みんなのシネマレビュー |
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1. ミーン・マシーン 刑務所モノのセオリーを踏襲しつつほどよくはみ出した感じがさすがガイ・リッチーという感じで楽しめました。こういう映画はキャラクターが命だと思うんですが、個々のキャラクターにきちんと愛着を感じさせてくれるあたり、やっぱり登場人物の多い作品を扱い馴れているだけのことはあると思います。これ以前の作品に比べると話が素直ですが、こういうのは遅れて来た青春モノと捉えて素直に感動するのが一番良いんではないでしょうか。スポーツを通じてみんなのココロが一つになって行く、みたいなシャラ臭い話ですけど、どうせならこのぐらいシンプルなメッセージの方がわかりやすくていいじゃん?と思う立場から高得点を献上します。ガイ・リッチーらしい仕掛けもところどころにあるんですが、敢えてシンプルな作りを心がけているなあと感じました。TPOを守れることもプロとしての大切な技術だと思います。観終わった後の好感度は非常に高かったです。[DVD(字幕)] 9点(2007-04-19 01:23:54) 2. ミリオンダラー・ベイビー ごめんなさい。映画として何一つケチのつけようのない素晴らしい出来だと思うのですが、話がどうしてもダメでした。泣かされ損というか、この救いの無さに、たとえようのないあざとさを感じます。これほどまでに欠点の少ない映画は何年に1回見るかどうかというほどのこの出来栄えの中で、どうしてこれほどまでに嫌な話を描かなければならなかったのか、わたしにはとても理解出来ません。シナリオは非常に良く出来ていますし、ヒラリー・スワンクの卑屈な個性もこの役柄に怖いくらいハマりました。モーガン・フリーマン、クリント・イーストウッドも、おそらく当たり役と言って良いでしょう。何箇所か、ありがちな、でも必要なカタルシスはありますし、ラストでは伝えたいものもしっかり伝わって来ます。でもこの映画が、イーストウッド監督作品でありながら都市部を中心とした小規模な公開に終わったのは、この映画が実際にここで描かれている地方の貧しい人々の目に、入れられるものではなかったからでしょう。アメリカで貧しい家に生まれるというのがどういうことか、この作品は徹底的に残酷にそのテーマを取り上げながら、結局絶望しか描けていない。貧困は「ミスティック・リバー」でも強調されたテーマですし、イーストウッドにはそれを描きたいという強い渇望があるように見えますが、こうしたテーマに悲しさだけしか見出せないところが、実はハリウッドスターとしての彼の限界なのではないかと感じました。皿洗いをして、床掃除をして、人生に後悔しながら死んでいく人たちが、この映画を観て素晴らしいと思うでしょうか。映画が本当に夢を与えなければならない人たちに対して、この映画が勇気や力を与えるでしょうか。大変良く出来た映画であるという観点から高い点をつけますが、わたし自身はこの映画を二度と観ないと思います。もしかしたらわたしがイーストウッドの作品を観るのは、これが最後になるかも知れません。それぐらい、嫌な映画でした。[映画館(字幕)] 9点(2005-05-30 00:02:57)(良:3票) 3. Mr.インクレディブル 過去に見たあらゆる映画の中で、最も優れたスタッフロールに全点。ストーリーは良くも悪くも期待を裏切らない普通に良く出来たストーリーだし、総合点は高いと思われるが、毒が無さすぎ。「ファインディング・ニモ」が予想外の高水準だっただけに、残念ながら「こんなもんか」という感じ。でも普通に期待した程度には面白いし、やっぱり実写では実現不可能なスピード感はある。たぶんベタなヒーロー物を意図したんだと思うしファミリーがいい感じに結束して息の合ったアクションを展開する流れはテンポ良く楽しい。プラスアルファを期待してしまっただけに無念さが残るが、映画って最後の15分とスタッフロールが良ければかなり得点が上乗せされてしまう部分があるので、騙されないぞ、と意地になったきらいはあると思う。サミュエル・L・ジャクソンがアニメでもやっぱりクールにキメてくれたのは嬉しいし、出番は少ないものの予想以上に活躍してくれたので印象自体は悪くなかった。やっぱりどうしても「ニモ」に比べるとキャストが地味だったのが敗因かも。けっこう笑いのツボは押さえていたし、安心してファミリーで見に行くには持って来いだとは思います。あと一押し、さえあればかなり乗れたはずなので、食い足りなさが非常に残念。主役がクレイグ・T・ネルソンっていうのがダメですよね。敢えてアナログを強調した音楽は好感持てました。6点(2005-01-02 00:44:55) 4. ミニミニ大作戦(2003) 私はあまり人の意見に影響されたくないと思っているので、実はほとんどのレビューを他の皆さんのご意見を読む前に書いている。それから皆さんと自分の評価に異常なギャップがあったりするんじゃないかと思ってドキドキしながらレビューページをめくって行くのだが、この作品に関しては正直、あんまり心配しない。少なくとも「面白さ」にかけては滅多にないほどの傑作だと思うし、プロットは無駄もスキもなくきっちり出来ているしスピード感も派手さも充分、しかもリアリティを失うほどには派手すぎず、夢も希望も失わせない程度には現実離れもしている、この絶妙なラインをきちんと守り抜いたのはセンスの賜物。加えてこの素晴らしく地味豪華なキャスティング。天才ハッカー役のセス・グリーン、ハンサム・ロブ役のジェイソン・スティサム、父親譲りの金庫破り師でスピード狂いの金髪美女がシャーリズ・セロンって顔合わせにもうメロメロです。セス・グリーン、いい役者になりましたよね。子役から1度のスキャンダルもなく30歳ってだけでも1つの奇跡だと思うんですが、演技力も全然イケてます。マーク・ウォルバーグがエド・ノートンと一騎打ちで全然負けてないというのも泣けました。そして物語を裏側から静かに支えたドナルド・サザーランドの存在感。もちろん一番優れているのはシナリオですが、これは旧作を見てないのであんまり大騒ぎするのはとりあえず避けておきます。なんで今頃レンタルで見ているかと言うともちろん邦題がダサすぎたから。見逃した、とすら思ってなかったんだからもうこれは邦題ダメダメ大賞ですね。しかし良い物とはいつか必ず縁があります。それが映画の一番凄いところかも知れません。10点(2004-10-22 01:23:51)(良:1票) 5. 未来は今 この映画のツボは「とてつもないバカバカしさ」、この一語に尽きます。どう考えても普通の人より数段抜けてる主人公が、大企業の郵便仕分け係から社長にまで出世するドス黒い笑いに満ちたお話。どこまでも悪役に徹したポール・ニューマンのいまだかつて類を見ない冷酷非道の悪役ぶりと、間抜けさゆえに人を疑うこともなく、蹴落とすことにも興味のないシンプル一筋のティム・ロビンス。強烈なしたたかさで特ダネ求めて突っ走るジェニファー・ジェイソン・リーの「コピー!」の声にシビれて下さい。何もかもが必要以上に大がかりで、やりすぎ。だからこそこのイヤな笑いがシニカルにアイロニカルに人の心の醜さを暴き出します。悪はどこまでも悪、善はどこまでも善、そして神様は意外と何でも知っている。バカバカしいまでにファンタジックで、どぎついほどにリアリスティックな、この矛盾と破綻に満ちたストーリー展開にノレた人なら、コーエン兄弟にどこまでもついて行くことができるでしょう。個人的にはコーエン兄弟のベスト作品と思っているのだが、非常に残念なことにティム・ロビンスとジェニファー・ジェイソン・リーの踊る「カルメン」がちょっぴり長く感じられるので涙を飲んで1点減点。でもおもしろいです。これはおすすめ。 10点(2004-04-18 03:01:36)(良:2票) 《改行有》 6. ミッション:インポッシブル 予告編って普通本編より面白いことになってるものだというのはわかるんですが、これはちょっと予告編で盛り上がりすぎたかなあと反省させられた作品でした。何しろ頭の中はあの「スパイ大作戦のテーマ」で一杯。街を歩いても、あの曲で一杯。