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1. ペパーミント・キャンディー
時系列をだんだん過去に遡っていくという『メメント』的構成で描かれる(こっちのが先ですが)、骨太の人間ドラマ。T・H・クックの小説を思わせる素晴らしい出来ばえ。独特の長回しは脚本で上手く消化された自然な仕上がりとなっているし、暗鬱だが不思議と美しさを感じさせる映像も悪くない。終盤で明らかになる主人公の過去がほぼ予想通りだったので一時冷めかけたが、そこはソル・ギョングの熱演に救われた。本当に素晴らしい役者さんで、彼がいなければこの映画の魅力は半減していただろうと思う。あの懐中電灯の場面はすごい![ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-29 14:14:33)
2. ベティ・ブルー/インテグラル<完全版>
桃の薄皮のようにやわらかい感受性で包まれた、ゴムまりのように跳ね回る激しい感情。平和な日々が続いているうちはいいとしても、破裂するのは時間の問題だったろう。半ば結末がわかっているだろうに、なんとか転げ落ちないようにバランスをとろうとするゾルグの姿が痛ましく、苦しい。 ベティの激しさには不思議と崇高さのようなものがある。フランス映画というのは無闇にベッドシーンが多いものというイメージがあるけど、今作でのそれはどうしても必要なものだったと感じた。セックスというといかがわしいイメージがつきまとうのは避けられないが、ある意味ではもっとも「純粋」に愛情を通わせる行為でもある。理性からは遠く、野生動物のように本能的にに愛し合う彼らを表すためには、性描写がどうしても必要だった。逆説的だが、過激な描写でなければ二人の「純愛」は描けなかったと思うのだ。 中心となる物語はシビアなのだが、意外とコミカルなシーンも多く、たびたび噴き出してしまった。コートみたいに壁にかけられてしまう子供とか、バカすぎる新人警備員とか。深刻すぎるとかえって不幸に酔っている空気を感じていやになるが、この映画はユーモアというスパイスを効果的に使っていた。[DVD(字幕)] 7点(2005-11-27 04:04:55)
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