みんなのシネマレビュー |
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21. 本日休診 戦後の日本の下町風景、コメディタッチながらなかなか笑えないのは戦争の傷跡や貧しさのせいだろうか。それでも暗くなりすぎないのは、町医者三雲先生の人徳なのだろうか。戦後からの復興を込めたラストシーンが印象的。[DVD(邦画)] 6点(2013-01-14 21:43:37) 22. 北海ハイジャック 二代目ジェームズ・ボンドが出演ということで期待されたのだが、ひげのロジャー・ムーアはすこぶる地味、映画もいささか消化不良気味で穴が多い。そもそも油田基地の乗っ取られ方があっさりしているし、結末もなあんだという感じ。アクション好きな方はさぞ不満だろう。この頃の英国首相はサッチャー女史、鉄の女として名高いがこの頃はなったばかり(もちろん映画の中の首相はサッチャーかどうかはわからない)だが、女性も男性と同等に扱うべしというメッセージが伝わってくる。ところで時々思うのだが、外国人名を日本語になおす際、映画の字幕やパンフなどで違うことだ。たとえばアンソニー・パーキンスのLou Kramerだが、字幕ではロウ・クラマーとなっているし、発音を聞いているとルー・クレイマー、allcinemaではリューなどまちまちだ。しかし同一人物だとわかるからさほど気にもむことでもないだろう。もちろんどれが正解でどれが間違いというものではない。ロジャームーアも字幕ではフォークス。[映画館(字幕)] 5点(2012-12-30 11:14:57) 23. ホッタラケの島 遥と魔法の鏡 ある日テレビ(CS)で途中から何気なく見たアニメだったのだが、とても良かったと思う。子ども向きそれも女の子向きのアニメではあるが、年甲斐もなく感動してしまった。決してホッタラケにしてしまわないように物を大切にすることなど愛情が込められている。後日DVDを借りて最初からきちんと見直した。蛇足ながら、古い蓄音機で流れている曲は "You Are My Sunshine"、私が子どもの頃ジミー・ディヴィスが歌って流行した曲である。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-12 11:13:23) 24. ボーン・アイデンティティー 前半はミステリアスな要素が強くおもしろいのだが、後半は謎が解き明かされていくうちにただのアクション映画になってしまうのが残念。前金は結構緻密なのだが、後半は大雑把に思える。そして一番気になるのは、あのスーパーマン的なジェイソンがなぜ任務に失敗し記憶喪失になったかだがお粗末すぎた。[DVD(字幕)] 4点(2012-09-23 23:54:25) 25. ほえる犬は噛まない 結構おもしろく笑えるシーンもあるが、よくわからない妙な映画だった。[DVD(字幕)] 5点(2012-08-12 14:31:55) 26. ポワゾン 見始めてから、昔見たド・ヌーブの「暗くなるまでこの恋を」によく似ていると思ったらやはり同じ原作だった。つまりこの映画はリメイクということになるのだが、前半はストーリー的に同じでも、途中からオリジナルと雰囲気がまったく違ってくる。こちらはあくまで悪女でだます女である。そしてまた悪女と知りつつだまされる男の方は、愛情というより肉欲に負けたただの男にすら見える。そう何もかも安っぽい、しかしこれが現実に近いのかもしれない。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-10 10:45:06)《改行有》 27. 炎のランナー 昔見た「炎のランナー」は有名な音楽をバックに砂浜を走るシーンしか思い出せなっていたので、ロンドン五輪開催を機会に改めて見てみた。 1924年のパリ大会までは、陸上競技に女子選手の参加が認められなかったし、映画の中で活躍している選手も皆白人ばかり。現在のオリンピックのように黒人選手や日本人などアジア人選手も見あたらない。アメリカヨーロッパ選手権といった感じだったのだろうか。 アカデミー賞作品賞の映画でもあり、実在の五輪選手の物語だからそれなりの価値はあると思うが、やはり感動を呼ぶ映画とまではいかないだろう。 そしてまた五輪代表に選ばれた過程もただ早かったからという理由しか見あたらず、過酷な練習の末苦労してつかんだ切符には到底思えない。 [映画館(字幕)] 4点(2012-08-02 11:28:45)《改行有》 28. ホワイト・ライズ オリジナルより米国風なのは当然なことだが、ストーリーがわかりやすい。