ところがフタを開けてみたら、本編であの曲なんか全然流れないじゃないですか。はっきり言って、トム・クルーズのピンチに次ぐピンチに、ジャッ・ジャッ・ジャーラッ♪とあの曲がかぶってさあどうなる~~という展開しか期待してなかった私は悲しさのあまり気を失いそうになりました。ジャン・レノも本当に客寄せパンダみたいな扱いだし、これじゃあ何ヶ月も大騒ぎして待たされた自分が可哀相です。もちろん続編は観ませんでした。たぶん雑念を取り払って、「スパイ大作戦」とも切り離して1つの作品として見れば決して駄目な作品ではなかったような気もするので、敢えて4点献上。でも実は「オースティン・パワーズ」の3作目に出て来たやつの方が、よっぽど自分が観たかった「ミッション:インポッシブル」でした。4点(2004-01-20 23:12:02) 7. ミスティック・リバー 遺憾ながら、前評判とは全く裏腹にごく普通の地味なサスペンス映画でしかなかった。映像は重厚、演技陣は優秀、シナリオも良く練り込まれていて何一つ問題はないのだが、美しすぎる映像と音楽、演技者達の演技の素晴らしさにストーリーが全然追い付いていない違和感が大きい。これだけの重厚感で盛り上げておきながら、あのオチはないだろう、というのが率直な感想。のっけからショーン・ペンの絶叫する「She's my daughter!」に涙を絞り取られ、予告編で何度も観たはずのティム・ロビンスの苦悩に振り回され、マーシャ・ゲイ・ハーデンの混乱に翻弄され、実に役者の存在感が際立つ作品なのであるが、後に残されるのは人生観もへったくれもないベタベタのミステリー。要するに偶然が巻き起こす運命のいたずらについて、過去を仮定法で回顧する形で「誰の身にも起こり得たこと」として描きたかった意図はわからなくもないが、物語のたどり着く結論が結局人生を変え得るのは教育でしかないという言われ尽くしたメッセージであることの不毛さに脱力した。前半の展開の速さに、「スリーパーズ」の失敗をここで是正しようとしているのかな、という妙な納得はあったが、「スリーパーズ」で児童虐待に励んでいたケビン・ベーコンに、大学教育によって低所得層からの脱出を果たした「勝ち組」を割り振ったのは冗談としか考えられない。クリント・イーストウッド御大は既に1作1作を遺作のつもりで撮っているのに違いないし、それだけの気迫の込められた作品ではある。限りなく良い評価をされる可能性の高い作品だし、おそらく賞レースでも沢山の賞を手にするだろうが、御大と呼ばれるほどの巨匠になってから傑作をモノにする監督が極めて少ないのもまた事実である。イーストウッドよ、誰もあなたに厳しいことが言えない状況は理解できる。でもあなたは決してハリウッドを一括している場合ではないと思うよ。私はあなたのファンです。6点(2004-01-13 06:44:41)(良:4票) 8. ミスティック・ピザ 田舎町を舞台にした人間模様を淡々と描くのが当時の流行りでもあったわけで、そういう中では突出したところもないけど普通に上手くまとめた無難な作品ではあると思います。ジュリア・ロバーツはやっぱりこの後ブレイクする要素は充分あったと思いますし、ほとんどエキストラ並みの扱われ方だったマット・デイモンとか顔ぶれはさりげなく地味豪華です。なんとなく地味で穏やかでちょっぴり心暖まりたい時にはこういうのも良いのではないでしょうか。はっきり言って女性向けだと思います。「フライド・グリーントマト」とか「マグノリアの花たち」とか、あのへんが好きな方なら見ておいて損はないと思います。8点(2004-01-11 13:10:38) 9. ミッション・トゥ・マーズ 期待したほどつまんなくなかったために、かえって評価が下がってしまった珍しい作品。デパルマが火星を撮る、って聞いてビビッたのは私ぐらいなんでしょうか。なんかこの人、器のスケールが大きくなってもちまちまとメインキャラの少ない映画を撮るんで、もう火星なんか行っちゃってどうすんの?とすくんでいたら案外火星っぽくて仰天した。もちろんデパルマだから火星とか宇宙船の仕掛けなんかもとても美しいのだけど、なんとなく火星がアリゾナの一角にあるような感じがしてそのへんからバスで行けそうなスケール感が楽しかった。