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1. フレンチアルプスで起きたこと
《ネタバレ》 - うまい。三谷幸喜や伊丹十三なんかが好きな人は合うんじゃないかな。
- 緊張と緩和があり、シリアスなシーンの中にも折々、日常を感じさせるどこか他人事なやり取りが挿入される。
- どこの家庭にもある夫婦間の感情のズレも、いちホテルの従業員から見ればやはり他人事で、でも本人はどうしようもない感情に押し流されて慟哭が止まらない。
- せっかくの家族旅行なのにどうしてうまくいかないんだろう。それでもみんな手を繋いで、前を向いて歩いていくんだ。ズレや悲しみを誤魔化しながらも。
- ラストシーンがどこかヴィットリオ・デ・シーカ監督の自転車泥棒を彷彿とさせた。
- 電動歯ブラシのシーンいいなあ。奥さんがスキー場で用便するシーンを入れるのも上級者。
- 深刻な状況でもトイレは行きたくなるしスッキリと解決しないまま明日は来てしまう。
- 謎のクラブシーンもよかった[インターネット(字幕)] 8点(2024-06-24 16:27:33)《改行有》
2. 舟を編む
《ネタバレ》 原作未読。
尺の都合もあるのか、話の展開に省略の跡が感じられる場面が数箇所ありました。ただ、不明瞭または不自然というほどではなく、むしろ事情や心情を想像して楽しめました。
当初、純文学的な作風になるのかな?と思いきや、うっすらコメディタッチで、
しかしながら、過剰に笑わせに来ないところが見事なバランス感覚だと思いました。
キャストが粒ぞろいということもあり、彼らの演技に対しては特に文句なしです。
演出も良いのでしょう。というか、泣けるシーンの演技演出が…自分の過去の体験を想起させるようで度々ボロボロっと来ました。
「言葉」が1つのアイテムになっているので、日常で気にかけなかった語義や、言葉遣いが見れて聞けて、飽きることがありませんでした。
唯一否定的に見たのは、ああいう状況になった場合の、過酷な労働を美化してる?
マネジメントとして、プロジェクトリーダーとしてどうなんだ、というところでしたが、
出版社はそういうものなのでしょうね。
でも正直もう一度見たい作品です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-04-22 00:46:18)《改行有》
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