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1. ミッドナイト・イン・パリ
《ネタバレ》 これはものを作る人や作りたい人にとってのシンデレラ・ストーリー。「いつか白馬に乗った理想世界がボクを迎えに来てくれる」。主人公は偉大な芸術家たちに諸手を挙げて歓迎され常に気に入られすぐに腹を割った話ができる。萌え小説のクリエイター版か。
この映画にはウディ・アレンの願望・妄想・欲望が炸裂している。その恥ずかしいご開陳を決別という形にして自立した成長物語のふりをする。過去の世界に留まりたい気持ちはアドリアナが身代わりに実現させ、自分はちゃっかりと戻る。それも現代のパリという丁度よい落とし所で新しいお相手まで見つかる。「黄金時代」が幻想だと言ったのは「天敵」だった似非教養人のポール。そういえばアドリアナが19世紀で服装の斬新さを讃えられるのに明らかに場違いな21世紀人のギルは何も言われない。彼は帰る人だからか?夢の世界で1人醒めてしまった人か。ダブル黄金時代が黄金時代の幻想を醒ます。
数々の偉人の中でもロートレックがあまりにそのまんまでびっくりする。ピカソがずっと小物っぽいのも面白い。そしてキャシー・ベイツ扮するガートルード・スタインがめちゃくちゃ格好良い。ピカソやヘミングウェイにも堂々と意見するスタインはギルを励ます。成長物語のようでいて実は甘い甘い夢物語。僕もどこかへ引っ越したくなってきた。[インターネット(字幕)] 9点(2018-01-25 10:05:15)《改行有》
2. 見知らぬ乗客
《ネタバレ》 この映画は見所を語るとそのままあらすじになっちゃうんで、個人的に2ヶ所を。まずテニスの場面だが、アップは役者だが引きのプレイ場面は選手のはず。かなり上手いですよ。昔の木のラケットってまるで棍棒だから!暴走メリーゴーランドのシーンは、母親が半狂乱になってるのに中にいる子供は大喜び。こんなクライマックスにほのぼのジョークを挟み込むとはさすが(笑)。[DVD(字幕)] 7点(2013-10-06 16:26:26)
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