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プロフィール
コメント数 1507
性別 男性
自己紹介 投稿にあたっては
①製作者の映画愛を信じて基本的に0点は付けていません。
②レビュー作品の「あらすじ」は率先して書いています。

※「ぽこた」からニックネームを変えました。サブネームの「(ぺいぺい)」は継続です。(2024.2.28)

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評価順12345
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1.  複製された男 《ネタバレ》 原作は未読です。自分的には、原作を先に読むか?はたまた原作を後に読むか?問題というのが長年ありまして、ノベライズ版の小説だったりすればどっちでもいいのですが(出来れば映画が先)、本作のように原作者はノーベル文学賞作家なんていう場合には、やっぱし原作に敬意を表して先に読むべきかと思ったりもします。 つまりは後悔しきり。これは原作を先に読むべきでした。若干ミスリード気味の邦題があるから尚更です。SFっぽ過ぎますって、邦題。 結局、全てはひとりの男の意識下から出ることなく、二人の男は同一人物の思念の産物。いや潜在意識の産物?潜在意識そのもの?妄念の具現化とでも言いましょうか。 とは言え、矛盾も避けられないです。それぞれの妻の存在。妻も同一人物?主人公の意識下で全てが成立しているのであれば当然の如く同一人物かも知れません。作品の全体が彼の妄念そのものであるならば矛盾もないのですが、仮令断片的にでも覚醒している部分があるのであれば、妻の存在は矛盾をはらみそうに思えます。自分以外の者の思念において死亡してしまう訳ですから、彼女自身の意識の行き処はどうなっているのでしょう?そもそも彼の思念が作り出した虚像・偶像だから関係ない? 秘密クラブで裸女のハイヒールで踏みつぶされそうだった蜘蛛。部屋全体を満たすほどに巨大化した蜘蛛。ハイヒールも蜘蛛も重要なアイテムとして作品テーマの一端を暗喩しているのでしょうけれど、かなり解りにくいですね。他の数々のシーンやアイテムも然りです。とてもじゃないけど自説を披露する自信などありません。 心理学的、或いは哲学的なテーマを映像として表現することの難しさを感じさせてくれた一本でした。ジェイクさんと二人の美女の好演に救われた作品のように思えてなりません。[インターネット(字幕)] 5点(2024-09-20 11:15:43)《改行有》

2.  ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 《ネタバレ》 ニコラスさんの「ウィリーズ・ワンダーランド」の設定にかなり似ていてリメイクか?と思いつつも、元ネタのゲームは2015年初出みたいだし、両作の製作開始発表時期とか見ていくと関係なさそうでもあり、ま、面白きゃいいか、と気持ちを切り替えて鑑賞。結果、「ウィリーズ」とは大いに似て非なる作品として楽しませていただきました。ちなみに元ネタのゲームについては全く知りません。 予告編からすると何だか訳の分からないままに繰り広げられる惨劇、かと思いきや、ひとりの狂ったオヤジの凶行だったとは。主人公の抱えるトラウマは、途中まではサイドストーリー?あんまし本筋とは関係ない?と思っていましたが、ちゃんと伏線回収しました。細かな点も含めて、ストーリーとしては上手く纏められていると思います。 敵役として登場する叔母とその関係者たちが、早々に死亡フラグが立ってアニマトロクスたちの餌食になるあたりは結構痛快な展開。(子守りの女の子だけは可哀そうでしたが)意外と犠牲者は少なく、最初の警備員を入れて作品上は6人?と思いきや、実はアニマトロクスの中には犠牲となった子どもが入っていたとは。そして、彼らに気に入られたかのようなアビーは実は獲物として迎え入れられていたとは。 気になったのは、とどのつまりアニマトロクスたちは何者?という点。マイクの夢に登場する子どもたちの亡霊の意思で動いている?それともイカれたオヤジの技術の結晶?まぁ、作品中では亡霊の仕業みたく推測してますけど断定的ではないし。ありがちな悪魔とか魔物とかの憑依ではないようですね。その辺は説明的になってもよろしくないのでしょうけれど、もう少しスッキリしたかった部分です。 とは言え正直楽しめました。ヴァネッサ役のエリザベスさんのナチュラルな魅力(どう考えても傷が癒えたらマイクとゴールイン)に+1点の7点献上します。[インターネット(字幕)] 7点(2024-09-13 14:14:59)《改行有》

