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プロフィール |
コメント数 |
160 |
性別 |
男性 |
年齢 |
61歳 |
自己紹介 |
メインストリームでは無いが映像プランナー/ディレクターを生業としています。 映画を観たのは小・中学時代がテレビの吹替えで。高校・大学時代は映画館で年間300本ほど…好きな作品はリピート鑑賞。ニューシネマより王道の娯楽作品を好みます。 吹替えの演技で好きになった映画も多数。広川太一郎、羽佐間道夫、大塚周夫、中村正、若山弦蔵、石丸博也は個人的に人間国宝に認定したい。 |
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1. ミスト
《ネタバレ》 観終わって、どう解釈していいのやら? でしたが(笑)
結局。救われたのはエゴの無い者だけなのかと。
主人公の行動は英雄的に見えても、冷静に見れば無謀な賭けでしかなく、それも一種のエゴイズム。
彼の最後の判断ミスはそれを象徴してるんでしょう。
エンタメ映画の単純な夢《現実には無いヒロイズム》を現実的な悲劇に導き、観客を夢から悪夢に引きずり込んだ。
タラボンのニヤニヤ笑いが目に浮かぶ。そんな映画でした。[DVD(字幕)] 6点(2021-07-19 18:19:31)《改行有》
2. ミッドサマー
《ネタバレ》 原点は古いが、代々その時に更新されてきた聖典なるものに準じて生きる不思議な村(コミュニティ?)を訪れたアメリカ人大学生の運命を描いた映画。
だんだん怪しくなっていく《村の儀式》が主役とも言えるが、私見だがこれ、現代人を揶揄してるとも捉えられる。
二面性、高齢化批判、薬物常用、居心地よいコミュニティへの依存、人工授精、隠れエログロ、同属殺し、人体解体(猟奇)マニア etc...
極めつけは “くま○ン” 動物の毛皮(死体)を着る残忍性。
アリ・アスター監督の創作欲求の根源が正直わからなかったが、コレだろうと。
現代社会の“気持ち悪さ”に対する告発「この異常な集団がお前(オレ)たち人間だ!」じゃないかと。違う?
まあ、それが観客に伝わるかと言えば、伝わらない。ほとんどはポカーンか、映画テクニックへの称賛なんだろうな。
【レビュー更新】
初見のレビューも書いたけれど、少々考え直したのでレビューを更新。
ただし公式サイトの完全解説や、他のレビューを見ずに書いています。
(正解探しではなく「私にはこう観た」という考察です)
このコミュニティ(村?)には色々と矛盾がありますね。
村人は外界と行き来があり、それなりに文化的生活をおくっている。にも関わらず、住人たちには自我が感じられない。
表面上は幸せそうだが、裏で強烈なルールに縛られ生活を制限されている。そこまでして、この環境に村人たちが依存する理由は何か?
古(いにしえ)からの経典を守って?近親相姦で生まれる奇形の王の存在?いずれもそこまでの強制力は無いように見える。
これが、文明社会と隔絶された未開の地の食人族ならそれもわかるが。
この村のレベルであれば、脱走や反抗、支配権を狙う革命が続発して、数年も保たずに体制が崩壊するでしょう。
そもそも過去にも同様の拉致殺害を行っているなら、外界の手で捜査され証拠がワンサカ見つかって、早々に強制解体という運命のはず(笑)
どう考えても《現実には成立し得ない》コミュニティです。
そう考えると、この出来事自体が「家族の不幸で心を病んだダニーが作り出した妄想」じゃないかと思えます。
村に踏み込んでドラッグを使った時点からの幻覚じゃないかと。
関係ないが、この村に来る道中の描写は「シャイニング」的ですね。主人公の名はダニーだし(笑)
それから、多くの映画は体制(多数派の強制)から脱しようと闘う個人の話ですよね。自由主義世界の映画ですから当然「自由=正義」な訳で。
しかし、ミッドサマーは真逆。「自由=悪」の世界。だから居心地が悪く、理解不能でとっても怖い。
多様性がなく均一的で思考の停止した世界。無感情に生きたい者が逃げ込む「精神的秘境」とも呼べる楽園。
それはダニーの精神世界であり、アリ・アスター監督の趣味の箱庭だと思います。
私は、その箱庭を「アリ・地獄」と命名します!(笑)
余談ですが、私が観た劇場では“オーバー72ダイブ”のシーンで、御婦人が2人 途中退場されました。お気の毒です。
映画の中にも外にも、それと知らずに「天国のような地獄」に踏み込んでしまった犠牲者がいる訳です。
ディレクターズ・カット版も近く上映されるとのこと。(R15+→R18+で 外道さグレードアップ?)
