みんなのシネマレビュー |
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1. マッハ!!!!!!!! 「痛い!」画面から出てくる熱気と汗と肉体のぶつかりあう音。それらは全て本物だけが持つ「痛さ」となって観ている者に容赦なく降り掛かってきます。よくもこんな映画がつくれたもんだ。天晴れという他ありません。人間ってやれば何でもできちゃうんだな、なんて変な感心をしました。ジャッキーのようにはエンターテイメントしていないけれども、荒々しいけれど、粗野だけれど、そうした作品にしかない大胆な展開と迫力は貴重です。観た後に身体がとてつもなく熱くなりました。[DVD(字幕)] 7点(2005-05-28 10:33:48) 2. マトリックス レボリューションズ 《ネタバレ》 この映画に対する期待が「物語」ではなく、「どんな凄い映像を見せてくれるのか」になった時点で、評価の程は別れると思います。「リローデッド」でも確立した「見せ物」たる姿勢を今作でも確実に見せてくれるのかいな、と。自分の焦点はそこだけ。物語はすでに破綻をきたしています。何でもありの世界で、その世界さえも作り物(プログラミングされている)の中で、パワーのある、ないなんてすでに虚構の形でしかないのですから。でも、視覚的に、それをスペクタクルにして見せることで「戦争」にした今作のアクションレベルは高いと思います。ザイオンの攻防戦などは、その最たるもので「戦争」におけるカタルシスや興奮をこれでもかと描写します。観ている者を圧倒させるためだけに考え抜かれた「絵」になっています。迫力ありました。ミフネのキャラが濃い分、立っていました。ネオよりも印象強かったです。あとは、スミスとの対決ですか。こういうのをやってみたかったんだ的な、クライマックスですね。監督の見たいものがそのまま作られた気がします。最後の「平和」を象徴する朝日も 無事に終わらせるために用意されたプログラムの一つであったように思えます。これで完結となりましたが、この作品の持つ映像技術や表現手段はインパクトが強く、今後もかなりの影響を与えていくと思われます。ある意味到達点であり、また先に進むための通過点でもあるような、そういう場にリアリタイムで立ち会えた事に感謝したいです。8点(2004-04-05 11:22:33)《改行有》 3. マトリックス リローデッド 《ネタバレ》 正直言って何故続編を作ったのか分らなかった。前作は前作で完結している(コンピュータとのこれからの死闘を感じさせる余韻あるエンディングで)のではなかったのかな。続編、それも3部作と銘打ったからには、ストーリー重視の見方になるので、謎の部分にまで手を出して解明せにゃならんという作業を制作者も観客もせねばならなくなって来ます。当然、辻褄合わせめいた流れもあり、視覚効果だけでは騙すことが困難になってきます。前作の、よくは分らん。でも見入ってしまったぞ。の感覚が好きだったので、この続編には不安なことしきり。蓋をあければ、やっぱりそうなるのか、な展開でストーリー的には最終章への布石ばっかり。じゃあ、面白くないのかと問われれば、そんなことなく楽しめました。前作における特殊な撮影効果、CG処理など、他の映画に影響を与えまくった視覚表現は、「うちが元祖です」の意地もあろうの頑張りぶり。映画が「見せ物」であることは、技術がどんなに発達しても変わらないことを再確認した次第。でなければ、黒づくめのファッション、高速道路の死闘なんて必要ないのだから。割り切って見せる心意気を評価したい。現に、DVDで繰り返し観るといったらアクションシーンばっかりで、異様な興奮を覚えるのも事実。遊びと言えば聞こえが悪いが、監督や制作者達のやりたいもの、観たいものを具現化する(それをわがままというのですが)姿勢は、ある程度の才能がなければ実現しません。何と言われようと大ヒットし、観た人の口から「よく分らんかった」とか「あの言葉にはこんな意味がある」とか、言わせるだけでも話題になる。商業的なセンスも合わせて、「見せ物」たるポジションのままスクリーンに映し出された映像には、やはり凄いですねを連発してしまいます。8点(2004-04-03 11:57:05) 4. マッドマックス 《ネタバレ》 ストレート1本で勝利投手を目指す、というど真ん中勝負で挑み切った映画です。