みんなのシネマレビュー |
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41. 放浪記(1962) 林芙美子の「放浪記」と言えば、映画だけでなくお芝居にもドラマにもなった。その数は数え切れないくらいだろう。私も子どもの頃芝居を見、映画も見た。しかし数十年経った今では、主人公のふみ子が貧乏で苦労の連続だったことしか覚えていなかった。 それがようやくDVDで鑑賞して改めて凄い人生だったことを再認識した。そしてこのふみ子を演じた高峰秀子のうまさ、すばらしさ。本当に林芙美子になりきっていると思う。こういうのを白熱の演技と言うのだろう。 そしてふみ子を巡る人たち、その人たちの中にあって加藤大介が良い役を演じている。ふみ子は男を見る目がなかったのだろうかと・・・。[映画館(邦画)] 7点(2011-08-04 23:18:51)《改行有》 42. ボッカチオ'70 《ネタバレ》 ボッカチオが書いた「デカメロン」 デカというのは10であり、デカメロンは10日という意味だそうだ。日本では十日物語として訳されている。(アラビアンナイトには及ばないが) この映画はさまざまな「愛」をモラルと対比させ、4話のオムニバスとして作られている。4話はフェデリコ・フェリーニら4人の監督が担当したが、計200分を要する映画は上映時間の長さのためか名前の薄いモニチェリの第1話は省かれてしまった。 私がスクリーンで見た時も、3話しかなくしかも順番も違っていた。それがようやく10年ほど前に第1話も含めて完全版となり、DVDにも収められた。それで今回見たのはそのDVDである。 4話はそれぞれに監督の特徴が出てどれも素晴らしいと思われるが、私が好きなのは第1話と第2話。いったん省かれた第1話「レンツォとルチアーナ」は、他の作品と比べ変わっている。ヌーヴェルヴァーグというものらしい。結婚式を仕事の合間に行ったり、夫婦が昼と夜後退で寝るというような、切実な生活の中の愛を描いている。実に斬新であり、訴える力がある。 それと第2話「アントニオ博士の誘惑」フェデリコ・フェリーニの脚本監督であるが、巨大広告の中の女が飛び出してきて、博士を誘惑する。この博士と巨大女の対決がまた何とも言えない。 第3話と第4話は前の2話に比べるとやや平凡。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-02 06:15:49)《改行有》 43. ホワイト・バレンタイン こういう映画って苦手。傷ついた鳩や子犬をかわいがるような優しさいっぱいというのはわかるが、女々しいのは好きでないし、優柔不断がじれったい。しかし、この映画を否定する気はまったくない。このほのぼのとした暖かさは実に心地よい、ちょうどジョンミンが描いた童話の絵のように。[DVD(字幕)] 5点(2011-07-10 10:47:39) 44. 僕のピアノコンチェルト 《ネタバレ》 主役の少年はかわいいが、食べたままの手でそのままピアノを弾くのはアウトだろう。初心者の私だってそんなことはしない。それとピアノの天才は割といるものだが、株の天才は存在しないだろう。素人判断だが、たとえ他人の何百倍の才能を持っていたにせよ、株の上がり下がりは多くの原因があり予想はつかない。上手く立ち回るのは、法の網をかいくぐった不正操作だけなのだから。 彼が普通の少年になりたいという気持ちもわかるし、フリをしていたというのも許せるが、株で儲けるのにはがっかり。 ラストのシューマンのピアノ協奏曲をはじめ、音楽はたいへんすばらしい。飛行機とか株などは余計なものだったのでは・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2011-06-22 00:13:38)《改行有》 45. ホーム・アローン2 1に引き続き見る羽目に・・・。今度は飛行機に乗ったもののまちがってニューヨークへ、泥棒2人組もやってくるし、夫婦の朝寝坊もしっかりと同じ。1がよかったと思う人は2も当然よかったと思うだろう。 鳩のおばさんブレンダ・フリッカーが良い味を出している。[地上波(吹替)] 4点(2011-06-14 20:45:54)《改行有》 46. ホワイトクリスマス 恋しくて、逢いたくて 《ネタバレ》 ラストシーンがとてもよいし、キム・ヒョンジュがかわいらしい。それと花屋さんの場面で聞こえてくる音楽、フランス語の「エレン♪~」と歌っている曲、映画を見た後も強く印象に残った。調べたら、エレーヌ・ロールが歌う「Je m'appelle Hélène」という歌ということがわかった。 映画自体は、ソン・スンホンの勘違いということはわかるが、何度見てもストーリーがよくわからない。あの麻薬男はキム・ヒソンの何だったのか。 途中のもたつきとわからなさが減点だが、概ねよしとしよう。