サスペンスよりもドラマ性が高くなっている。米国映画になれている人はむしろこっちの方が良いかも。ただその分安っぽくなっているようにも思う。モニカ・ベルッチが演じたリサをダイアン・クルーガーが演じるが、彼女の美しさは格別。 [DVD(字幕)] 6点(2012-07-22 18:49:06)《改行有》 29. ぼんち しきたりに縛られる船場の老舗のぼんぼん喜久治、父親は仕事一筋の婿養子で影が薄い。それに引き替え母親と祖母の実権は強く、喜久治の嫁は男子を出産すると追い出される始末、というように実に鮮やかにスピーディに物語は展開する。さらに嫁がいなくなったぼんぼんに妾の世話まで焼く母と祖母、実におもしろい。 この映画の女性陣は超豪華、中村玉緒などすぐ引っ込んでしまうのがもったいないほどだが、主演の市川雷蔵も時代劇の格好良さと違ってなかなかの好演。原作のすばらしさも感じるが、脚本監督もまたそれ以上にすばらしい映画だ。[DVD(邦画)] 8点(2012-06-20 16:32:57)《改行有》 30. 濹東綺譚(1992) 《ネタバレ》 なるほどこれは永井荷風の濹東綺譚ではなく、濹東綺譚を書いた永井荷風を主役にして新藤兼人の脚本映画か。だから、戦前の小説舞台ではなく、学徒出陣や東京大空襲そして戦後の文化勲章と永井の死となるわけだ。 ところで娼婦が出てくるのでエロティックな面もあるけど、家風の日々の生活を綴った「断腸亭日乗」に基づくドラマの要素が強く描かれていると思うし、風情がある。 [DVD(邦画)] 7点(2012-06-11 22:04:23)《改行有》 31. 僕が9歳だったころ 韓国と日本、文化や生活習慣の違いはあっても、子どもたちの心は世界共通。この映画はオーディションで選ばれた子供たちが主役であり、子どもの視点で物事を捉えている良い映画だ。私たち大人が、自分もあんな時代があったのだなと懐かしむことができる。演技や演出には多少まずいところもあるが、なかなかの映画だ。 都会の女の子イ・セヨンはとてもかわいいし、田舎の子を演ずる子どもたちにも結構個性が出ている。[DVD(字幕)] 7点(2012-06-01 17:22:26)《改行有》 32. 北北西に進路を取れ ちょっぴり「シャレード」に似ていて(似ているのはケーリー・グラントだけか)、それよりも断然おもしろい。ヒッチコック映画の最高峰と言ってもよいだろう。 実は最初見た時は、ロジャー・ソーンヒルがなぜ間違えられたのか見落としていた。だから何か訳がわからないうちに話が進んでいったのだが、それでもおもしろかった。 DVDで改めて見てみると、間違えられた訳だけでなく、ほかの部分でも見落としや感違いがあったことに気づき、改めてこの映画が良くできていることに感心した。 随所にユーモアが見られ、サスペンスの緊張感とバランスが取れていると思う。一番笑ったのは、競売シーン、おおまじめなとこらが何とも言えない。[映画館(字幕)] 8点(2012-05-14 17:39:41)《改行有》 33. 冒険者たち(1967) 夢とロマンを追ってたどり着いたのが海に浮かぶ要塞、宝があっさり見つかってしまうがええーっという感じだが、流れる音楽が印象的で実に良い。終盤の銃撃戦は嫌だけど・・・。昔見た映画だったけど、DVDで再鑑賞して新たな発見。前半の日本料理屋が出てくるあたりで「戦場にながれる歌」のポスターを発見。[映画館(字幕)] 7点(2012-02-06 20:27:24) 34. ホーム・アローン 私の息子がカルキン兄弟と同じ年頃、であるから私も息子と一緒に親子で見る羽目に・・・。 この頃のマコーレーはかわいいし、役柄も見事にこなしている。映画はケビン少年の賢さが際だっていて、大人の側がふがいない。それにしても撃退作戦がまんまとはまる都合の良さも、子ども向けの映画なのだから許されるだろう。[地上波(吹替)] 5点(2011-11-22 23:10:38)《改行有》 35. ぼくらの七日間戦争(1988) 《ネタバレ》 若い世代にとっては「ホーム・アローン」のケビン少年を思い浮かべるかもしれないが、私の年代で思い浮かぶのは、どうしても大学紛争であり、浅間山荘事件である。 時の権力に逆らい安保反対と管理統制に反発した日々、機動隊が強行突破するのは全く同じ、違うのはあくまで映画であり、青春ドラマだということだ。 この映画の中学生たちも管理教育に反発し、教師や親に反抗する。そしてそこに中学生同士の結束や思いやり、チームワークが生まれるのだが、やや描き方が甘い。そしてまた突如として現れた自衛隊の戦車、私はこれがせっかくの映画をぶちこわしていると思う。 