3.  BLUE GIANT 《ネタバレ》 原作漫画は未読です。公開時、是非とも劇場で鑑賞したいと思っていたものの、諸事情で見逃していて今回やっとネットにて鑑賞しました。 既に投稿されている皆さんのレビューでも例外なく高評価されていることですが、兎にも角にも音楽が凄い。個人的にジャズは好きでもそれ程コアなファンでもない私ですが、ほぼ全編にわたって演奏部分では涙腺が緩みっぱなしでした。 通常であれば小説であれ漫画であれ原作がある作品の場合、「これをどうやって実写化やアニメ化するのか?」といった部分に興味の中心が向かってしまうのですが、本作の場合は逆に「原作ではこの音楽の洗礼をどうやって絵や文章で表現しているのか?」という興味が湧きました。本作に感銘した以上は原作を読まねば、と思った次第です。 その一方で、尺の事情があるのかも知れませんが、特に大きなトラブルもなく一気に突き進むような物語には少なからず引いてしまった部分もあります。主人公無敵な展開。スーパーヒーローものでもお約束の大ピンチは付きものですが、本作ではバンド仲間の交通事故という想定内のトラブル(ただし伏線回収的にクリア)はあるものの後は概ねトントン拍子。登場人物の背景や苦悩・葛藤といったものをもう少し盛り込んでくれれば感情移入出来ただろうし爆泣き出来たことと思います。 ちなみに、原作未読につき回想形式を採用しているのでもしかしたら主人公の末路には悲劇が?と途中まで思っていました。いくらなんでもそれは力業過ぎですね。 アニメとCGのバランス感は、自分的には納得出来る範囲でした。違和感がないかと言えばそんなことはありませんが、あくまでも主役は音楽!と思えば気にならないかなと。 繰り返しになりますが、兎に角音楽が素晴らしい。劇場で鑑賞しなかったことを只管後悔するばかりです。リバイバル上映ないかな?[インターネット(邦画)] 8点(2024-07-16 10:43:15)(良:1票) 《改行有》

4.  FALL/フォール 《ネタバレ》 高所はあまり得意ではない私。アンテナ塔を登り始めた後は終始絵にかいたような「手に汗握る」状況でした。こんなに手汗を感じた作品は一体いつ以来だろうか?思い出せないぐらい久々の超緊迫感に包まれました。何だかベタ付くような嫌な汗。純粋に怖くて不純物が体内から流れ出したのかと思ったりして。運動したり辛い物を食べて噴き出す汗とは明らかに違う汗。観終わって一番感じたのはそのことだったりしました。 肝心の物語については、ベッキーのお父さん(相変わらずカッコいいジェフリーさんに出会えて嬉しいです)以外は感情移入できない登場人物ばかりで、アンタらいったい何やってんの?何考えてるの?みたいな行動・思考のオンパレード。どう考えてもあまりに非現実的な流れなので、リアル「手に汗握る」状況なのに基本的には終始傍観者のノリで「んなワケないだろ!」とかツッコミまくってました。 実は幻覚でした系の演出が途中に挟まる構成はちょっと異色で面白かったですけれど、基本的にはご都合主義ばかり。猛禽を素手で倒してナイフもなしに食っちまうというあり得ない演出には苦笑でした。いくら首を抑えても両足で切り刻まれてしまいますって。だいたいからして殺されたトリさんが可哀そう過ぎてヒロイン憎し。尚更に感情が離れてしまいました。 救出シーンの割愛はある意味正解かも知れません。おそらくヘリでしょうけれど、それを描いたらまたあり得ねー世界の追加になってしまったでしょうし。 不満点を挙げればまだまだ出そうですが、そのくせ眠気を感じることもなく観終わった私。楽しんで観ていたことは否定出来ません。なので点数的には5点献上します。手に汗握り過ぎて思考がとっ散らかってしまいました。 あ、蛇足ですがもう一つだけ追記。「取り残された」と何回かベッキーとハンターは発言してますが(原語では確認していません)、この状況はどう考えても「取り残されて」ませんから。梯子のせいにしてはいけませんね、言葉は正しく使いましょう。てか、あくまでも自ら招いた状況だということを理解していないというか…。益々感情移入不能になりました。[インターネット(字幕)] 5点(2024-06-19 14:49:30)《改行有》

