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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ヘンリー&ジューン/私が愛した男と女 硬質な肌触り、それでひんやりしている。とりわけヒロインのアナイスとジューンの凝視。相手を見抜いてやろうという凝視と、そう簡単に理解されないわよ、と気を張っているために見返す凝視でもあるか。自分の輪郭を絶対侵させまいとする誇りのようでもあり、傷ましくもある。とにかく日本にはない視線。この視線のドラマの迫力が強烈で、ジューンなど「尽くしたのに捨てられる哀れな女」という新派的な弱い存在になりかねないところなのに、彼女が残った二人を裁いているドラマでもあった。彼女、その後社会奉仕の仕事に入ったそう。この閉じた人々の物語で、世の中が姿を垣間見せるのは、ドイツのラジオとこの社会奉仕のナレーションのとこだけ。社会が確実にこの人々を閉じ込めつつある中で、ジューンだけは主体的に社会との関係を回復していく。音楽や映画が同時代の動向を示している。登場する人々がみな毅然としている。駄目な旦那でさえも。[映画館(字幕)] 8点(2014-01-09 09:23:22)(良:1票)

2.  ベートーベン 《ネタバレ》 このころのアメリカ映画における主婦は、仕事より家庭いうメッセージを担っていた。共和党的。なんか家庭像が古風になっている。「パパの威厳もカタナシね」といったこの手の笑いは、そういう威厳の存在を前提にしているわけで、そこも共和党的。パパの一言でペットを飼う・飼わないが左右されるってのもそうだ。これはどの程度現実の反映なのか、それとも現実でパパの威厳なんてものがチリほどもなくなってしまったので、こういう娯楽映画が生み出されていたのか。アメリカの現実の反映か、アメリカの夢の反映か、気になったところ。あと医者が悪役に向いてるのはなぜか、ということも考えた。これは獣医なんだけど、やはり生き死にを扱う、ってところが悪人向きなのか。白衣を着てるだけで、悪人っぽい(すごい偏見だけど)。そんなことを気にしながらでなくては観ていられないあまりに型通りの演出・演技だったが、ペットを処分しに連れ出していくあたりはシミジミしてしまった自分が情けない。[映画館(字幕)] 5点(2012-01-12 10:30:01)

3.  部屋 THE ROOM 車窓から見た東京の風景に新鮮なものを感じられぬでもない。車から見た商店街。東京を中央線沿いに選び取る、ってのはちょっと面白いとこで。でも主人公が殺し屋と分かるとこで俄然色あせた。まあ最初の部屋の注文のあたりでもう何か60年代アングラ芝居(のよくないところ)が臭ったけど。なんでいまさら「殺し屋の哀愁」なんだろう。麿赤児もよくない。今ではパロディとしてしか成り立たないピラニア軍団的雰囲気。洞口依子が車の中で始めて視線を向けたとこのみ、ハッとした。移動は佐野史郎の体を運ぶとこと、洞口嬢が歩いていくとこの二つだけだったか。喫茶店でコーヒーを頼むあたりからシラけてしまった。サクラへのこだわりもよくわからない。[映画館(邦画)] 5点(2011-05-31 12:09:44)

4.  北京好日 《ネタバレ》 前半ネオレアレズモ、後半落語の「笠碁」。いい映画だ。愛すべき気難し屋が活写されていく。所在無さを綴っていく前半から楽しいが、本題は京劇趣味の老人たちに公園で出くわしてから。最初からしゃしゃり出はしない。一歩離れてて、しかしアドバイスを乞われると嬉々として、いちいちコワイロやったりする。で劇団結成。遅刻したら歌わせない、などの規律を定め、愛すべきファシストとして君臨する。みんなはただ歌うのが楽しみなのだが、「芸術家」として統制したがる。風刺や皮肉があるのではない。ただオカシミとして捉えている。老人だと我を張ってもどこか社会に通じてないせいか深刻にならず、遊戯の気分で喧嘩が出来る。お祭りの公演。審査の発表を省略してシュンとした帰り道につながる妙。メイクのまま夜道を歩かせている。ここらへんのブツブツが絡んでいくあたり、混乱の盛り上げ方がとてもうまい。あっちでもこっちでも湧き返ってくるおかしみ。歌うのが楽しいのと世話するのが楽しいのと、なんかこの喧嘩のほうがお祭りみたいで、テーマは「老人の生きがい」なんていうと大袈裟になってしまうな、「人生の手ごたえ」と言ったらいいか、人生ってのはこういうふうにいいもんだ、と思わされた。苦みも陰りもない。中国映画には珍しい澄明感がある。死んだ奥さんの写真は若かった。長い一人暮らしだったんだな。[映画館(字幕)] 8点(2011-05-03 12:21:01)