《 2020.3.5にfacebookの映画グループに投稿したレビューを転載しました。》[映画館(字幕)] 6点(2020-03-02 14:28:41)(良:3票) 《改行有》
3. ミッション:インポッシブル/フォールアウト
《ネタバレ》 スパイ大作戦(あえてそう呼ぶ)テーマ曲の低音が効いたアレンジVer.と火花が散る導火線!
お馴染み、本編ダイジェストのオープニングから傑作の予感が・・・
『スパイ大作戦』は『奥様は魔女』とともに幼少の頃によく見ていたTVドラマだ。
そのテーマ曲が今風にアレンジされて (007のテーマよろしく)ここぞ!というタイミングで鳴り響く♪
思わず条件反射で、唾液が...いや、気分が高揚する。
“ノンストップ・アクション !! ”と宣伝される映画は数知れない。
しかし、今作はアクションが終わったと思った瞬間、次のアクションが間髪入れず始まる
本当にノンストップなアクション映画だった。
加えて各シーンが絵としてとても美しく撮られており映画としての品格すら感じる。
撮影監督ロブ・ハーディの功績は非常に大きい。
トム・クルーズは、新旧の映画を実によく研究している。
崖のアクション(文字通りのクリフハンガー)を例にとっても
・007ユア・アイズ・オンリー
・インディ・ジョーンズ魔宮の伝説
・クリフハンガー
・ロストワールド(ジュラシックパーク2)
・ブラックパンサー
それぞれの良い部分を組み合わせて再構築している。
他のアクションシーンも総て、原点となった映画が思い浮かぶが、
パロディやオマージュに留まらず、新しい背景やリアリティが加えられていて新鮮に見える。
もしかして・・・これは、年齢的にも限界を感じ始めたトム・クルーズが、やりたかったアクションを総て詰め込んだ作品。
命がけのアクションからの〝華麗なる卒業式〟なのかも知れない。[映画館(吹替)] 8点(2018-08-06 20:05:36)《改行有》
4. 未知との遭遇
《ネタバレ》 劇場で観なければ、評価してはいけない映画
エンドロールを見ながら、なぜか涙が…
中3のとき劇場公開された作品。監督はスティーブン・スピルバーグ。前作「ジョーズ」で世界興行を塗り替えて注目された。その、ジョーズにつぐ新作は映画の内容を極秘にして公開された。
なぜなら、異星人とのリアルなファーストコンタクトを初めて描いた=観客に体験させる映画だったからだ。
衝撃音とともに暗闇から明転する冒頭から、超常現象的な恐怖さえ感じる前半、ドキュメンタリータッチでサスペンスフルな中盤、そして光と音、SFとファンタジーが一体となった壮大なファーストコンタクト。
まさに、ビデオ以前の時代だからこそ誕生した、巨大スクリーンと70mmフィルムの超大作シネラマ映画だった。
同じSFで、ほぼ同時期に公開された「スター・ウォーズ」も劇場で鑑賞したが、当時の私の評価は断然「未知との遭遇」が上だった。「スター・ウォーズ」は大ヒットしていて劇場は満員立ち見で印象が悪かったのかも知れないが。笑
さて、「未知との遭遇」の主人公のロイは勤勉な電気技師だがアニメや模型が好きだったりと子供のような一面がある。濃くはないがライトなオタク系だ。
アメリカの青年の中では立場の低いオタク系男子の成人した姿。それは監督自身の姿でもある筈。
映画が公開された1977年の日本は、まだアニメブームの夜明け前。とは言え、オタク文化の基礎は作られつつあって音楽やアート、マンガやアニメ、SFなどは急速にハイレベル化し専門の雑誌も創刊され、高校生、大学生に与える影響も大きくなっていた時期。
だが、高度成長期を生きてきた当時の親世代は財産を蓄え家族の安定を人生の目標としていたので、当然、ジェネレーションギャップが生じ「親たちの普通」へ子供を矯正しようとした。
ロイに起こった遭遇事件はスクリーンのこちら側の観客だけが知っている事実で、彼の言動は安定志向の妻や子供には理解されない。自分の夢を身近な家族に理解してもらえず孤立してしまう。
漠然と映画やアート系の仕事を目指していたけれど親の猛烈な抵抗にあった当時の私にとって、ロイ・ニアリーは心情的に共感できる人物だったんだと思う。
映画オタクだったスピルバーグ青年がスタジオシステムの中で「ジョーズ」を成功させるまでにも多くの抵抗勢力があったに違いない。
「障害を振り払い平穏を捨ててでも進まない限り、夢には到達できない。」と、映画を通してスピルバーグは叫んでいたのだと思う。それが、中3の私にも何となく伝わって涙がでたのかも知れない。
今の私の仕事はこの映画に遭遇した結果なので、個人的に貴重な作品。そういう意味でこの評価です。[映画館(字幕)] 9点(2014-04-07 18:34:31)(良:3票) 《改行有》
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