5.  PLAN 75 《ネタバレ》 少子高齢化で社会保障制度が破綻した国家が「PLAN75」という窮余の一策によって問題の解決を図る、というシナリオは、斬新とは言わないまでも近未来SFのひとつのアイディアとして「今の時代だからこそ」生きて来る設定と言えないことはないと思います。ただ、(元の短編作品は未観賞ですが)長編作品としての掘り下げ方はもう少し何かあったのではないかと思えてしまいました。 登場人物は老いも若きも日本人も外国人もそれぞれに悩み疲弊し、眼前に迫る課題に対しての何らか答えを見つけようと煩悶する。やや削ぎ落した感のあるエピソードではあるものの、主演の倍賞さんは勿論のこと出演者の好演に支えられ、重過ぎず軽過ぎず観る者に(一人ひとりの今のライフスタイルや年齢に応じて)現実味をもって迫ってくるものを感じました。倍賞さん演じるところの主人公の最期の選択には、単に尊厳死を否定することだけではなく、それでは老いても生きることにおける希望とは何か、ということを考えさせられました。 にも関わらず何か絵空事のようにも感じてしまう。その理由のひとつには、「PLAN75」が(もし現実化するのであれば)今まさに必要な施策であって、いつだか分からない未来将来の話だとすれば実効性の低い施策にしか思えず(放っておいても近未来には人口ピラミッドは推移するので)、同時に対象年齢の者にとっては、仮令漠然としたものであっても「死」を現実のものとして受け止めてでもいない限り、さして喫緊の課題にはならないだろうと思えてしまうということがあります。 端的に言わせていただくのならば、興味深いけれども今ひとつ我が身のこととは思えず感情移入しにくいということかも知れません。年齢的には十分片足突っ込んでいる私ですが。 真面目に現代の社会問題を捉えた作品であることは間違いないとは思いますが、何か釈然としない思いが残り6点献上に留めたいと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2024-04-18 10:12:34)(良:1票) 《改行有》

6.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 サイコホラーとしては随分とライトな作品。誘拐され監禁されているとは言え、陽の光が入る広々とした地下室、緊縛されていることもなく出入口は施錠されてもいない。犯人が時折り訪れて暴力を振るうということもない。つまり、差し迫る恐怖という状況は演出されていません。なので恐さは殆ど感じられません。 そしてオカルト或いは超常現象的なことが大上段から振り下ろされています。具体的には、ひとつには妹の持つ母譲りの予知能力。父親は否定(と言うより嫌悪?または恐れている?)しているし先生も刑事も最初は全否定しているものの、結局は素直に受け入れている。事件の解決に向けた決定打ですね。 もうひとつは、よりいっそう重要な要素である黒電話から聴こえる亡霊の声。これはフィニーの特殊能力とも受け取れますが、フィニーの脱出劇はこれなしには実現しなかった訳で、妹の予知夢に基づく警察の急襲によって恐らくは救出出来たのでしょうけれど、犯人が死んでいなければスムーズだったとは限らない訳で、ふたつの超常現象・特殊能力があって初めて無事一件落着と言って良いのでしょう。 超常現象や超能力ありきの物語はある意味何でもありの世界ですから、そういう意味でも結構ライトな安心して鑑賞出来るサイコホラーと言えるでしょう。と同時に、そのあたりの変化球がお嫌いという方には「んな訳ねーだろ!」的な受け入れ難い展開とも言えるでしょう。私は肯定派なので評価は高めです。 ただ、ちょっとだけ気になったのはエンディング。フィニー兄妹の成長物語、そして父親も含めた家族の物語としてのハッピーエンドと素直に受け取れば良いのかも知れませんが、何と言ってもフィニーは殺人を犯した訳ですし、果たして正しい成長を遂げたのか?周囲から恐れられる存在となってしまった彼の将来に闇はないのか?全く触れられなかった犯人像と絡め、必ずしも清々しい余韻だけを残した作品ではないのでは?特に未読ですが原作はジョー・ヒルさんということもあるし…と思ってしまった次第です。 もしも続編を作ったならば、その中でフィニーは仮面を被り…?! なんてのは妄想かな?[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 12:19:11)《改行有》