5.  ベイビー・オブ・マコン 《ネタバレ》 赤と金と黒による厳粛なる悪趣味の世界。光が絞られたときの金が美しい。芝居仕立てにしたことの意義が、もひとつピンと来なかったが、舞台という制約を置いたほうが、この監督のイメージは自在になるのだろう。舞台装置の人工的な感じ。収穫の衰えた世界に奇跡の子を捏造していく話。捏造でもないか、実際に「母」の純潔を守るために誘惑者を牛の角にかけて殺したりするの。パタンと馬小屋の壁が倒れて観客席が姿を現わしたり。この監督にしては悪趣味が抑え目だなあと思っていたら、ラストでちゃんと死体をバラバラにしていた。『コックと泥棒…』のカニバリズムに通じていく、とにかく死体趣味なの。典雅なふるまいと悪趣味が通じているところが、味わいと言うかなんと言うか。[映画館(字幕)] 7点(2011-05-02 09:56:16)

6.  ベルエポック(1992) 《ネタバレ》 おとぎ話的な構図。上の三姉妹にもてあそばれた後に、末娘と結婚し幸せに暮らしましたとさ、って。生き生きする女性どもと、憂い顔の男どもの対比。ふらりと姉妹に惹かれて汽車から戻ったものの、姉妹のペットになっていくような。女性陣の勝利が決定的になるのは母親の帰還シーン、一番いいとこ。庭からの歌声、窓が開く姉妹、屋根裏の主人公も。ベルエポックって、どこか幼年期志向と重なるとこがあるかもしれんね。母性的なるものってことか。王政派も共和制派もけっこうなごやかに暮らしているスモールヴィレッジの雰囲気。二人の警察隊員の死と、神父の死の間に挟まっているベルエポック。二つの男の自殺に挟まれた女の時代、と言ったほうがいいか。軍服の次女に怪しい魅力。あちら本場の人の「タバコ」という発音のアクセント、たいして日本人と違わなかった。[映画館(字幕)] 6点(2011-03-11 12:20:38)

7.  ペリカン文書 《ネタバレ》 読んだことないんだけど、映画化されたものを見た限りでは、この原作者のって、あんまり映画向きじゃないんじゃないの。複雑で。印象に残っているのは、公園(?)で、俯瞰で、ワーッと蜘蛛の子を散らすように逃げていくとこぐらいか。ペリカンの飛行で始まり、飛行機で終わる仕組み。なんか犯行が雑なんだよね。リアリティの欠如。私が犯人だったら、少なくとも同じ日には殺さないと思う。なにか犯人側の打つ手打つ手が自分を指名させていってるようで。で、正義への勇気、というアメリカ映画のいつものテーマ。アメリカではこういうとき「新聞」ってのが拠りどころとして描かれるのが、うらやましい。ジャーナリズムの中立性への信頼。政治に脅されても大丈夫なところ、という前提が確固としてあるんだろう。ヒロインと暗殺者とが、「装う」ところを交互に描くシーンがあったか。[映画館(字幕)] 6点(2011-01-04 15:58:10)

8.  平成狸合戦ぽんぽこ 《ネタバレ》 ちょっと話を複雑にしすぎたか。ワンダーランド社長や狐が絡んでも尻すぼみで、いっそプロパガンダならプロパガンダに徹したほうがスッキリした。そして戦う相手が茫漠としている。作業員三人を殺してどうなるものでもない。この相手のはっきりしないところが、現代のポイントなのではあるけれど。だからこれと対になるように玉砕したわけか。絵としては、狸が三段階になる、リアルな狸・マンガ狸・デッサン狸で、この簡略化されたデッサン狸になるのが、よく意味は分からないが、なんか面白い(群衆だとなる、ってんでもないんだよな)。妖怪パレードのシーンが楽しい。市民社会と幻想とが混在し、市民が楽しんでしまうの。懐かしむというか。屋台の背後での行進、小さな阿波踊りなど、この小ささに味わいがある。消え去った後、ガードレールなどに腰掛けて、あたかも花火大会が終わった後のような気分のカットがいい。その点、ラストの田舎の幻想は、あくまで現在のニュータウンと画面の中で混在させなければならなかったんじゃないか。ナレーションを語らせ続けるのは、そう悪い試みではなかったと思うけど、ときに自然保護運動のチラシの中にあるような固い言葉になる。[映画館(邦画)] 7点(2010-07-18 10:53:21)

9.  平成無責任一家 東京デラックス 家族がぞろぞろと道を歩く場面になると、なにやら味わいがあるが、会話が始まるとそうでもない。話者でない者たちの手持ちぶさたの気配、間を外す笑いみたいのを取ろうとしてるのだろうが、あまり生きてない。一種の「旅芸人の記録」、「巡業」にうんざりしてるんだけど、なんかくっついてやってる、っていうような。導入は市長選のトトカルチョで、いかにも「日本」の風景なんだけど、そのあとのサギがあんまり「日本の断面」って感じでもない。対象は「浮薄な現代東京」してるんだけど、そこを「サギる」手口が鮮やかでない、なにかどこも中途半端。新興宗教めいたのだけ、おかしかった。後ろの連中も一緒に唱え始めるあたり。神社の曲がり角や、桜井センリの床屋などの風景はよし。[映画館(邦画)] 6点(2010-07-02 11:56:18)