さらに唐突なラスト、学校はどのように変わったのだろうか。打ち上げ花火でごまかしてはいけないと思う。 宮沢りえに関しては、他の皆さんが言われているように、文句なし。美少女No.1[DVD(邦画)] 5点(2011-11-19 21:59:59)(良:1票) 《改行有》 36. 北斎漫画 《ネタバレ》 斎、馬琴、歌麿、三馬、一九らの芸術家が顔見知りであったのかどうかは知らないが、江戸時代中期の同時代を生きた人たちであり、中でも北斎、馬琴は80過ぎまでの長生きをした。 映画では「富岳百景」を若い頃描いて、「蛸と海女」を晩年に描いたようになっているが、「蛸と海女」は60歳頃で「富岳百景」が70を過ぎてからの作。実際と異なっているのは、たぶん矢代静一の原作がそうなっているのだろう。 原作と言えば、「蛸と海女」の原作の絵も登場し、語り草になっている樋口可南子のモデルのシーンの蛸は、その原作に非常に似せて作られていることにびっくり。 葛飾北斎という人は、名前(号)を変えること30回、転居すること93回という記録の主で、金銭感覚がなく傍若無人な人だったらしい。映画の緒方拳は、まさにその傍若無人ぶりをいかんなく発揮している。[映画館(邦画)] 7点(2011-11-13 08:27:51)《改行有》 37. ボヴァリー夫人(1991) 以前のボヴァリー夫人に比べ、原作に忠実でそのまま映画化したようにさえ思える。(ジャン・ルノワールは見てないが、ヴィンセント・ミネリは見た) 表現がより細やかで、小説を読まなくても読んだ気になるくらいだ。しかしどうも配役がなじめない。主役のエマは美しいが、表情が硬く見えるし、ロドルフも好色の美男子にはちょっと・・・。[DVD(字幕)] 7点(2011-10-26 08:40:41)《改行有》 38. ボヴァリー夫人(1949) 《ネタバレ》 原作者フローベル自身が登場し、裁判にかけられた彼の口から、物語が語られるという形で始まる映画。美しさを求め、夢を追いかけることが罪なのかと開き直られても、田舎の純朴な医者にはかわいそう。 映画は原作に沿っているように見えるが、手術失敗を手術拒否に変えたのはいかがなものか。夫婦の相互理解が大きく崩れ始めた原因にもなっている事件を作り替えるとは解せない。 全体的にダイジェストのように見え、心理描写も甘いような気がする。[DVD(字幕)] 5点(2011-10-26 06:29:10)《改行有》 39. 慕情(1955) 《ネタバレ》 映画のテーマ曲は有名すぎるほど有名な美しい曲である。またハン・スーインの自伝もおそらく波瀾万丈なものに違いない。 ところが映画では、ほぼ全面にこの美しいメロディーが流れるためか、甘ったるく薄っぺらな印象を隠せない。言葉では「ハーフ」だとか「妻帯者」だとか深刻なものも飛び出すのに、表情にはその深刻さが伝わってこない。 朝鮮戦争の動乱も戦争の悲惨さが感じられないまま、突然エリオットの死が伝えられる。[DVD(字幕)] 4点(2011-09-28 23:05:55)《改行有》 40. ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 昔、学校は悪戯の宝庫だった。それは決して学校の先生が憎かったからではない。生徒たちは悪戯の中で、自然として良いこととしてはいけないことを学んでいったのだ。 現在の子供たちは利口になった。表面はとても良い子、しかし裏では陰湿ないじめが・・・ということがめずらしくなくなった。 この物語は昭和54年、まさに私が駐在さんと同じ年頃、ばりばりの先生だった頃を時代設定していて、私と駐在さんが重なってくる。友情と悪戯、そして若者たちの成長を描く、非常に楽しく良い映画だったと思う。 最初は「ありえねえ、ゆるせねえ」それが「やられたら、やり返す」に変わり、「今度はどんな手を使おう」に変わっていく。また駐在さんの奥さんやみかちゃんの登場により、人と人とのつながりが生まれ、悪戯集団の絆もどんどん深まっていく。 ある意味この映画はくだらないかもしれない、つまらないかもしれない、そう思う人はそれでよい。悪戯集団の若者たちも、30年後の今では心に残る懐かしい想い出になっているだろう。 この映画の駐在さん、佐々木蔵之介は私の好きな俳優さんである。「椿三十郎」「サマータイムマシンブルース」など、とぼけた演技が光っていた。[地上波(邦画)] 6点(2011-09-02 02:53:44)《改行有》
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