7.  プリズナーズ・オブ・ゴーストランド 《ネタバレ》 この世界観は決して嫌いではなく、第一印象としては寧ろ好きな分野と言うか好感を持って受け止めました。シチュエーション的に、あるいはビジュアル的に好きなパートはいくつもありました。しかしながらその反面、受け入れ難い描写も多々あり、監督を始めとする日本人スタッフが作り上げた作品とは思いたくない部分もありました。 つまり、個人的には極めてツギハギ感のある作品という印象で、あたかも狙っているかの如く、B級時々Z級感を醸し出すべく用意した具材をゴチャ混ぜにして繋いだという感じでした。そして、その中心を成す線上で、敢えて日本文化や歴史観を蔑んでいると言うか貶めているとでも言いましょうか。 意欲的なファンタジーホラーあるいはファンタジーサスペンスと言うべきかも知れませんが、個人的にはシニカルでダークなコメディとして理解しています。もっとハッキリとした方向性を見せて欲しかった。ニコラスさんをもっと魅力的で感情移入出来るようなキャラに仕立てて欲しかった、といった感想です。残念。[インターネット(字幕)] 4点(2023-12-28 10:22:15)《改行有》

8.  ブラッド・レッド・スカイ 《ネタバレ》 旅客機と言う閉鎖空間。凶悪で狂暴なハイジャック犯。早々にあぶり出され始末されてしまう航空警察。逃げ場もなければ闘うことも出来ない乗員・乗客。我が子を案ずる病弱な母親までもが躊躇うことなく射殺されてしまう。しかし、その母親には秘められた特殊な能力が備わっていた。彼女は不死身だったのだ。何故ならヴァンパイアだから。 いいですね。シチュエーションが大変魅力的。乗客の中にセガールさんやブルースさんのような超人的戦闘マシンがいて犯人たちを壊滅させる物語でもなく、機内で感染爆発が起きて絶望的な状況に陥るものの特異体質の乗客が感染することなく危機を救う物語でもなく、ギリギリ自己制御可能なヴァンパイアと機知に富んだ幼い息子が活躍する物語というのは新鮮でした。 しかも、犯行グループ抹殺のみならず、乗員・乗客で最終的に助かるのは善意のイスラム教徒と幼い子どもだけという絶望的なエンディングにもビックリ。あたかもハッピーエンドの如く迎えるエンディングながら、考えてみれば墜落事故に匹敵するとんでもない悲劇。踏み込んだ特殊部隊までもが全員犠牲になってしまうとは。 我が子の為ならどんなにでも狂暴になる母親ナディアのヴァンパイアっぷり、知性に溢れた愛息エリアスの冷静な判断力、テロリストに仕立て上げられ重傷を負いつつも勇敢に振舞うイスラム系男性のファリード。出演する人物も魅力的です。アメリカとドイツとの合作とはなっていますが、ハリウッド製のパニック・ホラーとはひと味もふた味も違う魅力を感じた佳作でした。 強いて言うなら、ヴァンパイアに咬まれた者がヴァンパイアに変わる様がかなりゾンビ映画的なあたりは、ヴァンパイアものがお好きな方には違和感があるかも知れませんね。[インターネット(字幕)] 7点(2023-12-25 11:22:08)《改行有》

9.  フラクチャード 《ネタバレ》 緊迫感とミステリー感に溢れ見応えのある1本、と言いたいところですが、残念なことにかなり早い段階で「夢オチ」若しくは「妄想オチ」、それとも「実はみんな死んでましたオチ」だろうという予測が容易に立ってしまいます。 「残念ながら二人とも…」という台詞まで流れてしまうと、これはもう確実に少なくとも二人が死亡していることが確定してしまう訳で、その二人が実は冒頭の親子三人ではなかったということは終盤まで判らないものの、サスペンス或いはミステリーものとしてはあまりにストレートな演出かと。 サム・ワーシントンさんを始めとする出演者の演技力に加え、何と言っても娘役のルーシ・カプリちゃんの愛くるしい演技が素晴らしく(特に表情)、冒頭に述べました通り見応えはあります。何となく既視感はあるもののストーリーも魅力的。それだけに、もう少しミステリー然とした構成(観客を混乱させる)、或いはホラーテイスト(ホラーとしては作られていないのかも知れませんが)を強めにして欲しかった。そんな気持ちからやや低めの6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-17 11:18:03)《改行有》

