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プロフィール |
コメント数 |
14 |
性別 |
男性 |
ホームページ |
https://www.facebook.com/TatsuoHaruoka |
年齢 |
68歳 |
自己紹介 |
つくる苦労知ってますので その苦労考えると評価0はないですよね。 でも、ビデオが高額な時代、作品の酷さに腹が立ってよく投げ捨てていたので、その気持ちはわかります。 逆に映画をネットで見られるようになってありがたくなるばかりです。
映画探しで迷う時、このグループのおかげでたくさんの映画を教えてもらい助かりました。 少しだけでも楽しく恩返しできたらと思っています。 |
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1. プライベート・ライアン
《ネタバレ》 リバイバル上映で改めて映画館で鑑賞した。15歳の娘から誘われて観に行こうと言われた時は驚いた。
これを見ようという娘も大したものだと思った。最初のシーンは覚悟して観なさい。と伝えて一緒に鑑賞。
改めて大画面でこの映画を鑑賞できるのはとても嬉しい。
オマハ・ビーチの地獄のような上陸シーンは、その凄惨さとリアリティによって圧倒される。戦争の狂気を真正面から描き出した。
その後の救出任務をめぐる物語も、戦場における道徳、犠牲、そして生きることの意味を問うものだった。
しかしながら、個人的にどうしても引っかかる部分がある。それは、トム・ハンクス演じるミラー大尉の運命についてだ。
ここまで強運続きで生き抜いた彼が、まるで脚本の都合のように「やっぱり死ぬべき運命だった」とばかりに最期を迎える。
「Earn this(これに見合う生き方をしろ)」とライアンに語るシーンは感動的だが、
どうしても「ここで彼を死なせるために、脚本が無理に運命を決めたのでは?」と感じてしまうのだ。
とはいえ、作品や物語の中で「キャラクターの生死」を描き、それをドラマやテーマの演出に活用することは、
古今東西・ジャンルを問わず極めて一般的な手法ではある。
スピルバーグほどの監督が理解してないわけではない
これは受け止めるしかないのかなとも思う。
ライアン二等兵の存在感の薄さも気になってしまう。
ライアンは題名になってはいるものの、主人公というわけではない。
とはいえ、彼の葛藤や内面がもう少し掘り下げられていたら、物語全体のテーマにより重みが増したかもしれない。
そして、本作は戦争を美化していないと言われるが、ラストのライアンの墓参りのシーンや、星条旗を掲げる映像には
「米国に特化して感傷的すぎる」と感じる部分もあった。
戦争の悲惨さをここまでリアルに描いた映画だからこそ、観客の国籍によっては違和感が残るのではないかと思う。
これをもって本作の評価を下げるつもりはない。むしろ、それを超えるほどの魅力がこの映画にはある。
まず、戦場描写のリアルさは間違いなく映画史に残るものだ。
オマハ・ビーチのシーンは、まさに「戦場に放り込まれた」かのような感覚を味わわせる。戦争を経験していない私だが、
これほどまでにリアルな戦争の恐怖を感じた映画はない。
また、キャスティングも素晴らしい。トム・ハンクスはもちろん、部下たちのキャラクターもそれぞれ魅力的で、
特にバリー・ペッパー演じる狙撃兵ジャクソンの存在感は圧倒的だった。彼の「戦場における信仰」の表現は興味深く、
死の中で神に祈る姿が印象に残った。
この映画は間違いなく傑作だ。
戦争映画の歴史を変え、映画技術を新たな段階へ押し上げた作品であり、映像のリアリティ、俳優陣の演技、
戦争の道徳的ジレンマの描写など、あらゆる点で卓越している。
この映画が「戦争映画の金字塔」であることに変わりはない。
もし、まだこの映画を観ていない人がいるなら、ぜひ観てほしい。
戦争を知らない世代こそ、本作を通じて歴史の重みを感じるべきだと思う。[映画館(字幕)] 9点(2025-03-07 13:58:10)《更新》《改行有》
2. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
1969年のアポロ11号月面着陸を背景に、「月面着陸捏造説」を逆手に取ったロマンティック・コメディだ。
テーマとしては宇宙開発の捏造という大胆な切り口だが、その描き方がコミカルで皮肉たっぷり。
主演のNASスカーレット・ヨハンソンと、発射責任者役チャニング・テイタムの掛け合いが秀逸で、二人のロマンスも軽快で微笑ましく、
このコンビの絶妙な掛け合いだけでも充分観る価値がある。
特に感心したのは、月面着陸捏造という大胆な設定を笑いに転じているところだ。
映像を通じて繰り広げられる、ある種バカバカしい捏造劇は、思わず笑ってしまうほど滑稽だが、
一方で、真面目にフェイクを作り上げる登場人物たちを見ているうちに、自分自身の仕事にも似たような滑稽さが潜んでいることに気付かされる。
真面目な表情で必死に取り組んでいるその姿には、自分の普段の仕事の姿を重ねてしまい、不思議な自嘲感にとらわれた。
真剣だからこそ生じる滑稽さという、人間の本質的な部分をうまく突いている。
本作を観て、1978年の映画『カプリコン・1』を思い出した。
『カプリコン・1』は同じく宇宙開発の捏造をテーマに扱っているが、こちらはシリアスで緊迫感に満ちたサスペンス映画だ。
対して『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』は、軽快でコミカルな空気感が特徴である。
この二作品の違いは、まさに描こうとしたテーマに対する「向き合い方の違い」であり、
深刻なテーマを笑い飛ばすことで、逆にテーマの本質を浮かび上がらせているのが面白いところだろう。
しかし、個人的に少し気になったのは、歴史的事実をフィクション化する手法だ。
確かにユーモアとして面白いが、あまりにコミカルな要素が前面に出過ぎると、観る人によっては史実と虚構の境目が曖昧になり、不快感を覚える場合もあるかもしれない。
もう少しだけ、史実への配慮を示しつつ、バランスを取ればさらに奥行きが出る作品になったのではないかと感じた。
とはいえ、『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』は全体的に非常に楽しい映画だ。
スカーレット・ヨハンソンの鮮やかな演技もあって、宇宙開発を題材とした映画としても、
ラブコメとしても純粋に楽しめる出来栄えとなっている。
ちょっとだけ複雑な気分になった自分の心を含めて、鑑賞後にはどこか愛着を感じる、不思議な魅力にあふれた作品だった。[インターネット(字幕)] 9点(2025-03-05 01:28:37)《改行有》
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