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1. ミクロの決死圏
《ネタバレ》 この映画と「2001年」はSF界の両巨匠の(この映画はアイザック・アシモフ)原作による途方も無く金と時間のかかった映画と言うことで公開もどんどん遅れるし,前評判も高かったけれど,こちらの作品は「空想旅行」とかの名前である程度の筋書きまでついて紹介されていました。そのときに「どうして質量も小さくできるのか?」と言う自然な疑問にも何とか言い訳がされていました。現在ならV.Rとか利用したマイクロマシンとかの手法も思いつきそうですが,それでは冒険にならないし女優の使い道も限定されるからやはりこの映画化が正解でしょう。日本では映画封切り当時には両作品ともに大きな評判にはなっていません。SFものが一般の評判になったのは大阪万博の後あたりからだったと思います。ほとんど何もしていないように見えた将軍が最後の場面で適切な判断を行ってみせるところは後の多くの映画でもよくみかけるようです。[映画館(字幕)] 7点(2007-01-08 16:49:20)(良:1票)
2. 民族の祭典
7,8年前にbunkamuraでリーフェンシュタールの特集があって,そのときに観る機会を得ました。当時の最高の器材を利用しての撮影と競技終了後での撮影(やらせと斬り捨てるのは簡単ですが,必然性はあった)も含めた編集技術によって一級品の作品になっています。市川の{東京オリンピック」は相当にこれを意識して作られたものですが,番外の映像が多いことでやはり格が下のようです。彼女のナチのプロカガンダ映画としては,この前に作られた「意志の勝利」が有名ですが,そのときの技術的経験がここで開花したとも言えるのでしょう。とにかく一見する価値がある映画です。[映画館(字幕)] 10点(2006-12-28 00:47:09)
3. 未知への飛行
《ネタバレ》 この映画と「博士の...」の類似性が言われていますが、実際に原作の「フェイル・セイフ」はその前に出版されていた「Red Alert」との構成の類似性(時間単位で進行する形式の構成から相互の都市破壊の提案まで)のために、映画化の際に訴訟問題が発生して意図的な真似との裁定からコロンビア社が映画化権を獲得することになったのです。その結果この映画のほうは日本での商業上映はなかったはずです。最初に見たのは米国のホテルでのケーブルテレビでした。内容では、この原作のほうは「博士の...」と違って(グローバルな指揮システムやヴィンディケータと称する超音速爆撃機など当時の未来戦の場面を想定した)ハイテクスリラーなのですが映画ではシリアス過ぎたので恐らく軍関係の協力とか得られずに爆撃機の姿も僅かな機影だけで戦闘シーンも皆無です。(多分チープなテレビドラマのセットでの作成でしょう)しかしそれで緊迫感を盛り上げているのは立派です。この映画にちらりと登場する巨大な表示装置にリアルタイムで文字が表示されるシステム(アイコノラマ)は現在の液晶での投影システムとか見慣れたひとには当たり前に思えますが1950年代の終わりに米軍が物凄く金をかけて実用化したものです。(それまでは背後から人手で(もちろん逆に文字を書く特技のひとが)書いていたのです。この原作と映画に登場したホットラインはキューバ危機を契機に実用化(テレタイプ方式でしたが)されました。改めて観直しましたが、原作(米国ではベストセラー、当時朝日ジャーナルに抄録が出て河出書房から出版)に馬鹿みたいに忠実で、そのために人物がパターン化され過ぎて実在感が乏しいのは仕方ないでしょう。原作に無い最終段階で編隊指令の妻を連れてきて説得を試みさせるシーンですが、冒頭の基地での会話にあるように昔の爆撃機と異なりクルーに家族意識を持たせないシステムなので機長が心をぐらつかせても副操縦士が「謀略です」とラジオのスイッチを切ってしまう訓練された非情さが示されます。また防御用僚機への後方を追い払えの命令で意図的に高度を上げて姿をさらしての囮戦術(多分マニュアル化されていた)にも非情さが現われています。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2004-09-18 14:51:35)(良:1票)
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