みんなのシネマレビュー |
|
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. みな殺しの霊歌 《ネタバレ》 主人公が殺人犯。しかもレイプして殺す。けっこう描写もきつい。レイプはそれとわかるストレートな描写。時代を考慮すればかなりショッキングな映画だと思う。そのうちに犯人には犯人の事情ってやつがわかってくる。同時に暗い過去を持つもの同士の男女の痛々しいドラマが寄り添う。サスペンス色は強くなく、ストーリー上に展開される連続殺人自体も実はさほど重要ではない。事件そのものよりも人を殺した者の哀しみこそが描かれる。佐藤允と倍賞千恵子の哀しい顔が印象的。[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-09-13 13:25:29) 2. 乱れ雲 話が進むにつれ司葉子がどんどん綺麗になってゆくのは錯覚でもなんでもなく演出でしょう。どう見たって綺麗になっていってるんだから。そこにはいろんなことからの開放と、やっぱり恋する女は美しいってのを表現しているのだろう。そしてどことなくお堅いイメージのいいところの奥様が、世間体を鑑みると許されるはずもない男へ情愛を持つというのが、いや、もちろん司葉子は凛とした立ち振る舞いを維持するのだが、なんというか、常識ある大人の女と、単に男に対して存在する女、との戦いがキリリとした顔の下でなされているのかと思うだけでゾクゾクしてしまう。メロドラマとしてはありがちな展開だけど実際にはそうそう無いだろうお話を、美しいロケーションも手伝ってリアルなお話とする。しかしけして美しい十和田湖も熱気がこもる車内も激しい雨も、お話をリアルにするためにあるのではなくて、全てメロドラマのためにある。その中で女だけが、司葉子だけがリアル。そこがたまらない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-03-06 13:33:00) 3. 水の中のナイフ 情熱の無い『太陽がいっぱい』ってかんじ。3人それぞれの優越感や妬み、不満といった気持ちをはっきりとは見せないんだけど、はっきりとある、ということを見せる。冒頭の車の運転シーンで夫婦の関係を示し、それゆえに若い男を招き入れ、招き入れる行動自体にまた夫婦の関係を再度示し、招き入れたことが最後には、夫婦の関係にある小さな綻びを白日のもとにする。その様をじっとりと描く。3人のなにげない行動にそれぞれの心理が覗い知れて、実にうまい!と感心してしまう。密室であるヨットが動いていないように見えて、手を水に入れると実はけっこうなスピードで動いていることが判る、というシーンは密室度をさらに上げサスペンスを盛り上げる。大きな事件が起こるわけではないのでストーリーの起伏はありませんが、それがかえってじっとりと描かれる心理描写に現実味を持たせていると感じました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2005-05-30 18:49:51)(良:1票) 4. ミトン 娘といっしょに何度も見てます。娘は2歳なのでどこまで理解しているのかわかりませんが、手袋にミルクを与えようとしているシーンで、それまでニコニコして見ていたのが真剣な顔に変わり「ヨシヨシ..」とつぶやいてます。寂しげな雰囲気が伝わってくるのでしょう。これは演出の素晴らしさであり、感情豊に成長するウチの娘の見る力であり...すみません、親ばか炸裂してしまいました。とにかく娘が大好きな作品なので当然私も大好きです。7点(2004-09-27 10:37:43)(良:1票)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS