいる2人の表情もよく、ウォレスを信じることを最後までやめなかった誇りがラストで表現されています。「フリーダム!」と叫び死んでいったウォレス。血で汚れた形見の布を手に、まだ闘う、まだ「自由」を求める戦士達。カリスマの有無が、この最後の布に込められて、感動を誘います。空に投げた剣が地面に刺さり、ナレーションがかぶさるシーンは、やはり名場面。メル・ギブスンが、情熱をもって描きたかった男の映画です。名作です。10点(2004-03-04 13:44:22)(良:2票)

20.  ブラック・ダイヤモンド ジェット・リ-はどんな映画に出てもジェット・リ-でしかない事を改めて知った次第です。アクションの見せ方も、どこかで見た?みたいなアングルばっかで(ジェット・リ-だから?)プロモーションビデオの趣きですね、全編。ファンにとってはうれしいでしょうけど、1本の作品となると、さすがにしんどい。かっこいいのも、強いのも充分わかったから、違う面をもっと見せて欲しいです。役者なのですから。6点(2004-03-04 13:03:50)

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