10.  プリデスティネーション 《ネタバレ》 タイムパラドクスものは好物であるにも関わらず未見でした。遅れ馳せながら鑑賞。 タイムパラドクスには大雑把に分けて二つのパターンがあると常々素人考えしている私。二つというのは、ひとつは過去を変えると未来が変わるパターン、もうひとつは過去を変えても新たに時間軸が分岐して並行世界が加わるというパターン。 しかしながら本作は、その二つのパターンのハイブリット的構造になっていて、二次元的に表現すれば劇中にも登場するように自らの尻尾に食いつく蛇のようなループ構造なのですね。それによって主要な登場人物が皆同一人物であることによる矛盾を解消しようという試み。いや逆かも。主要な登場人物が皆同一人物であることによって矛盾を解消しているのかも。原作がしっかりしているだけに流石の展開ですね。 ただ、そうは言ってもひとつの矛盾を解消しようとすれば新たな矛盾が生じてしまうもの。大きな疑問のひとつとして、輪廻することによって切り離された過去と新たな時間軸の接合点についてが今ひとつ理解出来ませんでした。そしてもうひとつ、同一の世界に住む他の存在と時間が共有されていること。勿論、個々人が時間を占有することは(多分)無いと思われ、時間を共有している他者が如何に「爪痕」を最小限に抑えようとも並行世界は同時多発的に増殖しかねないような?何より「爪痕」を抑えるのは何のためなのか?考えれば考える程、素人考えはループし続けてしまいます。 こんな風に悩み考えて何度も鑑賞出来る作品はそうそう多くはありません。納得は出来ずとも傑作であることには変わりなし。9点献上します。[インターネット(字幕)] 9点(2023-12-11 10:35:50)(良:1票) 《改行有》

11.  フィフス・ウェイブ 《ネタバレ》 遅れ馳せながら鑑賞。既に皆さんのレビューで書き尽くされている感があり、敢えて語ることもあまりなく…。SF作品としては相当問題ありですね。ご都合主義もここまで来るとぐうの音も出ないと言うか。 リック・ヤンシーさんによる原作のヤングアダルト小説三部作は2018年に完結していますが、映画版の方はどうなるのでしょうか?原作未読ですが、600ページ近い長編の第1作を映画化した結果が本作と考えるに、2作目も3作目も同じようなギクシャクした展開で引っ張られてしまいそうで期待は薄いような…。 殺戮シーンとかをもう少々抑えめにして、完全にお子様向け作品にした方が良かったですね。であれば、この断片的で整合性や合理性に乏しい作品も、単にアクションや特撮を楽しむ娯楽作品として評価されたかも知れません。 唯一の見どころ、大好きなクロエちゃんの頑張りに+2点の4点献上します。[インターネット(字幕)] 4点(2023-10-24 11:15:25)《改行有》

12.  PLANET OF THE SHARKS 鮫の惑星(TVM) 《ネタバレ》 一見すると(既視感は脇に置いておくとして)ビジュアル的にはかなり頑張って作られていると思います。 海水温の上昇でプランクトンが死滅し、捕食する魚類が激減、結果海の食物連鎖の頂点に立つサメはエサ不足から人間を襲うようになる。氷河が全て融けて地球上の98%が海水に覆われるのかどうかは諸説ありそうですが、一応理に適っているかのように感じさせてくれます。サメたちのビジュアルも過去のサメ映画と比較して遜色はないと思います。使い回し感も然程感じることなく鑑賞できます。 つまりお膳立てはまずまずということです。が、そこはやはり低予算作品ならではの弱みと言いますか、じっくり見て行くといろいろ思い至ってしまいます。 深い海の上を泳いでいるはずなのに、どう見ても浅瀬で四つん這いになって泳ぐふりしているのがマル分かりだったり、カットの始まり部分で台詞の語り出しに微妙な間があったり、要は演出上の粗と言いましょうか。それでOK出すなよ、みたいな。 他にも脚本の問題なのかそもそものプロットの問題なのか、リーダーの博士が自己主張が強烈で人の話に全然耳を貸さない独裁者で感情移入出来なかったりとか、ロケットでCO2の削減装置?を打ち上げてたった半年で完全に水没してた自由の女神が上半身出すほど海面が下がるか?とか、そもそも世界観が狭過ぎて、いくら地球全体が水で覆われてるとは言えアメリカ以外の研究施設だって残ってるだろうに他との調整なしにたった1基しかないロケット打ち上げるか?しかもサメ電源で、とか。気になる点は多々あります。 そして、サメ映画としてのメインであるところの母ザメの正体がイマイチ不明瞭です。突然変異なんでしょうけれど、そこは「ありき」で話が進んで行きます。いきなり進化はないだろうに。 予想外の設定で驚かせてくれるある意味見応えのある作品ですが、あまりに緊張感が薄くシリアスなのかコメディなのかどういうスタンスをもって臨むべきか迷ってしまう作品。でも、結構好きなので甘めの6点献上です。[インターネット(字幕)] 6点(2023-09-11 11:23:49)《改行有》