[DVD(字幕)] 6点(2011-06-11 17:03:28)《改行有》 47. ホット・チック 多少品がないことに目をつぶれば、結構おもしろい。というかストリーもよくできていると思う。男も女の子も演技力満点。[DVD(字幕)] 6点(2011-05-23 21:34:11) 48. 坊っちゃん(1977) 《ネタバレ》 映画やTVドラマで数多く制作された「坊っちゃん」であるが、映画はこれしか見たことがない。当時中村雅俊といえば青春ドラマで大活躍中だったし、マドンナが松坂慶子であれば、ためらわず見るほかなかった。 イナゴ事件や風呂で泳ぐべからずなど、原作のエピソードを忠実に表現しているかと思うと、ヤマアラシとの出会い(人力車競争)のように、原作にない部分もある。それはそれで良いだろう、映画なのだから。 しかし肝心の、主人公がなぜ「坊っちゃん」と呼ばれていたかがはっきりしない。映画の初めに出てくる下女(今使うと差別用語だろう)の清が坊っちゃんと呼んでいたことに由来している。松山で先生をする前の、この清との関わりをもう少し膨らませてほしかったのだが・・・。(興味ある方はぜひ原作を) 次に、松山中のくせ者揃いの先生方、その性格描写は及第点、役柄がよく合っていたと思う。特に教頭赤シャツの米倉斎加年はテレビでも赤シャツを演じていたほど。 赤シャツといえば、この赤シャツを主人公にした青年座の演劇も見させてもらったが、実に興味深かった。 「ヴィオロンのため息」ヴェルレーヌの落葉の詩もこの映画で知った。ヴィオロンとはもちろんヴァイオリンのことだが、あの調子はずれの音はマドンナの演奏か? [映画館(邦画)] 6点(2011-05-21 07:30:51)《改行有》 49. ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 パニック映画の先駆けだったと思う。これ以降何本ものパニック映画を見ることになった。 映画には、二人の牧師が登場する。一方は、神を信ぜよ、信ずる者は救われるという普通の牧師ジョン。それに対し、自分自身が道を切り引かねば神も助けてはくれないという異端の牧師スコット。この二人の信念の違いがこの映画の最大のテーマとなる。 船が転覆したとき、クリスマスツリーを伝って上に登るか、そのまま動かず救助を待つかなどの判断がまさにそうだ。 スコット牧師のジーン・ハックマンはとても牧師には見えない、あたかも十戒のモーゼのようなカリスマ的な存在、それがまた良い。 結局は9人の男女が彼について行くのだが困難の連続、途中で3人が死に、最後にはスコット神父も・・・。 それまで私が見た映画(悲劇以外)で、主人公が死んでしまうというのはほとんどなかった。もう少しでたどり着くという所まで行っているのに・・・。最後はやはり牧師に戻ったのか。 映画ではアーネスト・ボーグナインのロゴ刑事がとても好きだ。売春婦だつた妻をこよなく愛し励まし、スコット神父とはことごとく対立しながらも惜しみなく協力をする・・・。そのほか、元水泳選手だったベル、これまた彼女がいなかったらスコット神父は助からず、生き残った者も船尾までたどり着けなかったのだ・・・。 このポセイドン・アドベンチャーは特に思い出に残る映画で、続編もリメイクも見ることになってしまった。[映画館(字幕)] 8点(2011-03-12 07:15:24)《改行有》 50. 菩提樹 《ネタバレ》 映画「サウンド・オブ・ミュージック」を見ながら、子どもの頃に見たよく似た映画を思い出しました。その映画では、奥さんになった修道女とその家族の合唱団でしたが、違っていたのは確か神父さんが合唱指導していたような・・・。 記憶を頼りに探し求めること数十年、それがこの「菩提樹」であった。ようやくDVDを買い求めて鑑賞しました。そうか、この映画だったのだ、子供たちを笛で集めるところで確信、なつかしいことこの上なし。[映画館(字幕)] 7点(2011-02-20 08:17:54)《改行有》 51. ポケット一杯の幸福 《ネタバレ》 原題はMiracle、ポケット一杯の奇跡なのですね。ギャングの親分がアニーのために一肌脱ぐのも奇跡なら、アニーが貴婦人に変身するのも奇跡、ラストで市長夫妻ら大勢のお客が登場するのも奇跡です。しかし、その奇跡がアニーだけでなく、皆の幸福をもたらす・・・、すばらしい映画です。 登場人物も、見たことのある顔が並び、とても親しみやすい。フランク・キャプラの映画はとても甘いと言われるけど、皆が幸福になればそれでよいのでは・・・。 彼がずっと以前に作った映画を手直ししたのも、理解できるような気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2011-02-19 07:33:57)《改行有》
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