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プロフィール |
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914 |
性別 |
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自己紹介 |
ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。 「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。 映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。 目指せ1000本! |
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1. 麦の穂をゆらす風
《ネタバレ》 アイルランドの歴史を知らないとかなり厳しい。ドラマティックな展開もないまま淡々とシビアに、自由を勝ち取ることにどれだけの代償と犠牲を払うかをリアルに突き付ける。妥協するか、完全な独立のために戦うかで自ずと引き裂かれていく兄弟の悲劇すらも。イギリスのEU離脱によってアイルランド統一の可能性はあるが、その"続編"は見てみたい。[DVD(字幕)] 4点(2021-12-09 21:32:44)
2. 息子の部屋
《ネタバレ》 変に感動を盛り上げることなく淡々と綴っていく作風のため、拍子抜けするならともかく、息子を失った家族という普遍的なテーマから新しい発見や衝撃が見つからない。息子の友人をフランスの国境まで送って、家族は喪失を受け入れることができた。それは分かるけど、もっと踏み込める部分はあったのではないか。全て想定内で終わってしまっている。と言いながらも、棺桶の蓋をバーナーで封じ込めるシーン、もう戻れないと分かっていながら息子を海に行かせず一緒に走る妄想シーン、英語歌詞のスローテンポな主題歌"By This River"が心の片隅に残って、どうも凡作扱いにはできない何かがある。[DVD(字幕)] 6点(2017-08-02 22:55:55)
3. 息子のまなざし
《ネタバレ》 多くの親なら自分の子を殺した未成年が目の前にいたら迷わずに殺すだろう。
大抵のフィクションは復讐してはいけないと綺麗事を発してやめさせるが、
むしろ復讐に徹した方が観客に受けるし清々しい。
では、ダルテンヌ兄弟ならどうするか?
悪く言えば、言葉を濁してどちらかにジャッジを下すかはしない。
あまりにも居心地の悪い関係をじっくり映し出すことに専念する。
物語を映像で語り、少しずつ地図が出来上がっていく。
「あの少年はもしかしたら、俺の息子を殺したんじゃ…」
それを象徴するのがサッカーゲームであり、少年の独白である。
本当は殺すつもりはなかったとしても、彼を更生させて真っ当な家庭を築かせることが、
息子の人生を奪われた男にとって耐えられるだろうか。
結局復讐は未遂に終わるが、それでも少年が男についていくラストが胸を打つ。
たとえ無音の漆黒のエンドロールが流れ、想像の中で再び少年に手にかけるとしても。[DVD(字幕)] 7点(2017-06-08 19:12:00)《改行有》
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