13.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 原作は未読なのでシンプルに本作のみの感想です。 ひさびさに大いに笑えたアクションコメディ。と言っても大笑いではなく、全編通じてクスリとさせてくれるお洒落なコメディ。コテコテのアメリカン・コメディではないところがいいですね。 伏線回収だらけというのもまた愉快。なるほどと思わせてくれる過去の出来事とのリンクがあるかと思えば、小物を使って見え見えの無理やり感ある回収もあったり、矢鱈と多い回収ぶりですが回収の仕方も逐一工夫されてて飽きない。 一昔前の外国人目線による日本人のキャラや街の風景とかも、今更そりゃないだろというレベルで確信犯的に持ち込んでるところが楽しいです。挿入曲もまたしかり。 監督の日本愛なのか?それともブラピの日本愛なのか?ちょっと歪と言うか歪んだ愛かも知れませんが愛されるということは嬉しいものです。ラストの大事故を筆頭に只管荒唐無稽で非現実的な作品ですが、だからこそ手放しで楽しむべき作品でしょう。 作り手からの愛されてる感とラストを締める真田広之の存在感に+1点の8点献上します。 (蛇足)どう考えても「ブレット」じゃないでしょ「バレット」でしょ。映画とは関係ありませんがGibsonの「DOVE」を昔は「ドブ」と呼んでましたけれど、今では「ダブ」か「ダヴ」が普通だなぁということを思い出したりしました。邦題を命名した方が作品内の日本観を反映して懐古的にローマ字読みにしたのであれば、それはそれで深くて有りかも。[インターネット(字幕)] 8点(2023-08-25 00:11:34)《改行有》

14.  ファーザー 《ネタバレ》 認知症という疾病を身近に感じているか否かによって受け止め方が大きく異なる作品だとは思います。 確かに、認知症を発症していながら奇跡的に寛解した人でもない限り、本作に表現されている世界が認知症患者の見ている世界、感じている世界そのものであるとは確信も明言も出来ないでしょう。否、仮に寛解した人であっても罹患当時の記憶はないかも知れないですね。これは、あくまでも第三者が感じている認知症の世界を視覚化した作品だと思います。 しかし、その表現力が素晴らしいと思います。私自身、認知症患者が身近に居る経験をしていたし、現在進行形でもあります。患者と言っても一括りに出来ないことは言うまでもありませんが、まさに本作に表現されている世界が、主観的な推測に過ぎないにせよ現実にも感じ取れます。 また、アンソニーの一人称視点だけで構成せず絶妙に他の登場人物の一人称視点か絡み合うところも素晴らしい。原作の戯曲は未見なので、作品そのものの素晴らしさなのか、それを咀嚼し昇華させた本作のスタッフが素晴らしいのか判断できませんが、作品全体の構成に隙がなく、1時間半余りの作品にも関わらず重厚な大作を観終わった後のような充実感がありました。 自らの問題、家族の問題、友人の問題として観るのも良し、全く縁のない世界として観るもよし、優れた映像作品と思いました。とりわけアンソニー・ホプキンスさんのこの名演をもってすれば、満点献上は当然と思えた次第です。[インターネット(字幕)] 10点(2023-08-23 13:40:23)(良:1票) 《改行有》

15.  プラネット・オブ・ロボット 《ネタバレ》 ワープ航法?についての解説には若干「?」という感じですが、オープニングはこれから始まる謎の惑星冒険譚への期待が高まる雰囲気です。命からがら脱出して地表に降り立つ辺りまでのスリリングな展開も良い感じです。 がしかし、そこからの展開が何ともスピード感がないと言うか。宇宙飛行士の動きが緩慢なのが一番のビジュアル的な問題だとは思いますが、画面の転換の度に入るブラックアウトや背景のボカシ過ぎとか、演出自体の問題も無視できません。それらを纏めて一言で言えば只管退屈。ストーリーそのものは決して退屈ではないだけに非常に残念です。 ただ、肝心のストーリー展開においても、高度に発達した科学技術に基づいた宇宙旅行の筈なのに、計算ミスで到着時間が太陽5周分もズレちゃったから事故が起きたというのはどうなんでしょう?何かもう少しそれっぽい理由は見つけられなかったのか? 結局、やや「猿の惑星」的展開で件の惑星が核戦争後の地球だということが判る(観ている者にはその前に「ジャックダニエル」と「ユニオンジャック」で知らされてますが)訳で、宇宙飛行士は希望の星を抹殺された悔しさから核戦争を起こして自滅した地球人を批判するのですが、だからって非業の死を遂げた人の白骨死体をタコ殴りして良い訳はないです。 モチーフ的には「猿の惑星」を想起させられますが、時折り挿し込まれる赤ちゃんの映像は「スターチャイルド」?と思えたりもして。決してつまらなくはないのですが、観終わってみれば、全てを知って彼はこの先何処へどうやって前進するのだろうか?という虚無感ばかりが残る物語でした。 ちなみに、エンドロールでキャストとスタッフを見る限り、かなり親族で固めた作品のようですね。そういう意味でも結構小さく纏まった作品です。[インターネット(字幕)] 4点(2023-07-13 20:50:51)《改行有》