犬さん同様、私もラストでは笑ってしまったが、あれはウケようと思ったのではないのだろうか。6点(2003-12-11 01:23:56)(笑:1票) 10. 身代金 これは素直に面白かったですね。ゲイリー・シニーズの役柄はちょっといかにもという感じでしたが、別にそれが足を引っ張ってるワケでもなかったし。メル・ギブソンの映画ってハズレが少ない気がします。オスカー監督になっても「リーサル・ウェポン」を捨てないメルがけっこう好きかも。8点(2003-11-30 02:22:08) 11. ミッドナイト・エクスプレス(1978) 最近の事情はわからないが、少なくとも80年代前半まで、この映画はトルコ大使館の抗議により地上波で放映できなかった。そういう経緯がますますこの物語の信憑性を増してしまうわけだが、公開当時これほどハラハラ、ドキドキしながら観た映画もなかった。普通に脱獄モノとして観ても十分楽しめるし、外国をナメてかかると恐ろしいことになるよ、という一つの教訓にもなっている。オリバー・ストーンはシナリオを書いてた頃の方が芸が生きていた気がする。これは必要な映画だし、葬ってはいけないとも思う。主役の二人はあっさり葬り去られたが。9点(2003-11-29 23:59:57) 12. ミシシッピー・バーニング なんでイギリス人のアラン・パーカーがこんな映画を撮ってるんだろう?という不思議はさておき、つい2、30年前までこういうコトが本当に起こっていた事実を世間が葬りかけた頃になって寝た子を起こした心意気は買います。ちゃんと面白いし、後で見返してもついつい最後まで観てしまうぐらいのしっかりした作りでした。どちらかというとアウトロー的なイメージの強いウィレム・デフォーがエリート捜査官で、ジーン・ハックマンが叩き上げというキャスティングも面白いし、いかにもな南部のホコリっぽいムードもうまく出ている。どうでもいいけどフランシス・マクドーマンドと朝丘雪路って似てませんか。7点(2003-11-29 23:32:04)(良:1票) 13. ミザリー 今まで観た映画のうちで一番コワイのはどれ?と聞かれたら、文句なく5本の指には入る作品。古今東西、スプラッターやオカルトまで含めても、このコワさはちょっと異質なもの。何度も観たいとはあまり思わないんだけど、とりあえず観ている間中ドキドキハラハラ楽しめたので、こういうのもありかなあ、とは思う。キャシー・ベイツの存在感を確立した作品。どんな血みどろの作品にも真似のできないコワさですね。これはコワイ。7点(2003-11-29 14:24:10)(良:1票) 14. ミュージック・オブ・ハート よくある教室モノの一つで、普通にしてても暑苦しいメリル・ストリープの存在感がここでも際立つ一篇。だから何なんだ感は否定できないが、言うべきほどの欠点もないごくごく普通の映画。偶然TVでオンエアしていたらわざわざチャンネルを変えるほどではないが、番組表に張り付いて録画予約をするほどでもない、という感じ。でもまあ、子供たちは可愛い。6点(2003-11-29 12:20:33) 15. ミート・ザ・ペアレンツ 明るい泥沼モノ・・・いいですね。もう、とことん可哀相な主人公についつい引き込まれてしまいます。ベン・スティラーってものすごくセンスいいですね。おしゃれだし、自分をよく知っている頭の良い人というイメージがあります。ロバート・デ・ニーロを相手にしても、全然引いてないところが素晴らしいです。特に自分と共通点のない主人公にここまで肩入れさせてしまうというのは、彼本来のキャラクターなのではないかと感じさせられます。ところどころかなりイタイですが、コメディなのでこのぐらいはあっていいと思いました。久しぶりに良くできたコメディにキチンと笑わせてもらった気がします。マジメによく頑張ったという感じ。8点(2003-11-22 17:38:27)
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