暴走族対警察の図式を広大なオーストラリアの風景の中、1本の道で見せる潔さに、そのシンプルさに、久しく忘れていた単純な感情を呼び起こされました。幸せな家庭を壊した相手を憎むという。物語的に平らな進行が、ラストでは一気に爆発する。その仕組みはまんま東映ヤクザ映画のノリ。眼には眼を。メル・ギブスンが若く、初々しく、おぼつかない感じで演じていますが、アクションには強烈な印象を受けました。残酷ではありますが、許すまじという怖い目つきがとても堂に入ってます。しかし、ここまで売れる俳優になるとは思ってもみませんでした。「2」「3」と続編がつくられましたが、勢いという点では今作の直球にはかなわないでしょう。7点(2004-03-24 19:02:19) 5. 街の灯(1931) 《ネタバレ》 自分ごときがチャップリンの映画を評するなんて。なぜならチャップリンの映画は、チャップリンの人生そのもの。しかも、その人生(=映画)が、どれだけ全世界のひとに「夢」「愛」「希望」「幸福」を与えてきたことか。リアルタイムで観ることなど不可能な自分に、故淀川長治先生は講演で、あらゆる著作でこの人物を、生き様を教えてくださいました。あたかも、目の前にいるかのような臨場感をもって。その時受けた感銘は、映画そのものをビデオやDVDで観ても決して薄れることなく、観る度にたまらない感動を伴って自分を包み込むのです。だから、冷静なレビューなど到底難しく、この映画の神様に対しては、どの作品も最高の評価になります。思い出として語るのを許されるのならば「街の灯」は、ビバ!チャップリンシリーズで上映された頃、満員の映画館で観ました。盲目の少女のために、その手術代を用意しようと奮闘します。自分は貧しくとも他人の不幸はみていられない。一生懸命なチャップリン。最後、目が見えて、2人が見つめあう。「あなただったのね」と分るシーン。チャップリンの少し申し訳なさそうな、それでいてうれしいような表情で映画は終わります。涙がこれでもかと流れます。この1本で一生分の涙を流すような、止まらない感動が両目からあふれます。横のおばさんが 「ええ人やねえ」と言っては、ハンカチを目にあてていました。ロビーでは、若い人がベンチに座りながらおいおい泣いていました。人が何の見返りも期待せず純粋に相手のことを思い、何かをしてあげること。「善意」を越えた「愛」をふり注ぐこと。この映画では、その大切さをしっかりしっかり伝えています。ちなみにハンカチをもってなかった自分だったので、パンフレットが濡れて大変でした。でも、それもまた思い出なので。10点(2004-03-11 10:11:46)(良:5票) 《改行有》 6. マンハッタン 《ネタバレ》 もうメロメロです。これぞ大人の映画って感じで。タイトル文字の見せ方からして、粋。お洒落。モノクロのニューヨークが実にモダン。ガ-シュインの音楽で奏でられる街の1日の表情が、その空気を、そのムードを見事に伝えてくれます。インテリ作家のウッディ・アレンの手腕の良さ。大人の恋愛事情をはかなげに面白く見せてくれる、まさに都会的スタイルの映画。背伸びして観ていた学生の頃と違って、今ならよく分るこの味、このうまさ。 霧の中のデートシーンは名場面ですね。8点(2004-03-10 12:09:17)《改行有》 7. マトリックス 《ネタバレ》 革命的。第一印象は。衝撃を受けたまま、エンドクレジットをぼーっと眺めていました。小難しいことを考えずに、「ああ、コンピュータが世界を支配して、虚実の今がマトリックス世界なんだな。で、人間がコンピュータと闘って何とか取り戻すんだな。大変なんだなあ」ぐらいの感覚で観ると、結構楽しめました。色々哲学的な台詞や言い回しに翻弄されると、アクションひとつひとつまでに意味合いがないとおかしいものになってしまうと思います。マシンガン撮影やワイヤーアクション、黒のボディスーツやひるがえる黒コート、視覚で魅せる技術をフルに活かして、新しい「映画」を生み出そうとするその心意気に打たれました。 映像革命を提唱し、作り上げるスタッフ。実現に込められたパワーに拍手です。9点(2004-03-03 12:54:12)《改行有》
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