16.  15キリングス 《ネタバレ》 この作品で語られて行く物語は、70~80年代にロンドンで起きた事件と酷似しているように思われるのですが、ネットで検索する限りでは「実話」という記載は確認できませんでした。同事件をベースにした映画・TVドラマは他にあるのですが本作はそのラインにはないような? さて前置きはそこまでとして、本作では一貫してシンプルかつリアル、半ばドキュメンタリ―的に連続殺人犯の行動が語られて行きます。基本的には、面会している脳科学者の医科学的解説をなぞるように彼の行動が語られて行くという構成で、それ故にサスペンスドラマでありながらもドキュメンタリー風に感じさせられるのだと思います。 主役のスティーヴ・ボンジョルノという方は他作で拝見したことはないのですが、かなり恐ろしい雰囲気を醸し出していて、脳科学者を演じるマリア・オルセンさんも只管訥々とサイコパスの脳について解説していて恰も本物の科学者のようであり、そのあたりもドキュメンタリー風味を強くしている要因と思います。 個人的に残念だったのは、150人に1人がサイコパスというところで纏めてしまったあたりで、サイコパス=殺人者のように受け取られかねないのでは?という部分です。ドキュメンタリーのようでありながらあくまでもフィクションという作品であることが、医科学的な深掘りを必要としなかったといったところでしょうか?[インターネット(字幕)] 6点(2023-06-28 12:57:11)《改行有》

17.  FRANK -フランク-(2014) 《ネタバレ》 ジョンとフランク、そしてバンドメンバー全員にとっての共通言語は「音楽」。ただし、ジョンにとってのフランクの「音楽」はバンドメンバーにとってのフランクの「音楽」とは異質なものであって、しかも相容れないもの。「音楽」の才能がないからこそ、それどころか何一つ自信を持って自己表現出来るものがないからこそ、我を忘れて「音楽」に拘泥しているジョンは、フランクとバンドメンバーが築き上げて来た「音楽」を破壊し、自らの価値観に引き込もうとします。そのジョンの価値観も、SNSで無責任に踊らされているものに過ぎません。どうにも生きることに不器用なのですね。 この作品、とりわけ「音楽」に固執することもなかったのだと思います。絵画でも詩でも演劇でも舞踊でも、自らの本質を表現し得る媒体であれば何であってもこの作品の趣旨は成立させられたように思えます。 概念としての仮面を破壊された上に現実の仮面も物理的に破壊されたフランクは、再び心を闇に閉じ込めてしまいます。しかし、意外にも手を差し伸べたのはジョン。バンドメンバーとの再会は仮面のないフランクの心を解き放ってくれます。そして、全てを失ったジョンは仮面を被って生きていくのでしょうか。 ジョンの家とフランクの家の環境が酷似しているところを見る限り、ジョンはフランクであってフランクはジョンであるような気もしますが。 スタイリッシュなエンドロールが物語をよりいっそう切ないものとしていますね。沁みました。[インターネット(字幕)] 8点(2023-04-16 23:38:33)《改行有》

