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1. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 いま見終わりました。
一般にルワンダ紛争と言うのは、1994年のフツ族による
大虐殺ばかりが大きく取り沙汰されてしまっていますが
実はそれ以前にルワンダは、ドイツとベルギーから植民地支配を受けていました。
ルワンダという国名もつまり、ドイツが植民地化した時に付けられた国名で
逆に言えばアフリカ大陸の国境線と言うのは
西欧列強が侵略した順番に獲得した領土の線引きであり
つまり列強諸国側の都合で「国家」と呼ばれたに過ぎません。
ともあれ、フツ族はドイツを背景とした少数派のツチ族に実質支配され、差別されました。
これは第1時大戦後のドイツ敗戦で、ドイツ領からベルギー領に委譲された頃は
もっと顕著になり、フツ族によるツチ族への憎悪は、より大きく高まって行きました。
その後、ルワンダは独立を果たしますが
独立のゴタゴタで、当時支配階級だったツチ族とベルギーの関係は最悪となり
その腹いせに、ベルギーが独立の行き掛けの駄賃として
フツ族による民主政権樹立という暴挙に出る。
ツチ族への憎悪の固まりであるフツ族に政権を委譲し
なおかつ独立で軍事力も委譲してしまえばどうなるのか?
そんな事はベルギーは百も承知で、フツ族の後押しをした訳です。
その後、フツ支配体制にはフランスも加わって、ツチ族への迫害は更に大規模化します。
この作品の中でホテルオーナー(ジャン・レノ)が、フランス政府に働きかけて
ルワンダ政府軍の将軍を動かし、ホテルから兵を撤退させるシーンが有りますが
これは当時フランスが、虐殺者側のフツ族政府へ、多額の軍事支援をしていたからです。
民兵がこのホテルをなかなか襲撃しなかった(敗戦が濃くなるまで)のも
主人公である支配人が、政府軍の将軍に個人的なコネを持っていたからで
少数の国連軍が守っていたから助かった訳では有りません。
この映画ではそういう歴史的背景や、支配の構図は何もはっきり描かれていません。
無論、長年の屈辱的支配が、この大虐殺の理由とは成り得ません。
しかし、大本の原因を作ったのはいったい誰なのか?
これが問われなければ成らないと思います。
最後のテロップでルワンダ政府軍の将軍が、軍事法廷で裁かれて有罪と有りましたが
その後ろで糸を引いていたベルギーやフランスは一切裁かれない。
これが、アフリカ諸国の現状だという事を忘れては成りません。[DVD(字幕)] 6点(2008-09-18 19:40:11)(良:1票) 《改行有》
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