10.  ヘブンズ・プリズナー 《ネタバレ》 ハードボイルド系の男って、けっこう演歌的にうじうじしているものなのかも知れない。なんか影が必要なのだ。この場合もとアル中であり、話半ばで妻を殺される。過去を引きずる影がじめじめと出来上がる。冒頭はなかなか良かった。教会の懺悔のあとカメラがえんえんと河を下り、海上の舟に近づいていくの。おそらく南部のけだるさと暑苦しさが味わいになってるのだろうが、アメリカ人でない私にはよく分からん。見せ場としては一応途中で悪い奴を街中追い掛けるのがあるけど、この手の作品は静けさをうまく出すことのほうが見せどころだから、一つ間違うとこのようにダラダラしてしまうんだ。「てめえが生きてるのは、俺の機嫌がいいからだぜ」なんてセリフがかっこよく、いつか使ってみたいものだが、なかなかそういうセリフにふさわしい状況が訪れてくれない。[映画館(字幕)] 6点(2009-08-30 12:01:32)(笑:1票)

11.  ベイブ 豚と心を通わすのが子どもでなくてじいさんというのがいいな。これでずいぶん奥行きが出せた。食われるための豚も牧羊犬も、つまるところ人間の奴隷ではあるんだけど、「尊厳」というモチーフを持ち込めたわけだ。そしてあくまで動物の世界が主で、人間の世界を背景にしたのもスッキリしている。目覚まし時計始末のあたりの演出もなかなかのもので、引っかかって揺れるペンキや転がる毛糸玉、それに足を引っ掛けそうになるところなど十分緊張を高めといて、その瞬間は見せない。あとの乱れた室内と足跡で笑わせる仕掛け。猫の嫉妬による告げ口がポイント。母犬が、そんなことはないのよ、でなく、そうよ、と言うところが立派。豚は食べられるために存在する社会、これを諦念とするか、革命への心準備とするか。おそらくドラマとしてこれ以上突っ込むと、娯楽作品の枠を壊してしまうので、けっきょく「けなげなヤツが尊厳を見せる」といった地点でまとめてしまうんだけど、たとえばこれを見た子どもが、その先を考えるきっかけにはなっただろう。子ども向け映画はそれでいい。でコンテスト、それが豚であるというだけで場内は笑いに包まれ、そのなかでけなげなベイブを見ていると、やっぱり涙ぐんでしまうのであった。[映画館(字幕)] 7点(2009-08-12 12:06:30)(良:2票)

12.  ヘラクレス(1997) 《ネタバレ》 とにかくディズニーチームは、自分たちの決められた様式から一歩もはみ出さないと決めているらしく、これで創造の喜びがあるのかなあ、と心配になる。同じギリシャ的なものなら、『ファンタジア』の「田園」がすでにあるわけで、あれも『ファンタジア』の中ではちょっとイメージの自由さが制限されててレベルが落ちるものだったが、それでも何かを創り上げてやろうという緊張が、これに比べればあった。夜のとばりが下りるシーンを比べただけでも、雲泥の差。こっちはつまらないクスグリを入れるんだ。ラストの、火・岩・風などが出てきたところは、ゼウスはあっちだ、なんて滑稽を入れる場所ではあるまい。ミロのビーナス誕生秘話は、かつて『アラジン』でスフィンクス誕生秘話をやったのの二番煎じ。でも、改心する悪女ってのは好きだから、そこは許せる。悪玉ハデスの青い火もちょっといい。音楽はゴスペル調。[映画館(字幕)] 5点(2009-03-31 11:59:23)

13.  ペパーミント・キャンディー 「前向きに生きよう」なんて言葉を気安く使うな、という凄味がこの映画にはある。なにしろ「後ろ向き」が中心モチーフだ。「後ろ=過去」の復権、「後ろ」の重さ、「後ろ」の開き直り。20年をさかのぼっていく旅は、そりゃ暗い。最後に光州事件に至る韓国の現代史だもん。過去へ過去へとさかのぼった記憶の旅は、最後に一個のペパーミントキャンディーに結晶する、「人生は美しい」って。だからドラマの伏線も普通の因果関係ではなく、まず「果」が現われてから、「因」に至っていくわけ。これじゃ、何もかももう取り返しがつかないわけだ。過去のどこにも選択の間違い(あるいは選択の余地)はなく、すべてはゆっくり損なわれるように決定されていた、ってことを確認するための遡行。敗北主義とか、自己憐憫なんて言葉も浮かぶが、でも人生って、自己憐憫には値するのではないか。[映画館(字幕)] 8点(2008-09-03 12:11:26)

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