18.  プラットフォーム 《ネタバレ》 ストレートに受け取れば、この作品は社会の構造的欠陥や資本主義とそこに生きる人間の堕落、歪んだ宗教観等々、いろいろと暗喩しつつ批判的或いは教訓的な色彩を加えているのかなと思いますし、恐らくは作り手はそのような趣旨をもって製作したのでしょう。 肝心の構造物については、登場人物の精神世界を具現化したと思えなくもないのですが(単に禁煙道場でマインドコントロールされている主人公の幻覚とか)、やはり単純に矛盾点をSF的に何でもありにしている実体としての構造物なのだと思います。 必要以上にグロく演出しているように思えて好感度は低いのですが、不条理系SF作品としては大きく破綻してはいないかと思いました。 ただ、邦題は「台座」で原題は「穴」というのは少々気になるところ。配給元としては生きるための糧を載せて各階層を上下する「台座」こそがこの作品を象徴していると解したのでしょうけれど、製作者はあくまでも各階層を良くも悪くも繋いでいるルートとして「台座」よりも「穴」をタイトルに選んだのではないかなと思いました。二者は似て非なるもの。邦題には違和感があります。 それからラストシーン。文字通りのどん底で見出した希望の象徴である幼児を、ゼロ階層に届けることが果たしてメッセージなのか。だとしたら、そこに至るまでのプロセスを考えれば随分と綺麗事過ぎるメッセージであり、恐らくは伝わらないでしょう。少なくとも理不尽な構造を改革するきっかけにはなり得ないメッセージではないかと。 そして、最下層で闇に消えた二人は何処に行くのか。地獄なのでしょうね。であれば、待っていたのは希望のフリをした絶望。救いようのない結末と思えました。[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-09 12:08:54)《改行有》

19.  ファイナル・デッド・ツアー 《ネタバレ》 原題が強烈なこの作品、「ツアー中のバンドが行く先々でゾンビに襲われる」みたいなベタなゾンビ作品かと思いきや、緊急参加したツアーメンバーが、深夜0時になると人喰いモンスターに変身するというゾンビよりバンパイア作品みたいな物語。そしてモンスターは、本人曰く一応自己管理は出来ていると言うことで、バンドにとって有害な相手?だけを喰い殺します。 そんな結構無茶な設定でお話は展開する訳ですが、ペックの本名がとんでもない名前だったりしてチョコっと下ネタありのコメディ風味。とは言えコテコテのお笑いネタやら演技やらは出て来ないし、グロさは結構盛り込まれているので、どちらかと言えばホラー寄りと言って良いかも知れません。ただし、残虐で冷徹なバケモノとも言い難く何となく人間味のある怪物が暴れるという。 そして、ダーの演奏シーンはなかなかちゃんとしてます。普通にカッコいいパンクバンドに見えます。もしかしたら本物のインディーズバンド?みたいに思えました。特に女子二人は音楽とは関係していないようで、本物のバンドではないのですが。 エロありグロあり笑いあり音楽あり、そこに更にヒューマンストーリー的エッセンスもふりかけたジャンルレスな作品。観終わってみれば大いに満足しました。お約束的エンディングは続編も期待させてくれますがそんな話はないような? ちなみに、冒頭に「実話を元に」って出ますが、んな訳ないですよね?[インターネット(字幕)] 7点(2023-03-28 22:13:17)《改行有》

20.  ファイナル・アワーズ 《ネタバレ》 感想としては↓の方のご意見にほぼ全く同感です。なのでここで書くことは自分なりに引っかかった点について。蛇足かも知れませんが書きます。 冒頭リアルなセックス描写があります。終盤で出て来る乱交パーティ会場でのセックス描写は当然必要かもしれませんが、冒頭に何故それを持って来たのか。どの道置き去りにしようとしている彼女と敢えて激しく求め合うシーンを持って来たのは、主人公の動揺ぶりを示すためだけのもの?それとも彼女との別れを決意するための行為?でも、いきなりそれを見せられて作品の方向性を早合点してしまう人もいるかも。必要だったのかなぁ? そして妊娠を告げる彼女。時が時だけにだからなのか、二股掛けた相手の妊娠にまるで動揺せずそれでも置き去りにする主人公。これもまた自らの確定的な命の危機に動揺し、半ば錯乱している主人公の有様を描いているのか? 母親と再会し素直な心を取り戻していく主人公。姉の死を告げられないのは母親への最後の優しさ。乱交パーティの会場には連れて行けないにしても、冒頭の彼女と同様に置き去りにしてしまう。自分だったら出来るだろうか? そして少女とその父の亡骸を置いて冒頭の彼女の元に走る主人公。この時点では自らを見つめ直し、人としての生き方を選んだ後だけに置き去りは止むなしといったところか?母親よりも、少女よりも、裏切り撃ち捨ててしまった自分への無垢な愛に応える道を選んだのだろう。でも、自分だったらどうだろう?老いた母親の元に駆け付けないか?はたまた幼い少女を置いて行けるだろうか? 類似の作品は幾つか観て来ましたが、この作品には考えさせられることが多かったです。 そして、特に少女の演技と愛らしさは特筆もの。それもあって、迷いましたが8点献上します。[インターネット(字幕)] 8点(2023-01-20 10:56:14)《改行有》

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