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1. フォーガットン
《ネタバレ》 アルフレの吸引シーン(世間では、逆バンジーや、ズバコーンと呼ぶ)は、本当に素晴らしい映画的発明で、それだけでこの映画が大好きになる。映画館で鑑賞したのだが、何だかすごく心が豊かになった気がした。物語が全くなっていないけれど、映画はお話ではないし、ジュリアン・ムーアの演技力と、手堅いミステリーがとても感じがいい。繰り返しになるけれど、本当に大好きな映画です。[映画館(字幕)] 10点(2011-07-27 01:41:45)
2. ファイナル・デッドサーキット 3D
私はこの映画を非常に高く評価している。この作品は、ハリウッド映画のひとつの達成である。ハワード・ホークスは、農具を銃撃戦のための遮蔽物として描いた。これにより、農具は西部の雰囲気を醸し出すという役割から解放された。神話や歴史的意味から、物それ自体を解放したのである。これは、二十世紀初頭に交流したモダニズムの特徴である。ファイナル・ディスティネーションシリーズでは、ハワード・ホークス的な演出を踏襲する。「物」がその歴史的、神話的文脈から解放され、殺人マシンと化すのだ。車、天井のファン、芝刈り機、排水溝は、本来の役目を放逐し、殺人という目的のみに奉仕する。純粋に殺人という機能に還元された装置!こうして、「物」はオブジェと化すのだ。まさに、モダニズム!あの抽象性!二十世紀初頭、たモダニズムは一部のインテリにしか広がらなかった。しかし、二十一世紀の今、ファイナル・デッドサーキット3Dにおいて、モダニズムはエンターティメントへと昇華された。モダニズムは、百年の時を経て、今ここで開花したのである!素晴らしいとしか言えない![映画館(吹替)] 10点(2009-10-31 23:32:59)
3. 譜めくりの女
各シークエンスに力があり、怪しげな緊張感が漂っている。この監督の演出力に、並々ならぬものを感じた。多くを語らないデボラ・フランソワの不気味な存在感、またチェロを足に落とすシーンにおける完璧なモンタージュにやられた。時間を置かずに、思わず二度見てしまうほどの傑作だった。[DVD(字幕)] 9点(2009-01-16 16:35:43)
4. ブラインドネス
《ネタバレ》 カンヌ映画祭で苦戦を強いられたという本作。たしかに、登場人物を突き放した視線で眺める演出は不愉快。しかし、僕はこの映画を大いに楽しむことができました。それはジュリアン・ムーアが非常に感情移入しやすい女優だったからです。この点は『フォーガットン』の監督、ジョセフ・ルーベンも同様の意見です。そのため、登場人物を突き放した演出手法なのにもかかわらず、僕はジュリアン・ムーアに感情移入することができ、上映中常にはらはらどきどきしていました。
僕がもっとも恐れていたのは「ジュリアンが失明する」ということです。この白の病の原因は不明で、ジュリアンが病気にかからないという保障はどこにもありません。だから、スーパーの暗闇で、スクリーンが真っ暗になった時、僕は尋常じゃない恐怖を覚えました。あぁ、ついにジュリアンも失明したのだ、と。
感情移入の対象が失明するのは、それが死ぬことよりも恐ろしいことです。別に感情移入の対象が死んでも、観客が死ぬわけではないのですが、感情移入の対象が失明したら、観客も失明します。少なくとも、映画はそれをする力がある。スクリーンに何も映さず真っ暗にするという演出方法など、映画は観客の視覚を操作できるのです。
だから、映画のラスト、伊勢谷友介が視力を回復した時の安心感といったらなかったです。本当に「重荷から解放された」といった感覚です。
しかし、このような「感情移入の対象が失明するかもしれない」という不安を与えるには、メイレスの突き放した演出は不適切だといます。〈追記〉やっぱり、これは傑作です。劇中ジュリアン・ムーアが失明することはありません。しかし、「ジュリアン・ムーアがいつ失明するか否か」という点が、やはりこの映画を引っ張るサスペンス要素になっています。スーパーの地下室及び、収容所で時計が止まった場面、加えてラストシーンの演出において、あたかもジュリアンが、視力を失ってしまったかのような演出がなされます。その度に、僕は「あぁ、ついにジュリアンも失明したのだ」と思いました。それは勿論、監督によるトリックであったわけです。その視力を奪われてしまうかもしれないという不安感が、「ブラインドネス」の醍醐味であり、最高スリリングな点です。だから、10点!映画観に来た観客を失明させようとする映画なんて、前代未聞![映画館(邦画)] 10点(2008-12-11 15:19:28)(良:1票) 《改行有》
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